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同感です。。。
■問題だらけのマンション大崩壊! 所有するのは愚か、“賃貸”が正しい
横浜市のマンション欠陥工事問題で揺らぐマンションへの信頼ーー。
不動産コンサルタントの牧野知弘氏は、著書『2020年マンション大崩壊』で「オリンピック後にマンションの空き家は激増し、コミュニティの崩壊が始まる」と予測する。
今、首都圏でも人気の都心部タワーマンションですら、その価値は安泰でないという(前編⇒「オリンピック後にマンション空き家が激増する!」)が、マンション市場で何が起きているのか?
■格安物件は危険な買い物
―では、郊外の格安中古物件はどうでしょう。すでに1千万円を切る物件も珍しくありません。
牧野 200万円、300万円などもありますね。でも、これを買うのは大変危険。1千万円を切る築40年の郊外物件を買った友人は「建物は朽ち果てないし、中だけキレイになればハッピーだよね」と、物件価格より高いお金をかけてフルリノベした。ところが住んで1年、奥さんは「もう出たい」と。
部屋はキレイにしても、オートロックはなく共用部分は老朽化している。管理組合で壁の塗替えやオートロックの設置を提案しても、住人は年金暮らしの高齢者ばかりで「そんなもんいらん。余計なことするな」とあっという間に否決。挙げ句の果てに、「あの家はうるさい」と無視されるようになったとか。
安いのは「買いたい」という需要がないから。僕はこの仕事をしていて、不動産ほど「安物買いの銭失い」という言葉がぴったりくる分野はないと思っています。
―でも、やはり考えてしまうのは、家賃は払い捨てだけれど購入すれば資産になるということです。
牧野 その議論が起こるのは、時間軸をゼロで考えているから。マンションは買った時に7千万円でも、月17万円のローンが払い終わる35年後には、建物としての価値は大幅に落ちています。しかもその間、修繕積立金、管理費、固定資産税、金利など実際は7千万円以上支払います。
買った時は新築ピカピカでも35年たつとボロボロ。そろそろエレベーター替えないと、外壁も打ち替え、配管も取り替えないといけないので、追加で修繕費用を出してください…という世界。空き家が増えてスラム化の状態になってしまうと、売れない、貸せない上、自分が住んでいなくても管理費や固定資産税は払い続けなくてはなりません。
さらに、もし地震やテロがあってもなかなか身動きがとれない。頑丈なはずのタワーマンションでも構造や躯体になんらかの損傷が生じれば建物ごとアウトになる。僕はデベロッパーに16年いましたけど、建物についてはあまり信用してきませんでした。非常用発電があるから大丈夫というけど、フルで動かしてもエレベーターのうちの半分、3日しか持ちません。オフィスならまだしも生活を営むマンションでは不安ですよね。
―タワマンでも? そう聞くと、買うのが怖くなってきます…。
牧野 一方、賃貸は家賃が月15万円だとして、人口がどんどん増えて景気が良くなれば賃料は上がりますが、日本はどうでしょう? すでに都心でも空き家だらけの状態で、築年が経つにつれ家賃は下がり、今後15万円が10万円になるかもしれない。この金額は生活するためのコストだと割り切ってしまえばよい。
これまでは賃貸は仕様が悪いのが常識でしたが、これから分譲で買われた人が高齢になって空き家になると、都心の便利な場所で質の高いファミリー向けがどんどん賃貸マーケットに出てくる。賃貸なら、子供が独立して部屋が余ったり、転勤があっても、ライフスタイルに合わせて気軽に借り換えできます。
―確かに、いつでもリセットできるのは気楽でいいですね。
牧野 2020年にマンションが大量に売りに出る頃には、家賃は一部のエリアを除いて少しずつ下がってくると思われます。中古売買マーケットでは、すでに春くらいから湾岸部では買いより売りが多くなっている。もう地下でマグマは動きはじめています。
僕がこの本を書いた最大の感想は、「マンションは賃貸資産」。都心のマンションを賃借して住むために使いこなす。これが正解だと思います。
●牧野知弘(まきの・ともひろ)
オラガHSC株式会社、株式会社オフィス・牧野代表取締役。東京大学経済学部卒業。ボストン・コンサルティング・グループを経て、三井不動産に勤務。2006年、J‐REIT(不動産投資信託)の日本コマーシャル投資法人を上場。現在はホテルや不動産の開発・運用アドバイザリーのほか、事業顧問や講演活動を展開。主な著書に『空き家問題--1000万戸の衝撃』(祥伝社新書)ほか
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Posted by nob : 2015年11月08日 17:41