« 2016年02月 | Home | 2016年04月 »
貯金は最低の投資。。。
■「貯金に走る人」は経済的な成功者になれない
一流は考え方や行動、習慣がやっぱり違う
鳥居 祐一 :パーソナルブランディングコンサルタント
筆者は長年、人間の行動と心理を研究し、日米で多くの成功者や富裕層と交流して20年以上になります。彼らはどうして経済的な成功者になりえたのでしょうか。拙著『一流の人はなぜ、そう考えるのか?』(PHP研究所)でも解説しているのですが、一流の人と一般の人にはその考え方や行動、習慣に大きな違いがあります。
自問から始まる理想のライフスタイル
筆者の住んでいる東京都内のマンションには外国人の居住者も多いのですが、その中に日本の航空会社で国内線パイロットを務めているアメリカ人の友人がいます。彼の自宅はアメリカ・カリフォルニア州のレイクタホにあり、東京には単身赴任しています。
以前、彼はアメリカを拠点とする航空会社に勤めていましたが、今は2週間、日本の国内線で乗務すると、その足で家族の待つレイクタホに帰ってそこで 2週間を過ごし、また日本に戻ってくる――という生活をしています。以前に比べると給料は多少下がったようですが、「集中して仕事することで、毎月2週間もの長期休暇が得られるこのフレックススタイルがお気に入りだ」と話しています。
彼のような一流の人は考え方に柔軟性があり、「ライフスタイルに応じた生き方」を実践しています。「夏にはヨットやゴルフ、冬はスキーもできるレイクタホに住み、好きなアウトドアスポーツをしながら人生を送るにはどうすればいいか?」と問いかけた結果が、アメリカに家族を残しながらも異国の地である日本の国内線パイロットとして、柔軟な働き方を得るという選択肢でした。日本人には馴染まないかもしれませんが、理想の人生は、「どういうライフスタイルを送りたいのか?」という自問から始まります。
一流の人は望むライフスタイルなど、目的のためなら手段を選ばないという考えを持っています。もう10年以上前ですが、「どうしてもアメリカ西海岸に住みたいんです!」という日本人が筆者のもとへ相談にやってきました。「とにかくあの気候とライフスタイルが大好きなんです!どうしたら実現できますか?」と問われたのです。
グリーンカード(永住権)を持たない非居住者が、合法的にアメリカに住むのは決して簡単ではありません。まずは就労ビザが必要で、当時スポンサーをつけずにいちばんハードルが低いのは、専門的な職業に携わる外国人向けの「H1ビザ」でした。
明確な理由こそが、成功へのモチベーション
彼の意志は固かったので、私は少し考えて「では、寿司職人になったらどうですか?」とアドバイスしました。冗談ではなく本気で言いました。なぜなら、当時は日本の伝統文化を伝える寿司職人であれば、ビザが下りる可能性が高かったからです。
彼にとってはまったく予想をしていなかったアドバイスだったのでしょう。少し戸惑いもあったようですが、最終的に彼はアメリカで寿司職人への道を歩むことに決めました。どうしてもアメリカに行きたいという思いからの決断でした。その後、2年ほどは現場で修業を積み、やがて彼は念願の自分の店を持つことになりました。そして店を次々にオープンし、今や5店舗のオーナーです。彼は当初の夢を実現し、もう現場では握っていません。立派な経営者となり、南カリフォルニアで悠々自適な暮らしをしています。
もちろん最初は寿司など握りたくなかったでしょう。しかし彼は「長い人生の一時、やりたくないことも夢を実現させるために必要だと思った」と話しています。「どうしても成し遂げたい!」というこのあくなき執念こそが、不可能を可能にさせます。
その執念を引き出すためには「なぜそこまでやる必要があるのか?」という強い理由が必要です。これが英語でいうところの Big WHY ? でありCompelling reason (絶対にやらなければいけない強い理由)なのです。「あなたは、なぜそれをやりたいのですか?」。この明確な理由こそが、成功へのモチベーションとなります。一流の人はこれが明確に定まっており、次々と目標を達成していきます。
一流の成功者は「運」を大切にしています。私は複数の米国の超富裕層に、「あなたの成功の要因は何だったと思いますか?」と聞いたことがあります。彼らの多くは、
I was lucky. I was at the right place at the right time.
つまり、「自分は運が良かった。正しい時に正しい場所にいたからこそ成功できた」と答えます。
ただし、これは彼らが単に運を引き寄せたということではありません。「自ら運を取りに行った」というような積極的な言葉を意味します。彼らの言う運の定義とは、「最高の情報を最高のタイミングと、最高の環境、条件で受け取れるかどうか」です。「運」と「実力」は明確に区別されるものであり、彼らは「運」とは自分の心掛け次第でコントロールできることも知っています。
もし「運命を変えたい」あるいは「良くしたい」と考えるのなら、最も手っ取り早いのは付き合う人を変えることです。「運」にかかわっているのは、人間関係であり、運をよくするには運のいい人と付き合うことだからです。自分自身が「与える人」となることはもちろん、「与える人」と付き合うことが運を引き寄せる重要なポイントです。
「与える人」は運のいい人であり、運のいい人の周りには、運のよい人が集まるという好循環が生まれます。いかに「運のいい人と長時間付き合うか?」そして「人の悪口や不平不満ばかり言っている人を避けるか」こそが人生を成功に導く秘訣だと、一流の人たちの生き方から学べます。
また経済的に豊かになる人とそうでない人で、顕著な違いが表れるのは「おカネ」への意識です。一流の人たちを見ていると、普段は質素な生活をしていても、ここぞというときには大胆に使います。彼らはおカネを正しく使うことの重要性を知っており、貯める人よりも使う人に対して金運は引き寄せられることも知っているからです。
また彼らはどんなにおカネを持っていても、必要のないものを買うことは決してありません。彼らは「おカネを使う基準」を明確に持っています。それは「経済合理性」です。簡単そうに聞こえるかもしれませんが、実践するには広く深くモノの価値を知らなければなりません。つまり合理的におカネを使えるようになるまでは長い鍛錬が必要であり、成功者は富を得る前からこうした訓練を続けています。
一方で、金銭的に豊かになれない人は、必要以上におカネを守っています。極端なまでの貯金に走っているのです。ただし、貯金とは「最低の投資」です。おカネを銀行に眠らせることで、目標を実現させたり、刺激的な人に出会ったりといった、未来を充実させる機会を失ってしまうのです。
実は経済的に成功している人に「おカネを守る」意識は薄いのです。自分の快楽や欲求のための消費はしませんが、学びや体験、人脈に対しては積極的におカネを投じる。ひたすら貯める人よりも、おカネを正しく使い、人生の選択肢を広げていける人のもとおカネは吸い寄せられることを成功者は知っています。
「遊べば遊ぶほど富が増える」多くの成功者はこう言ってそれを実践しているのですが、なぜでしょう?実は本当の人間関係というのは、交渉術やテクニックからは生まれません。そういう打算的なつながりは、深く長い付き合いには発展しにくいのです。富裕層とお付き合いして感じることは、彼らはこういうアプローチに対して非常に敏感だということです。
成功者と仲良くなるにはどうしたらいいでしょう? それは仕事抜きで、ゴルフや釣りに行ったり、BBQパーティーをしたりなど「遊びの時間」を共有することです。旅行に行くなんて最高でしょう。実際にこの遊びの中でお互いに理解し合い、その結果、自然とビジネスの話に発展することが多いのです。こうした遊びの中で、仲間として越えなければいけないハードルが自然と越えられ、それが徐々に強力な応援力となっていきます。こうした友情こそが、やがてビジネスの大きな力となってくれるのです。
[東洋経済ONLINE]
Posted by nob : 2016年03月26日 11:45
戦う以上は、確実に一撃で、そして間髪を置かず逃げましょう。。。
■ギャッ!もしも襲われたときに「相手を一撃で倒す」働き女子の秘技4つ
現在、テロなどが増えて世界情勢はかなり荒れています。いつ危険が自分の身に降りかかってくるか分かりません。そのとき助けてくれる人がいればいいですが、そうはいかない場合も。自分の身は自分で守らなければなりません。
とはいえ、やはり女性は男性に比べれば非力。取っ組み合いになれば勝ち目はない。その前に、一撃で相手を倒す必要があります。
今回は、筆者が格闘家から教わった“襲われたときに相手を一撃で倒す秘技”についてご紹介します。
あまりにも強力な技なので、本当に本当に困ったときだけに限定して使ってくださいね……!
