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そんなに甘くない。。。

■自費出版でトラブル相次ぐ「本屋に並ぶと思ったのに」

 「全国に広く流通」「全国の書店から注文できる」などとうたった自費出版ビジネスをめぐり、著者と出版社の間でトラブルが持ち上がっている。著者のなかには「ほとんど店頭に並んでいない」と不満を訴える人もいる。4日午前、3人の著者らが、「本が店頭に並ぶと誤解させられて契約した」として、大手自費出版社を相手取り、出版代金計約800万円の賠償などを求めて東京地裁に提訴した。

 流通する自費出版をめぐっては、約10年前に年間数百点規模だった出版点数が、06年に年間4000点を超えるなど、市場は拡大している。インターネットの普及や「団塊の世代」の大量定年で、自己表現の場を求める人が増えているためだが、出版が増えるに連れ、営業や勧誘手法に疑問の声が上がるようになった。

 自費出版は、自分史や小説、画集などを自費製作し、身近な人に配ることが多い。一方、流通版では、著者が出版費用を負担するのは同じだが、取次業者を通して書店の注文に応じて配本されたり、書店に置かれた専用棚に並んだりする。

 流通する自費出版を担う出版社は出版相談会や、賞を受賞すると無料で出版できるコンテストを開いて出版作品を募っている。書店への営業や広告宣伝をする分、やや割高で、500部製作で、100万~200万円が相場だ。

 原告の一人、徳島県の30歳代の男性は05年夏、この自費出版社のコンテストに応募。落選後の同年末に勧誘を受け、約150万円で500部を出版する契約を結んだ。翌夏、写真とイラストを組み合わせたアート集を出版したが、都内などの出版社の直営店のほか、地元百貨店内の書店など3店に並んだだけだった。

 男性は「東京や大阪など大都市圏の書店に並ぶと思ったからこそ出版契約を結んだ。そうでなければ契約はしていない」と不満を訴える。

 同社はコンテストの落選者にも自費出版を持ちかけることがあると明示しているが、落選作品に褒め言葉を並べる営業手法に疑問の声もある。

 滋賀県に住む別の男性は昨夏、写真コンテストに応募・落選した後に出版の勧誘を受けた。「営業担当者から『こんないい写真は手放したくない』とおだてられ、舞い上がってしまった」。男性は昨年末に500部製作の出版契約を結び、手付金の100万円を支払ったが、出版社側の流通方法への説明に不信感を抱き、契約取り消しを求めている。

 元社員も「コンテストの応募者には、『表現がすばらしい』『発想がユニーク』などと褒め言葉を並べて出版を持ちかけた」と打ち明ける。

 一方、この自費出版社の社長は「著者の舞台を広げることがうちのテーマで、ベストセラー作家になった人もいる。作品ごとに全国の書店に営業をしているが、全国の書店に並べるとは約束していない。コンテストは本を出したい人のための賞で、うちの本は自信を持って流通できるものばかりと思っている」と説明する。

 流通する自費出版をめぐっては、同じように書店に並ぶことを売り物にしていた業界大手の碧天舎(へきてんしゃ)が昨年春に多額の出版費用を集めて倒産。約250人の出版が頓挫するなどのトラブルも起きている。

 ■「売れるものは少数」納得して契約を

 〈出版ニュース社代表で東京女子大講師の清田義昭さんの話〉 自費出版はだれもが自由に表現できるメディアで、出版や言論の多様性を担保する意味で出版点数が増えているのはいいことだ。内容も絵本や小説、写真集など多様化している。ただ、書店に流通しても売れるものは限られている。著者は売れるものは少ないと認識し、出版社側はどの書店にも並ぶわけではないときちんと説明し、お互いが納得して出版契約を交わすべきだろう。

〔朝日新聞〕

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Posted by nob : 2007年07月04日 15:54