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一億総自営業者社会、、、それがすべて一人会社であることが究極の理想。。。Vol.8

■社長は会社を「大きく」するな!【実践編】
山本憲明 [税理士]

「人を増やしても、利益は増えない!」。
ある経営者の実体験。

「小さくても、しっかり儲かる会社を作る」がモットーの税理士、山本憲明氏。前回の記事では、「なぜ、一度大きくした自分の会社を、小さくしようと思ったか」を話してもらった。本日は、「人数の増減による、売上・利益の推移」を話してもらう。

売上は増えても、
「利益」が増えなかった

 前回の記事では、私が税理士事務所を開いた2005年1月から、「人数がどのように増えていき、どのように減っていったか」ということを書きました。

 2006年から2007年にかけて、私を含めて7名体制となり、その後少しずつ減っていって、ここしばらくは私とアシスタント1人で税理士事務所を運営しています。

 その間、税理士事務所の業績がどのように推移していったかということについて述べたいと思います。

 1年目の2005年は、人をほとんど雇わなかったということもあり、売上はそれほど大きくはありませんでした。しかし、1年目にしてはそれなりの利益が出ました。

 2年目の2006年は、社員が入社するなどして人件費がかさんだことと、大きめの事務所に引っ越しをしたため、売上は増えたにもかかわらず、利益は1年目とほぼ変わらない水準になってしまいました。

7人体制から1人に移行。
そのほうが「儲かった」。

 そのときは、「今は過渡期。安定してくる来年からが勝負」と考えていました。その通りに、3年目の2007年は売上も増加し、経費が安定した分、利益は2年目の倍近くになりました。

 4年目の2008年以降は、「会社を小さくした」こともあって、売上が少しずつ減っていきました。しかし、人が減って給料をはじめとする経費が少なくなりました。

 また、事務所も5年目の2009年に移転をし、事務所に関わる経費が大きく減ったことから、利益は安定して少しずつ増えています。

 8年目の2012年、売上自体は7人体制のピーク時よりも減ってはいますが、利益はその売上のピーク時よりも増えています。スタッフを1人しか雇っていないこともあり、人件費や事務所関係の費用が相当減っているからです。

 この状態で、来年(2013年)以降は売上を少しずつ増やしていこうと思っていますので、それに伴って利益も増やしていくつもりです。

「勢いがあるように見えて、内情は悲惨」。
そんな会社にならないために。

 1年目から2年目にかけては、どんどんお客さまの数を増やして、事業を拡大していきました。しかし、その結果として利益は微増。あのまま拡大路線を続けていたら、利益が増えていくどころか、赤字の年ももしかしたらあったかもしれません。

 これまでの事務所の損益推移を見ていると、「勢いがある会社に見えても、内情は悲惨」という会社がどこにでもあるのではないかと感じます。事実、私の税理士事務所も、「人が急激に増えた2年目」は今振り返ってみるととても苦しかったです。

 3年目以降は人を増やさなかったので、ずいぶん楽になりました。私の税理士事務所のような小規模な会社でも、そうなるのです。もっと規模を大きくしていくと、どうなるのか。

 もちろん、人を増やすことで大きく利益を出していく会社もあると思いますが、人が増えれば増えるほど、どんどん悲惨な状態になっていくような会社も存在するのではないでしょうか。

 そうならないよう、経営者は自分にとって会社の器(規模)をどれくらいにするのか、起業前からある程度は考えておく必要があると思います。

[DIAMOND online]

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Posted by nob : 2012年12月21日 10:41