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■東日本大震災:放水に放射線の壁 ヘリ投入「命がけ」

福島第1原発の冷却のイメージ

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 東京電力福島第1原発では16日も冷却に向けて作業が続いた。陸上自衛隊は同日夕から、新たにヘリコプターで3号機に海水を投下する予定だったが、周辺の放射線数値が高かったことから断念。17日に再び実施を検討する。警察庁も放水車による作業を準備している。地上からの放水と、ポンプ車による海水の炉心への注水活動は続けられているとみられるが、冷却作業の進展状況を東電は発表しておらず、不透明さを増している。東電は同原発の緊急炉心冷却装置(ECCS)を稼働させる電力を供給するため、東北電力からの新たな送電線を設置する作業に入った。

 ◇「東電、危機感薄い」

 「本当に最悪の事態になったときには東日本がつぶれるということも想定しなければならない。(東電は)危機感が非常に薄い」

 菅直人首相は16日夜、首相官邸で会談した笹森清内閣府特別顧問に強い危機感を吐露した。東電と経済産業省原子力安全・保安院に任せている間に福島第1原発の状況は高濃度放射線が周辺を汚染する段階にまで悪化。懸念を募らせる首相が同日、「命がけの冷却作戦」を指示したのは自衛隊だった。

 特に危険な状態にある3、4号機のうち、原子炉格納容器が損傷したとみられる3号機を対象に、陸上自衛隊のヘリで上空数十メートルを通過しながら、機体につるしたバケットから海水を投下する作戦。防衛省は当初、数十メートル上空でホバリング(空中停止)しながらピンポイントで狙う案を検討したが、乗員が放射線にさらされる時間が長く、被ばくの危険が高まると判断した。同省幹部は「これは放射能との戦いだ。通過時だと(水が拡散し)冷却効果が薄くなる」と懸念する。

 密閉されていない使用済み核燃料プールの冷却が必要な4号機については、核分裂を抑えるホウ酸を入れた水の投入も検討されている。しかし建屋の屋根が吹き飛んだ3号機と違い、4号機は建屋の横にしか穴が開いていない。上空からの放水でどの程度効果があるかは未知数だ。それ以前に3号機の放水も実施に移せるか不透明で、統幕幹部は「命の保証がない。非常に危険な任務だ」と17日以降も放射線量を慎重に見極める姿勢を示す。

 ◇防衛省「原発のノウハウない」

 陸自は大震災の発生後、大型輸送ヘリCH47Jなど16機を霞目駐屯地(仙台市)に配置し、輸送任務などに使用してきた。今回の消火・冷却作戦では、放射線量のモニタリング調査のため1機を先行させて飛ばし、安全を確認したうえで放水用のヘリが現場へ向かう手順になっているが、16日は「とても行ける数値ではなかった」(統幕幹部)。17日に基準値を下回る保証はなく、「実施するには『放射線量が低い』とウソをつくしかない」との声も聞かれた。

 もともと防衛省・自衛隊サイドには「我々に原発のノウハウはない。防護服は核攻撃された後でも活動できるようになっているが、(原子炉から放出される)高濃度の放射能には耐えられない」(自衛隊幹部)との慎重論がくすぶる。「原発事故の対応は、東電と原子力安全・保安院にやってもらうしかない」(防衛省幹部)というのが本音だ。

 「ノウハウを持っているとすれば米軍しかない」(同)と米軍への期待感もあったが、空母ロナルド・レーガンなど艦船9隻を派遣して大震災被災者の救助・救援に協力している米側も、福島第1原発については放射線被害への警戒感を隠さない。

 15日には消火ポンプ車2台を東電に引き渡したが、地上からの給水活動には加わらず、海上の艦船は原発の風下にならないように配置を変えている。

 ◇統幕幹部「今回は有事」

 「自衛隊がトライする前に、一番危険な業務を米軍にお願いしますとは言えない」。陸自ヘリをいったん現地に向かわせた16日、統幕幹部はこう語り、「今回は有事だ。最高司令官である首相の判断。『やれ』と言われればやるだけだ」と、隊員の命がかかる首相判断の重みを強調する。【犬飼直幸、坂口裕彦】

[毎日新聞]

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Posted by nob : 2011年03月16日 23:59