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原発、、、これも勇気ある撤退を。。。
■核燃プールで設備落下 不具合1478件 柏崎刈羽原発
新潟県中越沖地震で被災し、東京電力柏崎刈羽原発が運転停止に陥ってから約1カ月。被害状況の調査が進むにつれて、原子炉関連施設で想定外の被害が相次いで確認されている。5カ所の使用済み核燃料貯蔵プールで、側壁に固定されていた重さ約200キロの水中作業台が地震で外れ、一部は核燃料ラック(ケース)に落下。消火用配管が寸断され、広範囲で消火不能に陥っていたことも明らかになった。
地震で水中作業台が外れたのは、2、3、4、6、7号機の使用済み核燃料を貯蔵しているプール。作業台はアルミ製(幅約2.4~4.7メートル、奥行き約0.7メートル、重さ約200~210キロ)で、水面下約2メートルの壁面にフックなどで固定され、点検作業で使った物などを一時的に置いている。
4、7号機では作業台が完全に外れて、約6メートル下にある核燃料が格納されているステンレス製のラックの上に落ちた。2号機でも作業台が落下したが、下にラックはなかった。
3、6号機では、地震で作業台が壁面から一部外れ、水中でぶら下がっている状態。現在は落下しないようにワイヤで固定しているという。
東電によると、作業台は「工具」のような扱いとしている。耐震性の基準はなく、特別な落下防止装置もなかった。
東電は「(核燃料の)損傷の可能性は全くなかったとは言い切れないが、プール内の水の放射能を分析した結果、燃料は破損していないと考えている」としている。
3号機変圧器で発生した火災は、地盤沈下などで地中の消火用配管が破裂して自衛消防隊は消火活動ができなかった。
その後の調査で、消火栓は3号機だけでなく、1~4号機の広範囲で使用不能に陥っていた疑いが強まった。1~4号機の屋外施設用の消火用配管網は地下で一体化しており、5カ所で損傷が見つかった。1、2号機の変圧器でも地震で油が漏れ、火災が発生する恐れがあった。
東電幹部は「今回の地震では、放射能を管理する施設については耐震を維持できたと思っている」とした上で、「落下物や地盤沈下などで付属施設がやられた。これらの施設を地震や落下物からいかに守るかということが教訓として残った」と話している。
■放射線管理区域 2000トン以上の水
東京電力柏崎刈羽原発で、地震による影響で起きた不具合1478件のうち、水漏れ・浸水の被害が約260件で、全体の約2割を占めた。ひびなどの建物の損壊と合わせると約540件に上り、原発施設自体の被害の大きさが浮かび上がった。
7月末時点で確認された事案を分類(複数該当例あり)したところ、施設内への消火用水、雨水、海水などの「浸水」は、原子炉関連施設では203件(事務本館など付属施設を含めると264件)。壁面のひびなどの建物損壊は144件(272件)、装置や機器の損傷は254件(375件)、設備などの落下、倒壊は89件(126件)。その他の事案は307件(447件)。
「浸水」の事案では、1~7のすべての号機で使用済み燃料プールの水が作業フロアにあふれたほか、消火用配管などの破裂が原因で、放射線管理区域に2000トン以上の大量の水が入り込んだ。
建物被害では、1号機原子炉建屋で地下5~3階の壁、床、階段に亀裂などが確認された。4号機タービン建屋でも地下3~2階で壁などが破損、6号機のタービン建屋では壁や床に亀裂が入った。
装置損壊では、1号機のタービン建屋で消火系のケーブルや二酸化炭素配管が破断。軽油タンクでは、泡消火用の火災感知器で断線があった。
〔朝日新聞〕
■「被害は予想下回る」IAEA、柏崎原発の調査結果発表
国際原子力機関(IAEA)は14日、新潟県中越沖地震で被災した東京電力柏崎刈羽原発の調査結果について、「被害は予想を下回るものだった」とするプレスリリースを発表した。正式の報告書は、数日中に公表される。IAEAの「エルバラダイ事務局長は「調査結果と日本側の分析は、世界中の原発に対し、肯定的な面も、否定的な面も含め、重要な教訓を含む内容だ」としている。
IAEAは現地調査を4日間行い、地震時の記録などを分析。今回の被害は原子炉本体や原子炉の安全に関するシステムに影響を与えない部分に限られていたようだとし、緊急時の安全機能も正常に働いたとの結論に達したという。放射能漏れについては、東京電力の記録や分析を調べた結果、健康や環境に影響が出る量をはるかに下回る量だったとする日本側の結論が裏付けられたとしている。
今回の発表は、IAEAによる、とりあえずの「安全宣言」と言える。ただ一方で、IAEA調査団は原子炉内部の状態などを確認しておらず、東京電力、さらに経済産業省原子力安全・保安院が進めている調査や分析の詳細な分析が重要だと指摘。原子炉格納容器、炉心、燃料棒等の精密検査はまだ進行中であるとして、判断を留保した。
また地震が施設に与えた影響については、施設の一部に、長期的な安全操業に影響を与える可能性もあるとしている。問題となりうる部分については、施設の交換を早めに行う必要があるかどうかを決めるため、今後、追加的な工学的分析を行うことを考慮すべきだとしている。
〔朝日新聞〕
Posted by nob : 2007年08月15日 12:21