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同感です、、、自ら話す分だけしか英語は身に付きません。。。Vol.2

■英語を話せる人は何を「音読」しているのか?
話せない「根本的理由」から見える対策

青野 仲達 :ビジネス・ブレークスルー大学経営学部教授

これからは、英語が不可欠だ。
そう言われ始めてから、はたしてどれくらいの時間が経っただろうか。中学校・高校だけでも、多くの日本人は1000時間以上、英語を勉強している。しかし、「英語を話せる日本人」は、なぜいまだにこれほど少ないのだろうか。
大前研一監修、ビジネス・ブレークスルー大学編の新刊『プロフェッショナル イングリッシュ』が刊行された。執筆者の1人である青野仲達氏は、日本人が英語を話せない「根本的な理由」を知ることが、「話せるようになる」ための最短ルートだという。どういうことか、解説してもらった。

英語が話せない。そう悩んでいる人は多いのではないでしょうか。私は多くのビジネスパーソンと日々お付き合いをしていますが、胸を張って「英語を話せる」と言える人は、本当に一握りにすぎません。

では、中学校、高校、大学受験であれほど勉強し、社会人になってもTOEICなどの学習をこれほど続けているのに、なぜ多くの日本人ビジネスパーソンが「英語を話せない」のでしょうか。その理由を考えてみましょう。

主な理由は3つあります。最初に、発音ができない。次に、話したことがない。最後に、話すことがない。意外に思われるかもしれませんが、私はこの最後の理由が最大の障壁だと考えています。

順番に見ていきましょう。

「発音」「経験」はいくらでも克服できる

理由1:発音ができない

最初の理由が「発音ができない」です。

英語と日本語はいろいろな意味で「かけ離れた」言語です。その違いは音声面でも顕著です。日本語に比べて英語には圧倒的に多彩な音があります。訓練を受けていない日本人が「発音できない」のも当然です。

ただし、発音に関しては解決策があります。書店に行けば、発音に関する多くの本が並んでいます。敵を知り、己を知れば、百戦危うからず。英語の音の特質を知り、日本語との違いを理解したうえで練習を重ねることによって、道は開けます。

さらに言うと、世界にはさまざまな英語話者が存在します。たとえば米国の人とオーストラリアの人、シンガポールの人では、その発音はかなり違います。つまり、「正しい発音」などというものに、それほど神経質になる必要はないのです。

ですから、「発音ができない」ことは大きな問題ではありません。

理由2:話したことがない

次の理由が「話したことがない」です。

やったことがないことは、うまくできません。できてしまうとしたら、その人は天才です。話したことがないのに「英語が話せない」と悩んでいる人は、「なぜ自分は天才ではないのか」と考え込んでいることになります。ソファに寝転び、テレビでオリンピックの体操を観ながら「あの演技がなぜ自分にはできないのか」と悩む人はいないでしょう。

そして、この理由についても解決策があります。話したことがないのであれば、話す練習をしましょう。

とにかく、英語を話してみる。その方法を考えましょう。そう言われても、自分の周囲には英語のネーティブスピーカーがいない。英会話スクールに通う時間もおカネもない。いろいろと「できない理由」を挙げることは簡単ですが、要はやる気の問題です。

たとえば、外国人をほとんど見かけることがない地域に住んでいても、ネットでスカイプ英会話を利用することができます。料金が気になる人には格安のサービスもあります。

また、わざわざ有料サービスを使わなくても、たったひとりでできる練習があります。それは音読です。音読とは「英語の文章を声に出して読む」ことです。黙読では、頭で内容を理解したつもりでいても、いざ話そうとしたときに英語が口から出てきません。

野球の打者は素振りをします。ボクサーはシャドーボクシングを欠かしません。どちらも、本番を想定しながらひとりで行うトレーニングです。

英語も同じです。話すことは口を動かす運動ですので、話すためには普段から口を動かしておく必要があります。英語を読むときは音読する。まずはそこから始めてみてください。

「話すネタ」を仕込んでいますか?

理由3:話すことがない

さて、最後の理由が「話すことがない」です。

私は、これこそが多くのビジネスパーソンが「英語を話せない」根源的な理由だと考えています。

みなさんの中には、英会話スクールに通っている方がいるかもしれません。以前通っていた方もいるでしょう。慣れてくると、講師との会話が続くようになり、英語が話せるようになってきたと感じます。

ここで、少し冷静に考えてみてください。それはもしかして、決まり文句やあいさつ文を覚えただけではないでしょうか。英語を趣味として楽しみたい人が、海外旅行に役立つ会話を覚えるのであれば、それで十分かもしれません。しかし、それだけでは仕事の現場で「結果を出す」ことはできません。ビジネスでは発言の中身が問われます。内容のある発言をするためには、当然ながら事前の準備が不可欠です。

ビジネスで成果をあげる人たちは、話すべきことの整理収集を習慣にしています。いわば「ネタの仕込み」です。うれしいことに、それは仕事以外にも役立ちます。持ちネタが増えると、外国人とも自然に「中身のある」会話が続けられるようになります。英語が話せている実感が生まれるので、義務だと思っていた英語が楽しくなります。

