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これもまた確かに、、、食事、特に重いものは出来る限り早い時間に摂るだけでも。。。

■オトコを上げる食事塾 笠井奈津子
オトコを上げる食事塾 笠井奈津子

“がっつり飯”を食べる時間で明暗は分かれていた!
体力がある人、ない人の食生活

 大きなプロジェクトを抱えた繁忙期。連日残業し、休日出勤をしていても、なぜか疲れ知らずという顔をしている人がいたりする。疲れがにじみ出ていないだけで、なんだか仕事ができそうに見えてしまうから不思議だ。そして、そういう人に限って、学生時代は体育会系だったという人がやたらと多い。

 当時の体力が今も続いているのだろうか?確かに、そういう人もいるかもしれない。でも、その体力の秘訣を尋ねると、「食べないとパフォーマンスが落ちるからちゃんと食べている」と実にシンプルな回答をいただくことがほとんどだ。これは、学生時代に体育会系だった人だけではなく、今ランニングなど定期的な運動をしている人も同じ。体感を伴って認識した食事の大切さは、環境が変わっても継続されやすいようだ。

 確かに、電車に乗って会社に行く、車通勤する、ずっとデスクに座っている…では、体力がどれだけ落ちたのかも、食事によるパフォーマンスの違いもわかりにくい。運動習慣があるからこその気づきはあるのだろう。でも、だからといって、「ちゃんと食べる」以外に特殊な食事をしているケースはほとんどない。ちょっとした意識次第で、体育会系の人に負けない体力を身につけることは可能だ。

同じ“がっつり飯”なのになぜ?
体力に明らかな差が表れるワケ

 たとえば、体力に自信あり、の1人暮らしの男性の食事記録をみれば、

朝:おにぎり2個(コンビニで)
昼:回鍋肉定食(定食屋)
夜:ツナときのこのパスタ、味噌汁(家で)

 というように、そんなにストイックなものではない。しかも、野菜が充分にとれているとは言い難い。でも、体力がある人に共通していえるのは、職場のデスクで食事を済ますようなことがほとんどなく、できるだけしっかり食べたい、という意識が高い点だ。

 一方、同じひとり暮らしの男性でも、体力がない男性はというと……こんな具合だ。

朝:ロールパン(家で)
昼:おにぎり1個、カップラーメン1個(デスクで)
夜:牛丼大盛り、豚汁、サラダ(牛丼屋)

 日中、パソコンの前から離れられなくてどうしてもデスクでコンビニ食になってしまうので、せめて夜は温かいものが食べたいという。遅くまで開いているお店といえば、牛丼屋やラーメン屋、カレー屋が多い。朝は時間がないからパンだけで済ませているのではなく、そんなにお腹が空かないようだ。

 両者、同じようにがっつり食べているように見えるのに、ひとりは元気に仕事をこなし、ひとりは体力がないという。この差を生むのはなんだろう。

 しかも、この後者の方は、会社に入って5年で10kg増していたため、ダイエットを一番の目標としていた。すごく太っているわけではないのだが、このままではまずい、と思って食事改善に取り組み始めたのだ。

 彼が太った理由と体力がなくなった理由は、ひそかに同じ問題のもとで発生している。それは、夜のがっつり食の存在だ。夜のがっつり、は当然ながら、体力がある人がしていた昼のがっつりとは全く違う話になってしまう。夜眠る直前に高脂肪な料理を量的にもしっかり食べることで、良質な睡眠がとれず疲労感を感じることになる。極端に体重が増加するようなときは、比例するように体に負担がかかり、疲労感を感じやすくなる。

 彼によくよく聞いてみると、一日で不足している分をとりかえそうと豚汁を足したり、カレー屋でも素揚げの野菜をトッピングしたりしているらしい。まずは、これを引いてもらい、その分の金額を、ランチにまわしてもらうことにした。昼のW炭水化物をどちらかひとつにしてもらい、その分、おでんコーナーで2品ほど選んでもらってボリュームを出す作戦でいくことになった。つまり、重心を少しでも早い時間に持っていくのだ。

 また、デスクでのランチも気になる問題だ。もちろんコンビニが悪いわけではなく、コンビニで選べるもの、というと口にする食材と栄養に偏りが出てきてしまう。平日5日のうち、一度は割り切って外で定食をとってもらうことにもなった。

