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破壊だけで終わらなければいいけれど。。。
■「破壊と創造」再び挑む パナソニック、1万5000人削減
パナソニックが再び「破壊と創造」に挑む。垂直落下型の世界景気の後退に対応し、同社は4日、2010年3月までに世界で正規、非正規社員合わせて計1万5000人を削減する方針を発表した。薄型テレビや自動車関連事業が急減速しているため、国内外に230カ所ある事業拠点の2割を削減するなど、改革のスピードを上げる。ただ、需要回復のめどが立たないだけに、さらなる「破壊」を迫られる可能性も否定できない。
≪まず27カ所閉鎖≫
「来年度も需要減が続く厳しい環境が予想される。販売規模の身の丈に合った人員数にしなければならない」
同日、08年4〜12月期決算を発表した上野山実取締役は人員削減の理由についてこう述べた。具体的には、国内と海外で半分ずつ実施し、国内では正社員も含まれる。
09年3月期の連結業績予想は、最終損益は300億円の黒字から3800億円の大幅赤字に転落する。事業拠点や人員削減に伴い、構造改革費を昨年11月時点の計画より1900億円積み増し、年間で計3450億円を計上することが響いた。売上高は従来予想から7500億円減の7兆7500億円(前期比14.5%減)、営業損益は2800億円減の600億円の黒字(同88.5%減)となる見込み。
事業拠点の削減では当面、09年3月までに国内13カ所、海外14カ所の工場を閉鎖する。人員と拠点削減を柱とした構造改革により、1000億円のコスト削減効果を見込んでいる。
過去最大規模の構造改革を決断した背景には、他社に先駆けて「次の一手」に踏み出す態勢を整える狙いがある。防戦の一方で大坪文雄社長は、09年を「成長への仕込みを行う年」と位置付け、薄型テレビに加え、欧州での白物家電投入やブラジル、ロシア、インド、中国など新興国での増販、ロボット事業、子会社化する三洋電機が強みを持つ太陽電池事業などに力を入れる考えだ。不採算事業の見直しと成長分野への経営資源集中を同時に進めることで、来年度の「V字回復」を目指す。
パナソニックが連結業績で最終赤字に転落するのは6年ぶり。前回は中村邦夫前社長(現会長)による「破壊と創造」の推進によって、“伝統”だった事業部制を廃止したり、成長分野に重点投資する戦略で回復を果たし、家電業界の勝ち組の地位を手にした。
≪V字回復へ荒療治≫
ただ、構造改革費用がわずか2カ月で1900億円積み増さざるを得なかったことに、今回の不況の深刻さが表れている。上野山取締役は「どこよりも早く立ち直ることができるよう経営体質の強化を図る」と話すが、スリム化しても需要が回復しなければ好転は望めない。
パナソニックも他の電機大手と同様、消費低迷でモノが売れなくなるだけでなく、固定費削減のための構造改革費用や、株価下落による保有株式の評価損が追い打ちをかけ、業績悪化の傷口を広げている。
従来のビジネスモデルが通用しにくくなった経営環境下で今回の改革が実を結び、再び「V字回復」を達成できるか。「世界ナンバーワン」の道はそこから見えてくる。(塩原永久、若狭弘)
[Business i]
Posted by nob : 2009年02月05日 21:58