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一億総自営業者社会、、、それがすべて一人会社であることが究極の理想。。。Vol.4

■社長は会社を「大きく」するな!【起業編】
山本憲明 [税理士]

9割の起業家がやってしまう
5つの失敗

「小さくても、しっかり儲かる会社を作る」がモットーの税理士、山本憲明氏。日本に根強くある「会社は大きくするもの」「右肩上がり経営!」という思想を排し、日々、多くの経営者をサポートしている。その山本氏に「9割の起業家がやってしまう5つの失敗」を語ってもらった。

「会社が儲かった!」。
そんなとき、あなたはどうする?

 税理士の山本憲明と申します。先月、『社長は会社を「大きく」するな!』というタイトルで、全6回の連載をやらせていただき、そこで非常に多くの方々から反響をいただきました。誠にありがとうございます。

 意外だったのは、いわゆる経営者の方だけではなく、「将来、起業を考えている」という方々からも、メッセージをいただいたことです。そこで、「起業」にテーマを絞って、新たに連載を始めたいと思います。内容をより深く理解していただくために、もしよければ、前回の連載をお読み下さいませ。

 第1回の本日は、「9割の起業家がやってしまう5つの失敗」について、お話しいたします。

 会社を興して、順調に売上が上がり、軌道に乗ってきたとします。そんなとき、あなたはどうするでしょうか?

 ここで声を大にして言いたいのは、「すぐに事務所を大きくしたり、人をたくさん雇ったり、固定費をたくさんかけたりするようなことは、絶対にやめて下さい!」ということです。

9割の起業家がやってしまう
5つの失敗

 例えば、社員10名から30名ほどを雇っている会社は、順調なうちはとても儲かるのですが、経営環境が少し悪くなるだけで、資金繰りの問題等でいきなり苦しくなります。

 また、経営者自身が悪いのなら自己責任なのでまだいいのですが、社会情勢や経済環境の変化によっても、会社は影響を受けます。例えばリーマンショックのときなども、あまり景気に左右されなさそうな会社でも、立ち行かなくなってしまうことがありました。

 だから、ちょっと売上が上がって軌道に乗ってきたからといって、すぐに事務所を拡張したり、人を増やしたりすることはやめて下さい。

 ここからが本題です。下記が、9割の起業家がやってしまう5つの失敗です。

(1)一気に人を増やす(通年採用などもする)
(2)借金して、事業拡大を目指す
(3)一等地などにオフィスを引っ越しする
(4)リースなどでオフィスの設備投資をする
(5)大々的な広告宣伝をする

「人を雇う」「事業拡大」は
とにかく慎重に!

 どんな起業家の方でも、事業が軌道に乗り、現金をたくさん持つと、この5つのことを考え出します。順を追って見ていきましょう。

 まず(1)の「人を増やす」と(2)の「事業拡大」について。これは前回の連載で何度もお話ししてきたことですが、規模の拡大を狙って、安易に人を増やすと、「人を雇う→各種経費がかかる→赤字になる→さらに売上を上げなければならなくなる→また新しく人を雇う」というスパイラルから抜け出せなくなります。

「人を雇う」「事業拡大を目指す」の際は、とにかく慎重に、何度も考えてから行うようにして下さい。安易な拡大戦略では、会社は疲弊し、経営者はもちろん、そこで働く社員も不幸にしてしまいます。

 次は(3)の「オフィスの引っ越し」について。「立派なオフィスを構えたい」「一等地に引っ越したい」という、いわゆる「経営者の見栄」による引っ越しが、実は非常に多く行われています。

 私も最初は、「自宅兼事務所」からスタートしましたので、こうした気持ちはよくわかります。しかし、儲かったからといって、こうした理由で引っ越しをするのはやめておきましょう。会社の業績が悪くなる、あるいは資金繰りの問題が出てきたときに、一気に苦しくなります。

「儲かっているとき」こそ、
冷静に、慎重に!

(4)については、プリンター、コピー機などのOA機器が挙げられます。「会社としての見栄えを良くしたい」という理由が多いのですが、紙を多く使う業種ならともかく、意外と使わないものです。

 今やオフィスサプライサービスやコピーサービスなどがたくさんありますので、無駄なコストはかけないようにしましょう。そして意外と侮れないのが、毎月固定費としてかかってくるリース代。「本当にこれが必要?」という自問自答を何回も行って下さい。

(5)については、大企業が巨額の費用をかけてやるならともかく、中小企業ではそこまでの効果が得られないと思っています。広告を出さなければ売上が上がらないという側面はありますが、やるなら、計画をしっかりと立てて、なるべく少額から始めて下さい。

 以上が、9割の起業家がやってしまう5つの失敗です。この5つの失敗は、会社が儲かったとき、あるいは事業が順調にまわっているときにこそ、起こります。うまくいっているときにこそ、一度冷静に、会社のことをよく考えてみて下さい。

[DIAMOND online]

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Posted by nob : 2012年11月12日 18:03