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エジプト国民の尊重されるべき選択。。。

■これからエジプトはどうなる? Q&Aで詳しく

 エジプトで29年間にわたって独裁政権を維持してきたムバラク大統領が11日、辞任に追い込まれた。政変の背景、今後の見通しなどをまとめた。

 Q どうしてエジプトで政変が起きたのか。

 A 18日間も続いた抗議活動で大統領を辞任に追い込んだ国民の不満の背景にはいくつかの要因があった。エジプトでは、1970年に3500万人だった人口が現在は8000万人に増加し、毎年70万人の若者が新たに社会に出て職を求めている状態だ。こうした若年層の失業率の高止まりに加えて、食料価格高騰、政権の汚職などさまざまな不満が大衆の間で蓄積していた。そんなとき、チュニジアで起きたベンアリ政権の転覆が起爆剤となり、独裁打倒の動きが一気に噴き出した。

 Q なぜ、チュニジアのようにすぐに政権は変わらず、ここまで長引いたのか。

 A エジプトは中東最大の人口を有し、中東政治の主導的役割を果たしてきた。イスラエルとの和平条約にもいち早く調印し、イスラエルとパレスチナ勢力の間の仲介役として不可欠の存在だった。ムバラク氏も欧米諸国に対し「自分がいなければ中東は混乱に陥るため、取り換えが効かない存在」と強調していた。権力への執着も強かったようだ。独裁が長かった分、現場の正確な情報が手元に届かず、デモを短期間で押さえ込めれば危機を乗り切れると考えていたのではないか。

 Q これからのエジプトはどうなるか。

 A 全権を掌握した軍最高評議会は今後、反体制派との対話を続けながら、3カ月程度をめどに移行政権を樹立するとみられている。平行して9月の大統領選に向け、立候補要件の緩和など憲法条項の改正に取り組む見通しだ。ただ、反体制派内は必ずしも一枚岩とはいえず、強力なリーダーもいないのが現状。主導権争いが激化すればさらに混乱に拍車がかかる可能性もあり、先行きは不透明だ。

 イスラエルはエジプトでのイスラム原理主義NX勢力の台頭を強く警戒している。仮に今後エジプトに誕生する政権がイスラエルとの対決姿勢を強めることになれば、地域の安定には極めて大きな不安要因となる。

 また、周辺の中東・アフリカ諸国にはムバラク氏同様、強権的指導者が長期政権を維持する国も多い。1989年に中・東欧諸国で起きた「民主化ドミノ」を想起させる今回の反圧政のうねりは、既に体制への不満が表面化しているヨルダンやイエメン、アルジェリアなどにさらに拡大する可能性を秘めている。

(国際部 岩城聡)

[日本経済新聞]

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Posted by nob : 2011年02月12日 12:10