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■「金総書記がサッカー観戦」 朝鮮中央通信、51日ぶり動静報道
北朝鮮の朝鮮中央通信は4日、金正日総書記が金日成総合大学創立62周年に際して大学生のサッカー試合を観戦したと報じた。観覧日や場所などは不明。北朝鮮メディアが総書記の動静を報道するのは8月中旬以来51日ぶり。朝鮮通信(東京)が伝えた。
金総書記は8月中旬に倒れたとする「健康悪化説」が出ており、動静報道の「空白」は今まで最長になっていた。金日成大の創立記念日は10月1日で、報道が事実ならばサッカーを観戦できる健康状態ということになる。だが、韓国の聯合ニュースは「報道は観覧場所などを特定しておらず、競技場以外で観覧したなどの可能性もある」と指摘した。(ソウル=山口真典)
[日本経済新聞]
■金総書記重病説:51日ぶり動静報道、その意図とは
脳血管障害で手術を受け現在回復中だといわれている北朝鮮の金正日(キム・ジョンイル)総書記が、金日成(キム・イルソン)総合大学創立62周年を記念して行われた同大学と平壌鉄道大学のサッカーの試合を観戦した、と北朝鮮メディアが4日報じた。
北朝鮮メディアが金総書記の動静を報道するのは、8月14日に人民軍の部隊を視察したという報道を行って以来、51日ぶりのことだ。北朝鮮の住民が視聴している朝鮮中央放送や対外宣伝用の平壌放送も、5日に同様の内容を繰り返し報じた。情報機関の当局者は、「対内・対外的に同じ内容を報道したことから、(報道が)事実である可能性に重きを置いているが、衛星写真などを分析中で、最終的に判断するにはもう少し見守らなければならない」と語った。
北朝鮮は、今回の報道に関連する写真や動画は一切出さなかった。具体的な観戦時間や場所も明らかにしていない。このため、金総書記が視聴者に公開されない貴賓席などにごくわずかな時間姿を見せた可能性や、録画された試合の様子を療養所などで見た可能性などと共に、報道内容自体がそもそもウソだという可能性まで提起されている。これについて情報当局者は、「身動きに不便があるなど金総書記の病状を見て取られる可能性があるため、写真などは公開しなかったようだ」と語った。
同日の北朝鮮の報道の背景については、「金総書記が健康だということをアピールしようという意図が濃厚だ」(治安政策研究所ユ・ドンリョル研究官)という見解が多い。実際、朝鮮中央通信は5日にこの件を報じる際、李在一(リ・ジェイル)労働党第一副部長が金総書記に随行したと報じたが、この人物は金総書記関連の宣伝・扇動を総括している。
金総書記の健康不安説が浮上した上に食糧事情の悪化まで重なり、社会不安などを懸念した北朝鮮当局が、「民心の沈静化」のために今回の報道を決定した、という分析も出ている。米国の自由アジア放送(RFA)は5日、最近北朝鮮を訪れた中国政府のある幹部が「(4日の報道が事実であれば)民心の悪化を防ぐためのものとみられる」と語った旨を報じたが、これも同じ脈絡のものだ。
またそのほかに、「北朝鮮では、核問題などの交渉相手である米国や韓国などから北朝鮮崩壊論まで出ている今の状況を遮断する必要があるのだろう」(ある北朝鮮専門家)、「6カ国協議の米国首席代表を務めるヒル国務次官補による北朝鮮訪問(10月1‐3日)直後にこうした報道が出たのは、北朝鮮の核や対南問題などを依然として金総書記が掌握していることを示そうという意図」(国策研究所の某研究員)という解釈もある。
当局者や専門家らは、結局のところ、金総書記が健在かどうかを判断することができる確実なチャンスは今月10日の労働党創党記念イベントだとみている。ある当局者は「10日にも依然金総書記の姿が公開されなければ、健康不安説はさらに増幅されるだろう」と語った。
安勇炫(アン・ヨンヒョン)記者
[朝鮮日報/6日追加]
Posted by nob : 2008年10月05日 14:13