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いかなる要因と経緯にかかわらず、とちらから宣戦布告しようとも、戦争それ自体が未来永劫にわたり無条件に回避すぺき巨悪の根源。。。

■<ノーベル平和賞>昨年に続き「憲法9条」が候補に

 主婦や元教員らでつくる市民団体「『憲法9条にノーベル平和賞を』実行委員会」(相模原市)が15日、東京・永田町の参院議員会館で記者会見し、ノルウェー・ノーベル委員会から先月、平和賞候補に選ばれたと発表した。受賞を逃した昨年に続き2度目。

 会見は集団的自衛権の行使などが可能となる安全保障関連法案の国会審議が続く中で行われた。実行委員の主婦、鷹巣(たかす)直美さんは「憲法にとって危機的な状況だが、みんなで声を上げ続ければ、現実が9条に近づくと信じる」と話した。

 ノーベル委員会への推薦人には今年から超党派の国会議員61人が名を連ねる。平和賞推薦の署名は54万筆以上。受賞対象は昨年同様「憲法9条を保持している日本国民」としている。【川上晃弘】

[毎日新聞]


■<安保関連法案>「国民が問題あると気づいて…」長谷部氏

 先月4日の衆院憲法審査会で、自民党推薦の参考人として安全保障関連法案を違憲だと指摘した憲法学者の長谷部恭男氏(早稲田大大学院教授)が、毎日新聞のインタビューに応じた。「立憲主義の危機が深まった」と安倍政権を批判する一方で、「国民が法案に問題があると気づき始めている。悲観するのはまだ早い」と、今後の国会審議への期待感も語った。【聞き手・川崎桂吾】

 <自民党推薦の参考人でありながら、法案に「ノー」を突きつけて反響を呼び、国民の関心を高めた。「潮目が変わった」とも言われている>

 私はずっと前から、集団的自衛権は違憲である、と言い続けてきました。あの場でも同じ主張を繰り返しただけです。参考人として呼ばれた際、自民の推薦とは知らされておらず、正直、あんな騒ぎになるとは予想していませんでした。

 もともと国民の間に「こんな法案を通していいのか」という違和感、エネルギーがたまっていた。そこへ私や他の先生方の指摘があって、「やっぱりそうなのか」と人々が納得したということだと思います。背景があったということです。

 <安倍政権をどう評価すべきか>

 政権の存在自体が、立憲主義を脅かしているのではないでしょうか。政治権力が好き勝手に振る舞えないよう憲法で拘束する、というのが立憲主義の最低限の要請です。安倍政権は憲法改正の要件を緩和しようとし、人事権を振りかざし、違憲かどうかのチェック機能を担ってきた内閣法制局を言いなりにさせようとした。つまり、憲法の拘束を外そうという試みです。立憲主義への攻撃と言っていい。その結果、明らかに憲法違反である安保法案が出てきたわけです。

 <長谷部さんの指摘後、自民党内から「人選を誤った」との声が上がった>

 私の考えは新聞にも掲載されていますが、読んでおられないのでしょうね。一連の経緯で印象に残っているのは、「砂川判決」を集団的自衛権が合憲であることの根拠として主張し始めたことです。

 <砂川事件最高裁判決(1959年)は、日本が主権国家として固有の自衛権を持つことを認めた。これを前提に政府は72年「(個別的自衛権は認められても)他国への武力攻撃を阻止する集団的自衛権は憲法違反で認められない」との見解を示した。だが安倍政権は合憲とした>

 全くでたらめな議論です。政府も合憲の根拠付けに困っているのでしょう。

 <今回の強行採決については>

 立憲主義の危機が新たな段階に入った。憲法が無視されるということは、その時々の政権の都合で憲法の意味がくるくる変わるということです。

 極端な例ですが、安倍政権の閣僚も徴兵制は違憲だと今は言っていますが、これもどうなるか分からない。安保法制が成立し、自衛官のリスクが高まれば成り手は少なくなるでしょう。

