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彼の真意がどこにあれども、、、脱原発への影響力に期待。。。Vol.18

■小泉氏が脱原発を力説 弟子の安倍首相は
東京=ジョナサン・ソーブル
翻訳・加藤祐子

安倍晋三首相は日本の原子力発電業界を再生しようとしている。しかし日本の人々は原発に不安を抱えているし、福島第一原発での収束作業は問題に継ぐ問題に苛まれている。原発業界を再生しようにも、首相は出だしからかなりの難問に直面してきた。

そして安倍首相の前には今、予想外の障害物が立ちはだかることとなった。政界における安倍氏の師匠にあたる先輩で、今でも人気の高い小泉純一郎元首相だ。

12日に日本記者クラブで記者会見した小泉氏は、公の場でかつてなく強力かつ直接的に、日本の「原発ゼロ」を力説した。

これまで直言を避けていた脱原発の時期については、「『即ゼロ』がいい」と明言。定期検査のために運転停止している原子炉は再稼働すべきではない、代替エネルギーを開発するまでの応急処置としても再稼働はするべきでないという見解を示した。

「私は『即ゼロ』がいいと思います。その方が企業も、国民も、さまざまな専門家も準備ができる」と小泉氏は述べた。そして弟子とも言える安倍首相に触れて、「もし安倍総理が『原発ゼロにする』と方針を決めれば、反対派はもう反対できない」と指摘した。

小泉氏は過去40年間の日本で最も任期の長い総理大臣だった。2001年から2006年にかけて保守派でありながら改革を重視し、自由民主党を率いた。そして自民党議員の大多数がそうであるように、小泉氏も原子力発電を長年支持し続けていた。

小泉氏の在任中に日本は原子炉4基を新しく稼働したし、小泉政権は原子炉新設を承認した上に新設計画の後押しもした。その中には福島第一での2基増設計画も含まれていたが、これは2011年3月の大震災と原発事故で立ち消えとなった。

原発事故を受けて方向転換した小泉氏について、立場の異なる安倍首相は「無責任だと思う」と批判している。またこの問題に関して首相は先月、衆院で「政権を預かる立場の責任者としては、いかなる事態でも国民生活や経済活動に支障がないように責任あるエネルギー政策を進めていく」と述べている。

日本で使用可能な原子炉50基は今、ひとつも稼働していない。原発事故の前には発電量の3割を原発に依存していた国において、この稼働停止はいろいろな問題を引き起こしている。天然ガスなど他の燃料の輸入を増やさなくてはならず、電力は値上がりし、温室効果ガスの排出は増え、慢性的な貿易赤字の一因となってる。

安倍氏は、新しい原子力規制委員会の審査に合格した原子炉の再稼働を支持している。電力各社は10数基について安全審査を申請しており、来春にも最初の審査結果が出る見通しだ。とはいえ実際の再稼働には担当大臣や地元自治体の承認が必要で、つまり専門家の判断と世論とが天秤にかけられることになる。

朝日新聞が12日に発表した世論調査では、小泉氏による「原発ゼロ」の主張を「支持する」は回答者は60%にのぼり、「支持しない」の25%を上回った。

原発事故によって広範囲が低線量放射線で汚染され何万人もの人が住まいから避難を余儀なくされた。この事故当初の衝撃に加え、事故収束の作業現場からは放射能汚染水の流出が相次いでいるため、原発に対する国民の不信感は深まっている。

小泉氏は今年から反原発の意見を口にするようになった。まずは内々の会話で、やがては少人数の支援者の集まりや財界トップとの会合などにおいて。日本記者クラブでの記者会見のような表舞台で公然と持論を展開するのは、今回が初めてだった。

なぜ考え方を変えたか説明するにあたって、小泉氏は福島第一の事故の影響について語ると同じくらい、「核のごみ」、高レベル放射性廃棄物の処理問題がいまだ未解決だと、重ねて強調してきた。

脱原発実現の時期について小泉氏は12日、「私は『即ゼロ』がいいと思います」と述べ、原子炉を「再稼働するとまた核のごみが増えていく」と述べた。

世間の空気を読みとることにかけて、小泉氏は卓越していた。長期政権はその能力をよりどころに築き上げたものだった。それだけに、原発に関する小泉氏の転向の裏には何かもっと計算ずくの狙いがあるのではないかと詮索する向きもある。たとえば一説には、09年に自分の選挙区から出馬し当選した、息子で後継者の進次郎氏のため、有権者の支持を得やすく選挙で有利な足場を用意しているとされるが、進次郎氏自身は原発問題について態度を明確にしていない。

小泉氏は12日、「野党は全部、『原発ゼロ』に賛成ですよ。『原発ゼロ』反対は自民党だけ」と述べ、原発ゼロ政策こそが自民党の選挙対策にとって最善の戦略だという確信を隠そうとしなかった。

[ファイナンシャルタイムス]


■原発即ゼロ、小泉さんの発言に共感する?

 東京電力福島第一原発事故から約2年8カ月。「脱原発」を訴えた民主党政権は無く、与党・自民党も対応に腰が定まらない。世論が冷めつつあるなか、小泉純一郎元首相が安倍晋三首相に即時「原発ゼロ」を迫った。挑戦的な発言に、街の空気は変わったか。12日午後、JR名古屋駅前で100人に聞いた。

 100人には、小泉発言を「支持する」「支持しない」「わからない」から選んでもらい、その理由を聞いた。

 小泉氏の発言を支持するのは5割超。「自民党の元首相」という影響力に期待する声が目立った。

 三重県四日市市の会社員男性(40)は「安倍首相は経済界の反対もあって、脱原発は明確には打ち出せないだろう。小泉さんのような立場の人が発言することが重要だ」。

 愛知県清須市の大学生、小川真里奈さん(19)も「私たちの世代では一番有名。影響力がある」。

 小泉氏は現職首相時代は原発に賛成だった。その転向に、「支持はするが、今になっての発言は、党内で影響力を持ちたいからではないか」(名古屋市天白区、40歳の会社員男性)との声も。

 一方、専門学校に通う愛知県弥富市の男性(19)は「原発事故があった。考えが変わるのは悪いことではない」と擁護した。

 自民党の石破茂幹事長が、「原発ゼロ」を繰り返す小泉氏の発言を精査するよう指示を出すなど、自民党内への影響も広がっている。千葉県市原市の無職男性(64)は「自民党内にも潜在的な反原発派がいる。発言が発火点になってくれれば」と期待を寄せる。

 「支持しない」と答えた人は3割弱だった。「脱原発」自体に反対する声が多かった。

 東京都渋谷区のカメラマン奥村純一さん(44)は「現実的ではない。(小泉氏は)余計なことは言わない方が良い」。岐阜県大垣市の会社員男性(42)は「代替エネルギーのメドもついていないのに、口だけだ」と批判する。

 また、小泉氏の打ち出した「即時ゼロ」に対し、三重県紀北町の会社役員男性(65)は「ひずみが大きすぎる。緩やかに解決策を出すべきだ」と懐疑的だ。

 「わからない」と答えた人の意見には、賛否への迷いがにじんだ。

 名古屋市のフリーターの男性(23)もそんな一人。「脱原発も原発推進もそれぞれ長所短所がある。どっちか早く決めてほしい」

 100人のうち、「原発問題を身近に感じない」「じっくり考えたことがない」と原発への関心が低かった人は、1割に満たなかった。名古屋市瑞穂区のパート斎木英明さん(66)は、迷いながら「支持する」を選んだ。「事故から時間はたったが、いまだに関心は薄れてません」

[朝日新聞]

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Posted by nob : 2013年11月15日 14:31