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立件されない事件も、、、こうした冤罪も、、、なくなることはないからこそ。。。
■【関連】『良かった、涙が…』足利事件・菅家受刑者 再審『一日も早く』
「一日も早く再審開始をしていただきたい」。逮捕から十七年半、有罪の決め手とされた捜査段階のDNA型鑑定が大きく揺らいだ。栃木県足利市の保育園女児=当時(4つ)=殺害事件の再審請求審で八日、東京高裁に提出された二つの再鑑定書。いずれも無期懲役が確定した菅家利和受刑者(62)以外の別人による犯行の可能性を示唆している。再審の重い扉は開かれるのか。
「違うと聞いてじーんときて、良かったと思って涙が出ました」。弁護士が八日夕、千葉刑務所で接見した際、菅家受刑者はこう語ったという。
支援者への手紙で「私は無実ですのでDNA再鑑定は期待できます。東京高裁を信じております」とつづっていた菅家受刑者。
弁護士から二通の再鑑定書を見せられると、「一日も早く再審開始をしていただいて、一刻も早く出してもらいたい。両親のお墓参りをしたいと思います」と話したという。
一方、記者会見した弁護団の佐藤博史弁護士は「足利事件のDNA型鑑定が完全に誤っていたことが、今日の二つの再鑑定書で明らかになった」と強調した。
佐藤弁護士は会見の冒頭、東京高裁の矢村宏裁判長から再鑑定結果を公表しないように求められたことを明かした。「なぜ、こんな重要な意味を持つ鑑定のことを話してはいけないのか理解できない。私の責任で公表する」と言い切った。
検察側には「DNA型が一致する人物が真犯人の可能性が極めて高い。こういう証拠を前に、捜査機関としてどう動くべきかが問われている」と主張。「栃木県警は重大な失態を犯した。まだ菅家氏が犯人だという捜査官がいたら許せない」と語気を強めた。
事件と犯人とを結びつける有力な物証とされた被害者の女児の下着は、常温で約十六年間保管されてきた。体液などのDNA型を正確に鑑定するにはマイナス八〇度で保存することが要求される。
だが、こうした保存方法を裁判所がとるようになったのは、わずか四年前。「真犯人のDNA型が残っているのかずっと気がかりだった。残っていたのは、女児の執念だと思う」と佐藤弁護士は語った。
◆再鑑定の制度化を
米国のDNA型鑑定に詳しい伊藤和子弁護士の話 米国では再鑑定の結果で冤罪(えんざい)が証明され、実際に死刑台から帰ってきた人がいて、最新技術での再鑑定が制度化されていった。日本ではこれまで例がなかったが、足利事件の再鑑定結果を踏まえ、司法全体が制度化について考える契機にしなければならない。
◆分析状況の検証必要
瀬田季茂・元聖マリアンナ医科大客員教授(法医学)の話 菅家利和受刑者の体液が着衣に付いていないと合理的に認めることはできるが、DNAは年月がたてば変化する。十五年以上たった証拠資料からどうやってDNAを抽出し、再鑑定したのか分析状況を検証しないと、再審決定を判断する証拠にはならない。事件当時の科学警察研究所の鑑定は世界で使われ、定着した方法で、鑑定は正しく行われていたと思う。
◆証拠総合し判断を
安冨潔慶応大教授(刑事訴訟法)の話 科学技術による証拠は、自白に代わる客観的なものとして重要だ。技術の進歩により、今までと異なる結果が出たとすれば、重く受け止めなくてはならない。ただ、同じ遺留品から試料を採取しても、場所が違えば異なる結果が出てもおかしくない。微物でも鑑定できる技術になったため、検出した試料がほかの物と交じり合った可能性も否定できない。裁判所は証拠を総合し冷静に判断するだろう。
◆内容精査して対応
東京高検の渡辺恵一次席検事の話 東京高裁から足利事件の鑑定書二通を受領した。当庁としては今後、新鑑定の内容を十分精査・検討し、適切かつ公正に対応する。
[東京新聞]
Posted by nob : 2009年05月11日 23:50