■1:目つぶし
多くの女性は、男性の急所である股間を狙えばいいと考えるかもしれません。しかし、それは男性も承知済み。反撃されたら、まず股間をガードするでしょう。その一撃が防がれてしまうと、もうなす術がありません。
ですから、まず一発目に目を突くのです。相手は確実にひるみます。視界を奪われ、のたうち回っているうちに逃げてしまいましょう。
■2:頭突き
女性が襲われる際、長い髪を引っ張られることが多いです。するともう逃げられません。しかも接近しているため、攻撃も制限されてしまう。しかし、逆にこの距離を有効に使うのです。
相手の鼻のあたりめがけて、頭突きを食らわしましょう。鼻へのガツンとした衝撃は、かなりダメージがあります。相手が怯んで手を離したら、股間に追撃してもいいかもしれません。
■3:引っ掻く
女性の武器である爪を使いましょう。むき出しの顔面を思い切り引っ掻いてやってください。このときも、目などにダメージが与えられるといいですね。
この引っ掻くという戦法は、相手の皮膚が爪の間に残ります。すると、何かあったときにDNA鑑定も回せるので、とても効果的です。
■4:噛みつく
顎の力というのは、女性であってもかなりのもの。肉を噛みちぎるくらいは朝飯前です。どの部分でも構いません。目の前にある部位に思い切り噛みついてください。
そして、猛獣のごとき顎力で歯型をつけるぐらい噛んでやりましょう。そのあと「ウォー!」と雄叫びをあげれば、危険人物と見なされ、それ以上危害を加えてはこないでしょう。
以上、“襲われたときに相手を一撃で倒す秘技”をご紹介しましたが、いかがでしたか?
これらのやり方は、相手にかなりのダメージを与えます。自分の身は自分で守る必要がありますが、過剰防衛にならないように気をつけましょう。
……くれぐれも、良識ある皆さまの、自己責任の範囲内でお願いします。
[NEWSポストセブン]
Posted by nob : 2016年03月26日 11:17
誰のものでもない。。。
■富士山は「静岡or山梨」どっちのもの!?全国の多数決で決定
日本を代表する山と言えば「富士山」だが、非常に厄介な問題を抱えている。それは、富士山が山梨県と静岡県の間にまたがっているということだ。
■両県のキャッチコピーも同じ
日本を代表する山と言えば「富士山」だが、非常に厄介な問題を抱えている。それは、富士山が山梨県と静岡県の間にまたがっているということだ。
■両県のキャッチコピーも同じ
静岡県公式ホームページと山梨県観光ページを比較したところ、静岡県では「ふじのくに」、山梨県では「富士の国」。表記のブレはあるものの両者共に一歩も引かず、日本の歴史に大きく影響を与えた富士山を誇りに思っているようだ。
■静岡県民と山梨県民の主張
では、それぞれの主張を直接県民に聞いてみよう。
①山梨県民の主張
「1000円札に描かれている富士山は山梨側。登山数最多の吉田ルートも山梨側。富士五湖はすべて山梨側。どう考えても、富士山は山梨のものです」(20代男性)
②静岡県民の主張
「富士山がどっちのものだとか主張しだすのは山梨県民。静岡県民は当然のように富士山は自分たちのものだという自覚があるから、そんなことは考えない。山梨県民も、本当は静岡県民のものだって分かっているから、引け目を感じて卑屈になっているんでしょうね」(20代男性)
■勝敗は全国の多数決で!
これほどまでに両者が譲らないのであれば、しらべぇが全国の男女1301名に調査を行って白黒はっきりとつけよう!
もちろん、公平差を保つため山梨県と静岡県の票は除外しているのであしからず。多数決の結果は…
7:3の割合で、多数決では静岡県に軍配があがった。静岡県民にとっては当たり前の結果なのだろう。山梨県民にとっては納得の行かない結果となってしまったのだが、富士山は日本を代表する山であり、みんなの山でもある。
富士山の美しい姿をいつまでも見られるように、日本国民全員で大切にしていきたい。
(取材・文/しらべぇ編集部・ふふふふ)
【調査概要】 方法:インターネットリサーチ「Qzoo」
調査期間:2016年2月20日~2016年2月24日
対象:全国20代~60代の男女1301名
[NEWSポストセブン]
Posted by nob : 2016年03月26日 11:05
白湯、、、私の暮らしにもなくてはならないもの。。。
■お湯を飲むだけ!「白湯」が健康に良いのは本当か
白湯(さゆ)とはある辞書の定義によれば「沸かしただけで何も入れない湯」のことだ。この言ってみればただのお湯を飲むだけで体調を整えることができるというのが、白湯健康法で、この数年静かなブームとなっている。
正しい白湯の作り方と飲み方とは?
白湯健康法、あなたも実践したことがありますか?
