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そのとおり!!!VOl.24

■憲法記念日:美香に平和教わった 「96条、なぜ変える」

 昨年8月、内戦下のシリアで殺害されたジャーナリスト、山本美香さん(当時45歳)。同級生で中学教諭の岩澤宏行さん(45)=山梨県都留市=は山本さんの死後、教壇で戦争の話をするようになった。「美香に世界で多くの命が奪われていることを身をもって教えられましたから」。最近、憲法9条を変えようという声が強まっていることに不安が拭えないという。「生徒たちが兵隊になって誰かをあやめたり、逆に命を奪われたりすることはあってはならない。9条はそこに直結している」と思うからだ。【片平知宏】

 「危ない所に行くんじゃねえぞ」

 「大丈夫。本当に危ない所には行かないから」

 そんなやりとりをしていた2人。昨年8月21日未明、「日本人女性ジャーナリストがシリアで重体」というニュースを見た岩澤さんは直感した。「美香だ。どうして」。無念さが胸に広がった。

 都留市立都留二中、県立桂高で同窓だったが、山本さんは社交的で成績優秀、クラスのリーダー的な存在。当時はさほど親しいわけではなかった。1998年に岩澤さんが「視野を広げたい」とインドの日本人学校に赴任する際、壮行会に山本さんも駆けつけた。96年に初めてアフガニスタンへ赴き、戦場ジャーナリストとして活動を始めていた山本さんは「私も外国に行って仕事したいんだ」と話した。親しみを覚えた。

 インドから帰国した岩澤さんは2001年に都留市であった山本さんの講演会に参加した。アフガニスタンで女性や子供が戦争に巻き込まれ、いかに苦しんでいるか。信念のこもった目と語り口だった。「生徒にも聞かせたい」。勤める中学校に山本さんを招き、講演会を3回開いた。評判を聞いた他校も山本さんに講演を依頼するようになった。

    ◇

 山本さんが亡くなって、決意した。「美香の足跡を子供に伝えられるのは自分。教師である限り伝え続けなければ」

 専門は数学。戦争のことを教えたことはなかったが、昨年10月、総合的な学習の時間に2年生約90人に授業をすることにした。教壇に立つ前、山本さんが子供向けに書いた本「戦争を取材する 子どもたちは何を体験したのか」(講談社)の一節を読み返した。

 <この瞬間にもまたひとつ、またふたつ……大切な命がうばわれているかもしれない−−目をつぶってそんなことを想像してみてください>

 <さあ、みんなの出番です>

 授業では山本さんの歩みや紛争地の現状を紹介。そして問いかけた。「日本は平和だが、外に一歩目を向けると、事故や病気以外で命を奪われる子供たちがいる。君たちがいま、これから、できることは何だろう」

 国会で憲法96条を変えようとする声が強まっているが、岩澤さんは言う。「現行憲法にも検証すべき点はあるかもしれません。でもなぜ96条を変えるのか。何をしたいから変えるのか。変えたら次はどうなるのか。みんながもっと考えるべきではないでしょうか」

[毎日新聞]

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Posted by nob : 2013年05月04日 12:10