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彼の真意がどこにあれども、、、脱原発への影響力に期待。。。Vol.30

■細川護煕氏都知事選当選したら脱原発にどれだけ影響力あるか

 現在、選挙戦が展開されている都知事選では“原発”も争点になっているが、もし細川護煕氏(76才)ら「脱原発」派が当選したら、今後、どのように脱原発は進んでいくのだろう。

 実は、いち地方自治体である東京都の知事には、全国にある原発をなくす権限はない。『「フクシマ論」 原子力ムラはなぜ生まれたのか』(青土社刊)などの著書で知られる社会学者の開沼博氏はこう指摘する。

「原発の廃棄や再稼働の決定、エネルギー政策の基本方針の転換には、内閣の閣議決定など国政レベルでの意思決定が必要です。知事選の結果がそのまま政治に反映されるわけではないなかで、新都知事に何ができるかは未知数です」

 例えば沖縄県知事は、長く普天間基地の県外移設を訴えてきたが、それはいまだにかなってはいない。それどころか、県民の意思は知事の挫折の前に、遠のく一方でもある。1月19日に投開票された名護市長選では、移設反対の現職が再選されたが、安倍政権は移設方針を変えるつもりはない。そこには、地方自治体のもつ力の限界が垣間見える。

 東京都は東京電力の4番目に大きな株主ではあるが、実際に保有している株は全体のわずか1%強。持っているのは“決定権”ではなく、“影響力”にすぎない。しかし、「それでも今回は脱原発を実現できる可能性があります」と語るのは、地方自治に詳しい法政大学教授の五十嵐敬喜氏だ。

「東京は人口も経済規模も他の都市とはケタ違いです。細川さんが勝利し、都知事として脱原発を強く訴えた場合、日本国民に与える影響力は計り知れません。原発事故で苦しむ福島県だけでなく、柏崎刈羽原発のある新潟県、浜岡原発のある静岡県など、原発の立地自治体で住民たちが声を上げ、日本中に広く連鎖していくでしょう。強硬な姿勢が目立つ安倍政権ですが、さすがに国民から沸き起こる脱原発の声を無視はできないはずです」

[女性セブン]


■脱原発へ「安倍1強」打倒狙う小泉氏は昨年夏から「戦闘モード」に入っていた

歳川 隆雄

1月23日告示・2月9日投開票の東京知事選の幕が切って落とされた。同日午前、東京都庁前で第一声を上げた細川護煕候補(元首相)の傍らには小泉純一郎元首相が控え、例の絶叫調で「原発即ゼロ」を訴えた。

細川候補がこの日3ヶ所で行った街頭演説をテレビニュースで観た限り、予想していたほど都民・聴衆が元首相コンビに突き動かされたようには感じられなかった。だが、17日間の選挙戦期間中16日間、小泉氏は細川氏の選挙キャンペーンに同行するというので、今後、小泉節が炸裂すれば化学反応を起こして細川氏支持が急増する可能性はゼロではない。

ただ、マスコミ各社の世論調査(告示前に実施)の結果を見る限り、そして細川陣営内の不協和音などもあって、細川氏が自民、公明両党都連推薦の舛添要一候補(元厚生労働相)に届くのは相当難しいのではないか。

ドン・キホーテに自らの心境託し

筆者の最大の関心は、小泉元首相が細川元首相を全面支援するに至った背景と、その理由である。『日本経済新聞』の清水真人編集委員が同紙電子版にかつて書いた記事が示唆に富んでいる。同氏によると、昨年7月の東京・九段の靖国神社の「みたままつり」期間中、小泉氏の揮毫が境内に飾られていた。

そこには、「夢はみのり難く 敵はあまたなりとも 胸に悲しみを秘めて 我は勇みて行かん……たとえ傷つくとも 力振り絞り 我は歩み続けん」という、ミュージカル「ラ・マンチャの男」で主人公のドン・キホーテが歌う「見果てぬ夢」の一節があった。

清水氏の解説によれば、小泉氏がこの歌詞に心境を託したら、「戦闘モード」にスイッチが入ったことを意味するという。

2005年6月3日の衆院郵政特別委員会で民主党の小沢鋭仁衆院議員(当時・現日本維新の会議員団国対委員長)が郵政民営化反対の立場から「あなたは空想と現実の区別がつかなくなったドン・キホーテだ」と痛罵したところ、答弁に立った小泉首相は「実はドン・キホーテは大好きです」と述べ、先の「敵はあまたなりとも」「我は勇みて行かん」とそらんじてみせたというのだ。

だとすると、小泉氏は昨年夏から「戦闘モード」に入っていたことになる。では、仮想敵は誰だったのか。細川元首相が都知事選出馬を検討し始めたのは、猪瀬直樹前知事が徳洲会からの5000万円借用問題で辞職を決めてからのことなので、「原発即ゼロ」をシングルイシューとした細川支援とは直接的には関係ない。

であれば、昨年夏頃から、小泉氏の胸中には「安倍1強」体制打倒の気持ちが芽生えていたということなのか。

安倍首相は夏前にも6基の再稼働決定の構え

昨年春に黒田東彦日銀総裁が誕生して、アベノミクス(安倍晋三政権の経済政策)の「第1の矢」として金融の異次元緩和が実施され、続いて「第2の矢」である5兆円規模の経済対策が打ち出され、円安・株高による景気回復の兆しが見えてきた。さらに同年7月の参院選で勝利して衆参ねじれが解消、安倍政権の政策プライオリティ第1位であるアベノミクス推進には原発再稼働が不可欠との認識が政府・与党のコンセンサスになったのが夏のお盆休みの頃だ。

ところが小泉氏は、実はその前の4月に、自分の政権時代に支援してくれた奥田碩元経団連会長ら経済界有力者に対し、3・11(東日本大震災)による東京電力福島第一原発事故を考えると、全ての原発を廃炉するしか選択肢はないと断じていたのだ。と同時に、安倍首相は「脱原発」を決断すべきだと言い切り、経済人は返す言葉もなかったという。

官邸関係者によると、安倍政権は、原子力規制庁が現在行っている九州電力川内原発、四国電力伊方原発、関西電力高浜原発のトータル6基の安全審査がクリアできれば、遅くとも夏前にも再稼働を決定する構えだ。

こうした安倍政権の再稼働路線を阻止するために小泉氏はたとえ孤高であっても「倒閣」に踏み切ったのではないか。まさに権力闘争であり、「戦闘モード」にスイッチを入れたということなのだろう。

細川氏応援で炸裂する小泉節が、どこまで東京都民を引きつけられるのか、見物である。

[現代ビジネス]

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Posted by nob : 2014年01月25日 12:37