まず白湯の作り方。この健康法でいう白湯は、ただ沸かしただけではダメなようだ。水道水をレンジやポットではなく、やかんで10分から15分沸かすのが一般的で、沸騰したお湯は保温ポットなどに移す。
水道水ではだめという説、やかんに蓋をしてはいけないという説、ポットで沸かしても構わないとう説、など諸説ある。要は水道水を適当に沸かしてから、少し冷まして飲めばいいのではないか。
次は飲み方。飲める程度に冷ました150cc程度の白湯を、身体に負担をかけないため少しずつすするように飲むのが基本だ。特に朝起きて一番の白湯は、なるべくゆっくり15分程度かけて飲むこと。水分補給だけではなく起き抜けの身体を温める効果や、便通を促す効果、血液をサラサラにする効果があるという。
さらに一日3回の食事中にも同程度の白湯を、ゆっくりと飲む。これは身体を温め消化力を上げるためとされる。トータルで一日5杯から6杯程度が標準で、これより多いと(白湯健康法としては)飲みすぎということになる。
これらの効果から考えると冷え性や便秘気味の人、胃腸の弱い人、生活習慣病を予防したい人向けの健康法だ。だが加えて、いわゆるデトックス効果、ダイエット効果、免疫力を上げる効果もあるとされるので、万人向けのものともいえる。
なぜ“ただのお湯”が健康によいのか
ただのお湯を飲むことがなぜ「効く」のだろうか。白湯健康法について書かれた書籍では、次のような解説がなされている。アーユルヴェーダ(インドの伝統医学)では人間の身体も、自然界も「水」「火」「風」の3つの要素で成り立つ。水を火にかけることで火の性質が加わる。沸騰することにより気泡が出てさらに風の性質が加わる。つまり白湯は「水」「火」「風」の3要素を完全に満たすものであり、飲むことにより身体の3要素もバランスを取り戻すというのだ。
この説明ではよくわからない人も多いだろう。もちろん別の解釈も成り立つ。まず「水分補給」そのものの効果だ。厚生労働省が昨年から展開している「健康のため水を飲もう」推進運動はその名のとおり水分補給を促すものだ。
熱中症や中高年に多い脳梗塞・心筋梗塞などは、水分摂取量の不足が大きなリスク要因だ。これら脱水による健康障害や重大な事故などの予防として、件の厚生労働省の運動では寝る前、起床時、運動時やその前後、入浴の前後、のどが渇く前などの様々な機会でのこまめな水分補給を奨励している。
さらに水ではなく湯を飲むことで水分補給の効果が高まる。内臓と手から身体を温めることで、胃腸が活性化されるし血行も良くなる。文字通りのウォームアップで、目覚めを促し気分転換にもなるだろう。また身体を温めることには(異論もあるが)代謝機能や免疫力を高める効果もあるとされるから、デトックスやダイエットはもちろん万病に効くということになる。
毎朝ゆっくりと白湯を飲む習慣、それ自体が効くという面もあるだろう。自然と早起きになるし、生活のリズムも整う。毎日の食生活などをトータルに見直す時間と気持ちの余裕も生まれる。結果として心身ともに健康に、という流れも考えられるのだ。生活のバランスを取り戻すという意味では、アーユルヴェーダの発想とさほど変わらない。
いずれにせよ白湯健康法は、手間も費用もさほどかからず、副作用も考えにくいという意味では始めやすい健康法といえる。何か健康法にトライしたいという人にはうってつけの存在である。
(工藤 渉)
[DIAMOND男の健康]
Posted by nob : 2016年03月26日 08:22
「ツイッターやSNSにいちいち反応してしまう自分が苦しい」ことに気付くことから、、、充実感は自身の小さな納得の積み重ねからしか生まれてこない。。。Vol.3
■なぜ「つながる」ほどに「疲れ」を感じるのか?
小川和也 [グランドデザイン&カンパニー代表取締役社長]
つながることは本当に幸せか
――「つながり疲れ」を感じていませんか?
「最近、つぶやくのに疲れてきたんだ……」
「気がついたらFacebookをチェックしている自分がいる」
Twitter、そして全世界での利用者数が10億人に迫る勢いのFacebook。これらソーシャルメディアは、日本でも日常のコミュニケーションの場として随分定着してきたかに見える。しかし一方で、急速に普及したがゆえの「ひずみ」からか、疲労やモヤモヤを感じ始めている人も増えている。
その「いいね!」、本当に「いいね!」ですか?
――ある日の通勤電車にて
朝の通勤電車の中では、ずっとiPhoneと対面している。元々は、本や新聞を読むことが日課だった。しかし最近は、iPhoneでFacebookとにらめっこすることがほとんどだ。昨日、Facebookに投稿したのは3つ。1つ目は最近観た映画の感想。2つ目は飼い猫の写真。3つ目は先週釣った魚の写真。それぞれに17、24、31の「いいね!」がついている。ありがたいことに、自分のささやかな日常に、昨日もたくさんの共感をしてもらえたようだ。
心のどこかでほっとしながら、みんなの「いいね!」に応えるかのように、自分もいろいろな投稿に「いいね!」を押す。もちろん、そこには感心や共感が伴っている、はずだ。
当然、すべてのものに「いいね!」を押している訳じゃない。ちゃんと選別して押している。そう、まさしく「いいね!」と思っている、はずなんだ。そう、みんなも「いいね!」と思ってくれているはず……。
しかし、改めてそんなことを考えてみると、いささか不安になってきた。何となく義理で押している時がないわけじゃない。特に、上司の投稿にはできる限り「いいね!」を押すようにしている。「いいね!」という表現とイコールではない気持ちのときもある。ただ、「いいね!」という表現しかしようがないから(ボタンがそれしかないから)、「なるほどね」というのが本当の感想だったとしても、「いいね!」で代用しているときがある。
ということは……。自分の投稿につく「いいね!」にも、同じような「いいね!」――本当は「いいね!」じゃない「いいね!」――が含まれているのかもしれない。そう思うと、何だかもやもやしてきたし、ちょっとした虚しさが込み上げてきた――。
gooリサーチが2011年11月に調査した「ソーシャル疲れ」「つながり疲れ」の原因に関するランキングがある。それによると、トップは「毎日Twitterにベッタリ張り付きでみている」だった。以下、3位が「毎日フォロワー数をチェックしている」、4位が「いいね!をつけてほしくて投稿ばかりしている」などが挙げられている。
また、メール、Twitter、Facebookをすべて利用している人の42%が「孤独を感じる」と答えている。コミュニケーションを豊かにするはずの手段が、逆に疲れや孤独を生み出しているのだとすれば、何とも皮肉な現象だ。
この調査が実態を示しているとすれば、先のもやもやも、虚しさが込み上げてくることも、おかしな話ではない。実際、コミュニケーションを楽しんでいるはずが、いつのまにか疲れと孤独を深めているという人は少なくない。
自分がさらされるということ。
それは福音なのか、疲れのもとなのか
「Facebookをやるようになってから、自分がどう思われるかについて、以前より気にするようになったんですよね」
これは、実際にソーシャルメディアに関する講演などの現場で、よく耳にすることだ。
FacebookやTwitterに投稿するようになってから、いままでになく自分がさらされるようになったと感じている人は、かなり多い。それも初めは、新鮮だった。自分という人間、自分が発するものに、人が目を向けてくれる。ささやかな日常や、ちょっとした自分の考えに、誰かが賛同してくれる。時には、思いがけずたくさんの人の支持が集まることもある。それらは、今までにない満たされた気持ちをもたらしてくれた。ああ、これが「つながる」ということなんだな――。
にも関わらず、ちょっと疲れを覚えるようになったのはなぜだろうか。
Facebookの中で、賛同してもらえる自分を意識的に作るようになったから?
多少なりとも、ウケのいい自分作りに勤しむようになったから?
実名制で、プロフィールも公開しているため、下手なことは書けないから?
