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まだ看過し続けるのでしょうか。。。Vol.4

■余録:論語に「君子は矜にして争わず、群して党せず」と…

 論語に「君子(くんし)は矜(きょう)にして争わず、群(ぐん)して党(とう)せず」とある。君子はおごそかだが争わず、大勢といても徒党(ととう)や朋党(ほうとう)を組まないとの意味である。「党」とは自分たちの利益をむさぼるための一味であった▲明治の人が「政党」に戸惑ったのは、徒党や朋党による国政の支配と考えたからだ。政党を初めて理論的に解説したのは小紙の前身、東京日日新聞の社説という。主筆の福地桜痴(ふくち・おうち)は政党とは国政に害をなすものではないと強調した(季武嘉也<すえたけ・よしや>ほか編「日本政党史」)▲福地によると政党とは「上下の勢力を平均し君民の責任を堅牢(けんろう)ならしむ」もので、主義を異にする政党が互いに制し合うことで公平、公正な政治ができると説く。しかし政党間のバランスが崩れ、一党が権力を独占したりする時に、国政は混乱に陥ると主張したのだ▲では、これは政党の公論か、徒党の私議か。安倍晋三(あべ・しんぞう)首相に近い若手議員の勉強会で、安保関連法案への国民の理解が広がらない現状をふまえた参加議員の発言である。「マスコミを懲(こ)らしめるには広告料収入をなくせばいい。文化人が経団連に働きかけてほしい」▲政府に批判的な沖縄の地元紙についても講師の作家、百田尚樹((ひゃくた・なおき)氏の「沖縄の二つの新聞はつぶさないといけない」との発言があった。念のためにいうが時の政権を支え、国の政策を動かそうという「党」の会合でのことである。何ともあなどられた報道の自由である▲「その所為(しょい)たるや朋党と何ぞ異ならんや」。これは先の福地が自党の主張にこだわって異論を排除しようとする政党を難じた言葉である。明治の初めの社説がまたまた役に立ったのが情けない。

[毎日新聞]


■報道規制発言、批判相次ぐ…「おごりの結果」

 自民党の保守系若手・中堅議員らで作る勉強会「文化芸術懇話会」(代表・木原稔党青年局長)が25日に開いた会合で、報道機関への圧力を求める発言が相次いだことが分かり、野党は「情報統制につながる」として批判を強めている。

 政府・与党は、安全保障関連法案の国会審議への影響を最小限に抑えるため、沈静化に追われた。

◆百田氏が講演

 安倍首相に近い議員ら約40人が集まった25日の勉強会では、作家の百田尚樹氏が安保関連法案の必要性などについて講演した中で、「破廉恥とか売国とか、日本をおとしめる目的を持って書いているとしか思えない記事が多い」と報道機関への批判を展開した。

 出席者によると、講演後の質疑で議員の一人が、「同感だ。マスコミを懲らしめるには広告収入がなくなるのが一番だ。(百田氏のような)民間人が経団連に働きかけてもらいたい」と述べた。井上貴博衆院議員も「子どもたちに悪影響を与えている番組のワースト10を発表し、(広告を)出している企業を列挙すればいい」などと述べた。

 また、出席議員から米軍基地問題などに関する沖縄県の地元紙、沖縄タイムスと琉球新報の報道姿勢を巡る質問が出され、百田氏は「沖縄の新聞社はつぶさなあかん」と語った。

◆首相「大変遺憾」

 一連の発言について、首相は26日の衆院平和安全法制特別委員会で「事実ならば大変遺憾だ」と表明した上で、「自民党が企業に圧力をかけて、スポンサーを降りろとか、そんなことは考えられない」と釈明した。

 政府・与党内では「野党は攻撃材料にしてくる。審議に影響するだろう」(内閣官房幹部)との懸念が出ている。自民党の佐藤勉党国会対策委員長は26日、国会内に木原氏を呼び、「何てことをしてくれたんだ。委員会に迷惑をかけているから反省してほしい」と述べ、勉強会の慎重な運営を求めた。木原氏は記者団に「後ろから鉄砲(を撃った)という状態だと言われても仕方がない」と語った。

 井上氏は「発言が誤解を招いたとすれば申し訳ない。報道を規制する考えはない」との談話を発表した。

◆勢いづく野党

 野党は、「自民党は自滅している」(民主党中堅)と勢いづいている。民主党の岡田代表は26日の記者会見で、「情報統制は小さなところから始まる。メディアを自由に左右できるというおごりの結果だ」と批判した。衆院平和安全法制特別委で一連の発言を追及した民主党の辻元清美氏は「見過ごせない。自民党として恥ずかしいと思わないのか」と首相を突き上げた。