朝はヨーグルト、昼はサンドイッチ…
1日2食の「コールドミール」の問題点

 食事カウンセリングをうけるほとんどの人は彼のように体重管理を目的としているが、その過程で、本人にとって“棚からぼた餅”的な改善が起こることがしばしば見られる。初回のカウンセリングでは悩みにすら上がっていなかった無自覚だったことが、健康的な希望体重に近づいていく中で、

「会社を出るときに、今までほんと最後の力をふりしぼって帰るかんじだったのが、身軽に帰れるようになった」

「睡眠の質が良くなった」

「体温が上がった」

「疲れが全然ちがう」

 などという形で改善していっている。

 ダイエットをするにあたって、ただ食事量を減らすわけではなく、現状の食事にプラスして全体のバランスを整えているので、無茶なダイエットにありがちな「痩せて免疫力が落ちた」「痩せて胸だけ落ちた」なんてことは一切ない。そうすると、代謝もよくなるし、上記のような実感を伴うようにもなる。

 そして、風邪が流行るこれからの季節。体力も免疫力もつけるためには、朝からきっちり食べて体温を上げることが大事なポイントとなる。体力がないという方たちの食事記録を見ると、朝は食べない、もしくはパンとヨーグルトなどのコールドミール(加熱の必要のない冷たい食事)で済ます、というように、低体温を招きやすい食生活をしている。前述した彼らもそうだが、体力がある人がおにぎり2個を食べていたのと、体力がない人がロールパン1個で済ませていたのとでは、良く噛んで、消化という名の内臓のエクササイズがある分、前者の方が体温は上がりやすい。

 いうまでもないが、朝に加えて昼もコールドミール、というのではかなり厳しい。でも、営業職などで移動が多い場合、パソコン仕事をしたいがために、ランチの場所がカフェに限定されがちでサンドイッチなどで済ませてしまう場合が多々ある。定食屋や居酒屋ランチなどは食べたらすぐ出なくてはいけない雰囲気が漂っているし、料理が運ばれてくるまでにパソコンを開けているのもはばかれる。でも、1日の飲食にかける費用がある程度決まっていたら、同じ金額で移動中の仕事場代を兼ねられるのと、場所を移動してさらにコーヒー代を支払う必要があるのとでは、毎日のことだけに大きな出費となる。

 となると、やはり朝くらいはお湯を注ぐだけのものでもいいからお味噌汁を添えて、体を内側からあたためられるように意識しなくてはならない。朝は野菜ジュース派、という人も、寒い時期にはシナモンパウダーやジンジャーパウダーなどのスパイスをふったりして、体を冷やさないようにすると良いだろう。タンパク質をとることで食事誘導性熱産生が高まるので、いつもは果物と野菜だけで作っている人も、この時期は無調整豆乳や牛乳をプラスすると良いかもしれない。また、量的な飲みすぎも注意だ。コップ1杯程度で収まるようにすると良いだろう。

忘年会での暴飲暴食に要注意!
“食べ物の消化”で体力を消耗

 これから忘年会シーズンに向けて、お酒を飲む機会も増えるかもしれない。日常業務に加えてなので、体力を使うシーズンでもある。毎日コンビニ弁当だった、という単身者には、日ごろ不足しがちな食材や栄養がとれてプラスに働くかもしれないが、大体において「飲みすぎ、食べすぎ」となりがちだ。例年からいっても、この時期のダイエットは「現状維持」に重きをおいて、正月明けからリスタート、という感じがある。

 食べ物を消化吸収するときは、無自覚であれ、私たちは体力を使っている。それは、銀行口座みたいなものだ。連日の飲み会で遅くに帰っていつもより睡眠時間が減れば疲れがたまっていっても仕方がない。そんなときに大量に飲み食いしては、そちらの消化でも体力を使って余計に疲れてしまう。

 体力がある人は、ダイナミックな食べ方をしているように見えて、実は自己管理が上手だったりする。食べ過ぎない、飲みすぎない、そんな生活を送っているからこそ、基礎がしっかりしていて、過ぎてしまったときもリカバリー能力が高いのだろう。疲労感が高まると、本当に些細なことにカチンときてしまったり、イライラしてしまったり…人との関係においても悪循環を生みやすくなってしまう。師走に向けて笑顔で一年を締めくくれるように。そして、仕事においても来年の展望に希望を感じられるように、日々の飲みすぎ、食べ過ぎ、には気を付けたいものだ。

[DIAMOND online]

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Posted by nob : 2013年11月29日 20:25