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出口の見えない平和への道のり。。。

■ハマス代表団、長期停戦協議に出席

 パレスチナのイスラム原理主義組織・ハマスの指導者ザハール氏をはじめとする代表団一行は7日、エジプトの首都カイロへ向かい、イスラエルとの長期停戦に関する会談に出席します。

 ハマス代表団は7日午後、ガザ地区から、エジプトとの境界線を通過してカイロへ向かいました。その際イスラエル軍が去年末、22日間にわたってガザ地区に対する大規模な軍事行動を行って以来初めて、ザハール氏が公的な場所に姿を見せました。

 ハマスのバルフーム報道官は7日、「イスラエルに対し、ガザ地区との境界線の開放を説得し、これが達成できれば、ハマスはイスラエル側の提出したガザ地区への搬入禁止リストの討議に入る」と語りました。

[CRI ONLINE]


■ガザ地区での衝突が再燃−パレスチナ

イスラエルを認めないハマス

 パレスチナ自治区ガザでハマスとイスラエルとの衝突が再燃した。三日にはイスラエル南部都市アシュケロンに、一月十八日の「停戦」後、初の長距離ロケット弾が撃ち込まれ、イスラエル軍は報復としてガザ南部ラファの密輸トンネルとイスラム根本主義過激派組織ハマスの軍事部門訓練施設を空爆した。(カイロ・鈴木眞吉)

イランとの連携を強化

 イスラエル軍によると、「停戦」以降、ガザ地区からイスラエル側に撃ち込まれたロケット弾などは四日現在で三十発。イスラエル側はその都度、報復攻撃を実施している。「停戦」が崩壊する可能性もあり、イスラエルや米国、国際社会が求めた「永久停戦」は絵に描いた餅もちに終わりそうだ。

 ハマスは、自治政府の対イスラエル和平交渉努力を無視、イスラエルとの間に友好関係を持つ意図が全くなく、イスラエル人(ユダヤ人)を追い出すことを目標にしているのに対し、イスラエル側は、治安上の理由から、同国の生存権を認めないハマスを、ガザから追放したい、と考えている。

 イスラエルの中道右派リクードのネタニヤフ党首(元首相)は三日、「ロケット弾の脅威から逃れる唯一の道はハマスを倒すことだ」と公言した。

 イスラエルとパレスチナ間の根本対立は、イスラエルの生存権を認めるかどうかにたどり着く。パレスチナには「イスラエルはアラブ・イスラムの土地を占領した」という考えが根強い。それを受けてハマスは「占領者から土地を取り戻すため武器を持つのは当然」とイスラエルへの攻撃を続ける。彼らの思考の原点にあるのは「占領された」という意識だ。

 しかし、歴史的に見れば、イスラエルの建国当時、全アラブ諸国がイスラエル不承認だったが、一九七九年にエジプトが承認、ヨルダンが九四年に承認した。

 レバノンの首都ベイルートで二〇〇二年に開催されたアラブ首脳会議では、サウジアラビアが「イスラエルが六七年の第三次中東戦争以前の境界線まで戻ることを条件に全アラブ諸国がイスラエルと国交正常化を図る」ことを提案、「イスラエルとパレスチナは二国家共存へ」の方向性が出来上がっていた。

 この大きな流れに対し、イスラエルとの共存を認めず、イスラエル追放のための戦略を実行しているのがハマスだ。同じく、イスラエルの生存権を認めないイランとの関係強化を図った。ハマスにとって、「中東和平はあってはならない」ことになる。「パレスチナの土地」から「ユダヤ人を追放する」ことが目的だからだ。

 エジプト・カイロのアルアハラム政治戦略研究所のアブデルモネン・サイード所長は、いろんな理由で、「ハマスの失政があいまいにされている」と嘆く。

 第一は、ガザを支配しておきながら「住民の命と生活に責任を持つ」ことができないでいること。イスラエルの攻撃で、千三百人以上のガザ住民が死亡した。

 第二は、自治政府が進める和平交渉を妨害していること。

 第三に、対イスラエル憎悪教育・実践によりイスラエルに警戒感を与え、イスラエルおよびエジプトとの検問所の封鎖を長引かせ、ガザ住民の経済状況を悪化させた。

 第四に、ハマスの最高指導者ハレド・メシャル氏は、ハマスが招いた悲劇を隠蔽し、統治の正当性を取り戻すために、イランを訪問、支援を仰ぎ、自治政府と穏健派アラブ諸国を牽制けんせい。国際社会がパレスチナの代表として唯一公認するパレスチナ解放機構(PLO)を否定し、新たなパレスチナ人組織の設立を画策し始めた。

 ガザを含むパレスチナ住民の悲劇は、イスラエル追放に固執するハマスの独善によって和平交渉が停滞したことが大きな要因だ。解決の道は、ハマスが政策を変更してイスラエルの生存権を認めるか、ガザ地区支配を放棄して、イスラエルの生存権承認を前提に二国家共存を国際社会と共に推し進めるアッバス議長を中心とした和平交渉に一本化するかしかない。

 クリントン米国務長官は三日、ハマスに対し、「暴力を放棄し、イスラエルの存在を認め、過去の合意を順守すべきだ」と述べ、これらの条件が満たされない限り、ハマスとの対話はあり得ないとの認識を示した。

 ハマスの後ろ盾イランは、初の純国産人工衛星の打ち上げに成功、その技術がミサイルに軍事転用される可能性があることから、国際社会に大きな懸念を与えている。

[世界日報]

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Posted by nob : 2009年02月09日 15:29