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そうだったのか、、、書く事の効用、、、ナチュラルに私も実践してきています、、、ここでも。。。

■「イヤなことを確実に忘れる」意外な方法

「1年前の夕食の中身」が思い出せない理由

 よいことはできるだけ覚えておいて、イヤなことはさっさと忘れる——。

 都合のいい「方法」のようですが、不可能ではありません。今回は特に、「イヤなことを忘れる」方法をご紹介します。その方法はというと、逆のようですが、本連載で繰り返し主張している「記録をとること」です。

 私達の頭脳というのは時に不都合な働き方をします。

 「忘れたいのに……」(失恋した相手のことなどについて)
 「覚えたいのに……」(英単語など)

 という嘆きはあちこちから聞こえてきます。今この瞬間にも悩んでいる人がいることでしょう。

 私達の頭は、私達のために働いているのですから、本来「忘れたい」ことは速やかに忘れる (消去) べきだし、覚えたいことは即座に頭に入る (記銘) べきでしょう。そういう風に機能しないのは、不思議なことです。

 「忘れる」ことがコントロールできないのです。これが不思議なところなのです。

 下のグラフは、1972年に辛抱強く自身の「エピソード記憶」を観察実験した、マリーゴールド・リントンによるものです(彼女の仕事は「Evernote」* があったらさぞ楽になっていたでしょう/*「Evernote」:様々な情報を保存することができるソフト)

◆「忘れる」とは「中身を思い出せない」こと
◆「忘れる」とは「中身を思い出せない」こと

 彼女はこの図について次のように述べています。

 ——試行(または経験)数は、エピソード記憶と意味記憶に対して対称的な影響を及ぼす。何らかの特定事象クラスの経験が増大すると、その事象およびその文脈に関する意味(または一般的)知識が増大する。しかし類似事象の経験が増大すると特異的エピソード知識が次第に混乱し、そして最終的にエピソードの区別がつかなくなる(『観察された記憶—自然文脈での想起(上)』p97)——

 身近な例でいえば、たくさん食事をしていると、「食事」に関する一般的知識が増大する一方で、1食ごとの中身の区別がつかなるのです。つまり1年前の夕食に何を食べたかは忘れるということになります。

 大好きな彼とのデートであっても、100回目にはさほど興奮しなくなるでしょう? さほどというのが言いすぎであるなら、「1回目」ほどは興奮しなくなっているはずです。

 そしてどれほど大切にしてきた関係であれ、100回の内容を全部区別できるかどうかは疑わしい。区別できなくなって、どれも同じ「デート」という「意味」になったとき、私達はあまり興奮しなくなっていくのです。

 つまり、「経験」が「文章」に変わったとき、感情的になる理由も失われるのです。

「具体的な記憶」と「抽象的な記憶」

 「不思議な不思議な池袋」では、「西武」デパートが「東口」に、「東武」デパートが「西口」にあります。この「知識」は大変便利です。都内大半の駅で道に迷う私が、池袋でまったく迷わなくなったのは、この知識を仕入れた以後のことです。

 抽象化の価値はここにあります。都心の大きなステーションは、目まぐるしく激しく変化します。店は変わる変わるし人はたくさん歩いているし、もちろん記憶は定かでないので、具体的な目印がなかなか役に立ちません。

 しかし「西武は東」というほぼ不変の、したがって非常に抽象化しやすい「意味」(「池袋では西が東」)の知識が一度頭に入ってしまえば、他のやたらと変化する具体的な事実(「『ねんりん屋』が新しく池袋にできたね」)などは、全部忘れてしまってOKです。

 どういうことかというと……。「『ねんりん屋』が池袋にできた」ことは具体的で写真に撮れます。感情の動く情報とはこうした情報なのです。具体的で、情報量が多く、よく変化する事柄です。

 一方で「西は東」というのは写真に撮りにくいわけですが、情報量は少なくしかも変化しません。おそらく脳は、「『ねんりん屋』ができた」とか「新しいイタリアンのレストランができた」といった情報を全部とっておくのでは負担が大きいので、できればさっさと抽象化したいのでしょう。抽象的な情報なら、面白味はなくても負担も少なくて済みます。

