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自身の身体との対話力が高まってくると、コップ一杯の水が与えてくれる様々な効能をもコントロールできるようになります。。。

■夏の快眠に不可欠!「質のいい寝汗」のかき方
汗っかきの人には「煎餅布団」が最適な理由

寝苦しい夏の夜。「汗の不快感で目が覚めた」「起きたら汗でびっしょりだった」ということもあるのでは?

そんな夏の不快な寝汗を最小限に留めるにはどうしたらよいのでしょうか? 五味クリニック院長で体臭・多汗研究所所長も務める、五味常明先生に伺いました。

季節にかかわらず、人間は寝る間に汗をかく!

五味先生によれば、睡眠時の汗は下記の4種類に分けられるそう。

①寝入りばなにかく汗

②夢を見ているときなどにかく汗

③病気のときにかく汗

④気温など外部の要因によってかく汗

夏の夜は気温が高いため、他の季節に比べ④の温熱性発汗に悩まされます。熱帯夜は200ml〜600ml、多い人は1リットルもの汗をかくことがあるのだとか。④の汗が多い場合は、寝室の気温の調整で対応できますが、重要なのは①の汗なのだと五味先生。

「寝るためには、脳の温度を下げる必要があります。そのためにかくのが①の汗。これは、快眠には不可欠な汗なのです」(五味先生)

①の汗をかかなければ、脳温が高いままでスムーズに入眠できません。例えば、入浴してすぐに寝るつもりでも、脳も含めて身体全体の温度が高い状態なので寝つくのに苦労することがあります。

夏はお風呂上がりにすぐエアコンの効いた部屋へ移動する人も多いと思いますが、そうしてしまうと汗腺が閉じて“必要な”汗をかけず、脳温が下がらないために寝つきが悪くなってしまうのだそう。

「脳温が高いまま寝ようとすると、身体が一生懸命温度を下げようとするので、余計にたくさん寝汗をかくことになります。入浴後、1時間ほど時間を置き、うちわや扇風機を使って自然に脳温を下げてから寝ると、①の寝汗は少なくなりますよ」(五味先生)

脳温を下げるには、外から冷やすことも効果的です。冷やしたタオルや保冷剤などを枕にして、入眠時に頭を冷やすと寝つきやすくなるそう。

ちなみに、五味先生いわく、ふかふかなベッドで寝ている人のほうが汗をかきやすいのだそう。

「身体には“半側発汗(はんそくはっかん)”という仕組みがあり、身体の一部が圧迫されていると、その反対側だけ汗をかくようになっています。例えば、背中側が圧迫されているならお腹側、左半身が圧迫されているなら右半身という具合です。蒸発しやすい方に汗をかくようになっているんですね。しかし、柔らかい寝具だと身体があまり圧迫されないため、身体全体に汗をかいてしまいます。布団と接して蒸発しにくい面にもムダな汗をかいてしまうのです」(五味先生)

この働きを利用して敷布団を固めにし、上掛けは圧迫感がなく汗が蒸発しやすいものにすると、効率的に体温を下げられ、結果的に寝汗の量を抑えられるそうですね。「汗っかきの人はいわゆる“煎餅布団”のような固めの寝具を使うと、身体が圧迫されてムダな汗が少なくなります」(五味先生)

寝る前に必ず水分補給!冷蔵庫には麦茶と牛乳を常備

眠っている間の汗が必要だということはわかりましたが、ただ汗をかくばかりでは、脱水症状になってしまう可能性も。だからといって、寝る前に水を飲み過ぎても夜中にトイレで起きてしまいそう……。どうするのが正解なのでしょう?

「まず、寝る前の水分補給は絶対に必要です。量の目安としては、喉の渇きが収まる量にプラス1、2口くらい。夜中にトイレで起きた時も、ひと口水分を補給して下さい。夜中にトイレに行きたくないからといってあまり水分をとらないと、脳梗塞や心筋梗塞につながる可能性もあります。また、朝起きたときもすぐに水分をとるようにしてください」(五味先生)

寝る前の水分はつい量をセーブしてしまいがちですが、脱水症状防止のためには飲んでも大丈夫そうですね。では、どんなものを飲めばいいのでしょうか。

「“汗をかく=スポーツドリンクを飲む”と思っている人が多いですが、それはビショビショになるほど汗をかいた場合の話です。寝る前に飲むなら、カフェインが少なく身体を自然に冷ましてくれる麦茶がよいでしょう。起きた時に飲むなら牛乳がおすすめ。牛乳に含まれるアルギニンという成分が血管内の水分を増やしてくれるので、脱水対策には非常に効果的なんです。飲むなら牛乳瓶1本分(約200ml)くらいが目安です」(五味先生)

朝の1杯はコーヒーという人も多いと思いますが、起き抜けの1杯は牛乳を飲む習慣をつけるとよさそうですね。

では、びっしょりと寝汗をかいてしまう人もいれば、まったくといっていいほどかかない人もいます。この違いは、何が影響しているのでしょうか。

「人間の汗腺は生まれつき約500万ありますが、そのうち実際に働いている“能動汗腺”は約半分の230万ほど。この能動汗腺の数により、汗のかきかたが変わってきます。能動汗腺は子どものころに汗をかくことで増えるのですが、最近は汗をかかせない親が多いため、能動汗腺が少ない子どもが増えてきているんです」(五味先生)

能動汗腺が少ないと、汗をかけないために身体の熱が発散できず、暑さに弱くなってしまうのだとか。部活中に熱中症になってしまう子どもが増えているのも、そうした背景が考えられるとのこと。

汗腺の機能が弱っていたり、汗腺が少ないことで暑さに弱くなると、寝ている間に熱中症になってしまうこともあります。しかし、五味先生は「汗腺の機能が弱っている人は、トレーニングで汗腺を鍛えれば、少しの汗でも体温の調整ができるようになり、汗のニオイも抑えられる」といいます。

入浴方法を工夫して汗腺を鍛えよう!

教えてもらった汗腺トレーニングの方法はこちら。

(1)43~44℃の熱めのお湯を浴槽の1/3から半分くらいためる。

(2)四つん這いになり、両手は肘から手先まで、両脚はひざから下までを10~15分ほどお湯につけ、手足浴をする。

(3)手足浴が終わったら、ぬるま湯を足して浴槽のお湯を36度ほどにし、今度は普通に10~15分ほど湯船につかる。

能動汗腺の数が少ない人は、「熱中症体質」とも言えます。こうした人は、体温調節がうまくできないため、エアコンを使わないと熱中症になってしまう危険が。

「タイマー機能なども活用して、我慢せずにエアコンを使用するようにしてください」(五味先生)

毎日かいている汗がこんなに重要だったとは! 寝汗をかかないようにするのではなく、汗腺トレーニングなども取り入れて「よい寝汗」をかけるようになることが、気持よく寝るためには必要です。今年の夏は健康的に汗をかいて、ぐっすり眠りましょう!

監修:五味常明(五味クリニック 院長)

[Fuminners/東洋経済ONLINE]

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Posted by nob : 2016年08月19日 15:24