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日本全土が放射性物質の拡散予測地域、、、安全な場所など何処にもない。。。

■規制委:放射性物質拡散を予測…16原発、過酷事故想定

 原子力規制委員会は24日、東京電力福島第1原発事故のような過酷事故が発生した場合、全国の16原発について、放射性物質の拡散予測地図を公表した。事故を前提にした予測地図の公表は初。4原発では国の「原子力災害対策指針」で住民避難などを充実させる30キロ圏を超えて広がっており、自治体の防災計画策定に影響しそうだ。

 福島第1原発を除く16原発で、(1)福島第1原発1〜3号機と同量の放射性物質が放出された場合(2)すべての原子炉で炉心溶融が起きた場合−−の2種類を試算。気象条件は一部原発を除き、昨年1年分のデータを使用。各原発の16方位で、国際原子力機関(IAEA)が定めている避難の判断基準(事故後1週間の内部・外部被ばくの積算線量が計100ミリシーベルト)に達する最も遠い地点を地図に表した。極端な気象条件を排除するため、上位3%のデータは除外した。

 この結果、東電福島第2原発(福島県、計4基)▽同柏崎刈羽原発(新潟県、計7基)▽中部電力浜岡原発(静岡県、計3基)▽関西電力大飯原発(福井県、計4基)−−の4原発で30キロを超えると試算された。1サイトで世界最大級の出力を持つ柏崎刈羽原発は、陸側では東南東方向に40.2キロ離れた魚沼市まで達した。浜岡原発では海上だった。残りの12原発は30キロ圏内だった。

 規制委事務局の原子力規制庁は「架空の前提条件を基にした試算であり、精度や信頼性には限界がある」としている。地図は、地元自治体が来年3月までにまとめる地域防災計画の資料にするため、規制庁と独立行政法人・原子力安全基盤機構が作製した。【中西拓司】

 ◇地形考慮せず試算

 放射性物質が最も多く出た東京電力福島第1原発2号機と同様、約10時間にわたって放出が続いたと設定。風向、風速、降雨量などについて、1年分の気象データ8760パターン(365日×24時間)を地図上に積み重ねた(一部原発を除き、気象データは昨年1年分を使用)。ただし、極端な気象を除外するため、拡散分布地点の遠い上位3%に入るデータは除いた。計算システムの制約上、山間部や河川、湖沼などの地形を考慮しておらず、それに伴う風向などのデータも加味されていない欠点がある。放出源は地表面に設定しているため、実際の飛散状況とは異なるとみられる。試算では、米国の原子力規制委員会(NRC)が使用しているコンピューターシステムを使用した。

 ◇解説…試算の限界、説明必要

 拡散予測地図の作製は、安全神話からの脱却を意味し、事故を前提とした国や自治体がどの範囲まで対策を考えるかを判断する目安になる。しかし、計算上の制約から現実と異なる条件を前提としており、今後、活用の仕方で自治体に混乱を招くことも予想される。

 原発から放出された放射性物質は、地形や降雨の影響を受けながら地表に沈着する。原子力規制委員会は今回、原発周辺の自治体が来年3月までに策定する地域防災計画の参考にしてもらうため、迅速な試算を重視。拡散に影響を与える山岳地などの地形を考慮せず、放出時点での風向や風速で一方向に広がっていくという仮定で計算した。それだけに、事務局の原子力規制庁は「地図の信頼性には限界があり、あくまでも参考」と説明する。

 今回の地図は平均的な気象条件の下での試算であり、実際に事故が起きたときは、うのみにすることなく、その時点の気象データをもとに柔軟な対応を考えなければならない。

 今後、原発周辺自治体は地域防災計画の策定作業を本格化させるが、試算を示された地元の住民に不安が広がるだろう。規制委は試算の限界を丁寧に説明していく必要がある。【西川拓】

[毎日新聞]

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Posted by nob : 2012年10月25日 09:42