自分は英語が話せない。そう思っている人は、自分自身に問いかけてみてください。あなたは「話すネタ」を持っていますか。

「自分が書いた文章」を音読しよう

では「話すネタ」は、どのように仕込んでいけばいいのでしょうか。

まず大前提として、英語学習(というよりも語学全般)において、音読は圧倒的に重要です。音読とは「自分が読んだことを自分の口で話し、それを自分の耳で聞く」ことです。「読む」「話す」「聞く」を同時にこなすことになる音読は、英語の実践力強化に直結します。

この音読をさらに一歩進める方法があります。それが「自分が書いた文章の音読」です。先ほどの「読む」「話す」「聞く」に「書く」が加わりますので、英語の4技能がそろい踏みすることになります。これで力がつかないはずがありません。ちまたではやりの「英語の聞き流し」とは、その効果に雲泥の差があります。

一般的な音読の素材としては、英文講読用の教科書やニュース記事などが挙げられます。また、洋楽を口ずさむことも立派な音読です。ただし、いずれにしても、それは「他人が書いた文章」です。自分の意見でもなければ、声を大にして言いたいことでもありません。

一方、自分が書いた文章は自分の意見そのものです。ビジネスパーソンが書くべき英文は、「自分の考え」をあらかじめ整理しておくものです。当然、他の音読素材に比べて実際に話す可能性が高くなります。

そのようにして作った文章は、音読を重ねることによって「自分の言葉」として定着していきます。話す必要があることを、あるいは話したいことを、最初から話すつもりで書いているのですから、そこには不要な語彙も文法もありません。すべてが実践に直結します。

具体的な文章の書き方は、以下「英語がペラペラになる『魔法の5行エッセイ』」という記事でご紹介しました。新刊『プロフェッショナル イングリッシュ』でも、詳細に解説しています。

これらを参考にしながら書いた文章を、自信を持って音読する習慣をつけてください。「話せる人」は、そこから始めています。


■英語がペラペラになる「魔法の5行エッセイ」
ハーバード流「非ネイティブ」の英語勉強法

青野 仲達 :ビジネス・ブレークスルー大学経営学部教授

ビジネスシーン、学校など、今やどこでも「英語を話す」ことが求められているが、英語を話すための近道は「英語を書く力」を鍛えることにあるらしい。これは意外に感じられるが、ハーバード大学をはじめとする世界に冠たる教育機関では、標準的な学習法だとのこと。『グローバル時代を生き抜くための ハーバード式英語学習法』(秀和システム)の著者であり、自身も外資系企業勤務後にハーバード大学でMBAを取得し、現在はビジネス・ブレークスルー大学(BBT大学)経営学部で教授を務める青野仲達氏に話を聞いた。

書けない英語は話せない

――「英語を話す」ためのいちばんの近道が「英語を書く」ことだというのは、意外ですよね。

今、英語学習法というと、とにかく「英語を話す」ということからスタートすると思うのですが、実は英語を話す前に書く力を鍛えるほうが、はるかに効率がいいのです。

というのも、英語を話すことより、英語を書くことのほうが、ハードルが低いのですね。書くときは、しっかりと時間に余裕を持って自分の考えを整理することができます。一方、話すとなると相手が目の前にいるので、ゆっくりと考えている暇もありません。

逆に言えば、そもそも書けない英語は、どんなに頑張っても話すことができないのです。ですから、英語を話したいのであれば、まずは書くことから始めるほうが入りやすいですし、何より簡単なので、挫折しにくいのです。

――ハーバードといった世界的に有名な教育機関でも、「書く」からスタートしているのでしょうか?

はい。ハーバードのビジネススクールには、英語を母国語としない「非ネーティブ」の学生を対象に、「英語で生き抜く技術」を教えるプログラムがあります。その最重要項目が「エッセイの書き方」なんですね。

ここで言う「エッセイ(essay)」は、日本語の「随筆」ではありません。気ままに思いついたことを書きつづったものではなく、相手に伝えることを前提に「自分の考えを整理して書いたもの」です。

エッセイの書き方を習得すると、それまでは自信なげにうついむいていた人も、理路整然と話すようになっていくのです。欧州出身者も、中南米出身者も、アジア人も同じです。

――話す前に、自分の考えを整理する必要があるのですね。ただ、エッセイと聞くと、少し難しく感じられますが。

たった5行で書けるエッセイ

そうですね。本格的なエッセイとなると難しいのですが、エッセイの基本的な部分はたったの5行で書くことができます。たとえば、「私は夏が好きだ」ということが言いたいのであれば、こんなエッセイが書けます。

I like summer best.(私は夏がいちばん好きだ)
The days are longer.(日が長い)
We can dress down.(楽な服装ができる)
I can travel with my family.(家族と一緒に旅行ができる)
My favorite season is summer.(私の好きな季節は夏だ)

特に難しい単語や文法を知らなくても、こうして自分の考えを伝えることができます。

――なるほど、これならすぐに実践できそうですね。何かコツのようなものはあるのでしょうか?

