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■クリントン米次期国務長官:北朝鮮核、圧力強化へ 政策転換を示唆--公聴会
【ワシントン草野和彦】米上院外交委員会で13日開かれた国務長官指名承認に関する公聴会で、ヒラリー・クリントン上院議員は「原則と現実の融合」に基づいた外交政策を推進する姿勢を強調。ブッシュ政権の「硬直した理念主義」との差別化を明確にした。核不拡散重視の立場から、緊急課題の一つに北朝鮮の核問題を挙げ「これまでのすべての交渉内容を見直している」と述べ、圧力強化に向けた政策転換の可能性を示唆した。
クリントン氏は、ブッシュ政権の北朝鮮に対する「敵視政策」が同国の核実験を招いたとする立場。核実験後、現政権は米朝交渉を通じて核計画申告などで譲歩を重ねてきた。
◇「中東和平あきらめぬ」
クリントン氏は、北朝鮮の申告で非公開扱いになったウラン濃縮計画やシリア核開発への協力について、「信じるに足る理由が存在する」と指摘。6カ国協議の枠組みを重視する姿勢を見せながらも、問題解決に向け「タフな」対応を取ると述べた。
また、イランの核兵器開発についても「受け入れられない」と強調。ただ、オバマ次期大統領の「敵との対話」政策を反映したイランへの積極的な関与が、新政権の基本方針になることを示した。
クリントン氏は以前、イランがイスラエルに核攻撃を仕掛ければ「イランを消し去る」と断言した強硬派。この日の公聴会では、自身がイランと直接交渉に乗り出す可能性について聞かれた際に明言を避け、オバマ氏との微妙な温度差を感じさせた。
一方、中東和平については、かつて仲介役を務めた夫のクリントン前大統領を引き合いに「あきらめてはならない」と意欲的な姿勢を見せた。
だが、イスラム原理主義ハマスとの対話の可能性に関しては「暴力(イスラエルへのロケット弾攻撃)をやめ、イスラエルを承認する」などの前提条件が整わない限り、ありえないとの認識を示した。
クリントン氏は、ガザ情勢について「沈黙」を続けるオバマ氏以上の「親イスラエル」とされる。
[毎日新聞]
■イスラエル:ガザ侵攻 安保理停戦決議 イスラエル首相、米棄権の内幕暴露
◇「10分前にブッシュに電話」
【エルサレム高橋宗男】イスラエル軍のパレスチナ自治区ガザ地区侵攻を巡り、国連安全保障理事会が今月8日に停戦決議を採決した際、イスラエルのオルメルト首相が採択の10分前にブッシュ米大統領に電話し、決議に賛成しないよう要請していたことが明らかになった。ロイター通信がオルメルト首相の12日の演説を伝えた。米国は安保理理事国15カ国中唯一、棄権した。
オルメルト首相によると、ライス米国務長官が決議の取りまとめに動いたため、ホワイトハウスに電話をかけてブッシュ大統領につなぐよう要請。大統領は演説中だったが、「米国は(決議に)賛成してはいけない」と首相から伝えられると、即座にライス長官に指示を出したという。
オルメルト首相は、ライス長官が「(決議の)文言を調整、整理した」と説明。「彼女は自分で用意した決議案を棄権し、恥をかいた」と述べた。
マコーマック米国務省報道官は13日、「100%でたらめ」とオルメルト首相の発言内容を否定した。だが、アラブ諸国の複数の閣僚はロイター通信に対し、ライス長官が決議を支持すると確約していたにもかかわらず、ブッシュ大統領の電話を受けて方針転換したと話している。
[毎日新聞]
Posted by nob : 2009年01月14日 20:15