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言い得て妙。。。Vol.25/幸せ、、、気付きさえすればいつもそこにあるもの。。。

■小池龍之介「追い求めると逃げていく。“幸せは副産物”の理由」

小池 龍之介
月読寺住職兼正現寺住職

幸せの感じ方は人それぞれです。お金が手に入れば幸せという人もいるし、人から愛されることが幸せだと思う人もいる。仕事で評価されることに幸せを感じる人もいるでしょう。

しかし、こうした心が満たされたような感覚はどれも、脳内でドーパミンが発射されて生じた刺激によりつくり出される、バーチャルなものにすぎません。満たされたように感じるのは、それ以前には満たされていない状態にあったからです。人は何かほしいものがあって、それが手に入らないとき、つまり満たされていないときには「苦しい」と感じます。そして、満たされなかったものが満たされた瞬間にいままでの苦しみがすっと消えて、「もう苦しくない。ああ気持ちいい」と感じる。これが快感の正体です。

「一切皆苦」という仏教の根本原理があります。人間が心と体を通じて知覚できる刺激は、「苦」という感覚だけ。「苦」の量が増減するだけという考え方です。その「苦」が減じた状態を脳が勝手に情報処理して、「快」と錯覚させる脳内物質を分泌します。欲望が満たされたり、目標が達成されたりすると、脳の神経回路が刺激され、快感物質のドーパミンが大量に発射される。それで「気持ちいい」と感じますが、神経には負担がかかっていますので、“現実的”には「苦」なのだと申せるでしょう。

しかしドーパミンはずっと放出され続けるわけではありません。快感物質を放出する神経回路が刺激されるのは、欲望が満たされたり、目標が達成されたりしたほんの一瞬だけ。そのときの快感は記憶に残って、「あのときは気持ちよかった」と思い出すたびに多少のドーパミンは出ますが、それは時間の経過とともに少なくなってきます。そしてそれは、神経レベルでは不快な信号として認知されるようになっていて、ドーパミンが出た後には必然的に物足りなくなってそわそわと落ち着かなかったり、満たされなくなってイライラしたりしてくるのです。

もっとお金がほしい。もっと愛されたい。もっと仕事で認められたい。もっとおいしいものが食べたい。満たされない苦しさから脱出するために、新たな目標を設定するようになります。しかも、より大きな快感を求めてより高い目標を課すようになる。目標が高くなれば達成が困難になってより苦しくなるうえに、失敗することも多くなります。

目標が達成できそうにないと感じたとき、別の欲望を満たすことで快楽を得ようとする人もいます。たとえば仕事がうまくいかないときにお酒でストレスを発散する。一時的な快楽で苦痛を忘れることはできますが、もとの苦しさが減るわけではありません。苦しさから逃れるための代替行為がエスカレートして、お酒やギャンブルに溺れる人もいます。

頑張るバイタリティのある人なら、より高い目標もクリアできるでしょう。そのときもドーパミンが放出されて気持ちよくなる。しかし、いずれ慣れてしまうので、さらなる快感を求めてもっと高い目標を設定して……という繰り返しです。

満たされないことに比べれば、満たされたほうが幸せに決まっています。しかし、満たされたことで感じる「快感」も「苦」の情報を脳が書き換えて、快感スイッチを入れることで感じるバーチャルな感覚にすぎない。多くの人はそれを幸福感と錯覚しているのです。

[PRESIDENT Online]

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Posted by nob : 2014年12月15日 20:23