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確かに。。。

■オトコを上げる食事塾 笠井奈津子
笠井奈津子 [栄養士、食事カウンセラー]

仕事が終わるまで夕食はガマンしたほうがいい?
残業中も集中力が続き、大事なプレゼンも失敗しない食事

 集中力が持続するのは、本来、小一時間程度らしい。でも、そんな脳の限界を、仕事は配慮してくれない。たとえば、大事な会議やプレゼンの前夜、準備が長丁場になって、深夜遅くなることもあるだろう。そんな時、疲れをためず、効率を落とさないためにはどうすれば良いだろうか。

片手で肉まん、菓子パンを食べていないか?
残業中も効率を落とさない食べ物とは

「仕事中はお腹が空かない」という男性は非常に多いが、前の食事から時間が経過するほどに、脳も体もそれなりに充電が減ってきている。残業することが予想できたら、10分、15分の時間を惜しまず、8時くらいまでに軽く夕食を摂ってほしい。チームのリーダーであるならば、部下も含めてブレイクタイムを摂ることをすすめてほしい。可能であれば、30分。いや、本当にそんな時間がないんだよ、というときには、昼食に外に出た際などに、おにぎりやサンドイッチなど、作業しながら片手で食べられるものを買ってきておくのもおすすめだ。

 この時の食事はエネルギー補給が目的なので、がっつりと、過剰には摂らなくて良い。するべきタスクがたまっているときには、頭がフル回転して、どうしても交感神経が優位になりがちだ。そうすると消化吸収がうまくいかなくなるので、せっかく食べただけのパフォーマンスが発揮できなくなってしまう、ということがある。もしも「自分はあまり切り替え上手な方ではない」という自覚があったら、本当におにぎり1個くらいで十分。感覚としては、空腹ではない程度に満たしておく、といった具合だ。

 それなら、リラックスした仕事終わりに食事をすれば良いではないか、と思われるかもしれないが、遅い時間の食事は、疲れを残す。仕事が終わってから食べる食事は、寝る直前の食事となり、良質な睡眠を妨げるからだ(詳細は第4回)。十分に睡眠がとれなければ、回復がままならず、翌日の脳のパフォーマンスはどうしたって下がる。プレゼンでは、反応を見ながら臨機応変に対応を変えていくスキルも求められているだろう。せっかく時間をかけて準備したものが台無しにならないよう、ネガティブ要素は排除しておこう。

 ただ、この日の昼食の時間も随分ずれこんでいて、そもそもお腹が空いていない時には、ムリに食べなくても良い。体内時計をおかしくさせないためには、ある程度規則的に食べることが必要だが、例外もある。胃が空になっていない状態で食べると、胃が疲れて代謝も落ちがちになってしまうのだ。仕事をしながらずっと何か口にしているというのはもちろん、食間をきちんと空けて食べ疲れしないことにも意識を向けてほしい。

 さて、食べる時間に気を付けたら、次は食べるものの話。時間的制約もあるので、そんなに多くの選択肢がないかもしれない。だから、このタイミングでは食べてほしくないもの、だけをいうと、ハンバーガー、菓子パン、肉まん、菓子などの、糖質・塩分・脂質を多く含む、血糖値と血圧を一気にあげそうな面々だ。いつものように、栄養バランスを気にして色々摂れなくても良いので、立ち食いそば屋でそば、というシンプルな炭水化物を選んで脳にエネルギー補給しても良いし、さくっと定食チェーンにいって魚定食でも選んでくれたら感涙ものだ。魚に含まれるEPAやDHAが脳の動きをサポートしてくれるだろう。

プレゼン当日の朝は
ごはんを山盛り食べてはいけない

 では、気持ち早目に食事を済ませ、仕事も終わらせ、帰って寝たら、翌朝はどうすれば良いだろう。前回の記事で朝食の重要性について書かせていただいたので、きっと皆さん何かしら気をつけてくださっているだろう、と信じているのを大前提にもう一歩踏み込んでみたい。

