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知恵や工夫の共有による自助互助介護の時代。。。

■[ケアを考える]介護の経験「隠れた財産」

 認知症の人を介護する家族の経験や知恵を、ほかの介護者の負担軽減に生かそうという取り組みが注目されている。経験者だからこそできる実践的な助言や工夫といった「家族の力」に、大きな期待が寄せられている。

知恵や工夫 共有で支援

 愛知県大府市の国立長寿医療研究センター。認知症診療を担う「もの忘れセンター」で11月、認知症の人を介護する家族約20人を対象に、基礎的な知識を伝える「家族教室」が開かれた。認知症の義母、淑子(とし)さん(82)と同居して介護する水谷令子さん(53)が講師として招かれ、「デイサービスを拒んでいた義母が利用するまでの道のり」を語った。

 5年前、アルツハイマー型認知症と診断された淑子さんは、主治医からデイサービスの利用を勧められたが、「施設なんて、行かなくてもいい」と拒んだ。家でも、外出する際も、いつも行動を共にしたがることが負担になり、令子さんはどうすればデイサービスを利用してくれるか悩んでいた。

 淑子さんはプライドが高く、高級感があるものや清潔なものが好きだ。家庭菜園を50年続け、土をいじる時は生き生きとする。そこで、5か所見学し、高級旅館のような名称を持つデイサービスを見つけた。足湯も備え、雰囲気が明るい一方、プランターで栽培中の野菜は元気がなかった。

 令子さんは「野菜の栽培を指導する先生」という立場なら通えるのではと思い、ケアマネジャーに相談。施設長と共に自宅に来てもらい、「先生として施設に来てほしい」と本人に依頼してもらった。淑子さんは週1回、喜んで通い始め、枝豆の植え付けから収穫までを担当。今では週4日ほど通い、笑顔で帰宅する。

 令子さんは「本人の性格や得意技を知ることで、本人に合った施設を探せた。施設での役割があったお陰で、自信にもつながった」と話した。

 教室に参加した間瀬みよ子さん(74)は、介護する夫(79)が一度デイサービスに行ったきり、通わなくなった経験がある。「話を聞いて、自分にもできることがあると分かったのが、収穫です」と話す。家族教室を担当する看護師の住垣千恵子さんは「生活の場で導き出されるアドバイスには親近感があり、介護者自身が自分たちも頑張ろうと前向きになれる」と語る。

 国立長寿医療研究センターでは、家族教室とは別に、介護者をサポートできる人材の養成講座を、今年度から始めた。対象は、介護経験がある家族で、水谷さんもその一人。「家族の力を借りて、介護者の負担軽減につなげる」(遠藤英俊・内科総合診療部長)のが狙いだ。

 月1回ペースで計7回開かれた講座では、看護師らの司会進行で、対応に困った場合の望ましいケアについて議論した=表=。介護者を支援する際の心構えを語り合った際には、「相手を批判しない」「あいまいな知識を伝えない」「おせっかいにならないようにする」などの意見が上がった。

 同センターの鳥羽研二病院長は「介護で直面する困難を克服してきた家族の経験は『隠れた財産』で、継承し、共有すべきだ。ユニークな解決法や失敗談を、いま介護で悩んでいる人のために生かす取り組みのモデルを作りたい」と意気込む。

 介護経験者が、家族会などで、知恵や工夫を伝える動きは全国各地で広まっている。だが、病院内で体系的に人材を育て、介護者支援に生かす仕組み作りは珍しい。

 NPO法人「介護者サポートネットワークセンター・アラジン」の牧野史子理事長によると、医療・介護の専門職の助言を「上から目線」と感じる家族もいる。介護の仕方を評価されたり、指導されたりするのを恐れ、本音を話せない場合もあるという。「その点、家族なら共感を持って聞いてもらえる。介護者の会や自治体などが協力して研修会を開き、地域で人材の養成や普及に取り組むことが重要だ」と牧野さんは話している。(野口博文)

家族が考えた望ましいケア
【自宅で入浴を嫌がる場合】
・「毎日、自宅で入浴」にこだわらず、週1回でもいいと思う
・理髪店や銭湯を利用してみる
【一緒に出かけた親族宅で、帰宅したがる場合】
・できるだけそばにいて1人にしない
・食事の準備をしてもらうなど、自宅と同じように過ごせる環境を作る

[ヨミドクター]

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Posted by nob : 2013年01月01日 11:53