確かに、これらの視点はある程度は正しい。つながることと引き換えに抱え込んでしまったジレンマだとも言えるからだ。
とはいえ、誰かもわからない人にけなされた経験なんて、今までにはなかった。「Twitterをやってから、初めて見ず知らぬの人に自分の投稿をけなされてヘコんだ」、なんて話はもはや珍しくない。
つながることは、裏を返せば「さらされる」ということ。そのソーシャルメディアの「裏の顔」がもたらす「疲れ」は、多くの人にとっては初めて味わう類いの「疲れ」だ。
サナカクションというロックバンドがいる。彼らの「エンドレス」という曲の歌詞に、次のようなフレーズがある。
「誰かを笑う人の後ろにもそれを笑う人 それをまた笑う人と悲しむ人」
「後ろから僕は何て言おう? 後ろから僕は何て言われよう?」
ソーシャルメディアの中で自分がさらされる。さらされること、それにより時に、自分のコンテンツ(コメントや写真)が揶揄され、さらにそれを揶揄した人もまた揶揄されていく。そのように、「人の目」によって「自分(のコンテンツ)」が無限にさらされ、拡散されていく場所の中には、福音だけではなく一定のリスクがあるし、それが疲れのもととなる。そのループの中に自分が生息し、自分をさらし続けることの息苦しさを、人は感じ始めているのかもしれない。
先ほど引用した「エンドレス」という曲も、まさにそのような状況を意図して作られたようだ。その息苦しさを表現した歌が、若い世代を中心に支持されているのも、今の時代ならではと言えるだろう。
さらされているのは「人間関係」
――「Facebook離婚」に見るすべてが「見える化」された時代
Facebookの中では、自分の投稿だけではなく、自分の人間関係もさらされる。
友達に誘われ、Facebookをやり始めたとしよう。初めは数人の大学時代の友達とだけつながっているが、しばらくすると高校時代の友達や、懐かしい幼なじみが自分を発見して申請してくる、という事態へと発展していく。
一方で、Facebookが「友達では?」と推挙してくるリストの中には、職場の上司や部下、取引先の人も含まれていることもよくある。悩んだ末に思い切って自分から申請してみた、という人も多いだろう。
Faceboookの中には、友達が一覧で表示される場所がある。これは非公開にもできるのだが、公開されていることも多い。ある人の友達の中に、自分の友達がいること、つまり共通の友達もわかってしまう。自分の人間関係も友達の人間関係も、丸見えだ。一見すると、共通の友人を探せることは、とても画期的なことに思える。だが、ここにも裏表が存在する。
とりわけ海外で社会現象となっているのが、「Facebook離婚」というものだ。
全米婚姻関連弁護士会(AAML)が、アメリカ国内で2010年に行った調査によると、弁護士会に所属する81%の弁護士が、「SNS上で交わされた会話などを離婚訴訟の証拠として使うケースが過去5年間で増加した」と回答している。
同様の現象は、イギリスでも起きている。
離婚に関する情報提供を行っている「離婚オンライン」というサイトによると、2011年の離婚訴訟で提示された訴状5000通中、33%が「Facebook」という単語を含んでいたという。このうち、離婚に至ったケースで上位を占めたのが、「別居中の夫婦がFacebook上で相手を罵倒した」「配偶者の行動についてFacebookの友人から報告を受けた」などというものだ。
これらは、もしもFacebookが人間関係を「見える化」しなかったら、起こらなかった事象かもしれない。
人間関係がこれほどまでに人目にさらされる時代はなかっただろう。
しかも、人間関係がさらされることで、人間関係そのものが影響を受けてしまっている。
離婚や喧嘩、親交や再会。人間関係がさらされることで、それは毒にも薬にもなるのだ。
「さらされる時代」をどのように生きるか
――自分なりの「膜」を持とう
自分もその人間関係もさらされるソーシャルメディアの時代。時にポジティブに、時にネガティブに作用するその狭間で、人は戸惑い、疲れを覚える。その毒性に蝕まれず、うまく「薬効」を享受する。そんな知恵と工夫が、ソーシャルメディアの中で過ごす上で必要だ。
ソーシャルメディアの「薬効」は、たとえば情報収集やコミュニケーションを豊かにすることにある。
僕の知人の中には、TwitterとFacebookさえあれば、情報収集と発信、コミュニケーションには困らないと豪語する人もいる。もはや、ビジネス上の重要な人脈もFacebookの中に持ち込み、アポイントもその中でやり取りしてしまう。ビジネスもプライベートも、たいていの情報共有はその中で済ませている。もっとも、彼は会社の経営者であるし、人前に出ることが多い立場の人間だ。どちらかといえば、さらされることのメリットがあるし、それに慣れてもいる。だから、その「薬効」を目一杯に享受しているように映る。
しかしどうだろう。一般的には、「毒」の方を意識する人が多いはずだ。
大企業に勤務している僕の友人は、まさにそうだ。Facebookの個人アカウント上で会社名を出してよいか否かは、会社では特に定められてはいない。ただ、プロフィールはなるべく入れた方がいいと聞いたことがあるので、一応勤務先を入れている。生年月日、血液型、住んでいる場所、出身校、自己紹介なども公開している。
ここまでプロフィールを公開していることで、彼はリスクを意識せざるを得なくなったという。それがお堅い企業の勤め人の性だ、などと彼は自嘲する。会社の上司や同僚に見られている可能性を考えると、ざっくばらんなプライベートは露出しにくい。友達向けに仕事のちょっとした話も書き難い。仕事に関しては、社内機密だらけだから当然だ。
多種多様な関係にある人々の目に触れる中で、プライベートのことも仕事のことも気ままに投稿することははばかられる。結果的に、なんとなく奇麗ごとばかりの投稿になる。彼の場合は、「毒」を恐れる側面が強いように映る。
この対極にいるかのような2人については、実は善し悪しでは語れない。
大事なことは、ソーシャルメディアの中でのさらされ方において、「自分なりの膜」を持つことなのだ。露出を高めたければ薄い膜、露出を弱めたければ厚い膜と、自分に適した形で持つべき膜を調整する。それは、利用するソーシャルメディアでのつながりをもっと小規模なものに変えることなのかもしれないし、投稿内容やスタンスを変えることなのかもしれない。
[DIAMOND online]
Posted by nob : 2016年03月23日 12:09
「ツイッターやSNSにいちいち反応してしまう自分が苦しい」ことに気付くことから、、、充実感は自身の小さな納得の積み重ねからしか生まれてこない。。。Vol.2
■香山リカの「ほどほど論」のススメ
香山リカ [精神科医、立教大学現代心理学部教授]
SNSを自在に使いこなす若者が
SNSに傷つき悩んでいる
文脈は無視され単語だけが重視される時代に
先日、ダボス会議に出席した方と話す機会がありました。この方がそこで感じた「格差」は、「南北格差」でも「民族格差」でもなく、デジタルネイティブとそうでない人との「格差」だというのです。物心ついたときからネットを使いこなし、フェイスブックなどをベースに社会活動を行なっている若きリーダーたちには、話し方に同じような特徴がある、と指摘していました。
