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結局は背に腹は代えられない。。。
■MSとヤフー、ネット検索で提携へ…米紙
【ニューヨーク=池松洋】米マイクロソフト(MS)と米ヤフーがインターネット検索事業で提携する見通しだと28日、米ウォール・ストリート・ジャーナル紙(電子版)が報じた。
29日にも発表されるという。
米ネット検索市場でのMSとヤフーのシェア(占有率)は合わせて3割程度。提携が実現すれば、6割超のシェアを持つ米グーグルを追撃する態勢が整う。
報道によると、ヤフーはMSが開発した新ネット検索システムを自社のサービスで使用する。両社はネット広告でも協力する。
MSとヤフーをめぐっては、MSが2008年2月、ヤフーに買収を持ちかけたのに対し、ヤフーが拒否した。その後もMSとヤフーはネット事業立て直しで苦戦を続けていたため、再び提携交渉を進めていた。
[読売新聞]
■打倒Googleで一致:
Yahoo!との提携は「前回の提案より不利な面も」とバルマーCEO
Microsoft、Yahoo!両社のCEOが、それぞれ前回破談になった買収提案と今回の提携の違いを語った。
米Microsoftと米Yahoo!の間で締結されたオンライン提携は、Microsoftが昨年提案した内容と比べるとはるかに協業的な色彩の濃いものとなっており、これは両社が共同でGoogleに対抗するという方向に転換したことを示している。
7月29日に両社が共同で発表した検索広告提携は、 MicrosoftがYahoo!に検索エンジン技術を提供し、Yahoo!は両社の検索広告主への独占的販売をワールドワイドで引き受けるという内容だ。契約期間は10年。最初の5年間は、Yahoo!の直営サイトで発生した検索事業収入の88%をMicrosoftがトラフィック獲得コスト(TAC)として支払う。両社では、来年初頭までに提携が認可されて契約手続きが完了する見込みだとしている。
この提携に関するMicrosoftの公式発表は、Googleによる検索とオンライン広告市場の独占を、ライバル各社が単独では打ち破ることができないという共通認識を同社とYahoo!が抱いていたことを示唆している。
「この提携はYahoo!とMicrosoftの検索事業を結合するものであり、これにより広告主は、検索市場全体の70%以上を支配する1社の企業に依存しなくて済むようになる」とMicrosoftは発表文で述べている。「Yahoo!の検索シェアが加わることにより、Microsoftはコンシューマーならびに広告主のために、市場での競争とイノベーションを促すのに必要な規模を獲得することができる」
今回の提携は協業を中心とした内容だが、Microsoftのスティーブ・バルマーCEOは7月29日の電話会見で、Microsoftによる昨年のYahoo!買収の試みについては、あまり後悔していないことをほのめかした。
Microsoftは昨年、446億ドルのYahoo!買収案を提示したが、結局破談となった。バルマー氏によると、この提案は「運営事業者ではなく投資家」という視点に立って練り上げられたものだという。
「今回の提携は前回の買収提案よりも良いというわけではない。前回とは性質が異なるものなのだ」とバルマー氏は会見でアナリストや報道関係者に語った。同氏はMicrosoftの前回の戦術を弁護するかのように、どちらの契約形態が最終的に両社を結び付けるにせよ「どちらも長期的な株主価値を生み出すことができる」と述べた。
さらに同氏によると、今回の提携では「税率が高く、前払い金が少ない」ことに関連してMicrosoftにとって不利な面もあるという。
Yahoo!のキャロル・バーツCEOは、今回の取引とMicrosoftによる昨年の買収提案との違いに関して自身の見解を示した。
「前回の提案は前払い金が多く、TACが少なかったという点が今回と異なる」とバーツ氏は電話会見で語った。「当社がそれに魅力を感じなかったのは、この分野で長期的なビジネスを運営しようと考えているからだ」
バーツ氏によると、今回の取引は、Yahoo!のユーザーインタフェースを維持しながら、Microsoftの技術も利用できるという点で自社にメリットをもたらすという。
この提携は、Yahoo!の姿勢が大きく変化したことを物語るものでもある。5月にカリフォルニア州カールズバッドで開催された第7回年次「D: All Things Digital」カンファレンスにおいて、バーツ氏は「多額の現金」が前金として用意されるという条件であれば、Yahoo!の検索部門を Microsoftに売却する意思があると聴衆に語った。
さらに6月には、ニューヨークで開かれた「Bank of America and Merrill Lynch U.S. Technology Conference」において、バーツ氏は「MicrosoftとYahoo!との提携はどのような形であれ、Yahoo!にとっては5億〜7億ドルの経費節減につながる」と述べた。これは主として、人員削減とデータセンターのコスト削減による効果だ。バーツ氏はこのイベントで、Bingに対する当初の関心の高さは「一時的」なものであり、Yahoo!は「Microsoftと手を組まなくても十分やっていける」とも語った。
しかし7月に入ると、検索とオンライン広告事業での提携に関して具体的に話し合うために、MicrosoftとYahoo!が交渉のテーブルに戻ったといううわさが流れ始めた。両社はこの件でコメントを避けたが、MicrosoftがYahoo!に数十億ドルを支払ってYahoo!の検索広告事業を獲得するとの憶測も飛び交った。
アナリストの間では、Microsoftが立ち上げた検索エンジンBingは、同社が新たにYahoo!との提携に乗り出すかどうかをめぐる判断に影響するのか、両社が提携するとしたらどのような形態になるのかといった議論が噴出した。「Bingが登場して最初の数週間で成功の兆しが現れたことで、Microsoftはオンライン検索ビジネスを独力で展開できるという自信を深め、MicrosoftとYahoo!のコラボレーションの可能性が消えるだろう」と主張するアナリストもいた。
しかし米BroadPoint AmTechのアナリスト、ベンジャミン・シャクター氏は逆に、Bingの人気のおかげで、MicrosoftはYahoo!との交渉で提携条件を提示する立場に立つことができるとの見方を示した。「Bingの成功が続けば、MicrosoftとYahoo!の提携の可能性が高まると思われる」と同氏は7 月15日付の調査メモに記している。
MicrosoftとYahoo!は現在、米国の検索エンジン市場でそれぞれ8.4%と19.6%の市場シェアを持っている。一方、Google のシェアは約65%。MicrosoftとYahoo!が力を合わせることにより、両社は市場の約3分の1を支配し、共通の宿敵であるGoogleに対する競争力を高めることができる。今回の提携は、有料検索市場におけるYahoo!のシェア低下に歯止めを掛ける可能性もある。米調査会社 SearchIgniteの7月の報告書によると、同市場でのYahoo!のシェアは前年比で26%低下し、その大部分はGoogleにシェアを奪われた結果だとしている。
実際、Microsoft-Yahoo!連合は、市場シェアの拡大だけでなく、広告収入の増加という形でも両社に潜在的なアドバンテージをもたらすだろう。米市場調査会社Gartnerのアナリスト、デビッド・スミス氏は米eWEEKの取材で、「両社合わせた市場シェアは重要な意味を持つ。検索広告ビジネスはフィードバックループのようなもので、多く持っている者がより多くを手に入れるのだ。Yahoo!とMicrosoftは、Googleに対して価格ベースでの競争力を高めることができるだろう」と述べている。
Microsoftが単にBingだけで前進するのと比べると、この提携は多くの点で同社に恩恵をもたらすとみられる。「これで方向性が明確になった。Yahoo!とMicrosoftはともにスケールメリットを享受し、無駄な重複を避けることができる」とスミス氏は話す。
[ITMEDIA/30日追加]
Posted by nob : 2009年07月29日 21:41