5行のエッセイを書くのは、とても簡単です。次の3つのルールに沿って書いていくだけです。

ルール1 結論を書く

「要は何が言いたいか」を書きます。「私は◯◯が好きだ」「◯◯はこうあるべきだ」という表現を使うと、うまく結論を導くことができます。たとえば、「夏が好きだ」と言いたいのであれば、シンプルに次のように書けばOKです。

I like summer best.(私は夏がいちばん好きだ)

ルール2 理由を3つ挙げる

結論を述べたら、理由を3つ挙げます。結論の後に理由を挙げるのは、それが自然な流れだからです。理由を3つにするのは、「それくらいがちょうどいいから」です。ひとつや2つだと頼りないけれど、「3つあると安心」という心理が人間にはあるからです。

夏が好きな理由は人によってさまざまだと思いますが、あまり難しく考えず、思いつくままに書いていきましょう。たとえば、こんな簡単なものでOKです。

The days are longer.(日が長い)
We can dress down.(楽な服装ができる)
I can travel with my family.(家族と一緒に旅行ができる)

ルール3 結論を繰り返す

結論を述べ、理由を3つ挙げたら、最後にまた結論を繰り返します。結論を繰り返す方法は2つあります。ひとつ目は「反復」です。これは、単純に結論とまったく同じことを書きます。この場合だと、単純に次のように書けばいいわけです。

I like summer best.(私は夏がいちばん好きだ)

もうひとつは「換言」です。1行目の結論と同じことを、言い方を換えて書いてみます。「夏がいちばん好きだ」は、「好きな季節は夏だ」と同じ意味ですので、最初の結論は次のように言い換えることができます。

My favorite season is summer.(私の好きな季節は夏だ)

「最初に結論を述べる」「理由を3つ挙げる」「最後に結論を繰り返す」。たった3つのルールですが、自分の考えを伝えるための次のようなエッセイが完成します。

I like summer best.(私は夏がいちばん好きだ)
The days are longer.(日が長い)
We can dress down.(楽な服装ができる)
I can travel with my family.(家族と一緒に旅行ができる)
My favorite season is summer.(私の好きな季節は夏だ)

5行エッセイで作る「自分の意見」

――とてもシンプルな方法ですね。これは英語学習だけでなく、「自分の意見や考えを整理する」のにも役立ちそうですね。

そうですね。英語が話せない人の特徴として、そもそも「話すことがない」というものがあります。日本では空気を読んだり、あいまいさを理解する気遣いがよしとされます。

しかし実際に世界へ出ていくと、つねに自分の意見が求められますし、意見は明確な理由がないと通りません。つまり、ロジカルであることが要求されるのですね。そうした意味で、さまざまなトピックについてこの5行エッセイを書いておくと、「自分の意見」が持てるようになるはずです。

文法や単語の勉強は「最重要」ではない?

――5行エッセイを書いていれば、「文法」や「単語」、「発音法」の勉強はしなくてもよいのでしょうか?

しなくてよいというわけではないのですが、文法や単語の勉強というのは、個別にやるべきものではありません。

5行エッセイを書くうえで、これは英語で何と言うのだろうと立ち止まることが必ずあると思います。その際は、ネットなどを使って、単語や文章を調べることができます。

たとえば、「サッカーが好きだ」と書きたいのであれば、「サッカー 好き 英語」と調べれば、Web辞書の例文を調べることができます。そうして5行エッセイを書くうえで、つまり自分の考えを伝えるうえで、必要な単語や文法を調べるだけで十分です。

むやみに単語を2000個覚えたり、英文法をすべて暗記するのは時間がかかるうえに、それを使う機会が訪れないので、頭に残りません。

5行エッセイであれば、それは自分の考えや意見ですし、何より自分で書いたものなので、使った単語や文法はしっかりと頭に残ります。おまけに海外では自分の意見が求められることが頻繁にありますので、使いながら覚えていくこともできます。

5行エッセイを会話やスピーチで使う

――実際に、この5行エッセイを会話やスピーチに応用することは可能なのでしょうか?

もちろんです。書いた5行エッセイは何度も音読・暗誦してください。そうすることで、一つひとつの英文が頭の中に残っていきます。たとえば、「コーヒーが好きだ」ということについて、次のような5行エッセイを書いていたとします。

I like coffee.(私はコーヒーが好きだ)
It tastes and smells good.(味や香りがいい)
It keeps me awake.(眠気が覚める)
It is good for health.(健康にいい)
Coffee is my favorite drink.(私のお気に入りの飲み物はコーヒーだ)

食後に会話がコーヒーの話題になったときに、書いておいた5行エッセイの中から「It tastes and smells good.(味や香りがいい)」と言ってみるだけでも、会話がつながっていきます。

大切なのは、普段からさまざまなトピックについて、5行エッセイを書き、自分の意見を整理しておくことです。そうしてしっかりと準備をしておくことで、世界中のどこへ行っても通じる形で、英語が話せるようになるはずです。


[いずれも東洋経済ONLINE]

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Posted by nob : 2017年04月11日 09:56