« ただカネを渡すことは保護でも援助でもない、、、制度を根本から見直さない限り不正受給はなくならない。。。 | メイン | この蛮行愚行を止められない、、、これこそが最も深刻な問題。。。 »

私のライフログ、、、目的も手法も活用も考慮せず、できる限りの行動と摂取した品目を、なるべく翌日に記録する。。。

■何を記録すれば活用できるのか?
僕らがライフログを実践してわかったこと

NHK「クローズアップ現代」でも特集が組まれた「ライフログ」。生きてきた証を残す上でも、自分を深く知る上でも、経験を未来に役立てる上でも、“人生の記録”に注目する人が増えている。しかし、始めてみたものの、記録をなかなか見返せず、活用できていないと感じる人が多いのもまた事実である。そこで、番組に出演した『人生は1冊のノートにまとめなさい』の奥野宣之氏と、『たった一度の人生を記録しなさい』の五藤隆介氏が、ライフログの悩みの種である「何をどう記録するか」「どう役立てるか」「どう見返すか」の3点について、自身の経験をベースに本当に役立つ方法を語った。3日連続の対談連載の第1回は「何をどう記録するのか」。

アナログノートの達人・奥野宣之
ピンときたものは何でも貼る
奥野宣之/1981年大阪府生まれ。同志社大学卒業後、出版社及び新聞社に勤務。ノートを使った独自の情報整理術をまとめた『情報は1冊のノートにまとめなさい』が32万部のベストセラーに。シリーズ続編3冊合計で50万部を突破、「100円ノートブーム」を生み出した。著書に、ライフログノートの書き方をまとめた『人生は1冊のノートにまとめなさい』、『処方せん的読書術』など。

奥野:僕の場合、気づいたことを書いたりする以外に、基本的に日常の中で出会う紙ものはすべてノートに貼っています。自分で殴り書きしたメモや読んだ本の帯、いただいたハガキや送り状、名刺なども、すべて時系列で貼っていますね。

五藤:逆に貼らないものはあるんですか?

奥野:何回も行っているお店の名刺や、どこででも手に入るものは貼りません。自分の心にピンときたものを中心に貼っています。

五藤:付箋をたくさん貼られていますが、最初にメモしたものですか?

奥野:そうです。アイデアって急に思いつきますからね。台所で皿を洗っているときなんかに突然思いつくから、急いで泡を落として、まずはそのへんに置いてある裏紙にガーッと書いて、あとからノートに貼るんです。

五藤:付箋やメモ帳は家中に置いてあるんですか?

奥野:家中どこにでもありますね。トイレにも風呂場にも玄関にもあります。人から声をかけられたり、一秒でも余計な時間が経つと、人間の脳みそってコロッと忘れちゃうので、その瞬間に書き残さないとダメなんです。僕がアナログにこだわる理由というのは、そういうタイムラグをゼロにしたいという気持ちが大きいのかもしれません。

奥野:日々の行動記録については、ノートに直接書き込んでいくスタイルだけでなく、今は1日の行動記録を一覧できるエクセルで作った自作の「B5スケジュールシート」を使っています。これをノートに貼りつけて、寝た時間とか、やった仕事とか、食べたものとか、スーパーに行ったといった行動やそのとき読んでいた本、見たテレビ番組なんかを書いています。

五藤隆介/1980年愛知県生まれ。ブロガー兼ライター。EvernoteをメインテーマにEvernoteへの記録手段や整理方法、発見、試行錯誤を記載したブログ「goryugo, addicted to Evernote」主宰。Evernoteについて日本一詳しいブログとして多くのファンを集める。人気ブログ「シゴタノ!」やウェブメディア「マイコミジャーナル」でも連載を持ち、ファンを拡大中。著書に『たった一度の人生を記録しなさい』がある。

五藤:8時から24時まで目盛りがありますが、マメに記録していくんですね。これは行動記録だけで予定は書いていないんですか?

奥野:最初は予定と行動記録の両方を書いていましたが、最近はやったことのほうが多くなっていますね。

五藤:もともとは最初に予定を書き込きこんで、それを行動記録に合わせて修正していくということですか?

奥野:そうです。だから書き終わると、予定じゃなくて、実際に1日にやった記録として残ることになるんです。ただ最近、予定はグーグルカレンダーで管理して、行動記録をこのシートで残している感じです。

五藤:シートをノートに貼られていますが、先の分などはどうしているんですか?

