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構造変革の好機。。。

■大手電機:8社が最終赤字 TV、白物に薄明かり

 ◇パナソニックとシャープ、中国市場に期待

 大手電機9社の09年3月期決算が15日出そろった。世界不況や円高で家電最大手、パナソニックが3789億円の最終(当期)赤字となるなど、三菱電機を除く8社が赤字決算となった。10年3月期もパナソニックがリストラ費用の計上などで1950億円の最終赤字を見込むなど、5社が連続赤字を予想している。ただ、中国での薄型テレビ販売拡大などでパナソニックとシャープが不況脱出を図る一方、総合電機の日立や東芝はリストラ最優先の姿勢で、経営状況には違いが見える。【高橋昌紀、和田憲二】

 デジタル家電の販売不振と円高、リストラ費用の膨張で、パナソニックはIT(情報技術)バブル崩壊直後の02年3月期(4277億円)に次ぐ大幅な最終赤字に落ち込んだ。最終赤字は6期ぶり。しかし、大坪文雄社長は15日の決算発表の席で、4月以降、デジタル家電の需要が回復していることを挙げて、「明るい兆しも出てきている」と、経営が最悪期から脱しつつあるとの認識を示した。さらに収益回復のカギを握る薄型テレビ事業では、今期の世界販売を前期比5割以上増加の1550万台に設定。「価格下落は厳しいが、市場は順調に拡大する。シェア(市場占有率)拡大で収益の道も見えてくる」と自信を見せた。

 背景にあるのは、「家電下郷(農村に家電を)」と呼ばれる政府の補助策も追い風に、中国で薄型テレビなどデジタル家電や冷蔵庫など白物家電の需要が大幅に伸びるなど、市場の縮小に歯止めが掛かりつつあることだ。

 また、国内市場も「エコポイント」制度など政府の環境家電への買い替え奨励策で販売台数が伸びると予測。価格下落は続くものの原価が高止まりしていた旧モデルから新製品への切り替えを進め、販売台数を拡大。テレビ事業の採算を改善し、収益確保への道筋をつけるシナリオを描く。

 シャープも「09年度は日中の薄型テレビの販売が2ケタで伸びる」(浜野稔重副社長)と算段。3800億円を投じて堺市に建設中の液晶パネル新工場の稼働を今年10月に前倒しし、採算の良い40型以上のパネルやテレビを量産して収益改善を図る。

 ◇設備、雇用なお過剰--総合電機

 半導体や産業用機器、原子力機器事業などの比率が高い総合電機は、過剰設備や過剰雇用が重くのしかかり、明るさは見いだせない。工場閉鎖や非正規社員の大量削減などを実施したが、一段のリストラなしには回復の青写真が描けない状況で、日立、東芝、三菱の3社は10年3月期も最終赤字を見込んでいる。

 各社は「総合電機の看板にこだわらない」(日立の川村隆社長兼会長)として、事業の集中と選択を進めつつある。日立と三菱、NECは来春をメドに子会社で展開する半導体事業を統合。不振のデジタル家電事業や自動車用機器事業では、日立が分社化を決めるなどスリム化に懸命だ。

 NECの矢野薫社長は決算発表で「今期(10年3月期)は2700億円の固定費削減で減収を乗り越え、最終黒字100億円を必ず達成したい」と決意表明。だが各社とも、事業からの完全撤退は大規模な人員削減や売上高減少につながるため、「容易には決断できない」(総合電機大手幹部)。

 09年3月期の大幅赤字で財務面が大きく傷付いたのも痛い。同3月末の自己資本比率(総資産に対する株主資本などの割合)は日立が11・2%、東芝が8・2%と、一般に経営安定の目安とされる20%を大きく下回った。40%前後のパナソニックやシャープとは対照的で、「(増資しなければ)構造改革の体力も乏しくなる」(東芝の村岡富美雄専務)ため、新たな成長シナリオ作りもままならない。

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 ◆電機大手9社の09年3月期連結決算と10年3月期の見通し(下段)◆

          売上高         営業損益         最終損益

日立製作所  100003(▼10.9)  1271(▼63.2) ▼7873(  -- )

        89000(▼11.0)   300(▼76.4) ▼2700(  -- )

パナソニック  77655(▼14.4)   728(▼86.0) ▼3789(  -- )

        70000( ▼9.9)   750(  2.9) ▼1950(  -- )

ソニー     77299(▼12.9) ▼2277(  -- )  ▼989(  -- )

        73000( ▼6.0) ▼1100(  -- ) ▼1200(  -- )

東芝      66545(▼13.2) ▼2501(  -- ) ▼3435(  -- )

        68000(  2.2)  1000(  -- )  ▼500(  -- )

富士通     46929(▼12.0)   687(▼66.5) ▼1123(  -- )

        48000(  2.3)   800( 16.3)   200(  -- )

NEC     42156( ▼8.7)   ▼62(  -- ) ▼2966(  -- )

        37300(▼11.5)  1000(  -- )   100(  -- )

三菱電機    36651( ▼9.5)  1397(▼47.1)   121(▼92.3)

        34300( ▼6.4)   600(▼57.1) ▼ 200(  -- )

シャープ    28472(▼16.7)  ▼554(  -- ) ▼1258(  -- )

        27500( ▼3.4)   500(  -- )    30(  -- )

パイオニア    5588(▼27.8)  ▼545(  -- ) ▼1305(  -- )

         4200(▼24.8)  ▼330(  -- )  ▼830(  -- )

 (注)単位・億円。億円未満は切り捨て。カッコ内は前期比増減率%。▼は赤字かマイナス。-は赤字のため比較できず。

[毎日新聞]


■ゼネコン大手4社:鹿島と大成、最終赤字 海外工事の採算悪化--3月期

 ゼネコン大手4社が15日発表した09年3月期連結決算は、海外工事の採算悪化などが影響し、鹿島と大成建設が最終(当期)赤字に転落した。清水建設と大林組も大幅減益となった。景気後退で受注が減少しており、10年3月期も厳しい経営環境が続きそうだ。

 鹿島の最終赤字は5年ぶり。海外事業での為替差損や、取引先の破綻(はたん)による特別損失を計上した。大成の最終赤字は7年ぶりで、経常損益も1957年の上場以来初の赤字になった。海外土木工事で損失が出たほか、不動産子会社・有楽土地の業績も悪かった。清水は会計処理方法の変更で増収だったが、海外工事での資材高騰などで利益を減らした。大林は投資有価証券の評価損が響いた。

 各社の受注は、景気後退による民間設備投資の減少で、建築部門を中心に落ち込んだ。住宅・不動産市場の低迷でビルやマンションの建設が減り、工場建設の延期や中止も相次いでいる。10年3月期は各社とも減収を予想した。【位川一郎】

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 ◆ゼネコン大手4社の09年3月期連結決算◆

       売上高       経常損益        最終損益

鹿島   19485( 2.9)  159(▼45.7)  ▼62( --- )

清水建設 18875(12.0)  207(▼57.0)   62(▼76.7)

大林組  16824(▼0.5)  318( ▼1.5)  109(▼41.0)

大成建設 16411(▼4.1) ▼110( --- ) ▼244( --- )

 (注)単位・億円。カッコ内は前期比伸び率%。▼は赤字かマイナス

[毎日新聞]

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Posted by nob : 2009年05月16日 23:59