« 知らない(ふり?)にもほどがある。。。 | メイン | カネやモノに不必要に囚われない、、、自らの立ち位置や尺度がはっきりした、、、昨今の若者達の今後に期待しています。。。 »

オバマ大統領になっても米国は、、、民主党に代わっても日本は、、、悪化はすれども事態は何も好転しない、、、すべては私たち一人一人が意識を変えていくことから。。。

■米軍撤退後もイラク安定の課題は続く

 イラクに駐留していた米軍の撤退が完了した。ブッシュ前政権がイラク戦争を始めてから8年9カ月。開戦の是非で世界が割れ、約4500人の米兵と10万人以上といわれるイラク国民が犠牲になった戦争の幕引きである。

 8000億ドル(約62兆円)もの戦費を投じた戦争は、米国の影響力を逆に弱める結果になった。米国がイラクに介入している間に中国の台頭などが進み、国際関係の力学は大きく変わった。

 今の米国には、中東・イスラム世界に過度の介入を続ける余裕はない。そして米国民の厭戦(えんせん)気分も強い。オバマ米大統領は経済の立て直しに力点を置くと強調し、アフガニスタンからも撤退の第1段階となる約1万人の米兵が引き揚げた。

 米国は戦争でイラクのフセイン独裁政権を倒した。だが、外からの「中東民主化」には失敗した。米国の影響力低下の中で、今年アラブ諸国の内部から民主化の波が広がり、独裁が相次いで倒れた。

独裁崩壊後のエジプトなどの情勢は流動的だ。イラクにイランと同じシーア派が中心の政権が登場したことなど、イラク戦争がもたらした地政学的な状況変化の余震も続く。中東の大変動のさなかに米国は中東からアジア・太平洋地域に安全保障戦略の重点を移す。

 オバマ大統領は、イラク戦争が「まもなく歴史の一部になる」と語った。だがイラク安定にはなお多くの課題がある。この数年で治安状態はかなり良くなったが、テロが終息したわけではない。

 米軍撤退と同時に政権内の抗争も激しくなった。スンニ派のハシミ副大統領にテロ関与容疑の逮捕状が出されたことなどで、スンニ派勢力はシーア派のマリキ首相への反発を強め、スンニ派が多数の地域ではクルド人地域と同様な自治を求める声も噴き出す。

経済の柱である原油生産は日量260万~270万バレルの水準に回復し、イラク石油省は2014年に650万バレルまで生産量を引き上げる目標を掲げる。豊富な資源をもとに高率の経済成長も見込まれるが、その潜在力を生かすには政治と治安状況の安定が必要だ。

イラクは将来の世界のエネルギー供給で重要なカギを握る。中東の要衝に位置する国の行方は地域の安定も左右する。米国がイラク戦争に幕を引いても、イラク安定に向けた支援の継続は国際社会の大きな課題として残る。

[日本経済新聞]

ここから続き

Posted by nob : 2011年12月26日 09:16