奥野:あらかじめ5日分くらいは貼っておいて、それ以外は、いつでも貼れるように出力したものを持ち歩いています。最初のページに貼るとか、左ページに貼るといった細かいルールは設けないで、必要なときに貼るだけです。途中で何かページに書き込んでページの間隔が開いても気にしないようにしています。緑の用紙に出力しているので、あとで見返してもすぐに目に留まりますし。

デジタルノートの達人・五藤隆介
自動記録を活かしてiPhoneで記録

五藤:僕は基本的にすべてiPhoneで記録しています。主に記録しているのは「ふとした思いつき」や「行った場所」「食べた物」「会った人」です。景色や人物などを写真で撮ることもよく行います。

 ベースとなるアプリはEvernoteで、メモはFastEverというアプリ、写真はFastEverSnapというアプリを使っています。 iPhoneは常に持ち歩いているので、外出先や移動中にふと何か思いついたときでも、すぐに写真を撮ったり、簡単にメモできます。

 どこかに行ったときは、foursquareというアプリでチェックインして記録を残します。食べた物は、最近Evernote Foodを使って撮影しているんですが、これは、あとから検索ができるので便利です。例えば、「愛知県」と入れれば、愛知県で食べた物がずらりと出てくるんです。

奥野:写真以外の情報だと、どういうことをメモしたりするんですか?

五藤: この前、「道明寺饅頭」というものを初めて食べて、とても美味しくて感動してしまいました。そういう気になったことはメモしていますね。 他にメモするとしたら、「いくらだった」とか、「料理の名前」とかでしょうか。 あとは、検索することを考えて、「うどん」というタグを付けて記録する場合もあります。これなら食べたうどんのお店だけを、あとでまとめて見ることができるんです。

 とはいえ、デジタルの場合は食べた物の写真を撮れば、何月何日何時何分にどこにいたのかというのは自動で残るし、あまり細かくやりすぎても続かなくなるので、基本は「写真を撮るだけ」にしています。

名刺から読書まで
記録を検索できるデジタルの強み

奥野:日時や場所の記録が自動で残るというのは、デジタルの強みですね。その他、デジタルならではの記録法というのはあるんですか?

五藤:名刺や読んだ本の管理はデジタルのメリットかもしれません。名刺はiPhoneで撮ったりスキャナーでスキャンしていますが、自動で名刺の文字を読み取ってくれるので、あとからでもiPhoneで簡単に検索できますし、読んだ本は「本」というタグを付けて記録しているので、いつでもどこでも、あとで見返すことができます。

奥野:本の書影も入れているんですね。

五藤:読み終わった本を撮影したり、アマゾンからデータを取ってきています。書誌データもコピー&ペーストで貼っておけば、あとで「前に読んだ何々という人の本」とうろ覚えでも、検索すればすぐに出てきます。

奥野:僕の場合はアナログノートなので、検索するためには、ノートに書いたことの「索引」を別途デジタルで入力する必要がありますが、いずれにしろ、お互いアナログとデジタルという違いはありますが、情報を一元化してそこにすべてを投げ込むという発想は同じですね。検索する場合も一元化されているので、あとで見返せるわけです。

どこに魅力を感じるのか?
デジタルとアナログの記録の違い

五藤:デジタルノートは、並べ替えや仕分けも簡単にできるので、記録した情報をソートして特定の持ち物だけを一覧で見たりすることができます。また、写真を撮れば一瞬で記録を載せるので、デジタルはすごく便利だと感じていますが、アナログノートでログを残す奥野さんは、手で書いたり、貼ったりすること自体に価値を感じているんですよね。

奥野:日頃パソコンを叩いて仕事をしていますよね。そうすると、毎日がデジタルばっかりだから、もう触りたくないっていう感覚もあって、フィジカルな意味で、いつもと違う手の動かし方をしたいんですね。鉛筆をナイフで削ってみたり、クラシックカメラを使ったりするのって、たまにやると楽しいじゃないですか。ああいう感覚です。

五藤:え!? そうなんですか。僕はもう鉛筆は大学時代以来使っていなくて、手書きで書くという行為自体が嫌いなんです(笑)。

奥野:まあ、人によって違うとは思いますが、たまに野外キャンプなんかをすると楽しいですよね。焚き火をたいたり、魚をさばいたりと、あえて手のかかることをしてみるような、「レクリエーション感覚」っていうんでしょうか。

五藤:なるほど。手を動かすこと自体が趣味や息抜きでもあるということですね。

奥野:楽しみ、ですね。例えば旅行に行って、半券やパンフレットなどの資料、撮った写真や、その場で書いたメモなんかがいっぱいできますよね。それをどんなふうに切り抜くか、ノートに貼ってレイアウトするか、どう文章で表現するかと考えたり、実際に貼ったりするのが楽しいんです。

五藤:僕はたぶん奥野さんと真逆で、そういう細かい手作業が苦手なんですよね。ハサミで切るとか糊で貼るとか、できるだけやらないようにしたい(笑)。ご著書でも「空気感が残るのがアナログノートの魅力」とずばり書かれていますが、その辺は僕はまったくこだわっていないんです。

奥野:料理とか工作とかプラモデルとか、何かを作るのってワクワクしませんか? そういう手作業がやっぱり僕は大好きなんですよね。それに、手書きで思っていることを書くと、「俺は絶対これをするんだ!」という思いも強くなりませんか? こういうのをパソコンで入力すると、僕はすごく冷めちゃうんですよね。なにしてんだろ、って気持ちになる。

