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私もほぼ同意見、、、リスクは次の震災とUFO(笑)、あっても怖くない、、、本当に怖い普遍的リスクは、原発から脱却できない根源的理由でもある人々の依存従属心。。。

■2012年、マヤの予言は当たらない!
世界各国で政権交代相次ぐ今年が平穏である理由

マヤの予言外れる!?

 今年2012年は、マヤ文明が人類滅亡を予言した年だ。マヤの人々には悪いが、それは当たらないだろう。確かに、不気味なことに予言に合わせて、米国、中国、ロシア、メキシコ、ベネズエラ、ケニヤ、台湾(現職再選)、および(可能性として)エジプトとフランスで国政トップの交代の機会がある。これらの国々のGDP総計は世界のGDPの約半分にあたり、国連安保理常任理事国の5分の4を占める。

 さて何か起こるのだろうか?まず私はこれらの政権移行が経済や安全保障に与える影響は、想定以上に限定的だと思う。政権交代が、世界的な財政危機や経済停滞やバブル崩壊の危険の中で起こることにより、むしろ世界的な危機が後退すると思う。もちろん、世界の首脳たちが危機感を失ったら話は別だ。

 各国の様子を見ていこう。

米国は中道、中国は安全運転

 アメリカは現職のオバマ大統領が再選される可能性が高い。共和党大統領候補はロムニー氏で決まりだが、ロムニー氏の勝算は厳しい。理由はこれからアメリカ経済の各指標が改善を見せていくからだ。ロムニー氏は得意の経済問題での攻め手を徐々に失うだろう。オバマ氏有利に変わりはない。

 アメリカ経済の復元力は一部の評論家や学者の想定以上となろう。二大政党が両極化する議会を尻目に、どちらが勝っても大統領は中道を目指さなくてはならなくなり、政治的リーダーシップの機能不全は相変わらずだが、だからこそ経済も安全保障も安全策が採用される。

 中国は習近平氏に政権が移行するが、胡錦濤氏時代より集団的指導体制が強化される見込みだ。強権的国家資本主義とみられる中国だが、実は指導部内では非常に民主的。誰一人として絶対的主導力を持たず、習氏も重要課題に対しては平等な一票しかない。とくに政権移行期にあたる今年は、中国新指導部は安全運転に徹すると見られ、現体制と全く違ったアプローチを見せることは考えにくい。

中国の2つの懸念――不動産バブルと中台関係は?

 最近まで、沿岸部から内陸部まで過剰なインフラ整備が続いたことを「バブル崩壊の危機へ向かう」と指摘する声が多い。もちろん、多少のバブルがはじける可能性はあるが、今年の中国なら、その悪影響を排除するに十分な手段と資産(財政力含め)を持っている。もし危機に陥れば、それらを総動員して対処するだろう。

 台湾は現職の馬総統が予想以上の強さで再選された。中国はなりふりかまわずこの選挙に介入した。大陸で経済活動に従事する台湾人に“現職支持”を指示し、一斉に帰国させた。帰国便の増発や値下げまでやった。日本の創価学会に倣ったかのような、“民族移動”を導入した支援であった。

 一方、中国はもしもの場合の保険もかけておいた。中国政府は台湾野党民進党に対して、かなり柔軟に対応し始めたのだ。台湾担当の政務局常務委員が「台湾の国際活動」に理解を示した。国民党を支援しつつも、野党民進党が勝つシナリオにも対応しつつあったのだ。

 中国外交は、軍部と共産党の間で揺れ動く。「中国の台頭」を誇示したい軍部と、「力による誇示が、周辺国を米国との連携に向かわせている」と危惧する政府。政権交代期の今年は、さすがに軍部も遠慮して政府の姿勢が勝つと思うが、不景気で国民の不満が高まれば、ガス抜きに愛国的国力誇示に向かうかもしれない。ここが最大のリスクだが、新政権移行期ということで、政府は経済対策に全力で当たるだろうから、今年は最悪の事態は避けられ安全運転に徹するとみる。

ロシアもフランスも変わりなく

 ロシアも安定するとみる。確かに反政府デモの拡大は懸念である。しかし、プーチンに対する強力な対抗馬は全く見当たらない。プーチンが大統領に返り咲いた後は、国民に金をばらまく財政政策を行い、アメと鞭をつかいながらエリートを引き寄せ管理していくだろう。それだけのことだ。ロシアに期待はできないが失望する理由も見当たらない。

