« 生活保護の在り方こそが問題。。。 | メイン | お手並み拝見。。。 »
結果良ければすべて良し、、、今後に期待。。。
■オバマ政権の負担に?…平和賞で広がる戸惑い
【ワシントン=黒瀬悦成】オバマ米大統領へのノーベル平和賞の授与が決まった9日、米国では「オバマ政権は全世界の人々の希望を体現している」(カーター元大統領)などと歓迎の声が上がる一方、保守勢力を中心に「何も実績がなく、受賞は不適当だ」と厳しい批判も広がっている。
ホワイトハウスでは同日、ギブス大統領報道官に記者団が「冷戦終結に道を開いたレーガン大統領は受賞していない」「ウィルソン大統領以降の受賞者はカーター元大統領、ゴア元副大統領と民主党員ばかりだ」と選考に関する質問を次々に浴びせ、報道官は「私はノーベル賞委員会の一員ではない」と懸命にかわした。
一方、保守派の論客からは「大統領は受賞を辞退しろ」(グレン・ベック氏)、「ノーベル賞委員会は自らの権威を失墜させた」(ラッシュ・リンボー氏)と強硬な批判が相次いだ。平和賞の受賞に保守勢力が一斉に反発を始めたことで、医療保険制度改革などの内政面で目立っていた民主・共和党間の亀裂が、外交分野でも一層鮮明になるのは確実と見られる。
オバマ政権にとって、アフガニスタンへの米軍増派の是非など、安全保障の根幹にかかわる懸案では、国論を分断させないためにも共和党を含む超党派の合意が欠かせない。今後、核不拡散などで実績を上げられなければ、世論の失望感が一気に高まることも予想され、大統領は受賞がかえって負担となり、苦しい立場に追い込まれかねない恐れがある。
[読売新聞]
■ノーベル平和賞、重荷にも=国益守る判断でオバマ大統領−米紙
【ワシントン時事】米ワシントン・ポスト紙(電子版)は10日までに、オバマ大統領のノーベル平和賞受賞決定について、名声を得たものの、賞に縛られ、米国の国益を守る判断を下す際に、重荷になるのではないかとの見方を伝えた。
同紙はノーベル平和賞には二つの種類があり、一つは功績を残した者に、もう一つは平和実現の大志を抱く者に与えられると指摘。「オバマ大統領は後者だ」としている。
その上で、「オバマ大統領は米国の国益を守らなければならないときに、受賞が重荷になっていることに気付くかもしれない」との見解を示した。一例として、イランの核問題が最終的に外交手段による解決に至らず、軍事力行使の判断が求められる事態に陥った場合、平和賞受賞者がイランへの攻撃を認めることができるだろうかと結んでいる。
[時事通信]
■「ガンジーさえ受賞していない」オバマ大統領の平和賞に米でも否定的
9日(アメリカ現地時間)、オバマ大統領がノーベル平和賞受賞の報せが届いた。この報せに世界中は元より、本人も予想出来なかったという。今回の受賞に関して、多くの人が疑問を感じたに違いない。世界中から疑問の声が上げられ、アメリカでも否定的な観方が拡がっている。アメリカにおいては共和党・保守党論客が批判的な意見を展開しているが、進歩的な意見を持つ陣営内でも「理解できない」という反応がある。
進歩指向のロサンゼルスタイムズ紙は10日の社説に
「私たちはオバマ大統領を支持して、彼の前任者よりもはるかに好んでいるが、なぜ就任直後にノーベル平和賞を受賞したのか分からない。ノーベル委員会はオバマ大統領を当惑させて、賞自らの信頼を損なった」と厳しい意見を述べている。11日に同紙が行ったオンライン世論調査によると、回答者の46%が『オバマ大統領は賞の受賞を断らなければならない』と答えている。
また、昨年大統領選に公認でオバマ氏を支持していたワシントンポスト紙も、
「慌てて授与したおかしな平和賞」としながら、「イラン大統領選挙不正に抗議して亡くなったイラン女子大生などの、明らかな他の候補がいながら、なぜノーベル委員会が今回の決定を下したのか分からない」と伝えている。ちなみにワシントンポスト紙は9日、3万7,675人にオンライン世論調査を行い、 56%が今回の受賞に反対していることを報じている。投票者の中には、
「インドのマハトマ・ガンジーは受賞を固辞した。政治新人のオバマが受けたことにより、ノーベル賞の権威を自らおとしめた」という意見もある。
保守的な日刊紙ウォールストリートジャーナルは、10日付のコラムで
「今回の授与は邪悪で無知。ノーベル委員会は単に、オバマがジョージ・W・ブッシュでないだけで賞を与えた。平和賞が『尊敬の対象』から、『冷やかしの種』に転落した」と酷評を浴びせている。
この他、海外の反応も冷ややかである。
ドイツの時事週刊誌シュビーゲルは
「就任9ヶ月のオバマに賞を与えるのは、2〜3km走ったマラソンランナーにメダルを与えるようなものだ。栄光よりもむしろ負担になるだろう」と指摘。
中国の環球時報の11日に実施したオンラインアンケートによると、「納得できない」という回答が全体の86.2%を占め「オバマはまだ世界平和に貢献していない」という理由を挙げている。
イギリスBBCが受賞者発表直後に新設したサイトで、『オバマ大統領の受賞に対してどう思うか』という質問に対して「今は早い」という意見が大多数を占めているという。
今回のノーベル平和賞の受賞は、世界的にも歓迎されていないようだ。「インド独立の父で世界に多大な影響を与えたガンジーは固辞、就任早々のオバマは受賞」というのは確かに説明がつきづらい。(情報提供:ロケットニュース24)
[サーチナ/12日追加]
■ノーベル平和賞はしばしば政治的に使われていた!