それは、発言が言い切り口調で、ひとつのセンテンスが短いということです。アメリカ在住か中東の人か、男性か女性か、年齢はいくつかなどにはあまり関係ないのだとか。
私も若い世代の人は、言葉を「文脈」ではなく「単語」で捉える傾向が強くなったような気がします。この傾向が広がっているのだとすれば、単語だけで文意を受け取られるという前提に立って発言しなければならない時代になっていくのかもしれません。
すると、次のような表現は許されなくなります。
「○○首相を馬鹿というのは言い過ぎですが、決して賢い首相ではないと思います」
全体の文意を解釈するのではなく、「馬鹿」という単語だけがつかまえられて「○○首相を馬鹿呼ばわりした」と断定されてしまう、といったことがツイッターなどではしばしば起こります。いくら「~というのは言い過ぎですがと言っています」と否定のニュアンスを説明しても、「つまりは馬鹿ということじゃないですか」と解釈されてしまうのです。
ニュアンスや行間に潜ませた意図を汲んでもらえなければ、電報のような最低限の単語を羅列した言葉しか通用しないことになります。上の表現を相手に誤解なく伝えるためには「○○首相はごく平均的な総理である」となってしまいます。
これでは、何も言っていないのと同じことにはならないでしょうか。
若者は「SNS疲れ」に悩んでいる
現代社会は情報があふれている一方、ツイッターをはじめとするソーシャル・ネットワーク・サービス(SNS)というシンプルに表現しなければならないメディアに若い人が集まっています。
ツイッターなどでは字数の制限があることから、余計な言葉は極限まで削ぎ落し、目に見える形で、しかも理解しやすい表現に整理しなければなりません。この意識が過剰に働くことが、単語重視の言い切り口調に向かっている原因なのかもしれません。しかし、私には微妙なニュアンスを伝える豊かな表現方法が劣化しているようにしか思えないのです。
その一方で、若い世代には異なる傾向も顕著になりつつあります。
デジタルネイティブの先頭集団を走る現在の大学生は、ツイッターやフェイスブックやブログなどを自在に使いこなしています。
ところが、彼らの内面は非常に複雑で揺れているようです。外に向けた表現とは裏腹で、はっきりと白黒つけられないような状態にいるように見えるのです。
最近、日経ビジネスで「SNS疲れ」という特集が組まれていました。内容としては企業がツイッターなどSNSを使いこなせないという切り口ですが、雑誌の記事とは違った意味合いで、大学生に「SNS疲れ」が現れています。
ここ数年、大学生に「若者の生きづらさの原因を述べよ」というテーマでレポートを書かせています。レポートを読むと、2人に1人はこう書いています。
「ツイッターやSNSにいちいち反応してしまう自分が苦しい」
これが現代の学生の「SNS疲れ」です。使いこなせないのではなく、身近になりすぎて逃れられなくなってしまったのです。
他者とのつながりを求める一方で対応に苦慮する
「苦しかったら、一度やめてみたら?」
学生にそう水を向けても、やめてしまったら自分の知らないところで勝手に悪い噂を流されてしまうのではないかという恐怖があるといいます。彼らは、見ても苦しく、見なくても苦しい自分に悩んでいるのです。
若い世代は、SNSを介して人とつながることに意味と喜びを見出しています。
しかし、その裏返しとして、自分がどこまでも監視されているような感覚に陥っているのかもしれません。
メールを誰かに送った場合、返事がないときは相手が忘れているか、何らかの意図があるのだろうと、ある程度の想像を働かせることができます。ところが、ツイッターでつぶやいて誰も反応してくれなかった場合、それをどう受け止めればいいのかわからないというのです。
必ずしも反応を返さなくていい「ゆるさ」がツイッターの特徴です。だから反応がないのか、あるいは意図的に無視されているのかがわからない。若者たちは、反応が返ってこない原因について妄想を膨らませ、考え込んでしまうのです。
現代の若い世代の姿を見ていると、単純明快で絞り込まれた発言をする一方で、こころの中まで合理的に割り切れていないように見えます。
もちろん、悩みが多いというのはどの時代も若者の傾向ではあります。しかし、それだけでは結論づけられないほど、彼らはソーシャルメディアとの向き合い方で葛藤しています。
ソーシャルメディアを自在に使いこなし、一見すると軽やかに他者とつながっているように見えますが、若者の実情は必ずしもそうとは言い切れないのかもしれません。
他人と自分の生活を比較して劣等感に苛まれる若者たち
大学生が書いたレポートには、ツイッターを見ていると劣等感が増幅されるという悩みも登場します。
ある学生は、ツイッターで誰かが書いているものを見て、その人の1日が組み立てられるといいます。朝早くから起き出し、大学に行って勉強し、授業が終わるとアルバイトに精を出し、夜は仲間と飲みに行って楽しく過ごす。それに比べて自分は朝も起きられなかった、大学にも行かなかった、アルバイトもせず、友だちとも遊ばなかった。今日も1日ダラダラ過ごしてしまったことに、ひどく落ち込んでしまうというのです。
そんな学生にはこう尋ねてみます。
「あなたは、ツイッターにすべて本当のことを書いているの?」
学生は、都合の悪いことは書いていないと答えます。ほかの人も同じではないでしょうか。他人の目を惹きそうなことを選んで書き、なかには事実を脚色して書いている人もいるかもしれません。滅多にないアクティブに行動した日のことだけを書いている可能性だってあるのです。
私たち大人は、そういう書き込みに対して「またぁ、カッコつけちゃって」と色眼鏡で見ることができます。しかし若者は、自分の場合は真実を書いていないのに、他人の記述は真実と思い込んで自分と比較して悩んでいるのです。
若者には、他者と自分を比較して他者と同じレベルになりたいという同化願望と、他者より少しでも良い状況でありたいという個性化願望があります。
そのせめぎ合いのなかで、「人と比較するなんてつまらない」「人は関係ない。俺は俺でいいんだ」と考えようとするほど、余計に人のことが気になってしまうという悪循環にはまりこんでいるのかもしれません。
状況も条件も立場も違うのですから、他人との生活ぶりを比較してもあまり意味はありません。アクティブに行動することがよくて、一日家でダラダラするのが悪いと、言い切れるものではありません。
ソーシャルメディアによって他者と四六時中つながっていることで、自分の生活を良く見せることを24時間意識しなければならない苦しみがあるような気がします。
[DIAMOND online]
Posted by nob : 2016年03月23日 11:37
「ツイッターやSNSにいちいち反応してしまう自分が苦しい」ことに気付くことから、、、充実感は自身の小さな納得の積み重ねからしか生まれてこない。。。
■若者のフェイスブック離れが進む“SNS疲れ”の深層
唐仁原俊博[ライター]
SNS疲れ、あなたはしていませんか?
