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正しい戦争などどこにもあるはずがない。。。
■平和賞授与でオバマ氏、アフガン「正しい戦争」
【オスロ=黒瀬悦成】オバマ米大統領に対する2009年のノーベル平和賞の授与式が10日、オスロの市庁舎で行われた。
現職の米大統領の平和賞受賞は、1906年のセオドア・ルーズベルト、19年のウッドロー・ウィルソン両氏に続き3人目。
授与式での演説でオバマ大統領は、「平和を維持するためには戦争という手段が演じる役割もあるのだ」と述べ、アフガニスタン戦争を「正しい戦争」と位置づけた。その上で、今月1日に発表したアフガンへの米軍追加増派に関し、「米国民が直面している脅威を座視は出来ない。交渉でアル・カーイダを武装解除することは出来ないのだ」と語って戦争遂行の必要性を強調した。受賞理由の一つとなった「核なき世界」についても、実現に向けた決意を改めて表明した。
[読売新聞]
■オバマ氏のノーベル平和賞受賞演説要旨
この栄誉を深い感謝と謙虚さをもって受け取る。
大事なのは、我々のとる行動であり、正義の方向へ歴史を変えることは可能だ。これまでに平和賞を受賞した歴史上の偉人と比べると、私の業績はささやかなものだ。今回の受賞に関して最も深い問題は、私が二つの戦争を戦っている国の最高司令官であることだ。我々は戦争をしており、私は何千人もの米国の若者を遠い国の戦場に送った責任を負う。殺す者も、殺される者もいるだろう。
歴史を通じ、哲学者や聖職者、政治家が戦争を規制しようとしてきた。その中で「正しい戦争」の考えが生まれ、最後の手段や自衛といった前提条件を満たした場合のみ、戦争は正当化されている。この正しい戦争という考えは、ほとんど守られてこなかった。
私は今日、戦争の問題の決定的な解決策を持ち合わせていない。正しい戦争の概念について新たに考え直さなければならない。
私たちが生きている間に、暴力的紛争を根絶することはできない現実を認めることから始めなければならない。世界に悪は存在する。交渉で(国際テロ組織)アル・カーイダを武装解除することはできない。平和を維持するために戦争という手段が演じる役割はある。しかし、どのように正当化されようとも戦争は人類の悲劇だ。我々の課題は、この相いれないように見える二つの事実に折り合いをつけることだ。
強国であれ弱国であれ、武力行使に関する規範を守るべきだ。私は、我が国を守るために必要な場合、単独で行動する権利を留保する。規範を守らないものは孤立し、弱体化する。
脅威が拡散し任務が複雑になった世界では、米国だけで行動することはできない。アフガンについてもそうで、北大西洋条約機構(NATO)や他の同盟国が勇気ある行動によってそれを証明している。平和は義務を必要とし、犠牲を伴う。
戦争という悲劇的な選択を回避するため、正しく永続的な平和を構築することのできる三つの方法について語ろう。
第一に、ルールや法律を破る国々に対処するため、彼らの行動を変えさせるに十分な、暴力に代わる選択肢を編み出さなければならない。ルールを破る政権には、責任を負わせなければならない。真っ先に取り組むべきなのは、核兵器の拡散を防ぎ、核のない世界を追求することだ。我々は、イランや北朝鮮のような国家に、(核拡散防止の)制度をもてあそぶなと主張するべきだ。
第二に、平和とは、目に見える紛争が起きていないというだけではない。すべての人が生まれながらにして持つ権利と尊厳に基づく正しい平和こそが、真に永続的なものとなりうる。
第三に、正しい平和は、経済上の安全と機会を含まなければならない。真の平和とは単に恐怖からの解放ではなく、困窮からの解放なのだ。
世界は共同で気候変動に立ち向かわねばならない。もし何もしなければ、我々はさらなる日照りや飢えに直面することになる。
ガンジーやキング牧師が実践した非暴力は、あらゆる状況で有効ではなかったかもしれない。しかし、彼らが説いた愛や人類の進歩への信頼こそが、我々を導く北極星でなければならない。
抑圧は常に存在するだろうが、それでも正義のために努力しよう。今後も戦争が起こるだろうが、それでも平和のために努力しよう。
[読売新聞]
Posted by nob : 2009年12月11日 21:06