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■温暖化対策:ロシア、ドイツの環境問題専門家が見解

 今年6月にドイツで開かれる主要国首脳会議(ハイリゲンダム・サミット)で、重要な議題となる地球温暖化対策について、参加国であるロシアとドイツの環境問題の専門家が毎日新聞の取材に応じ、それぞれの国の立場に沿った見解を述べた。

 ◇「各国、2度上昇までに」

 【ベルリン小谷守彦】メルケル独首相の科学顧問として、ドイツの先進的な気候変動への取り組みを主導してきたハンス・シェルンフーバー・ポツダム気候影響研究所(PIK)所長が毎日新聞との会見に応じ、サミットで参加国は、温暖化の度合いを産業発展が始まってから2度以内の上昇にとどめることで一致すべきだと強調した。

 シェルンフーバー所長が目標として提案したのは(1)温暖化を2度上昇までにとどめる(2)エネルギー利用効率改善の数値目標を打ち出す(3)世界的な温室効果ガス排出権市場を確立する方向で一致する--の3点。

 所長は「現時点で温暖化防止の措置を完全に取ったとしても、気温上昇はすぐには止まらず、0・5~0・6度は上昇する」と指摘。そのうえで2050年までに90年比で温室効果ガスを半減させるためには先進国が80%削減を率先して実行しなければならないとも主張した。

 今後のポスト京都議定書をめぐる交渉が失敗すれば「何年も政治的なマヒ状態が続く恐れがある」と述べ、サミットをポスト京都議定書交渉に向けたステップと位置付けて、成功させるようにも訴えた。

 シェルンフーバー所長は昨年12月、メルケル政権の気候変動問題顧問に任命された。欧州委員会のバローゾ委員長の顧問も務める。

 ◇「露・中も50%削減可能」

 【モスクワ杉尾直哉】環境専門家として主要国首脳会議でロシア政府代表に加わるロシア科学アカデミー欧州研究所のセルゲイ・ロギンコ環境開発部会代表が17日、毎日新聞と会見した。日本が提案する「50年までに世界の温室効果ガスの排出量を50%削減する」との目標について「ロシアや中国は今後、短期的には排出量が増えるが、長期的には削減が可能」と支持を表明した。

 ロギンコ氏は「議長国ドイツが盛り込みたい大幅な削減目標に米国が強硬に反対している。議長総括で温暖化問題の具体的な成果を得るのは難しい」と指摘した。一方で「この問題に意欲的な日本が、来年の日本サミットで意義あるメッセージを打ち出すだろう」と期待を寄せた。

 来年からロシアで始まる京都議定書による温暖化防止策についてロギンコ氏は「今後3カ月ほどで準備が完了する」と述べた。しかし排出権の取引については「取引価格が乱高下する投機的な市場ができる可能性が高く、効果は疑問だ」と否定的な見方を示した。ロシア政府は、排出権取引よりも先進国同士による削減事業の共同実施(JI)を推進したい考えという。

 13年以降の「ポスト京都議定書」の期間については「50年ぐらいまでの期間をにらんで対策を考えるべきだ」と述べた。

 ロギンコ氏は、ロシア石油業界で温暖化対策を進める独立機関「JI委員会」の代表も務める。

〔毎日新聞〕

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Posted by nob : 2007年05月20日 11:22