 私達は年齢を重ねるにしたがって、どんどん「物忘れが激しくなる」と感じるわけですが、それは「エピソード」を抽象化して、どんどん「意味記憶」ばかりにしていく過程と考えることもできるわけです。たくさんの引き出しを何度も使っていれば、「引き出しにしまった」ということだけを覚えていても、どの引き出しにいつしまったかは思い出せなくなるということです。

「書く」と、「抽象化」が早まるから忘れられる

 さて、「記録に残すことで、イヤなことを忘れる」というのは、出来事の経験を「意味」に直してしまうことで、感情的に落ち着くという方法です。いわば出来事の「面白味」を削って、特徴と対策だけに絞ってしまうことといえます。

 そもそも「意味記憶」とは「言語で表記できる」ということ。言葉で書くということは「抽象化」に近い作業なのです。

 「イヤなこと」という抽象的な「問題」に対しては、「対処法」があります。ちょうど池袋駅が大幅に改築されても、「西武は東」であることに変わりなく、その点にのみ注意していれば道に迷わないのと一緒です。

 「さっき遭遇したイヤなこと」を事細かに思い出していても気分が悪くなってしまうだけですが、「イヤなこと一般」への対処方法は記憶にあります。「イヤな気分」への対処の仕方も脳が覚えているでしょう。20年くらいのデータベースがあれば、出てくるはずです。

 つまり、忘れてしまいたいことを経験したら、さっさと記録に残し、「イヤなこと」への機械的な対応策も併記して、抽象化するべきなのです。いやなことは「思い出」ではないのですから、細部まで頭に残して気分を悪くする必要はないはずです。ぜひ、「忘却力」を身につけてください。

[WOMAN Online]


■「損したくない気持ち」がダイエットになる!?

レコーディングダイエット〜「書くだけでやせる」本当の理由

 こんにちは。佐々木正悟です。さて、前回(片付けるためには「整理しない」のがコツ)お話したとおり、本連載では、「ちょっとした習慣」を作ることで、生活や人生をよくするヒントをお伝えしたいと思っています。その最重要メッセージは、

 何でも記録するだけで成果が出る

 ということです。

 ただ、これがなかなか信じてもらえないのです。その証拠に、家計簿も「面倒くさい」という理由でつけない人がたくさんいます。

 家計簿については回を改めますが、家計簿をつけないというのは私からするととてもとても不思議です。世の中の人はみんなもっとお金が欲しいと思っていると思いますし、ただ収支の記録をとるだけで貯金額が増えるのに、それをしない。足し算と引き算すらやる必要がありません。それは今ではコンピュータがやってくれますから。

 収支の記録をとれば、ある程度はお金が貯まっていきます。

 同じように、記録さえ残せば、ある程度はやせるものです。

記録をとれば、やせる

 岡田斗司夫さんの『レコーディング・ダイエット決定版』(文春文庫)をご存知でしょう。なるほど!と思った方は多いでしょうが、実際には、やはりなかなか信じていただけない。

 『レコーディング・ダイエット決定版』に、こんな文章があります。

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 私は、食べ歩きメモをもっと詳しくとることにした。
 あわせて、毎日の体重もメモをするようにした。
 当時の私は「やせたい」ではなく、「なぜ私は太っているのか?」という疑問の答えが知りたかっただけなのだ。
 そしてある時、気がついたのだ。体重が減っている!

            ※『レコーディング・ダイエット決定版』(文春文庫)より

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 面白いと思いませんか?

 岡田さんはただ食べ歩きメモをつけていただけです。カロリー計算も運動もしていません。そもそもカロリーを記録していません。記録を読み返してすらいません。ただ記録をとったら、やせていたのに気がついたというのです。

 もちろんこの連載をお読みの方は、当時の岡田さんほどの体重をお持ちでないでしょうから、そこまで劇的な効果は期待できないでしょう。それでも記録をとればやせることが期待できます。分析したり、読み返したり、カロリー制限したりしなくても、です。

記録で体重が減る理由

 どうしてそういうことが起きるかというと、すべての食事を記録をするとなると、無意識に食べるということができなくなるからです。

 私たちは無意識のうちに何かを食べてしまうということができます。極端な話、半分眠っていても何かを食べることはできるのです。

 しかし、半分眠りながら自分の食べたものを全部、正確に記録するということはできないのです。それをやろうとしたら目が覚めてしまうでしょう。

 この自覚が大事なのです。食べることに意識的になれば、無意識のうちに食べていたようなものは、食べなくなっていきます。それは食べても食べなくてもよかったようなものだからです。

