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解決不能なサイクル、、、イラクやアフガニスタンとも問題の根源は同じ、、、銃をポケットに忍ばせたまま、ただ身を護ろうするだけの弱い相手にだけ棍棒を棄てさせようとしてもね。。

■北朝鮮核問題 駆け引きに振り回されるな

 毎度の瀬戸際政策に、うんざりする。北朝鮮が核施設の無能力化作業を中断するとの声明を出した。過激な言い回しで、すでに使えなくした施設の復旧にも言及した。

 米国がテロ支援国家指定の解除を延期したため、十分に予想された反応である。すでに六カ国協議の関係国は今月中旬、作業中断に関する情報を入手していたという。

 米国の民主党大会の開幕に合わせて声明を発することで現政権を揺さぶり、譲歩を迫ったとみられる。仮に施設の復旧を目指しても再稼働に一年以上はかかるとされる。関係国に求められるのは冷静な対処だ。北朝鮮の駆け引きに振り回されてはならない。

 北朝鮮側は、米国の対応を「合意違反」だとしている。六月に提出した核開発計画の申告書をもって指定解除をするべきだと主張する。

 この理屈が通用しないのは明白だ。昨年の六カ国合意で北朝鮮は核開発計画に関する「完全かつ正確な申告」を約束したはずだ。だが申告は半年も遅れ、肝心の核兵器に関する情報などは一切含まれなかった。しかも申告書の真実性をはかる検証作業の担保が不十分では意味がない。

 合意の灰色部分と時間の経過を巧みに利用するのが北朝鮮の戦術だ。外交成果を焦った米国の見通しが甘かったと言わざるをえない。

 検証の範囲や時期をあいまいにしながら、合意優先で進めた交渉は軌道修正を余儀なくされた。指定解除見送りは当然の帰結である。

 六カ国合意に基づく非核化プロセスの第二段階は正念場だ。無能力化期限の十月末は迫っている。北朝鮮は声明で厳格検証を拒絶しており、ブッシュ政権での関係改善に見切りをつけたともとれる。

 だからといって米国は安易に見返りを示すことも、危機的状況のまま次期政権にバトンを渡すことも許されない。

 いくら時間稼ぎをしたとしても、北朝鮮には交渉の仕切り直しが待つだけだ。米国はそれを強く訴え、原則通り検証方法についての協議を粘り強く続けるべきだろう。

 日本人拉致問題の再調査への影響も無視できない。先の日朝合意は、米国のテロ支援国家指定解除への土台でもあったからだ。

 「可能な限り今秋に終了」とした調査期限にこだわり、日本も合意を優先した感がある。その後、北朝鮮側が過去の再調査を白紙に戻すのを拒否していたことが判明し、実効性に疑念が出始めた。制裁を一部解除するタイミングについて政府内で見解が割れているのも気がかりだ。

 こうした足並みの乱れは、北朝鮮に付け入るすきを与える。いま一度、日米両政府は「行動対行動」の大原則を肝に銘じておく必要がある。

[愛媛新聞]


■【社説】実質的な北核検証が‘テロ国解除’のカギ

 北朝鮮が寧辺(ニョンビョン)核施設無能力化の中断を宣言したのは、ブッシュ米大統領に二者択一の圧力を加えるものだ。テロ支援国指定解除措置で「無能力化と核申告の完了」という外交的な成果を確保するのか、それともこの2年間の交渉を原点に戻すのか。今回の件は旧態依然たる北朝鮮の瀬戸際戦術だが、これを米国が自ら招いた側面もなくはない。

米国は2007年の2・13合意を前後して、北朝鮮に譲歩を繰り返してきた。「核兵器」は交渉の対象に取り上げられもしなかった。 最初は強硬な立場だったウラン濃縮プログラムやシリアへの核拡散問題も先送りした。テロ支援国指定解除問題も同じだ。2007年の10・3合意によると、「北朝鮮がすべての核プログラムについて完全かつ正確な申告をすれば、米国は北朝鮮のテロ支援国指定を解除する」となっている。 「検証」に関する内容が抜けているのだ。 もちろん申告には当然これを確認できる検証が伴うのが国際基準だ。そうでなければ申告する必要がない。

しかし‘あいまいな用語’で合意し、後に‘別の解釈’をしながらとんでもない要求をするのは、北朝鮮交渉戦術の基本だ。これをよく知る米国がこれを容認したのは焦りからだ。イラク戦争が足かせとなり、06年の中間選挙で敗れると、北核進展で外交的成果を出そうという発想にブッシュ政権はあまりにも執着しすぎた。

米国は北朝鮮の今回の措置に強力に対応すると明らかにした。米国を含む国際社会が「納得できるだけの水準」の検証でなければ、テロ支援国指定解除は不可能だということだ。われわれは、このような米国の立場がブッシュ大統領の任期末まで続くことを願う。こうした点で、ブッシュ大統領が最近取った北朝鮮の資産凍結などの措置は肯定的だ。

ブッシュ政権がレームダックに入ると、本格的な北核交渉は次期米国政府の役割になるしかない。北朝鮮もこういう側面をよく知っている。 今回の無能力化中断宣言にもこういう思惑があると考えるべきだ。ブッシュ政権は北朝鮮に対する説得作業は続けるものの、過去のような北朝鮮に対する譲歩は控えるべきだ。また縫合するような線で検証問題を適当に処理すれば、北核廃棄に決定的な障害をもたらすことになるだろう。

北朝鮮は米国の政権交代にともなう全体像をよく考えなければならない。北朝鮮は米国の次期政権を相手にしながら「危機を高めて譲歩を勝ち取る」といういつもの戦術をまた見せた。しかしそのような戦術の‘限界効用’がどんどん落ちていることに気づくべき時が来た。 まずマケインやオバマは北朝鮮の脅威に屈服する指導者ではない。

特にオバマは、国際政治をよく知らないという憂慮を払拭させるという意味で、より強硬に出てくるかもしれないという点を銘記すべきだ。 交渉が進むほど北朝鮮に不利なカードが出てくる可能性があるという点にも留意しなければならない。

テロ支援国指定が解除されなければ無能力化された核施設を再開すると主張したが、これにかかる復旧費用は途方もない負担になる。 結局、答えは一つしかない。 国際社会で通用するレベルの検証を受け入れ、核廃棄の意志を本気で示すことだ。

[中央日報]

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Posted by nob : 2008年08月29日 23:41