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まずは原発を止める、、、そこからすべては始まる。。。

■特集:原子力政策 回らぬ核燃サイクル 増える廃棄物、容量限界寸前

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 発電に使用したウランの「燃え残り」から新たに燃料となる核物質を取り出し、使用する核燃料サイクルは、国がエネルギー政策の柱に位置づけている。独立行政法人日本原子力研究開発機構によると、埋蔵量が約100年分(国際原子力機関=IAEA=試算)とされる天然ウランの利用が2570年分に伸び、放射性廃棄物の量は3分の1程度に低減できるという。だが、計画は大きく遅れ、費用だけが膨れ上がっている。

 核燃料サイクルは二つの「輪」で構成される。一つは、再処理工場で使用済み燃料からプルトニウムとウランを取り出し、混合酸化物(MOX)燃料に加工して再び発電に使う。「プルサーマル」と呼ばれる。もう一つは、よりプルトニウム含有率の高いMOX燃料を使う「高速増殖炉」。発電しながら消費量以上の燃料を生産できるとされる。

 サイクルを構成する施設のうち、「日本原燃」が青森県六ケ所村に建設中の再処理工場は、完成予定が97年12月から12年10月に延期。建設費は7600億円から2兆1930億円に膨らんだ。南隣に建設中のMOX燃料工場は、計画より4年ほど遅れて16年3月の完成を目指す。建設費は1200億円から1900億円に増えた。

 高速増殖炉は、実験段階の原型炉「もんじゅ」(福井県敦賀市)が95年8月の初発電から3カ月後に冷却剤の液体ナトリウムが漏れる事故を起こし停止。10年5月に試運転を再開したが、3カ月後に機器の一部が炉内に落下するトラブルが発生し、本格稼働のめどは立っていない。これまでの総事業費は1兆円近くに上る。

 サイクルが滞る中、国内には行き場のない放射性廃棄物がたまっている。電気事業連合会によると、全国の原発からは年間約1000トンの使用済み燃料が出続け、10年9月末までで貯蔵容量の66%に当たる1万3530トンが各敷地内で保管されている。この他、六ケ所村の再処理工場にも、各原発から運ばれた2834トンが保管され、貯蔵容量の94%に達している。

 国内では再処理ができないため、69年から英仏に委託した約7200トンの放射性廃棄物も20年までにすべて返還される。MOX燃料は国内の原発3基で使用。残った放射性物質をガラスと混ぜて固めた高レベル廃棄物の「ガラス固化体」2200本は、六ケ所村に「一時保管」される。高レベル廃棄物は、地下300メートル以上の深さに埋める最終処分方法は決まっているが、処分場を引き受ける自治体はない。【比嘉洋】

[毎日新聞]

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Posted by nob : 2011年08月05日 12:41