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同感、、、私の隠遁生活もはやもう十五年余。。。
■つながらなくたっていい、寂しいくらいでちょうどいいのだ。
森博嗣氏と言えば、昨年ドラマ化された「すべてがFになる」や、「スカイ・クロラ」などの小説を思い浮かべる方が多いのではないだろうか。本書は、その森氏が「孤独」について分析、孤独の価値を論理的に説明し、提示する本。「まえがき」によると、森氏は現在「隠れて」生活しているのだと言う。
五年ほどまえになるが、遠くへ引越をして、どこに住んでいるのかも明かさないようにした。編集者にも会わないようになった。(中略)大勢の人が集まる場所へはもともと出ていかない、一人が好きな人間だったが、それでも世間の柵(しがらみ)があり、仕事でしかたなくつき合うことも少なくなかった。そういった義理と不可抗力を一切絶ってしまったのが、今の生活の始まりである。(以上、引用)
20~40代まで猛烈に働いた末に、現在の「隠遁生活」を手に入れたという森氏。本書では「孤独は酷いものなのか」と問題提起する。それというのも「今の若者、あるいは子供たちの中には、孤独に悩み、それに押し潰されそうになっている人がいるからだ」。
「何故孤独は寂しいのか」と題された第1章では、人間は群れを成す動物である点や、幼いころから「みんなと歩調を合わせる」ことを「良い子」の条件として教え込まれる点などを指摘。孤独は寂しい、そして寂しいことはいけないこと、という通念が世間に浸透している背景を読み解く。
そして第2章「何故寂しいといけないのか」を経て、第3章の「人間には孤独が必要である」という結論に突入していく。「現代人は『絆の肥満』になっている」とも記し、最終的には、「孤独を受け入れる方法」のひとつとして、詩を作ってみることを提案している。
孤独を絶対駄目な状態だと思い込んでいるのは損というものである。それは大きな間違いだ。そんなに悪くない。むしろ、ありがたがっても良いくらい価値のあるものかもしれない、と思い直してほしい。(「あとがき」より)
全く同感だ。「つながる」などという言葉が氾濫する世の中は、薄気味が悪い。
時々耳にする言い回しを拝借するなら「人間は、寂しいぐらいがちょうどいい」のである。
(評者・スタッフN)
[honto]
Posted by nob : 2015年01月19日 09:57