最近話題の「SNS疲れ」「ソーシャル疲れ」。皆さんもお疲れだろうか。私は今のところ、SNSをいいように使えているようで、疲れを感じることはほとんどない。今日も一日でLINEのスタンプを30回ぐらい押している。ひどいときには100回ぐらい押す日もあるし、100回ぐらい押されるときもある。あるLINEグループでスタンプを200連打されたときにはさすがに疲れたが。
20代、30代のSNS利用率低下中
若者の間で進むフェイスブック離れ
さて、ネットリサーチ会社の株式会社マクロミルは、毎年1月に「新成人に関する調査」を発表している。今年の調査結果のうち、現在利用しているSNSについての質問では、利用率上位のSNSで軒並み利用率が減少しているとの結果が出た。
新成人の男女それぞれ250名に対して行われた調査だが、LINEの高い利用率に驚くと同時に、落ち込みが激しいミクシィとフェイスブックにも目が行く。フェイスブックが日本語化されたのが2008年。当時はミクシィ全盛だったと記憶しているが、あれよあれよと言う間に逆転し、新成人での利用者は10%を切っている。そして、敵役だったフェイスブックも、この2年で10%以上の利用減だ。
参照:マクロミル「新成人に関する調査」
日経MJが実施し、昨年10月に発表された「第4回ネットライフ1万人調査」でも、フェイスブックの利用率減が目立つ世代があった。20代と30代が、それぞれ前年比7.5%、4.9%の減少となっている。そして意外にも、60代以上の利用率は63.6%と年代別では最も高い。どうやらついに「若者のフェイスブック離れ」まで始まっているようだ。
参照:日経MJ「第4回ネットライフ1万人調査」
やめたいと思う一番の理由は
「友達」の充実っぷりだった
フェイスブックに何か問題があるのか、今のところ疲れていない私にはピンと来ないのだが、株式会社タイムカレントが行った「フェイスブック疲れ」に焦点を当てた調査結果を見てみたい。
20代から40代の男女半数ずつ、計655名のうち、フェイスブックを使用していて、「疲れてしまう」「休みたい」もしくは「やめたい」と思ったことがある人は43.7%と、半数近くに上った。そして、そう思った理由の第1位は「他人の『リア充』投稿にうんざりしてしまう」(40.2%)というものだった。
えっ。
ここで言う「リア充」というのは、「いい人生を送っている」ぐらいの意味だが、みんな、そんなに他人のリア充っぷりに参っているとは想像していなかった。2位以下の「情報のチェックが追い付かない」「常にチェックをしていないと不安になる」「苦手な人とも繋がらざるを得ないわずらわしさ」あたりは、わからなくもない。巷でよく言われている、典型的なSNS疲れだ。
参照:タイムカレント「SNS投稿のリア充疲れ」&「リア充盛り」に関する調査
確かに仕事が煮詰まっているときに、「××ちゃんと一緒に温泉来たよ。ふひひ★」なんて投稿を見ると、若干の憤りは感じるが、それでフェイスブックやめたいと思うほどのダメージを負ったことはない。もしくは、私の「友達」たちには非「リア充」しかいないのだろうか。ほかの人のタイムラインはとんでもない「リア充」であふれているのだろうか。
驚きの結果はまだ続く。「『リア充投稿』を見てイラッとすることはありますか?」という質問に対して、「したことはない」と回答した人は全体で37.6%。なんと「毎回イラッとする」と回答した人は6.4%いる。SNSに向いてないんじゃないか。
さらにSNSの業の深さを感じるのは、「“自分自身の状況”を『投稿』した際に実態よりも『盛った』投稿をした事はありますか」という質問だ。「よくある」が10.8%、「たまにある」が36.5%、「一度だけある」という控えめなんだかよくわからない人も6.9%いた。
「リア充」を装うことで
一層疲れているのでは?
つまり、「楽しそうな人生を送ってるように見える投稿をしている人」が「幸せそうな人生を送ってるように、ちょっと誇張した投稿をしている人」の投稿を見て、「フェイスブックやめたい」と思ったり、「なんでこんな幸せそうな写真見せられないといけなんだ」と思っている。そんなこじれた状況がまさに起こっているのだろう。ちょっとした地獄である。前世でどんな罪を犯したというのか。
「リア充」に擬態することをやめれば、それだけでストレスが随分軽減しそうにも感じる。そもそもフェイスブックはハーバード大学の学生交流を目的として生まれたサービスだったし、どちらかというと、我が世の春を謳歌している人のためのサービスなのでは、という気がしないでもない。先ほど、60代の利用率が高いというデータを紹介したが、リタイアしたシルバー世代が「これからの人生、思いっきり楽しんじゃうぞ」と意気込み、リタイア後の第二の人生に対して「いいね!」を押し合っているというのなら、納得もいく。
私もフェイスブックを利用しているが、「友達」になっているのは、大学時代以前の友人・知人までだ。高校までは鹿児島、大学は京都、現在は東京住まいなので、「友達」たちの大部分とは物理的な距離がある。そういう人たちが結婚してたり、子どもが生まれたのをフェイスブックで知ると、イラッよりも、「へー、あいつがとうとう」「うわ、よかったなあ」みたいな気持ちが先に立つ(「ふーん」で終わることもあるが)。遠方の人に対して、わざわざ見栄を張る気も起こらない。そして、ここら辺が、SNS疲れに陥らないために重要なのではないかと感じる。
すぐ近くにいる人が充実した毎日を送っているのを見たり、すぐ近くにいる人に対して、SNS上でもいろいろなりアクションを取っていれば、そりゃあ疲れもするだろう。物理的に近い人は「友達」からはずしたり、自分が最高に楽しいときだけ投稿して、そのついでに人の投稿も覗いてみる。SNSとはそれぐらいのつきあい方がいいのではないか。
[DIAMOND online]
Posted by nob : 2016年03月23日 10:16
言わずもがな、、、福島の現実Vol.3/まずは実情を知ることから。。。
■水源に浸した布から高濃度セシウムを検出…福島の汚染地域はいまだ“住んでいい”レベルではない!
イチエフから1.5km沖の海水はセシウムに汚染されていた。海水をただ測っても検出されないが、布を長時間浸すと吸着する。この付近の魚に放射性物質が濃縮される恐れがある。
福島では住民の意思を無視して、避難指示区域の解除が着々と進む。前回記事『強制帰宅で被曝…福島での絶望的な“棄民”政策』ではそのことをリポートした。
多くの住民が町へ戻りたくない理由として挙げるのは、被曝(ひばく)への不安だ。国や自治体は累積被曝が100mSv(ミリシーベルト)以下なら健康被害は起きないとし、福島の放射線量はもはや十分に下がったと主張している。しかし、その実態はどうなのか。現地を徹底取材した。
*
居住制限区域の飯舘(いいたて)村西部から南相馬(みなみそうま)市を経由して、太平洋に注ぐ新田川(にいだがわ)。市民の水源として使われるこの川は、前々回のレポート『イチエフをドローンで空撮! 原発事故から5年を経た事故処理の現状は?』で伝えた除染廃棄物を処理する蕨平(わらびだいら)焼却場のすぐ近くを流れている。
福島県や国の発表では、新田川の川底にたまる泥からは、1600Bq(ベクレル)/㎏ほどの放射能が計測されているが、水からは1Bq/㎏も出ていない。
しかし、昨年9月、市民団体が南相馬市原町区・中川原橋付近でこの川に麻布(リネン)を8日間浸した。回収した布の放射能を測定したところ、3430Bq/㎏という高濃度のセシウムが検出された。
放射性物質の基準は、食品が100Bq/㎏(乳幼児用は50Bq/㎏)、牛乳が50Bq/㎏、飲料水が10Bq/㎏だ。つまり、後々、飲み水となる川の水に浸した布には、飲料水の343倍もの放射性物質が付着していたことになる。
長崎大学大学院工学研究科の小川進教授は、水中のわずかなセシウムをリネンが吸い取ったからだと指摘する。
「リネンを長時間浸しておくと、流量×断面積×時間分の放射性物質が吸着します。水中の粘土鉱物、菌類、落ち葉などの浮遊物、プランクトンにセシウムが付着しているのです」
つまりそれは、水単体の検査では放射性物質が不検出でも、その水を飲み続ければ、少しずつ体内にセシウムが蓄積することを意味する。取り込んだ放射性物質は体内から排出されるが、毎日取り込むと排出量を上回ってしまうからだ。
新田川の水は一度地下に染み込み、今回の計測ポイントから1㎞ほどしか離れていない大谷(おおがい)浄水場で井戸からくみ上げられた後、上水として処理され飲料水となる。現時点では市の検査で飲み水から放射性物質は検出されていないが、当然、不安を漏らす市民もいる。
リネンでの測定に関わった南相馬・特定避難勧奨地点の会の小澤洋一氏(59歳)もそのひとりだ。
「布の断面積などから計算すると、リネンには1時間当たり20・9Bq/㎏のセシウムがついていたことになります。いくら地下に染み込む段階でろ過されたとしても、新田川を水源とする大谷浄水場の水に、放射性物質が混入しないとは言い切れないわけです。
もうじき避難指示区域が解除される小高(おだか)区には簡易水道の浄水場がありますが、ここではろ過施設はなくフィルターを通しているだけです。大雨が降って川の底にたまったセシウムが巻き上げられたら、飲み水に混入するのではないでしょうか」
水だけではない。農林水産省などは被災地の「食べて応援しよう!」キャンペーンを実施し、福島県産食品は安全とのアピールに余念がないが、食品の汚染もまだ続いている。
2月9日現在で、国の出荷制限がかかっている食品は、東日本の13県と静岡県を合わせて126品目ある。品目では、露地栽培シイタケ、タケノコ、ホウレンソウ、キャベツ、キウイなどの野菜や果物、魚ではウナギや天然もののイワナ、クロダイなどが地域によって出荷できない。
49品目が出荷規制されている福島県では今年1月、本宮(もとみや)市の野生のフキノトウから110Bq/㎏、昨年9月には桑折町(こおりまち)のあんぽ柿から240Bq/㎏が検出されている。県は昨年12月に自家消費野菜5666検体を調べたが、そのうち6.6%に当たる376検体から50Bq/㎏を超える汚染が見つかっていた。
規制値の半分だが安心はできない。県自ら、「簡易的な測定数値のため、50Bq/㎏超となった場合には100Bq/㎏を超えている可能性もある」と言っているからだ。だから自治体によっては、50Bqを超えた食品を自粛要請するところもある。
放射能で汚染されたものを食べたからといって、すぐに何かの健康被害が出るわけではない。だが、この先5年、10年と内部被曝を続けていけば、どこかで病気が発症する可能性は捨てきれない。それは1986年に大事故を起こしたチェルノブイリ原発周辺で、いまだに体の不調を訴える人々が多いことからもわかる。
では、汚染食品を食べると、どのくらい内部被曝するのか?
