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策を弄する者は策に溺れる。。。

■東国原知事:師匠たけしさんの「宮崎に帰れ」を「重く受け止めたい」

 宮崎県の東国原英夫知事は、東京都議選から一夜明けた13日、県庁内で記者団に対して「政権選択の世論が都議選にそのまま反映された」と自民党の惨敗要因を分析した。また、タレント時代の師匠だったビートたけしさんに「とにかく謝れ。謝って宮崎に帰れ」と助言を受けたことに触れて「重く受け止めたい」と述べる一方、国政転身は「最後は自分で決める」と述べた。主な一問一答は次の通り。

Q:都議選の結果について感想を。

A:想像以上に民主党の善戦というか躍進という感じがした。

Q:自民党幹部の中には(知事の)総裁候補の動きが敗因のひとつだとの意見がある。

A:それぞれの方が分析されること。僕の方からは特段言うことはない。

Q:10日夜、師匠のビートたけしさんと会食して「県民に謝った方が早いぞ」と言われたというのは事実か。

A:師匠は「おれの方からコメントを出すことはないから。きょうの会談内容は外に漏れることはないから」と言った。その日にご本人がしゃべってる。コケましたよ。本人が言うようにかなり酔っていた。「今回逆風大変だな」「今回は我慢して、次のチャンスが必ず来るから。そのチャンスの時に出ていった方がいいんじゃないか」とは言われた。ただ僕の方から師匠に相談したという一部マスコミ報道は全然違う。師匠の方から「たまにはメシでも」と誘われた。

Q:知事は師匠の言葉をどのように受け止めるか。

A:重く受け止めたいと思っております。

Q:重く受け止めるとは。

A:はい、重く受け止めたいと思いますよ。師匠は世の中の流れや空気感を察知されるのが卓越した才能をお持ちなので。重く受け止めなければならないと思っている。

Q:その場合の判断は。

A:師匠は「あくまでもお前が決めることだ」「僕らの意見はひとつの参考までに言わせていただく」ということだった。文言通り、最後は自分で決めなければいけないなと思う。

 ◇都議選自民惨敗、予想はできた

Q:都議選で自民党が惨敗した結果、国政転身への判断に影響は。

A:大方予想はできた。生意気でおこがましいとおしかりは受けるが、私は、自民党の体質というか態勢が変わらないと逆転はありえないと考える。この1カ月見ているが、やっぱり体質は変わっていない。変えられないかもしれないけれど。あまりに巨大化、硬直化した組織になって。議員一人一人、特に若い方は変えなきゃいけないと自覚して動いているけれど。なかなか組織全体では体質が改まらないという印象を受ける。

Q:7日に古賀(誠・自民選対委員長)さんと会談した時には「党マニフェスト(政権公約)がまとまってから判断する」として態度保留した。都議選の結果、たけしさんとの会談を受け「出馬しない」という判断はあるか。

A:今は即答できない。後援会とも意見を交換しなければいけない。あるいは党マニフェストの問題。地方分権は僕の生涯の仕事だと思っている。そこら辺を加味して判断したい。

Q:自民党への態度を明確にするのはまだか。保留ということか?

A:今の時点では決断はできない。後援会のメンバーと十分話し合ったり、県民の皆さんのご意見もきちんとうかがわないといけない。

Q:週末のJNN世論調査で「知事が国政に行くことは好ましくない」との意見が8割だった。改めて逆風について。

A:逆風と言われるが、国政に行きたいと言っているわけじゃない。地方分権を勝ち取りたいって言っているのだ。その手段としての知事会公約をのんでいただけるんだったら、出馬を了解します。

 知事会要望をのんでいただいて、実行していただける約束をいただけるんだったら、出馬する必要は別にない。総理になりたいわけではない。地方分権をやりたい。地方に権限、財源、人間を移譲するシステムを作りたい。逆風と言われるが、任期まっとうしないで国政転身することへの違和感と僕は感じる。