 前日に遅くまで働いていたことも、当日、大きな緊張感があることも、それなりのストレスになっているはず。だから、ストレス抵抗力を強めるビタミンCを多く含む食品、つまりはかんきつ系の果物を積極的に摂ってほしい。コンビニはスーパーに比べると生鮮食品が若干、割高に感じるが、キウイはそう大差ない。包丁で皮をむくのは面倒くさかったりするが、朝、半分に切ってスプーンで食べると良いだろう。ちょっと大変かもしれないが、今が旬の柿もビタミンC が豊富なのでおすすめだ。

 そして、勝負に備えて、ごはんを山盛り食べたいところでも、ここはちょっと控えめ~通常の量で我慢してほしい。炭水化物を多く摂って、糖質過多になると、強い眠気がやってくる。口にしたものがその力を発揮するまで、体内で分解、吸収、合成されることを考えると、即効性、というのは期待できないかもしれない。ただ、血糖値が安定した状態=脳も安定している、とすると、食べものを選ぶことで、血糖値を安定させてあげることはできる。

 もしも、午後に大事な用事があるときには、引き続き、昼食も気をつけなければならない。このときには、前日の晩、朝食と同様に、糖質の摂り過ぎに気を付けてほしい。その点、コンビニやファミレスは非常に良い。なぜならば、おかずのみ、という単品でのオーダーが可能だからだ。

 普段はバランスよく食べることが大事だが、ここぞというときには、摂るべき栄養素や食材を優先しよう。たとえば、鉄分。鉄分不足というと、貧血など、女性が気を付けるもの、とイメージするかもしれないが、実は、男性も意識すべき栄養素。鉄分が不足すると、脳は酸欠状態になり、パフォーマンスが落ちてしまう。体内での酸素運搬は、鉄分によって合成されるヘモグロビンの役割だ。もしも、ちょっと立ちくらみをしたり、なんとなく頭がすっきりしなかったり、頭痛がするようであれば、鉄分不足が疑われるので、日頃から鉄分を多く含む食材を摂ると良いだろう。

 鉄分を多く含む食品といえば、ほうれん草、ひじき、貝類、レバー類であるが、こうして並べてみると、決して摂りやすいとはいえない食品かもしれない。そういうときには、赤身のものに多く含まれる、ということを覚えておいて、鶏のささみより豚もも肉、鱈よりカツオ、というように、赤身のお肉やお魚を選ぶと摂りやすくなる。

気合だけで集中力は上がらない
定期的な休憩とストレッチを

 集中力を維持するためには、1時間経ったら10分休憩、そしてまた一時間集中、というサイクルも大切だ。もちろん、ノリにのっているときにわざわざ中断しなくても良いが、ふと気がぬけたとき、少し時計に目をやると良いだろう。なにも、席をたって休憩しなくても、休憩にあてる10分に単純作業を持ってくる、というのでも良いだろう。頭を使う仕事だったら頭を休ませるために飲み物を飲む、身体を使う仕事だったら、座って事務作業をする、そんなふうに、身体に違う刺激を送ると頭がすっきりしやすい。

 ただ、以前よりも集中力が下がっていると感じたら、疲労が積み重なっていないか、ちょっと気にしてほしい。集中力なんて気合だ、と思う人ほど、集中できないときに自分や周りを責めてしまいがちなので注意が必要だ。

 最後におすすめしたいのは、ベッドの上でできるような、朝のちょっとしたストレッチ。筋肉は、寝ているときにはリラックスして緩んでそう…と思われがちだが、実際は、長時間同じ姿勢でいたために、起床時にはしなやかとはいえない状態になっている。そして、そのかたくなった状態のまま活動を始めると、交感神経の緊張をつくる引き金になってしまいがちだ。落ち着いた気持ちで1日をスタートするには、このような自律神経の働きを意識して利用するといいだろう。これから、布団から抜け出すのが益々つらくなる時期。軽くストレッチして、少しあたたまった体でベッドから元気に飛び出てほしい。

[DIAMOND online]

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Posted by nob : 2012年11月12日 20:32