汚染の単位でよく出てくるベクレルとは、1秒間に放たれる放射線の数だと思ってもらえばいい。例えば、コメが100Bq/㎏ならば、1㎏を食べた場合、体内で1秒間に100本の放射線が放たれ、細胞や遺伝子を傷めつける。
セシウム137の場合、口から入って排出されるまで、大人で平均70日といわれるから、単純計算で6億480万回、内部被曝をすることになる。
しかも、原発から放出されたのはセシウムだけではない。骨にたまりやすいストロンチウムや、アルファ線という至近距離で強力な放射線を発するプルトニウムなども含まれている。
遺伝子は損傷しても、人体には修復機能が備わっている。しかし、たまにエラーが起きる。それががんなどの病気につながるのだ。
だが国は、こうした汚染の実態には全く触れなくなった。とにかく放射線量は十分に下がったから安心としか言わない。
(取材・文/桐島瞬)
■学校での放射線量が新潟の6千倍以上…福島の汚染地域はいまだ“住んでいい”レベルではない!
飯舘村の仮置き場には積み上げられたフレコンバッグがまだ山のように。汚染はひどいが、それでも村は来年3月までの避難指示解除を目指している。
避難指示区域の解除が着々と進んでいるが、多くの住民が町へ戻りたくない理由として挙げるのは、被曝(ひばく)への不安だ。国や自治体は福島の放射線量はもはや十分に下がった、健康被害は起きないと主張している。
だが、その実態はどうか? 福島県の水源のひとつ、新田川(にいだがわ)の放射能汚染の現状を伝えた前回記事「水源に浸した布から高濃度セシウムを検出…」に引き続き、今回は福島の“海水と土壌”の汚染状況をリポートする。
*
法律では、4万Bq/㎡以上に汚染された場所は「放射線管理区域」に指定され、区域内に一般人は入れないようにしている。18歳以下の就労も禁止だ。理由は、それだけの放射線を浴び続ければ人体に悪影響があるから。
しかし、福島の土壌を検査すると、多くの場所でこの基準をいとも簡単に上回ってしまうことがわかっている。
2017年3月から避難指示区域解除を予定する飯舘村で、除染を終えた農地を昨年12月に測定した。それによると、トウモロコシ畑の深さ5㎝までで1㎏当たり7900Bqが検出された。1平方メートルに単純換算すると約51万Bqに達する。しかも空間線量は除染済みなのに毎時1.5μSv(マイクロシーベルト)あった。
農地では、放射能レベルを下げるために汚染されていない土を混ぜることがある。この対策を済ませた土を測ると、深さ5㎝までは413Bq/㎏(約2万6千Bq/㎡)に下がっていたが、5㎝から10㎝までの土は1200Bq/㎏(7万8千Bq/㎡)と高い汚染があることがわかった。これでは村に戻っても、農作物など作れない。
南相馬・特定避難勧奨地点の会の小澤洋一氏(59歳)も県内各地の土の調査をしているが、県内の放射能レベルは極めて高いという。
「一例を挙げると、南相馬市から葛尾(かつらお)村に抜ける県道沿いにある鉄山ダム近辺の土からは、9610万Bq/㎡が検出されました。学校やその周辺の汚染も深刻です。南相馬市の高倉にある通学路の土からは400万Bq/㎡のセシウムが検出され、飯舘村の学校からは1千万Bq/㎡を超えるような土も見つかっているのです」
福島の放射能汚染のすごさを比較するために、本誌は2月下旬、福島原発事故当時に放射能プルームが飛ぶコースから外れた新潟県を訪れ測定した。見附(みつけ)市にある高校の校庭裏を測定すると、空間線量は毎時0・03μSv、土の汚染は1624Bq/㎡で、小澤氏が測定した福島の学校より6100~2400倍以上低かった。この低い基準が原発事故前の放射能レベルなのだ。
汚染は福島第一原発(イチエフ)のある大熊町や双葉町といった帰還困難区域となると、さらに深刻だ。
2月中旬、イチエフから約1.5㎞地点まで近づき、地表1mの空間線量を測定した。すると測定器の針は上限値の毎時30μSvを振り切り、測定不能となった。1年間ここにいれば、最低でも263mSv(26万3千μSv)も被曝することになる。
現場の土も高いレベルで汚染されていて、測定すると5380万Bq/㎡という途方もないセシウムが検出された。これだけ汚染されていれば、人はこの先10年は戻れないだろう。なのに国は住民からの要望という理由を使い、大金をつぎ込んで除染を始めている。地元では、そんなことをするぐらいなら、故郷を失った人たちへの賠償をもっと手厚くしたほうがいいとの意見も目立つ。
イチエフから沖合1.5㎞地点の海水も測定してみた。これまでイチエフ周辺の海水を測定したが、セシウムは検出されなかった。比重が水より重く、海底に沈むからだ。
だが今回、新田川で行なったリネン法を用いて放射能測定をすると、海水を含んだ布から37Bq/㎏のセシウムが検出された。やはり海水中にセシウムは含まれていたのだ。長崎大学大学院工学研究科の小川進教授によると、
「セシウムを含んだプランクトンを回遊魚が食べると、エラの部分に吸収されます。こうして魚類の体内には、海水の100倍以上の濃度で蓄積されるのです」
現在、イチエフから20㎞圏内の海域では漁業は自粛されている。当分、自粛は続くだろうが、今の国の強引な住民帰還策を見ると、魚のサンプル調査で汚染が確認されなければ、再開する可能性は十分にあるだろう。
2月下旬、4月からの避難指示区域解除が予定されていた南相馬市小高区で住民への説明会が開かれた。住民からは「除染が終わっておらず、まだ放射線量が高い所もあるから解除は早い」とする声が相次いだ。ところが国の担当者は、住民を突き放すようにこんな趣旨で答えた。
「空間線量が年間20mSvを下回り、なおかつ生活環境の整備と自治体の同意が得られれば、避難指示は解除できるのです。除染が終わらないと、解除ができないということではありません」
こうした話を聞いた参加者の中には、話にならないと怒りだす人もいた。国が住民をどう考えているかを象徴するシーンだった。
これだけ放射能汚染があっても避難指示解除を進める姿勢を崩さないのは、国が住民の健康よりも、町は元通りになったという体裁を取り繕うことしか考えてないからだろう。そもそも年間20mSv以下という基準は、原発作業員の実質的な年間被曝上限と変わらない。それを放射線防護の基礎教育さえ受けていない子供や妊婦にも一律に適用すること自体、異常だとしか言えない。
