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■ライブ・アース エコ意識高まったか?
地球温暖化防止を訴え、8カ国をリレーして丸1日開かれたコンサート「ライブ・アース」。日本でも千葉、京都の2会場に計約1万5500人が訪れたイベントで、観客の環境への意識は高まっただろうか。
「ライブ・アース」はゴア元米副大統領らの呼びかけで100組以上のアーティストが参加、20億人の視聴者に中継された。
千葉・幕張メッセ会場は7日正午、開幕。ゴア氏が映像で現れ、「温暖化防止のため共に行動しよう」と訴えた。大塚愛、倖田來未ら計11組が次々登場。ステージで「環境」に対して少しずつコメントした。
RIZEのボーカルJESSEはエレキギターを指さし、「これを商売にしている限りエコも何もないけれど、無駄遣いはしないようにしている」と語った。
異彩を放っていたのは、出身地沖縄の話題を取り上げたCocco。米軍へリポート移設予定の海岸に、それまで姿を見せなかったジュゴン2頭が現れた話を涙ながらに語り「ジュゴンの見える丘」を「2頭のためだけに」熱唱した。
一方、京都会場は東寺の境内、金堂の前にステージが設けられ、5組が登場。ボニーピンクは、冷房でなくうちわで暑さをしのいでいる、と身近な取り組みを紹介、「できることから地球に優しいことを増やして欲しい」と呼びかけた。
目玉はYMO。この名前での演奏は14年ぶりで、登場前から大きな歓声がわき起こった。近未来的なセットで「ライディーン」などを披露、観客を魅了した。
両会場の電力は太陽光やバイオディーゼル燃料による発電でまかなうなど、「環境負荷の少ない」コンサートをアピール。ゴミ処理にも力を入れ、幕張はボランティアが9分別の処理に誘導、京都はゴミ箱を設けず、係員が「ゴミ一つ落ちていない会場で終わらせましょう」と呼びかけた。
今回のイベントの主目的は啓発。幕張ではステージ転換時に「生活スタイルの変更」を呼びかける映像が繰り返し流れていた。
しかし、アーティストが飲みかけのペットボトルを客席に投げる光景もみられ、早々と喫煙所が撤収されたせいか、終演後は入り口にたばこの吸い殻が大量に散乱していた。1万2000人が集まった9時間のコンサートの間に消費された飲食物の容器が、指定の収集所と異なるトイレのゴミ箱周りに山をなしていた。
果たして啓発に大量動員の長時間ライブはふさわしいのか。特別公演の京都は2時間のライブに3500人。ステージにメッセージ映像が流れない代わりにUAらアーティストは歌にメッセージ性をこめた。飲食の必要がないせいか、閉演後の会場にゴミはほとんど落ちていなかった。映像や音が瞬時にメディアで広がるいま、京都型のミニマムライブで世界をリレーする方法はなかっただろうか。
〔朝日新聞〕
Posted by nob : 2007年07月11日 20:46