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万事ご機嫌に、、、これも好きなことをすることから。。。

■「老い支度」でなく「老活」しよう!

生島ヒロシ フリーアナウンサー フリーアナウンサー。1950年生れ。米加州立大学ロングビーチ校卒、76年TBS入社。89年独立、生島企画室設立。FP、防災士、東北福祉大学客員教授他。『おばあちゃま、壊れちゃったの?』はベストセラー。

 若い頃、60歳と聞くと「もうお爺さんだなあ」と思っていました。泰然自若としているとも思っていました。でも、今、62歳の僕は全くそんな気分ではありません。まだまだ若造です。つい、息子たちのことにいろいろと口を出したりもしますしね。

 仕事の面でも、ベテランといわれてはいるけれど、まだまだ甘いところがたくさんあります。もっとボキャブラリーがあっていいし、目標とする先輩たちの60代の頃のレベルには達していない。

 先輩たちからまだまだ勉強させてもらっています。若い人たちからもそうです。いつも誰かから、何かを学ぶ。そのためにアンテナを張る。それが、僕の原動力になっていると思います。

僕は「イワシ」になります

 とてもおいしい魚料理を出すお店の人に、築地から店までイワシを運ぶときの話を聞いたことがあります。水槽にイワシを入れて、それを車で運ぶんですが、そのとき、水槽の中には、イワシの敵になる魚を1匹入れておくんだそうです。

 すると、水槽の中でイワシはその魚に追いかけられて、必死で逃げる。イワシは魚偏に弱いと書くくらい弱い生き物ですが、それでも、休む暇なく体を動かすというチャレンジを乗り越えさせることで、新鮮でおいしいイワシを届けられるという、いい結果につながるんだそうです。

 僕が全力で何かに取り組むときは、イワシになります。

 でも、いつもすべてに全力というわけでもないんです。すべてに全力だとストレスになるので、メリハリをつけるようにしています。そして無理はしない。無理をしないで“いい加減”に楽しみながら、毎日ハッピーに、ご機嫌に生きていきたいと思っています。

 最近『ご機嫌な老活』という本を出版しました。「老活」とは、昔の言葉で言えば、老い支度です。ただ、老い支度っていうと、ちょっと暗いですよね。だから老活という言葉を使っています。

 年を取っても元気に働いていたい。一方で、若い頃はあまり考えなかった健康やお金のこと、親の介護や、自分がいなくなってからの子どものことも、しっかり考えておきたい。

 老活という言葉には、そういったことを全部、バランスよく楽しみながら、少しずつ、スローダウンしていこうよという気持ちを込めました。

若い世代も「老活」が気になる
「僕はご機嫌に生きていきたいな」

 僕には、老活をして、こんな風になれたらいいなと思う、憧れの人がいます。その人は、金融機関を退職したあと、金融とは全く違う仕事をしながら親を介護し、ボランティアもし、海外旅行へもよく出かけています。

 バランスがいいですよね。そうやってバランスよく、ご機嫌に生きている人のことは、話すとすぐに分かります。

 先日、長く飼ってきた犬のサクラちゃんのお葬式を出しました。そこで改めて気がついたのは、お葬式って再交流の場ということ。古くからの知り合いと、再び会って話をする。すると、この人は今ご機嫌に生きているなとか、この人はそうでもないと分かるんですよね。

 そしてその度に、僕はご機嫌に生きていきたいなと感じます。ちょっと興味深いのは、どうやら、若い人たちもそう考えているみたいなのです。

 老活の本を出してみて一番ビックリしたのは、30代や40代の、若い世代の友人から「読んでみたい」と言われたことです。僕自身は、30代や40代の頃は老後のことなんて考えていなかったので、驚きました。

 若い人たちも、今から準備しておきたいという気持ちが強いんでしょうね。僕たちの世代は、仕事に忙殺されていて、はっと気がついたときには老活の準備を何もしてこなかったとなりがちですが、今の若い人たちはしっかりしています。

ご機嫌に生きていたい

 僕には、家族ぐるみで8年間にわたる義理の母の介護の経験がありますし、お金に関しては、50歳を過ぎてからファイナンシャルプランナーの資格を取得しました。

 健康については、15年間続いている朝のラジオ番組「生島ヒロシのおはよう定食・一直線」などで知り合った多くの専門家から、いろいろなことを伺って、自分でも実践しています。これはちょっと自慢ですが、同窓会ではいつも「若いね」と言われます。

 そういった経験から、この連載では、「老活」に興味のある方、「ご機嫌に生きていきたい」と考える方に、参考になるお話ができればと思っています。

[日経ビジネス]

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Posted by nob : 2013年07月30日 09:17