五藤:僕の中では、手で書いてもパソコンで書いても同じ感覚なんです(笑)。どんな形でも記録を残すことと、それをもう一度見返すことのほうが大切だという意識があるからかもしれません。

記録しまくって気づいた最近の変化
自分が体験したことだけを記録する

奥野:アナログノートはどうしても手作業な分、何でもかんでも記録するというのはちょっと大変です。だから、自分のフィルターを通して、「自分にとって価値あるログだけ残している」という感じがある。

 でも、デジタルだと自動で何でもログを残せるからか、何歩歩いたとか、何キロ走ったとか、数字を淡々と記録している人が多いですよね。僕はああいうデータ的なログの残し方だけじゃなくて主観的な言葉を書くので、数字だけで本当に意味があるんだろうかと思うんですけど……。

五藤:そういう人は活用の仕組みをつくっていますが、あくまで個人的な意見としては、何でもかんでもログを残す必要はないと思います。僕自身も、以前は何でもとにかく記録していたけど、最近は特に必要ないかなというものは、あんまりログを残さないようになってきていますね。

奥野:逆に減らしているっていうことですか?

五藤:そうです。例えば、自分が見たウェブページもちょっといいなと思ったら何でもかんでもクリップしていたんですけど、結局、何年たっても見なかったんですよ。必要なときは検索したほうが早いというのが現実で。それより、自分が直接体験したことや、自分の感情が大きく動いたログを残すほうが重要なんだと感じています。あとでログを見返すという意味でも、そうしたログのほうがグーグルで検索できる情報より価値があると思いますね。

奥野:それはまったく同感です。でも、デジタルはやろうと思えばいくらでも簡単にログを取れますけど、それをやめたきっかけって何なんですか?

五藤:あとで見るときに、邪魔だったんです。1日10~20件と、いろいろな情報をクリップしていたんですけど、結局、99.99%は検索したほうがいい結果が出てくるんですよね。もしかしてもっと技術が進んだら、そうした一見無駄なログも上手に仕分けしてくれる時代がくるんじゃないかとも思いますが、現状では、見返す上でノイズにしかなっていないんです。

奥野:それで結局のところ、自分に関わることだけを残すようになってきているんですね。

五藤:何かのイベントで誰かと会ったとき、検索すれば誰かが書いたブログの記事などから、いつ誰と何をしたかはすぐにわかります。でも、そのとき自分が何を感じたかという記録は、検索しても二度と探せないわけです。だから、例えば誰かが僕のことをこんなふうに言ってくれたというのは、自分の感情と関わったからログを残すんですが、イベントで誰々がこんなスピーチをしていたというのは、あまりログには残さないようにしていますね。

奥野:それは僕もまったく同じで、自分が読んで「いい」と思った資料の一番いいところを切り抜いて貼るわけで、もらったものを全部貼っているわけではないです。自分でフィルターにかけて、自分が関与したものだけを書く。だからその日の天気なんかは書いていないんですよ。でも、天気のことでも自分の体験したことは「雨に降られた」なんて書いている。

五藤:天気なんか、あとでいくらでも調べられますからね。

究極のライフログ「排泄ログ」
活用できれば効果的!?

奥野:自分に関わることで究極のログというのは、僕はトイレだと思うんですよ。自分の便のログ。

五藤:それって写真を撮るんですか。相当気持ち悪いですね(爆笑)。

奥野:確かに常識ではあり得ないけれど、実際できればものすごくいいことですよ。食べる物を撮るなら、出す物も撮らないと。山ログとか、食べログみたいに、「排泄ログ」というサービスが出たらいいと思う(笑)。

五藤:シェアしたくないし、されたくもないです(笑)。まあ、医療目的でのサービスとしてやるのはあるかもしれないですけど……。

奥野:でも、健康に絶対役立つと思いますよ。これこそ究極のログです。

五藤:トイレにセンサーを付けて、自動的に大きさとか固さを記録するとか。で、医者にデータが届くようになっていると。でも、ライフログについて書かれた最初の『ライフログのすすめ』(ゴードン・ベル・著)という本は、まさにそんな世界ですね。

奥野:デジタルでログを取ってる人って、最終的にはそういう「フルオートかつオール記録」の世界を目指しているような感じがありませんか?

五藤:目指していたんですけど、当分は無理だっていうことに気がつきました。どれだけこまめにログを残しても、実際にそれを活用できる仕組みができていないんです。例えば、排泄ログだってやればできると思いますが、現状では、趣味や自己管理としてやることはできても、その先で医者と一緒にシェアするような仕組みにはなっていない。いくらこまめに記録していっても、それを本当に活用できないなら、今はまだノイズにしかならないのだと思います。

奥野:結局、現状では、何でもかんでも記録することより、自分のフィルターを通して、自分に関わる記録を残していくほうが、ちゃんと活用できるということですね。それは、デジタルでもアナログでも、ライフログをやっていく上では同じことがいえると思います。

[DIAMOND online]

ここから続き

Posted by nob : 2012年06月06日 19:13