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彼がこんな人物であることは責められない、、、こんな人物を空幕長にしてしまう国が責められるべき。。。

■前空幕長論文問題:田母神俊雄・前航空幕僚長参考人質疑 詳報--参院外交防衛委

 ◇論文応募は組織的か--民主・浅尾氏
 ◇指示すれば1000本可能--田母神氏

 浅尾慶一郎氏(民主) 論文応募を組織的に薦めたか。

 田母神俊雄・前航空幕僚長 航空幕僚監部教育課長に紹介した。指示したのではないかと言われるが、私が指示すれば1000を超える数が集まる。

 浅尾氏 論文を募集した「アパグループ」から資金や便宜を受けたことはないか。

 田母神氏 一切受けていない。

 浅尾氏 昨年5月に「鵬友」(空自の隊内誌)に同じ意見を発表している。内局から注意はあったか。

 田母神氏 ない。

 浜田靖一防衛相 チェックしていなかったのは事実。多くの隊員に影響を及ぼした可能性も否定しない。ダブルスタンダードのないようにしていきたい。

 浅尾氏 「政府解釈を変えたほうがいい」「憲法改正したほうがいい」と世論喚起しようと思ったのか。

 田母神氏 一般に話されていることを書いただけだ。これほど意見が割れるようなものは直したほうがいいと思う。

 浅尾氏 更迭された感想を。

 田母神氏 防衛相が「村山談話」と見解の相違があると判断して解任するのは政治的に当然だが、書いたものはいささかも間違っているとは思わないし、日本が正しい方向に行くために必要なことだと思っている。

 ◇懲戒手続きせず逃げ--民主・犬塚氏
 ◇審理で問題が分かる--田母神氏

 犬塚直史氏(民主) 政府の受け止めが軽すぎる。麻生太郎首相の答弁も非常に軽い。

 防衛相 大変憤慨している。方法論はいろいろあったが、一番早い形で辞めてもらうのが重要だと思ったので退職してもらった。

 犬塚氏 あいまいで、きちっとした対応をしていない。どうして懲戒手続きの対象としなかったのか。

 防衛相 来年1月に定年が確定すれば審理が終わる。徹底抗戦すれば時間がかかり、尻切れとんぼの可能性があると判断した。最善の判断と思っている。

 犬塚氏 軽い。

 防衛相 幕僚長を解いたという時点で、本人に自覚してほしかった。政府見解と異なる主張が表に出て自衛隊員の士気が落ちることは避けたかった。

 犬塚氏 逃げているという印象を持たれて当然だ。

 防衛相 そうは思っていない。

 田母神氏 私は「どこが悪かったのかを審理してもらったほうが問題の所在がはっきりする」と言った。

 ◇文民統制どう考える--自民・小池氏
 ◇いろんな段階で担保--浜田防衛相

 犬塚氏 審理に入ったら、政治的な意見を述べたか。

 田母神氏 「我々にも表現、言論の自由は許されている」と主張するつもりだった。

 犬塚氏 統合幕僚学校長という経歴を持ち純真な自衛隊員には雲の上のような存在だ。

 田母神氏 統幕学校の学生は1佐で40歳過ぎで、とても純真とは言えない。議論するのは学校の中だけ。それもできない日本は本当に民主主義国家か。どこかの国と同じになってしまう。

 小池正勝氏(自民) 04年9月15日の「日本を語るワインの会」に「アパグループ」の元谷外志雄代表夫妻、民主党の鳩山由紀夫幹事長夫妻とともに出席したか。

 田母神氏 はい。

 小池氏 文民統制をどう考えるか。

 防衛相 軍事力は使い方を誤ると国民への脅威にもなりうる。憲法で首相と閣僚は文民と定められているなど、さまざまなレベルで文民統制が制度的に担保されている。

 小池氏 「懲戒手続きをしたかったが、時間がかかり、その間ずっと給料を払うことが国民の理解を得られない」と考えたのか。

 防衛相 その通り。空将という身分を保有したまま政府見解と異なる意見を主張するようなら、自衛隊内外に与える影響が大きい。

 小池氏 一般公務員なら処分に時間がかからない。自衛隊員は審理手続きを取らなければ処分できず、時間がかかる。処分したくてもできないことをどう考えるか。

 防衛相 「できない」ではなく「審理の途中で定年となってできなくなる」と言っている。

 ◇退職金返還しないか--公明・浜田氏
 ◇ネットで58%が支持--田母神氏

 浜田昌良氏(公明) 教育課にどのような意図で論文応募の紹介をしたのか。

 田母神氏 日本が悪かったという論が多すぎる。「日本の国は良い国だった」と言ったら、解任されてびっくりした。

 浜田氏 国民にはシビリアンコントロールに関する不安がある。

 河村建夫官房長官 十分な担保があるが、さらに政府として文民統制確保に努力する。

 浜田氏 良心の痛みはないか。

 田母神氏 日本ほど文民統制が徹底した軍隊はない。論文を出すのに大臣の許可を得ている先進国はない。言論統制が徹底した軍には自衛隊をすべきではない。政府見解で言論を統制することになるのはおかしい。