 これは食事に限ったことではなく、何かを減らしたいと思ったら、必ず検討するべきことです。無意識のうちにお酒を飲んでいたり、無意識のうちにタバコを吸っていたり、無意識のうちにチョコレートを食べているという人は少なくありません。

 飲み会で飲んだお酒の杯数、覚えていますか? なぜ14杯飲んだのでしょうか? それは13杯ではいけなかったのでしょうか?この1杯分のカロリーは、1杯分です。13も14も同じ、ということは決してありません。

 ダイエットとは、食べる量をゼロにするということではありません。食べる量を減らすということです。もっとも減らしやすいのは、無意識に食べている食べ物です。これは記録をとることによって、自動的にゼロになります。

書かずにいられなくなったら、シメたもの

 記録にはもう一つの利点があります。あるテーマについて記録をとり続けていると、記録をとらずにはいられなくなっていくのです。

 このお話は回をまたいで何度もすることになりますが、それだけ知っていただきたい話です。

 ところで、私たちは「損をしたくない」と思うものです。そして、その気持ちは非常に強い。

 しかし、そんなに強い「損をしたくない」という気持ちも、シチュエーションによってずいぶん違ったものに感じられるから不思議です。おそらく「レコーディング・ダイエット」を始めたての人は、「食事の度に記録をするなんて、時間の無駄」と思うでしょう。つまり「記録をつけることは損」と感じているのです。

 しかし、記録をつけて100日も経つと、「記録をつけないと損」と必ず感じられるように変わります。「何が損か」についての感じ方が変わるのです。

 経済評論家の勝間和代さんはこの心理を上手に利用して、運動の習慣化に生かしていらっしゃいます。

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 家でも運動はできるのですが、どうしても、他の誘惑(読書とか、仕事とか、映画鑑賞とか、新聞読みとか)が多くて、なかなか運動に集中出来ません。

 しかし、スポーツクラブに行ってしまえば、それ以外のことはできません。

 ※「毎日、何かの運動をするということ--- 勝間和代公式ブログ: 私的なことがらを記録しよう!!」より
http://kazuyomugi.cocolog-nifty.com/private/2011/05/post-dd15.html

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 よくよく考えてみれば、そうでもないことがわかります。スポーツクラブに行ったとしても、読書も、仕事も、映画鑑賞も、新聞読みも、しようと思えばできます。でもそうはしません。なぜなら、スポーツクラブに行って本を読んだり映画鑑賞するのは「損だ」と感じてしまうからです。人は損だと感じたことはしたくないものです。

 「レコーディング・ダイエット」も同じような形で、「ダイエット」を後押ししてくれます。とにかくすべての食事の記録をただひたすらにとり続ければ、やがてなぜか「記録を残さないと損だ」と感じるようになっていきます。全部の記録を残してきたのに、ある日の食事だけ記録をとらない、というのは心理的に難しいのです。

 すると同時に、「こんなどうでもいいようなおやつのために、記録をとるのは面倒だ」と感じる日がやって来ます。この手間をかけて記録を残すくらいなら、むしろ食べない方がマシ、と感じるわけです。人は損をするのが嫌いなのです。

 つまり「レコーディング・ダイエット」とは、少なくとも

・無意識のうちに食べてしまうものを食べなくなる
・記録するのが面倒だと思うことで、食べなくなる

 という2点で、ダイエットを後押ししてくれます。食べなかった分はカロリー摂取が減ったわけですから、少なくともその分は体重が落ちます。そして記録をずっと継続する限り「レコーディング・ダイエット」は継続できるのです。食べ過ぎても、カロリーオーバーしたと思っても、運動しなくても、とにかく記録が途切れなければ、ダイエットに失敗したことにはなりません。

 やせたい人は、口に入れたすべてのものを記録してみてください。分量やカロリーなど細かいことは必要ありません。「食べたもの」を書くだけでいいのです。

 記録する際の注意点としては、
・同じノートを使う
・日付を入れ、そこに体重を入れる(減ったことを知るためにも)
・食べた時間を入れる
・食べたものは全部書く(省略は一切ダメ)
といったことに気をつけてください。

[WOMAN Online]

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Posted by nob : 2011年11月22日 08:52