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■政権引き継ぎ、手探りで開始=「政と官」が関係模索
民主党の岡田克也幹事長は2日、河村建夫官房長官との会談で、今月中旬の「鳩山政権」発足に備えて、麻生内閣から事務引き継ぎを受けることで合意した。河村長官は早速、民主党への情報提供を各省庁に指示したが、「霞が関」と長らく政権を担ってきた自民党との「しがらみ」は深い。「脱官僚」を掲げる民主党とどう向き合うか、「政と官」の模索が始まった。
「きちっと対応するように」。岡田、河村両氏の会談を受け、麻生太郎首相は2日午後、河村氏にこう語った。岡田氏はインフルエンザ対策、災害対策、2009年度予算や補正予算の執行状況などについて情報提供を求めており、これに全面的に応じるよう指示したものだ。
日本の政治は、1955年の保守合同以来、ほぼ一貫して自民党が政権党であり続けた。このため、二大政党による政権交代が当たり前の米英のような政権移行時のルールは存在しない。政権発足前の事務引き継ぎは、民主党はもちろん各省庁にとっても初めての体験。作業は手探りとならざるを得ない。
当面、政権中枢の内閣官房に関する事項は岡田氏が説明を受け、各省庁の個別の政策課題は直嶋正行政調会長が窓口となって引き継ぎを受けることになった。感染が拡大している新型インフルエンザについては、ワクチン接種の優先順位を早期に決定する必要があり、厚生労働省の幹部が現状説明を民主党に申し出た。
一方、現政権は難しい対応を迫られる課題も抱える。民主党が調査に意欲を示す核兵器持ち込みをめぐる日米密約問題だ。藪中三十二外務事務次官は8月下旬の記者会見で「指示を得ながら必要な対応を取る」と、新政権に協力する考えを示した。
しかし、密約の存在を認めた場合、これまで「密約は存在しない」と繰り返してきた政府の姿勢が問われ、自民党政権が国民を欺いてきたことが暴き出されることになる。「新政権から指示があれば、われわれが持っている情報を説明するが、本当にないものはない」。外務省幹部は早くも予防線を張っている。
[時事通信]
Posted by nob : 2009年09月02日 22:56