 「宮崎に残ってほしい」「寂しくなる」という感情論もある。応援の裏返しでありがたいと思う。「知事なのに国政はまだ早い」「総裁のポストを要求するとはけしからん」という意見も実際あるだろう。粛々と受け止めなくてはならない。

Q:14日の全国知事会では何を訴えるのか。

A:以前から言っている「全国知事会は政治行動として、姿勢を明確化すべきだ」との主張。

Q:知事会として政党支持を表明すべきだということか。

A:地方分権の政策に関しての評価を点数で出す。点数高い政党を支援、応援していくという態度を明らかにすべきだという主張だ。

 ◇もう戦略を変える時間はない

Q:自民党がマニフェストを公にして、そのうえで国政転身への決断をするのか。

A:僕の中で出馬するしないやタイミングは、そんなに問題ではない。ただ、知事会要望が十分に組み込まれるか。まずこれを見てみないと判断できない。

Q:知事会要望を自民がのんだ場合は、イコール出馬なのでは。

A:僕はずっと、条件が十分に満たされればお手伝いすると言っている。有言実行なのでそうさせていただく。反対は多いかもしれないが。

Q:自民マニフェストが出るまでに知事が国政転身を決断することもありえる。

A:ありえる。ゼロではない。

Q:今回、自民党の中から変えようとされてて、正面突破でなかなか逆風が強くなっている。戦略を変える考えは。

A:もう戦略を変える時間はない。私の条件をのまないということは、自民党は変わらないということ。それならば選挙に突入して、私はもう出馬はしない。各党のマニフェストを見て点数をつける。そして高い方を「この政党が点数が高い」とメッセージは出す。

Q:自民マニフェストを見て「立候補しない」という判断の時は、何らかのメッセージは県民に向けて出すのか。

A:もちろんする。

Q:知事会を前に橋下徹(大阪府)知事と会う予定は。

A:その予定はない。

Q:前々回の定例会見で「今回の衆院選で知事は何らかの政治的メッセージを出すか」と聞いたら、知事は「何らかのメッセージは出す」と言った。どういう意味だったのか。

A:地方分権を実行する覚悟が見える政党を応援するということ。

Q:自身の国政への意欲と、地方分権推進とは同義語なのか。

A:微妙だ。別と考えた方がいい。分権を絶対進めなければいけない。そのためにどうするか。今まで地方から声を上げて進んでこなかった。だから僕とか橋下さんが直接行動を取っている。いずれを応援する、加担する、選挙応援するとか。

 ◇「国政転身」より「分権推進」だ

Q:国政転身が先か、分権が先か。

A:分権が先。僕がまず言っていたのは「知事会公約を全部のんでくれ」ということ。「これを実行する立場に置いてくれ」というのが2番目。順番が逆に言われることがある。

Q:分権が後付け理論に思える。

A:全く違う。「総理」という条件が衝撃的だったので、メディアが前面に出した。「おこがましい」「生意気」という反応は予測していた。それにもかかわらず、私は地方分権をやりたい。「分権で何が変わるか説明していない」と批判されるが、私は説明してきた。このまま分権が進まないと、財政が破綻(はたん)するとか、行政サービスの質が低下する、医療福祉が半減するとか説明してきた。

Q:都議選で自民が惨敗した理由をどう分析するか。

A:都議選が国政の議論になっている。新銀行東京や築地市場移転など都の政策がもっと語られなければいけない。麻生総理や自民批判、「政権交代」ばかり。ワンフレーズ政治としてはいいかもしれないが「あれ政策はどこへ行ったのか」と感じた。静岡県知事選や千葉市長選、奈良市長選で見えた政権交代を論じる世論がそのまま、都議選に反映されたと感じる。政策論争が聞こえてこない。メディアが「政権交代か否か」で報じていることも一因だ。

[毎日新聞]

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Posted by nob : 2009年07月13日 00:52