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同感です、、、がんに至るまての様々な病の元かと。。。

■体内時計を無視するから、日本人はがんになる
「時計遺伝子」の力を知っていますか

藤田 紘一郎 :東京医科歯科大学名誉教授

今、日本ではがんになる人が増えています。一生のうち2人にひとりはがんになり、3人にひとりはがんで亡くなっています。

理由はいろいろ考えられますが、私は日本人が生体のリズムを無視した生活をしていることが、がん発生の一因になっていると思っています。近年の研究により、体内時計を無視した生活が発がんを促していることが明らかにされてきたからです。

私たちの体は、約60兆個の細胞によって構成されています。一つひとつの細胞核のなかには「生物の設計図」と言われる膨大な数の遺伝子が詰め込まれています。その一部には、「時計遺伝子」と呼ばれる十数個の遺伝子が含まれています。がん細胞は、時計遺伝子に異常が起こると発生することがわかってきたのです。

人間の体を構成する60兆個の細胞は、細胞分裂によって日々、新しいものへと入れ替わり、働きを維持しています。これを新陳代謝といいます。1日に新旧が入れ替わる細胞は全体の約2%です。つまり、1.2兆個もの細胞が細胞分裂によって毎日生まれていることになります。

体内時計が狂うとがんになる

これほど膨大な数の細胞が、周期的に正しく分裂を行えるのは、時計遺伝子がすべての細胞に組み込まれ、正常に働いているためです。しかし、時計遺伝子に異常が生じると、細胞が分裂するまでの周期に狂いが生じます。これが、がん細胞が発生する大きな要因のひとつだろうと考えられるようになってきたのです。

京都府立医科大学の八木田和弘教授のチームは、時計遺伝子が細胞分裂と密接にかかわっていることを研究しています。細胞内に存在する「ピリオド」という時計遺伝子は、マウスの正常な皮膚細胞では周期的に増減して、約24時間のリズムを刻んでいました。ところが、体内時計を持っていないES細胞(胚性幹細胞)では、「ピリオド」が体内時計を作ることはできませんでした。この研究によって、がん発生と体内時計の関係性についての研究がますます進むことが期待されています。

私たち人類は、体内時計を持つことができたからこそ進化をとげることができた唯一の生物種です。しかし、大半の現代人は、体内リズムには目もくれず、昼夜関係なく好き勝手な生活を送っています。大勢の人々が次々にがんで亡くなってゆく背景のひとつに、体内時計を無視した生活環境があるのは間違いないと思います。

過去の生物の歴史を見ると、体内時計を獲得できなかった生物は地球上から淘汰されています。体内時計のリズムに素直に従わない日本人が次々とがんという難病に侵されています。これは自然の営みを無視し続けている日本人に対する、地球からの警告であると私には思えてならないのです。

私たち人類は、太古の昔は時間に単位という明確な物差しを持っていませんでした。ただ、宇宙のリズムを全身で体感しながら生きてきただけだったのです。やがて人類は、文明を創造するなかで、時間の単位を構築し、単位によって時の流れを計算するようになりました。その単位を上手に使って生活を心豊かに彩りつつも、一方では、自然現象から宇宙のリズムを感じながら生きてきました。

私たちの体は、宇宙のリズムに呼応して動いています。この規則性を「サーカディアンリズム」といいます。「サーカ」とは「おおむね」、「ディアン」は「1日」という意味です。この生体リズムをコントロールしているのが、「体内時計」です。

つまり、「時間」とは、宇宙のリズムがもたらす現象であり、人が身勝手に制御できるものではないのです。だからこそ、私たちは宇宙のリズムとサーカディアンリズムに調和をもたらしてくれる体内時計に、もっと謙虚な気持ちで向き合うべきだと思うのです。

時計は、1日24時間ときっちり計算します。しかし、私たちの体内に埋め込まれたサーカディアンリズムはそうではありません。サーカディアンリズムは、「おおむね1日のリズム」で、きっちり24時間ではないのです。その理由は、地球の自転周期がだんだん延びていることにある、とされています。

地球が誕生したのは、約46億年前と考えられています。そのとき、地球の自転周期はなんと5時間だったそうです。10億年前は約 20時間、5億年前は約21時間という周期で、1日が徐々に長くなってきました。人間の祖先である霊長類が生まれた約3500万年前は、約23.5時間だったとされています。そして今は、おおむね24時間の周期で1日が繰り返されています。

このように地球の自転周期は、ほんのわずかずつですが、日々、伸びています。こうしたズレに未来永劫に対応できるように「だいたい1日」という、伸びしろの大きいサーカディアンリズムが組み込まれたと考えられます。私たち人間は、24時間11分というサーカディアンリズムを持っているのです。

光を浴びて、サーカディアンリズムをリセットする

地球上で、私たちが生きていくには地球の自転周期とサーカディアンリズムのズレを、毎日リセットしなければなりません。そのリセットの役目を果たしているのが、起床時の太陽の光です。

「早起きは三文の得」と昔から言われていました。「規則正しい生活が大事」とは、当たり前すぎるほど健康の常識ですし、早寝早起きが体調をよくすることも私たちは体験的に知っています。

しかし、なぜ早寝早起きが体によいのか考えたことがあったでしょうか。朝、太陽の光を浴びて体内時計をリズミカルに始動させることこそが、体内時計の老化を防ぐからです。体内時計が若々しくあれば、時計遺伝子は正常に働き、リズムよく活動することができるのです。

もうひとつ、サーカディアンリズムのズレをリセットする方法があります。それは、1日3度の食事を決まった時間に取ることです。

電気を獲得した現代生活では、光刺激に依存する体内時計は、どうしても崩れやすくなっています。常に強力な光を目に受けてしまう生活では、体内時計のリズムの振幅が小さくなり、活動と休息の時間のメリハリがなくなってしまうからです。しかし、3度の食事によって「腹時計」をしっかり動かすことで、たとえ体内時計が乱れてきても、食事のたびにズレをリセットできるのです。

[東洋経済ONLINE]

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Posted by nob : 2015年04月22日 18:00