 <安全保障についてどう考えるか>

 国民の生命や財産に加え、その国のあり方を守ることも安全保障です。国のあり方を左右するのは憲法です。日本国憲法は、さまざまな価値観を抱く人々が、それでもフェアに社会生活の便宜とコストを分かち合える枠組みを提供しています。そんな憲法を壊して安保法案を成立させようとするのは、本末転倒ではないでしょうか。

 ◇はせべ・やすお

 1956年、広島市生まれ。東京大学法学部卒業。著書に「憲法と平和を問いなおす」「憲法とは何か」など。

[毎日新聞]


■「戦争の実情分かってない」=元自衛官、シンポで講演―東京

 安全保障関連法案に反対するシンポジウムが都内で開かれ、元自衛官の井筒高雄さん(45)が講演、「政府は戦争についてのリアルな認識がない」と訴えた。日弁連が主催、井筒さんら7人が登壇し、約300人が参加した。

 井筒さんは陸上自衛隊のレンジャー部隊に所属していたが、1992年の国連平和維持活動(PKO)協力法成立を機に、翌年「海外派兵は契約違反だ」と依願退職。現在は集会で講演するなどの活動を続けている。

 井筒さんは、レンジャー隊員の経験を披露。「自衛隊は専守防衛の戦略しか持ち合わせていない。アフガン戦争などでは後方支援の部隊の犠牲の方が大きく、危険なんだ」と強調。その上で「戦争の実情が分かっていない安倍(晋三)首相の言うように自衛隊を運用すれば、小隊は全滅する」と断言した。

[時事通信社/JIJI PRESS]


■<安保法案>理解得られず、任務果たせぬ 元イラク派遣隊員

 政府が15日に衆院特別委での採決に踏み切った安全保障関連法案。自衛隊の活動範囲は今まで以上に拡大され、武器使用など危険な場面も予想される。イラク派遣の経験を持つ50代の元陸上自衛官は「任務に向かう隊員の気持ちの支えは、国民の支持。国民の多くの理解が得られない中での採決は、新たな任務を課される隊員のことを思うと残念」と話す。

 中学卒業後、入隊し、近畿や北海道の駐屯地で約40年間勤務した。陸上自衛隊は2004〜06年、人道復興支援活動として、隊員をイラクに派遣。元自衛官もその一員に加わった。世論は賛否で二分され、日本を出発する空港に向かうバスの車窓から「派兵反対」のプラカードが見えた。当時階級は3佐で多くの部下がいた。「国民の大多数は自衛隊を応援している」と言って隊員を励ましたが、内心は複雑だった。

 3カ月間、活動したイラク南部のサマワは「非戦闘地域」とされた。だが、元自衛官は「万が一、隊員が亡くなった場合にどう対処するか、部下と検討した」と明かす。「国際貢献をしているという充実感があった」。一方で、宿営地の近くに迫撃砲が撃ち込まれることもあった。帰国後に自殺した隊員もいた。元自衛官は「ストレスを感じていた隊員もいたかもしれない」と話す。

 今回の安保法案が成立すれば、自衛隊の活動範囲は広がる。隊員のリスクは増えるが、元自衛官は「たとえ危険な任務でも、それが国益にかなうなら、命をかけるのが自衛官の仕事だ」と指摘する。

 だが、そうした犠牲を払ってでも、新たな法整備が必要なのか。「政府の説明では、国民に理解は広がらないでしょう。政府の危機感が国民に伝わらない」

 多くの憲法学者が今回の法案を「違憲」と指摘したことも気にかかる。「集団的自衛権を認めるなら、やっぱり憲法を変えるしかないんでしょう。そもそも今の憲法で自衛隊は合憲なのか。時間を区切って強引にやる話じゃない」【遠藤孝康】

[毎日新聞]

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Posted by nob : 2015年07月16日 20:17