 浜田氏 他省庁や民間との人事交流も必要ではないか。

 防衛相 幹部自衛官は他省庁への出向や民間企業での研修も行っている。広い視野に立った人材育成のための研修も行っている。

 浜田氏 退職金を返還しないのか。

 田母神氏 その意思はない。今朝9時時点で(インターネットの)ヤフーで、58%が私を支持している。

 ◇侵略戦争の視点持て--社民・山内氏
 ◇日本だけ批判間違い--田母神氏

 井上哲士氏(共産) アパグループの元谷代表は小松基地でF15に搭乗している。

 防衛相 部外者の体験搭乗は06年度に3回実施、08年度は3回。訓令に基づき、幕僚長または権限を委任された部隊等の長が承認している。

 田母神氏 元谷代表は98年から小松基地金沢友の会の会長として強力に支援してもらった。10年間の功績に対して、部隊の要請に基づいて許可をした。

 井上氏 自衛隊員のアパホテル利用に特別な契約はあるか。

 防衛相 防衛省共済組合の契約施設の一つにアパホテルが含まれている。結果として宿泊割引を受ける。

 井上氏 田母神氏は統幕学校で一般課程に国家観、歴史観という項目を設け、講義の計画を主導した。

 田母神氏 日本をいい国だと思わなければ、きちっとした国家観、歴史観を持たせなければ、国は守れないと思った。

 山内徳信氏(社民) 戦前の軍隊が暴走した状況に立ち至っているという危機感を感じている。

 防衛相 指摘の思いをしっかりと対処していきたい。

 山内氏 侵略戦争が問われ、平和憲法が生まれた。現職の自衛隊員もそういう視点に立たなければならないのではないか。

 田母神氏 日本だけがそんなに悪いと言われる筋合いもない。

 山内氏 集団的自衛権も行使し、武器を堂々と持とうというのがあなたの本音か。

 田母神氏 そうすべきだと思う。

[毎日新聞]


■前空幕長招致 「言論の自由」をはき違えるな(11月12日付・読売社説)

 つい先月末まで自衛隊の最高幹部を務めていた人物とは思えないような発言が相次いだ。

 田母神俊雄・前航空幕僚長は参院外交防衛委員会での参考人招致で、終始、「我が国が侵略国家というのは濡(ぬ)れ衣(ぎぬ)だ」などとする自らの懸賞論文の内容を正当化しようとした。

 「私の書いたものは、いささかも間違っていないし、日本が正しい方向に行くために必要だ」「日本には、日本の国が悪かったという論が多すぎる。日本の国は良い国だったという見直しがあってもいいのではないか」——。

 昭和戦争などの史実を客観的に研究し、必要に応じて歴史認識を見直す作業は否定すべきものではない。だが、それは空幕長の職務ではなく、歴史家の役目だ。

 自衛隊員に対する愛国心教育は必要としても、過去の歴史を一方的に美化することを通じて行うことではあるまい。

 田母神氏が身勝手な主張を続けることは、むしろ防衛省・自衛隊が長年、国際平和協力活動や災害派遣で地道に築いていた実績や国内外の評価を損なう。

 集団的自衛権の行使や武器使用権限の拡大など、安全保障上の課題の実現も遠のきかねない。

 こうした冷静な現状分析を欠いていること自体、自衛隊の指揮官としての適格性のなさを露呈していると言わざるを得ない。

 田母神氏は「自衛官も言論の自由が認められているはずだ」「自由な議論も出来ないのでは、日本は民主主義国家か」と、「政府見解による言論統制」を批判した。

 「言論の自由」を完全にはき違えた議論だ。一私人なら、日本の植民地支配や侵略を認めた村山首相談話と異なる見解を表明しても、何ら問題はなかろう。

 しかし、4万5000人を率いる空自トップが政府見解に公然と反旗を翻すのでは、政府も、自衛隊も、組織として成り立たなくなってしまう。政治による文民統制(シビリアンコントロール)の精神にも反している。

 空自では、同じ懸賞論文に、隊員94人が組織的に応募していたことが判明している。田母神氏の指示はなかったとされるが、徹底した事実関係の調査が必要だ。

 自衛隊幹部は、軍事的知見や統率力に加え、高い見識、広い視野とバランス感覚が求められる。

 防衛省は、自衛隊の幹部教育や人事管理を抜本的に見直し、検討中の省改革の計画に的確に反映すべきだ。それが国民の信頼回復につながる道だ。

[読売新聞]

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Posted by nob : 2008年11月12日 22:14