19世紀、ダイナマイトを発明したアルフレッド・ノーベルは、「私のすべての換金可能な財は、次の方法で処理されなくてはならない。私の遺言執行者が安全な有価証券に投資し継続される基金を設立し、その毎年の利子について、前年に人類のために最大たる貢献をした人々に分配されるものとする」と遺言を残した。これに従って、1901年より毎年1度、『物理学』『化学』『生理学・医学』『文学』『平和』の5部門が選考され、ノーベル賞は授与される。平和賞は国際平和・軍備縮減・平和交渉・保健衛生・慈善事業・環境保全などの分野で多大な貢献や影響を与えた人物や団体に授与されることになっている。しかし、今回のオバマ大統領の授与にあたって、世界中から疑問の声が上がっている。ノーベル氏の遺言は果たされていない。そればかりか、今回のような政治絡みの受賞はオバマ大統領が初めてのことではないと、12日付けのウォールストリートジャーナルが報じている。
政治的に使われた例としては、1989年10月に中国天安門事件が起きた際、チベットの精神的リーダーであるダライ・ラマに賞を与えている。これは、当時中国が30年に渡ってチベットに行っていることの面当てとされている。
近年では、2002年にジミー・カーター元大統領に平和賞を与えている。当時、イラクおよびアフガニスタンに兵を送り込んでいたアメリカブッシュ政権への対抗であったと考えられている。国際法と人権尊重などを土台にして、紛争を解決に導こうとしたカーター元大統領の功績を讃えての授与と委員会は強調している。
05年には、IAEA(国際原子力機構)のエルバラダイ元事務局長にも賞が贈られた。これは05年当時ブッシュが、イラクを相手に大量破壊兵器の査察と称して攻撃を仕掛けており、IAEAとブッシュ政権は不快な関係にあった。賞の授与を通して、暗にブッシュ政権をけん制している。さらに07年には、ブッシュ前大統領の後任と目されていたアル・ゴア氏を受賞者の1人に選定している。カーター元大統領、エルバラダイ元事務局長、アル・ゴア氏、共にブッシュへの面当てである。
こうして過去の受賞に関して振り返ると、果たして『平和』と名の付く賞であること自体が、非常に疑わしく思える。過去のその他の受賞者に関しても、平和とは程遠い人も少なくないのだ。
1906年日露戦争終結の立役者として受賞したセオドア・ルーズベルト大統領は平和主義者ではなく、アメリカでも最も好戦的な部類の人物として知られていた。1973年、ヘンリー・キッシンジャー元国務長官は、ベトナム戦争を終結させた功績で平和賞を受けたが、ニクソン政権で戦争政策を統括していた。キッシンジャー元国務長官に関しては、当時相当な物議を醸し出している。
ノーベル平和賞に関して、専門家はこう指摘している。
「ノルウェーは年に2回、世界的世論に影響を与えられる機会があることを知っている。それは賞を発表する時と、授与をする時だ。彼らはその機会を最大限に活用したいと考えている」
栄誉ある賞として、世界的にも讃えられるノーベル平和賞。オバマ大統領に至ってはノーベル氏の遺言の『前年に人類のために最大たる貢献をした』とされる、『前年』に大統領就任さえしていない。どうか象徴としてだけではなく、実行を伴う功績を上げてもらいたいものだ。(情報提供:ロケットニュース24)
[サーチナ/13日追加]
Posted by nob : 2009年10月10日 23:22