[読売新聞]


■自民勉強会発言 異論抑え込み、正しさだけ叫ぶ党の空気

■視点

 安倍晋三首相に近い自民党議員による勉強会「文化芸術懇話会」(代表=木原稔・党青年局長)で、参加議員や講師として招かれた作家の百田尚樹氏から沖縄をおとしめたり、報道機関を威圧したりするような発言が出ていたことが分かった。与野党双方から批判が上がり、首相は国会で「事実であれば大変遺憾だ」と答弁。ただ、野党から求められた自民党総裁としての謝罪には応じなかった。

 一連の発言の舞台になった「勉強会」は、単なる一政党の私的な会合で講師と国会議員が自由に意見交換したもの、と見逃すことはできない。

 勉強会は自民党本部で開かれ、安倍首相を支持する議員や加藤勝信官房副長官や萩生田光一・総裁特別補佐ら首相側近も出席。講師は首相と共著を出すなど思想的に共鳴し、首相官邸がNHK経営委員に推した百田尚樹氏だった。主催議員の一人は朝日新聞の取材に「安倍さんのやっていることが正しいと発信してもらう。安倍さんを応援する会だ」と明言。実際、百田氏の発言に笑い声は起きたが、たしなめる声は出なかった。百田氏が何を言うかは自由だが、政権を担う国会議員がそれを容認したと受け取られても仕方がない。

 一方、党内では勉強会と同じ25日、安全保障関連法案に反対する識者を招いたリベラル系議員の勉強会も予定されていたが、党執行部の働きかけもあり、中止になった。

 昨年の衆院選の際、自民党がテレビ各局に「公平中立」を求める文書を出したり、4月にはテレビ局幹部を党本部で事情聴取したりしたこともあった。また、今国会では首相自らが審議の場で野党議員にヤジを飛ばすなど、自民党内では、異論を抑え込む一方で自らの正しさだけを声高に叫ぶような空気が強まっているように感じる。勉強会での数々の発言には、こうした党の現状が示されている。

 政権党には、異論があっても謙虚に聞き、説得によってできるだけ多くの人々の合意を形成していく姿勢が求められるはずだ。

 普天間移設をめぐり真剣に向き合うべき「沖縄」をおとしめ、言論の自由を揺るがすかのようにメディアの「懲らしめ方」を議論する――首相はこうした党の現実をどう考えるのか。

 そこにあるのは「政権」という重い権力を担う自覚に欠けた、自民党の姿だ。(西山公隆)

■沖縄2紙が共同抗議

 沖縄タイムスと琉球新報は26日、武富和彦、潮平芳和両編集局長名で「百田氏発言をめぐる共同抗議声明」を発表した。声明では「沖縄の2つの新聞はつぶさないといけない」という発言について「政権の意に沿わない報道は許さないという“言論弾圧”の発想そのもの」と批判。米軍普天間飛行場(沖縄県宜野湾市)と周辺住民にかかわる見解には「沖縄の基地問題をめぐる最たる誤解が自民党内で振りまかれた」として訂正を求める考えを示した。さらに「批判的だからつぶすべきだ―という短絡的な発想は極めて危険であり、いずれ全国のマスコミに向けられる恐れのある危険きわまりないものだ」と指摘し、「今後も言論の自由、表現の自由を弾圧するかのような動きには断固として反対する」と表明した。

■他のメディアも抗議声明

 自民党の勉強会での発言を受け、日本新聞労働組合連合(新聞労連)や日本民間放送労働組合連合会(民放労連)は26日、抗議声明を相次いで出した。

 新聞労連は「新聞メディアへの弾圧であり、報道の自由への侵害だ」と指摘。出席議員から政権に批判的な報道機関の規制を求める声が上がったことについて、「憲法軽視も甚だしく、立憲主義国家の国会議員としての識見が問われかねない」と批判した。

 民放労連も「このところ自民党の議員はテレビ局に政治的圧力を頻繁にかけ続けている」として、各放送局に対して「萎縮せずに市民の立場から批判すべきは批判するジャーナリズム精神をさらに発揮するよう求める」と呼びかけた。

     ◇

 〈文化芸術懇話会〉 自民党の保守色の強い国会議員が立ち上げた勉強会。設立趣意書では「心を打つ『政策芸術』を立案し実行する知恵と力を習得する」と掲げる。安倍晋三首相の考えに近い保守系の文化人や芸術家を講師に招き、政権への支持を発信することで、幅広い層への支持拡大を目指す。

[朝日新聞]

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Posted by nob : 2015年06月27日 11:31