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難しい問題だけど、、、うまくいってほしい。。。

■タスマニアデビル、謎の病気で絶滅危機 豪で箱船計画

 ぬいぐるみやアニメのキャラクターにもなっているオーストラリア南東のタスマニア島だけにすむ動物、タスマニアデビルが、最近、謎の病気にかかって激減、絶滅の危機にさらされている。政府は、本土の4カ所につがいや子どもを移住させて繁殖させる「ノアの箱船」計画を立て、保護に乗り出した。

 「グルル……」とうなりながら、歯をむき出しにした。生後1年ほどで、体長は約40センチ。小柄ながら、黒い顔は「デビル」の名前にふさわしい。与えられたウサギの頭を、3匹が引きちぎって奪い合った。

 「興奮すると、耳が赤くなるんです」と飼育員のティファニー・イーストレイさん(27)。豪ビクトリア州メルボルンから東へ約150キロにあるヒールズビル自然保護区には昨年末、12匹がタスマニア島からやってきた。

 タスマニアデビルは、コアラやカンガルーと同じ有袋類の仲間。成獣でも犬ほどの大きさだ。見た目や、死んだ動物の肉を食べることなどから、ありがたくない名前が付けられた。

 家畜を襲うと考えられ、駆除で激減した。41年に保護法ができ、豪州固有の動物として親しまれるようになった。

 ところが96年、口のまわりや顔面に腫れ物ができる謎の病気が見つかった。「デビル顔面腫瘍(しゅ・よう)病」と名付けられ、発症すると数カ月で死ぬ病気だった。島全体で、10年間に生息数の40%も減り、最初に病気が見つかった島の北東部では90%も減ったという。タスマニア島は約6万8000平方キロで北海道とほぼ同じ大きさだが、生息数は現在、数万匹程度と推定されている。

 ある程度の生息数はあるものの、タスマニアデビルは近親交配を繰り返したため、どの個体の遺伝子も似ていると考えられている。そうなると、病気への抵抗力も似るため、最初の1匹が伝染病にかかると、他の個体にも同じように一気に広がる恐れがある。

 政府は病気にかかっていない個体を隔離して増やし、病気が収まった時に自然に返すことにした。「ノアの箱船」計画と名付け、まず47匹を本土の4施設に送った。

 タスマニアデビルは国内外で人気者だ。土産物店では、ぬいぐるみやステッカーをよく目にする。米ワーナー・ブラザーズ製作のアニメ「ルーニー・テューンズ」には、タスマニアデビルをモデルにしたキャラクター、通称「タズ」が出てくる。同社は、この「タズ」のぬいぐるみの売り上げを保護に充てている。

 日本でも、東海地方に拠点を置くスーパー「マックスバリュ東海」が、タスマニア島の農産物輸入の取引で現地を訪れた際、病気の問題を知り、これまで360万円余りを保護のため寄付した。

 政府は、移住、繁殖させたタスマニアデビルを、いずれは島に戻すつもりだ。だが、最近、島では移入種のキツネの目撃情報が出始めている。数が増えれば、タスマニアデビルと餌を奪い合うなど減少に影響する可能性もある。病気がなくなっても、一度変わった生態系がうまくもとに戻るのか、課題はまだまだ多く残されている。

〔朝日新聞〕

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Posted by nob : 2007年05月14日 10:34