 フランスは政権交代が起きそうである。サルコジ氏は劣勢で、フランス社会党第一書記のフランソワ・オランド氏が優勢だ。しかし、どちらが勝ってもEU含めフランスの経済・安全保障政策にはあまり変わりはない。

ありえないユーロの崩壊

 ユーロ圏解体はない。ユーロ圏の解体を叫ぶのは、「解体がないことを知っていながら、市場にあたかも解体があるようなノイズを作り出し、投資家をかく乱させて儲けよう」という者か、本当にEUが嫌いな英国の有力者が中心となっている。

 解体がないとみる理由は二つ。

・解体する仕組みがない
・解体する動機がない

 本当に欧州安定化基金で資金が不足し、ユーロ崩壊という時代を想定せざるを得ないなら、ユーロを解体する議論が行われているだろう。解体する道筋も指南書もなく、解体できるはずもない。もちろん、今後の展開によっては最悪のシナリオを想定すべき時がくるかもしれない。しかし、それは少なくとも今年という短期のことではない。欧州はドイツはじめ、主要国ほどこの危機を先送りするつもりだ。ユーロ問題の解決はまだ相当先で、危機は続くだろうが、まだまだ解体は想定されていないのだ。

 解体したい動機を持った国も政党も官僚組織も、今のEUには存在しない。仮に存在していても、それらはスーパーマイノリティーだろう。解体した悪影響がどれだけひどいか、各国の政策決定者ほど正しく認識している。

 ユーロの危機は、爆発的な危機が近く訪れることではない。危機が先送りされ、長引くことである。長引く過程で何が起こるかはわからない。ただ、少なくとも、各国政策決定者の意気込みと、彼らが活用可能な政策オプションから判断すれば、今年一年に何かが起こるほどの状況ではない。

アメリカのアジア重視が最大のリスク

 私が唯一危惧する潜在的リスクは、アメリカのアジア重視の間接的影響である。アメリカのアジア最重視が昨年末から鮮明になってきた。クリントン国務長官のミャンマー電撃訪問に始まり、インドネシアに二十数機の戦闘機を引き渡し、オーストラリアに海兵隊が進駐。そしてシンガポールに海岸沿いに米海軍艦隊が駐留する。

 これに気をよくした中国を取り巻くアジア諸国は、米国の接近で勇気百倍となったところで、安全運転の中国新政権に領土問題や中国国営企業問題で厳しくもの申すようになるかもしれない。

 アメリカも中国も、新政権の滑り出しは平穏にやりたいところだ。しかし、アメリカのアジア重視を活用してアジア諸国が中国新政権に挑戦すれば、事態は悪化するかもしれない。安全運転を目指す中国だが、国民の間ではナショナリズム(格差から来る政府への不満のはけ口としても)が高まるなかで、新政権は冒険せざるを得なくなるかもしれない。政権移行期にあるからこそ民意に応えざるを得ず、中国新政権がアジア諸国に強く反発し、不測の事態を招く可能性がある。

 これに対して、今までのオバマ大統領なら見過ごすところだが、今年は選挙一色で情勢は異なる。選挙期間中は国民から「中国に対してもっと強く出よ」との強いプレッシャーが与えられることは間違いない。経済音痴のオバマ氏が経済に強いロムニー氏に押されてしまった場合、オバマ氏は国民世論のプレッシャーに負けて、アメリカが中国に強く出てしまう可能性もある。これが私が思う最大のリスクだ。裏を返せばこれくらいしかリスクはないと思う。その次に大きなリスクとして北朝鮮情勢があるが、これについては次回以降で触れてみたい。

 世界中が経済や政治をこれだけ危惧している今年は、意外と平穏に終わるのではなかろうか?危機とは想定しないときにこそ発生するもの。今は皆が必死でリスクを抑えようとすると思う。そして、まだ今年の世界には、あらゆる潜在的危機当事国に、危機を回避するだけの能力と手段はある。課題は、2012年を乗り切り、各国当事者が緩んだ来年ではなかろうか?逆に言えば、欧州財政含め、2012年は来年以降に危機を先送りする年になると思う。

 われわれにできることは「2012年は世界の大危機だ」との扇動者を信じないことだ。そして扇動者にもならないこと。過大なリスクが宣伝されるときほど、落ち着いて情報を集めて、自分の頭で考えてみよう。当事者になりきって、動機を確かめながらシミュレーションを行うのが望ましいと思う。

[田村耕太郎の「坂の上に雲はない!」/DIAMOND online]

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Posted by nob : 2012年01月21日 15:31