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前提の欠落、、、やると決めてまず始めなければ何も実現しない。。。

■ドイツ「脱原発」 競争力揺るがす政策再転換(6月7日付・読売社説)

 ドイツの産業競争力を奪いかねない重大な政策転換である。

 ドイツ政府は6日、既存の原子力発電所17基を2022年までに全廃することを決めた。1980年以前に建設された古い原発など現在運転停止中の8基をそのまま停止し、残りは稼働期間32年をメドに順次停止するという。

 中道左派連立政権が2002年に法制化した「脱原発」政策への回帰である。

 メルケル首相率いる現在の中道右派連立政権は昨秋、従来の脱原発政策を転換し、原発の稼働期間を平均12年延長する方針をいったん決めた。風力など自然エネルギーでは必要な電力を賄えない、との判断からだった。

 それをわずか半年余りで再度転換したのは、東京電力福島第一原発の事故がドイツ国民に与えた衝撃の大きさを物語るものだろう。事故後のドイツ地方選で、原発早期廃止を訴える環境政党が大躍進し、連立与党は敗北を重ねた。

 原子力は、ドイツの発電量の2割強を供給する重要なエネルギー源である。脱原発で生まれる不足分は、当面は火力発電所の増設などで、将来的には自然エネルギーの拡充で埋めるという。

 だが、その道程には不確定要素が多い。

 増強をもくろむ風力発電はバルト海沿岸など北部に集中し、南部への送電網の建設に多額の投資が必要だ。自然エネルギーの高コスト体質に拍車をかけかねない。

 自然エネルギー特有の供給の不安定さもつきまとう。

 ドイツ産業界が競争力の喪失を懸念する所以(ゆえん)である。ドイツは欧州経済の牽引(けんいん)車だけに、欧州全体の景気も左右されよう。

 ドイツが脱原発へと舵(かじ)を切れるのは、陸続きの周辺諸国から電力を輸入できるからだ。現に今、電力の8割を原発に依存するフランスや旧ソ連型の原発が稼働するチェコから輸入している。

 原発廃棄は決めても、原子力に由来する電力に頼る構図は変わらない。自国の原発技術の売り込みも続けるという。ご都合主義の側面も否めない。

 世界の趨勢(すうせい)を見れば、中国やインドなど多くの国が、増大する自国のエネルギー需要の供給源を原発に求めている。

 島国の日本も、ドイツとは事情が異なる。電力を隣国から買うことはできない。産業競争力を維持するうえで、安全性を高めて原発を活用していくことが、当面の現実的な選択である。

[読売新聞]

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Posted by nob : 2011年06月07日 02:14