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世界の中の日本、、、30年前に1ドル=50円で成立しうる経済構造づくりを提唱して変狂人扱いされたものでした。。。

■“出稼ぎ”のススメ 空洞化が日本を潤す

 一時、1ドル=75円台をつけるという超円高で、企業からは「もう日本ではモノ作りができない」という悲鳴にも似た声が上がっています。発足したばかりの野田佳彦政権に対しても、「円高対策」「空洞化対策」を求める声が、経済界を中心に大きくなってきました。

 企業からすれば、当然の要求でしょう。円高で輸出競争力がなくなれば、日本でモノを作っても稼げないし、雇用も守れないからです。

 しかし、です。ここで今一度、空洞化という現象を深く考えてみる必要はないでしょうか。

 1985年のプラザ合意以降、円は上昇する一方でした。企業はそうした円高に対抗するために、コストを削り、技術を磨き、何とかここまでは踏ん張ってきました。もうこれ以上は無理ならば、空洞化は避けることのできないこととして、捉え直す必要があるのではないでしょうか。

 そこで本誌は、空洞化悪玉論の理由である「税収が減る」「雇用が守れない」の2つについて、それが本当にそうなのか、検討することにしました。

 企業が海外に拠点を移せば当然、法人税を中心とする税収が減ります。ただし、ここで問題になるのは、ではこのまま日本に居続けることで税収が確保できるかという点です。

 日本でモノを作り続けることで企業が国際競争力を失いつぶれてしまえば、同じように税収は失われます。反対に海外に出ることで競争力を回復して儲けるようになれば、企業は利益を配当などの形で日本に還元します。それは法人税という形で国庫に入ることなく、純粋な民間資金として研究開発や設備投資などに使われるはずです。

 同じことは雇用についても言えます。企業がつぶれてしまっては、雇用は失われます。逆に海外に出れば、企業は日本人社員を派遣したりする必要があります。そこである程度の雇用は守れるのです。

 ただし条件があります。中国や東南アジアの学生は極めて優秀です。日本の大企業も最近は、そうした優秀な学生を何とか採用しようと躍起です。もし、日本人の雇用を守ろうとするなら、日本人社員もアジアの優秀な人材と同様の能力を持つ必要があります。グローバルで通用する人材です。もちろん、それには教育が必要ですから、時間はかかります。

 人口の減少が確実な日本は、経済規模を拡大することが難しい状況にあります。逆にアジアを中心とした新興国経済は伸び盛りです。新興国に積極的に進出し、企業が稼ぎを最大化する。そうすればカネもヒトも守れる。空洞化を悲嘆するのではなく、「企業の未来がそこにある」、そう考えることが重要ではないでしょうか。日本企業も日本人も外に出よう。

[日経ビジネス]

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Posted by nob : 2011年09月05日 08:59