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さらなるオープンソース・マルチプラットホーム化推進に期待。。。

■米アドビが新戦略,携帯/PC/テレビを問わずFlashとAIRを実行可能に

 米アドビシステムズは2008年5月1日(米国時間),同社のマルチメディア実行環境「Flash」と,リッチクライアント実行環境「AIR」を機器の差を考えることなく,動作させられるようにしていく戦略「Open Screen Project」を発表した。

 これまで,パソコン用はFlash,携帯電話用はFlash Liteという具合に,環境によって実行環境が分かれていた。また,コンテンツもそれぞれの機器向けに作成する必要があった。今後,パソコン,携帯電話,MID(mobile internet device),セットトップ・ボックスなどでこの壁をなくし,デバイスの差を問わず,同じコンテンツを楽しめるようにするという。

 アドビは,機器の開発者がさまざまな機器に,FlashおよびAIRを搭載しやすくするように次の施策を実施する。(1)SWFおよび FLV/F4V仕様の利用制限の撤廃,(2)Flash Player向けのデバイス・ポーティング・レイヤーAPIの公開,(3)ロバスト・データ・サービス向けのFlash CastプロトコルとAMFプロトコルの公開,(4)Flash PlayerとAIRのデバイス実装ライセンス料の撤廃——である。

 この方針に対して,英ARM,中国の中華電信,米シスコ,米インテル,韓LG電子,米マーベル,米モトローラ,フィンランドのノキア,NTTドコモ,クアルコム,韓サムスン電子,英ソニー・エリクソン・モバイル・コミュニケーションズ,東芝,米ベライゾン・ワイヤレスなどの通信事業者/メーカーのほか,英BBC,米MTVネットワークス,米NBCユニバーサルなどの放送事業者が協力していくことを表明している。

[ITpro]


*参考
リッチ・クライアントはいよいよ次世代に突入、アドビが「AIR」正式発表

 アドビシステムズは2008年2月27日、アプリケーション実行環境「AIR(Adobe Integrated Runtime)」の正式版を公開したと発表した。同日からWindows用とMac OS用それぞれの英語版について無償提供を開始した。日本語版やLinux版の提供は2008年半ばの予定。

 AIRは、Web技術を使ったクライアント・アプリケーションの実行環境。アドビのマルチメディア処理技術であるFlashだけでなく、HTML やAjax、PDFなど、現在Webブラウザが処理している画面周りの技術を一通りサポートしており、AIRはこれらを一手に引き受けて実行する。

 AIR上ではWebブラウザと同等のWebアプリケーションが実現できる。加えて、ローカル・ファイルへのアクセスやクリップボード機能のサポートなど、クライアント側に実行環境を置いたAIRならではの特徴も備える。

 パソコン側にあるExcelファイルとサーバー側のデータベースの両方を取り込んで画面上にグラフ表示し、PDFとして加工したレポートをサーバー側にアップするといった、「いわゆるデスクトップ・アプリとWebアプリの良い面を組み合わせたアプリケーションを容易に実現できる」(アドビ日本法人のギャレット・イルグ社長)という。操作性を高めたWebアプリケーションは「リッチ・クライアント」と言われているが、アドビは一連の特徴を兼ね備えるクライアント・アプリケーションをRIA(リッチ・インターネット・アプリケーション)と呼んでいる。

 AIRはオフラインで動作するアプリケーションも考慮に入れており、ローカル用のデータベース機能を備える。ネットワークに接続していないオフライン時に手元で顧客情報を入力しておき、ネットワークに接続した際にサーバー側のデータベースと同期するといった、「これまでの一般的なWebアプリケーションでは不可能だった動作も実現可能」(イルグ社長)だ。

 Webブラウザに依存しないWebアプリケーションを実現できるのも特徴。当然AIRには依存するものの、Webブラウザの個別事情やバージョンアップの影響を受けにくいため、「Webブラウザとそのバージョンごとに動作を確認し調整する手間を省ける」(イルグ社長)としている。

 イルグ社長は「FlashやPDFと同様に、AIRを世界標準のプラットフォームとして普及させていく」と語る。アドビはAIRのベータ版を2007年1月から公開開始。開発者の間では開発コード名「Apollo」として知られていた。

 すでにAIRを業務アプリケーションに適用したユーザー企業もある。記者発表会では、シャープで稼働している経営者向け情報閲覧システム「エグゼクティブ・コックピット」のデモを見せた(写真)。独SAPのERPパッケージ・ソフトなどによる基幹系システムの情報を、図を使って効果的に表示するシステムである。SAPジャパンとデザイン会社のサイトフォーディーが開発協力した。

 世界地図上で拠点の概要を一覧してから詳細情報をたどったり、過去の閲覧履歴を記録しておき再確認したい情報にすぐ戻れるようにするなど、「ユーザーの思考プロセスや欲求に沿った操作が可能になっている」(サイトフォーディーの隈元章次社長)。今後はビデオ会議機能を直接起動できる機能などを追加していくという(エグゼクティブ・コックピットの関連記事)。

 アドビは同日、アプリケーション開発・実行用のツール群「Flex 3」も発表した。Flex 3は従来から提供してきた「Flex 2」の新バージョン。AIR上で動作するアプリケーションやFlashを画面に使った業務アプリケーションを、開発言語「MXML」などを使って開発できる。Flex 3の主な構成要素はSDK(ソフトウエア開発キット)と開発ツール「Flex Builder 3」など。

 Flex 3のSDKはオープンソースとし、無償提供する。2月26日からアドビのWebサイトでダウンロード可能。Flex Builder 3はStandard版が3万1500円、テスト機能などを強化したProfessional版が8万9250円(いずれも税込み価格)。出荷は3月中旬の予定。「AIRはFlash、PDFに次ぐコア製品」

AIRをどう普及させていくか。

 FlashやPDFは、世界中のほとんどのパソコンにインストールされている、と言っていいほどになった。これと同じレベルにAIRを持って行きたい。2008年はAIRとFlexを核に、RIA(リッチ・インターネット・アプリケーション)の浸透を進めていく。FlexのSDKをオープンソース化し、無償公開したのは、AIR、ひいてはRIAの広がりをよりプッシュしていく意味がある。

より効果的なRIAの構築には、RIAにかかわるデザイナーや開発者人口の増加、それからGUIの「機能美」に対する世の理解を深めることが欠かせない。

 すでにシャープが先行ユーザーとしてAIRを使った経営情報システムを稼働させている。またアスクルや(米オークション・サイトの)eBayも顧客向けアプリケーションをAIRで構築中だ。ほかにも楽天、SAPジャパン、ナスダック証券取引所、The New York Times、ドイツ銀行などがAIRの採用に踏み切った。こうした先進的なユーザーが効果的なRIAを作り、その威力を実感するようになれば、品質の高い RIAが広がっていくはずだ。

 また、製品を介してデザイナーと開発者の融合を促していく。今回発表した「Flex Builder 3」には、当社が提供しているデザイン・ツールの「Creative Suite 3」と密に連携する機能を搭載した。これでデザイナーと開発者の協調作業がやりやすくなる。

(高下 義弘=日経コンピュータ)

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Posted by nob : 2008年05月05日 12:28