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新しい市場とは「探す」ものではなく、自らの手で「つくる」もの、探しているうちは、結局は誰かの後追いに、、、自らの人生を創り上げるクリエイティビティー。。。Vol.5
■人とは違う考えやアイデアはロジカルに生み出せる!
「非まじめ」「不常識」の3つの指針
不常識な考えはロジカルに生み出せる!他の人から突き抜けられる思考やアイデアを生み出すその秘密を、初めて公開。世界初をつくり続ける東大教授の話題の連載、第6回。
「非まじめ」なアイデアのつくり方
世界のHONDAこと、本田技研工業の創業者である本田宗一郎さんは、生前に「不常識を、非まじめにやれ」と語っていたそうです。そう、奇しくもロボット工学の第一人者、森政弘先生と同じ「非まじめ」です。
本田宗一郎さんの慧眼は、「非常識」を否定されていたことです。
単に「非常識=めちゃくちゃ」なことをやっても、なにも生まれない。非常識ではダメだ。めちゃくちゃなことをするのではなく、常識の枠を越えた「不常識=新しい常識」をつくるのだ。そして新しい常識をつくるためには、頭でっかちにならずに「非まじめ」な自分でいることが重要なのだ、と。
たしかに、わたしも新ジャンルをつくるような独創を推奨しているわけですが、それが単なる「非常識=めちゃくちゃ」になるようでは困ります。独創が「めちゃくちゃ」にならないためには、なんらかの指針が必要でしょう。そこでわれわれの研究室で掲げているのが、次のような指針です。
(1)違う「テーマ」を考える
(2)違う「方法」を考える
(3)違う「結果」を考える
この3つについて語るとき、わたしはいつも登山を例に説明するようにしています。それはどういうことでしょうか?
登山にたとえられる「アイデアの考え方」とは?
まず(1)「違う『テーマ』を考える」。
この場合のテーマとは、登山でいうところの「山」ですね。みんなが富士山に登っているところを、自分だけ浅間山を登る。あるいは、まだ誰も登ったことのない山を登る。富士山より高い山でなくてもかまいません。とにかく「違う山」であること、つまり「違うテーマ」であることが重要なのです。
たとえば、わたしの場合でいうとみんなが産業用ロボットの山を登っていたところを、医用ロボットの山を登りました。市場としては小さいかもしれないけれど、とにかく違う山を登りました。そこをアメリカで評価され、国際学会で評価され、日本でも評価していただけるようになったわけです。
次に(2)「違う『方法』を考える」。
違う方法とはなにか。登山にたとえるなら、これは「歩く道」ですね。つまり、登る山はみんなと同じ富士山にする。でも、自分だけはみんなと違うルートから登る。大きな鉈を片手に、誰も登ったことのない道を切り拓いていく。月並みな例を挙げるなら、取引先にお礼を伝えるとき、みんなが電子メールを書いているところを、自分だけは直筆の手紙を書く。「お礼を伝える」という山は同じでも、そこに至るルートが違うわけです。
あるいは、みんなが「プラスチック製のパソコン」をつくっている中、唯一「アルミニウム製のパソコン」をつくったアップル社なども、違うルートを開拓して成功した事例といえるでしょう。パソコンとしての基本性能(登る山)は他社製のものと変わりがないはずなのに、明らかに新しい。登るルートが変わるだけで、印象はここまで変わります。
先に紹介したわたしのロボット内視鏡の場合だと、みんながモーターでロボットを稼働させようとしていたところを、わたしは形状記憶合金に熱を加えるという道を選びました。ロボットが動く、という結果は同じであっても、ルートが違えば大きな評価の対象となります。
アイデアを生み出す3つめの指針とは?
そして最後が(3)「違う『結果』を考える」。
これはもう少し簡単で、みんなと同じ山を、みんなと同じルートで登る。でも、登頂の結果がみんなと違う。具体的には、みんなが1000メートルまでしか登れなかったところを、自分だけは1100メートルまで登るわけです。特に学術論文の場合、実験結果が従来よりも更新されているだけで一定の評価を得ることができます。
さて、この「テーマ」と「方法」と「結果」のどれかひとつでも新しいものがあれば、それなりの論文になります。そして3つ全部が揃っていたら、完璧です。間違いなく学会賞モノの研究でしょう。
みんなと違うことをやろうとするとき、闇雲にめちゃくちゃなことをやるのではなく、「テーマ」と「方法」と「結果」の3つを軸に考えるようにしましょう。
[DIAMOND online]
Posted by nob : 2013年08月20日 18:04