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各人の個々の考えに拠けばいいだけのこと、、、私は、選択可能な限りは心と身体に良くないものは摂りません。。。

■発がん性認定のソーセージやハム、怖がる人は交通事故防止に外出を一切やめるべき

 今回は「極端君」に登場してもらいます。極端君は「今日から加工肉は一切食べない」と宣言しています。彼の意見は先日、世界保健機関(WHO)が出した報告に機敏に対応したものです。WHOは国際連合の一機関です。そんな権威ある組織が、「ハムやベーコン、ソーセージなどの加工肉は、人に対して発がん性がある」と正式に認定したのです。たとえば、毎日50グラムの加工肉、つまりホットドッグ1本、ベーコンスライス2枚を食べると大腸がんのリスクが18%上昇するというのです。

 22人の専門家が800件近い研究結果を分析し、そして「The LANCET Oncology」という一流英文誌に発表されたものです。権威ある機関が、権威ある雑誌に、そして統計的な明らかな有意差をもって出された結論です。テレビのバラエティ番組などで取り上げられる「○○は××に良い」といった根拠のない話とは雲泥の差があります。

 極端君は、このWHOの発表を受けて、今日から加工肉は一切口にしないそうです。私はそんな選択肢もOKだと思います。バラエティ番組を見て、特別な医学的根拠や統計的有意差などまったくないのに、「○○が××にいい」と放映されると次の日にその食品が欠品するような国に私たちは住んでいるのですから。

 極端君のような人はどこにでもいるので、「確かにそんな意見もある」ということで納得するとして、では一般的な人はどうすればいいのでしょうか。

 まず、発がんの「%」ですが、「18%」という点が大切です。たった18%しか上昇しないのです。これが、「2〜4倍」などとなるのであれば、当然に食することはやめたほうがいいと思います。ホットドッグ1本で18%ということは、毎日ホットドッグを5本食べてやっと2倍のリスクになります。毎日ベーコンを10スライス食べて、2倍のリスクになるのです。それほど食べる日本人は一般的ではありません。

 そして国立がん研究センターも、私の直感と同じ以下のコメントを先日出しました。
「日本人の平均的な摂取の範囲であれば影響はないか、あっても小さい」

●バランスよく考える

 さて、極端君の意見を無視するのではありませんが、ひとつ極端君に質問があります。
「交通事故で毎年何人が亡くなっているか知っていますか?」

 答えは、「最近は毎年4000人強」です。4000人も毎年亡くなっているのです。もしも年間4000人以上が亡くなっている交通事故に遭いたくなければ、外出を一切控えればよいのです。しかし、私たちはそんなリスクは承知の上で、必要だから、楽しいから、ただなんとなく、当たり前のように外出します。

 バランスよく考えるとはそういうことです。極端を通すのであれば、危険を避けることを徹底するのであれば、極端君は今日から外出をやめて家に閉じこもっていたほうが、加工肉の摂取をやめるよりもはるかに効果的です。

 つまり、私たちはある程度の危険は承知で生きているのです。今回の報道もWHOが世界に向けたものであって、加工肉の摂取が比較的少ない日本では、あまり心配する必要がないと思います。

(文=新見正則/医学博士、医師)

[Business Journal]

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Posted by nob : 2015年11月09日 11:28