このように福島の汚染地域の水、食べ物、土壌の放射能汚染は相変わらずだ。となると、住民が戻っても農業はできない。昨年9月に避難指示が解除された楢葉町(ならはまち)には、元からいた人口の6%に相当する440人しか戻っていないことを考えれば、南相馬市小高区も飯舘村も結果は見えている。
だが、それは安全と健康を考えれば、現時点では望ましいことだといえる。いくら国が100mSvまでは被曝しても安全といっても、これはICRP(国際放射線防護委員会)の基準を日本政府が都合のいいように解釈したものにしかすぎないからだ。
だからこそ、住民はそんな根拠のない国の安全宣言など無視して自分の身を守ってほしい…のだが、実は汚染は福島だけにとどまらない。首都圏にもいまだに放射性物質が吹きだまる汚染スポットがあちこちにあるのだ。
(取材・文/桐島瞬)
[いずれも週プレNEWS]
Posted by nob : 2016年03月21日 15:08
言わずもがな、、、福島の現実Vol.2/復興政策という名の利権事業
■強制帰宅で被曝…福島での絶望的な“棄民”政策。復興特需で潤うのはゼネコンだけ!
来年3月までの避難指示解除を目指す飯舘村では、至るところで解除に備えた道路工事が進行中だが、線量が高いなどの理由で住民が帰らなければ、無駄もいいところ。工事を請け負う業者が潤うだけだ。
福島第一原発(イチエフ)事故から5年が経とうとしている現在、被災地では何が起きているのか。
週プレ取材班は前回記事(「東電が隠したがったイチエフ“謎のタンク”の正体」)でドローンから見たイチエフをリポートしたが、同時に陸からも被災地の現状をつぶさに取材した。
そこから見えてきたのは、避難指示解除を進めたい国や自治体の思惑とは裏腹に、諦めや困惑の思いを強くする住民たちの姿だった。
*
本誌が原発事故当時の総理大臣、菅直人氏と福島の避難地域を巡ったのは昨年7月(参照記事「元総理・菅直人が福島のホットスポットへ」)。原発から30㎞圏の町や村の至る所で除染が行なわれ、除染廃棄物を入れたフレコンバッグの保管は仮置き場だけでは足りず「仮・仮置き場」と呼ばれる奇妙な施設もできていた。
あれから半年。取材班があらためて被災地を訪れると、まず目についたのは復興工事がますます増えていたことだ。除染だけでなく、これから避難指示の解除が行なわれる南相馬市と飯舘(いいたて)村を結ぶ県道沿いなどでは、道路工事があちこちで行なわれていた。作業用の重機やトラックがひっきりなしに行き交う。道行くクルマは、乗用車よりもダンプカーのほうが圧倒的に多い。
そのせいで、たびたび交互通行のための工事用停止信号に引っかかり、移動に時間がかかってしまった。
復興のために国から投じられた予算は巨額だ。2011年から2015年までの集中復興予算は25兆円に上る。さらに今年の4月からの5年間は「復興・創生期間」と名づけられ、新たに6兆5千億円の予算投入が決まった。
福島県にはそのうちの3割を超える2兆3千億円が注がれる。だが、そのお金が本当に有効に使われているかは大いなる疑問で、その最たるものがこの道路工事だ。例えば、南相馬市から浪江(なみえ)町や葛尾(かつらお)村方面へ抜ける、鉄山ダム沿いの県道49号線。
ここは本誌が何度も取材に訪れている。道路脇の草むらにホットスポットがあり、本誌が3年前に測定したときには毎時200μSv(マイクロシーベルト)、昨年7月にも100μSv近くの高線量を記録している。
その場所は今回、草木が刈り取られて大型重機が入り、工事が進んでいた。県に尋ねると、斜面の落石防止工事と道路の拡幅工事をしているのだという。
避難指示解除を待つ葛尾村と南相馬市をつなぐ道なので、住民の安全を考えて落石防止工事をすることはわかる。だが、原発事故前でもそんなに車の往来がなかったであろう狭い県道を今、国費を投じて拡幅工事までする必要はあるのだろうか。
取材に同行した元東芝社員で原子炉格納容器の設計者である後藤政志氏は、この光景を見ながらこう漏らした。
「除染やそれに伴う作業が、原発建設の中核企業やゼネコンに任せられ、原発事故の後始末まで商売にしているところにとても違和感を覚えます。もちろん、放射性物質の管理などで、それら企業の知識が必要な面もありますが…」
膨大な予算を費やして復興工事を進めることが、本当に被災者のためにつながるならまだいい。だが、避難地域の現状は、住民が戻り、生活していいような環境とはとても思えない。となると、この工事はなんのために行なわれているのか?
南相馬市原町区馬場のある民家を訪れた。この地区の一部はかつて「特定避難勧奨地点」と呼ばれ、避難指示区域外ではあるものの、年間20mSvを超えそうだと指定された場所があちこちにあった。しかし、除染が行なわれて放射線量は十分下がったとして、この地区全体の勧奨地点指定は2014年12月に解除された。
丸川環境大臣が「根拠がない」と言い放った(後に撤回)一般公衆の被曝限度である「年間1mSv」以下に抑えるためには、毎時0.23μSv以下でなければならない。だが、この民家の裏庭を測定すると空間線量は毎時1μSvを超えた。つまり、今でも基準の4倍を超えるのだ。
それなのに「いいかげんとしか思えない測定の仕方をされた」(住人)挙句、3度目の測定で指定基準の数値が出たにもかかわらず、最後まで特定避難勧奨地点の指定世帯にはならなかったという。
この民家に限らず、避難勧奨地点には入らなかったが、線量の高い場所はあちこちにある。前述した鉄山ダム脇の県道49号線もそうだ。車内から測定しても空間線量は毎時3μSvを超えていた。
南相馬市から県道を南下し、国道114号線と接する場所には検問所がある。その先は葛尾村か浪江町への通行許可証を持った人しか入れない。検問所のプレハブ小屋の外壁は、許可証をチェックする人がなるだけ被曝しないよう鉛で覆われていた。そんな状態でも、葛尾村は今年春から避難指示区域の解除が予定されている。
このような場所は他にもある。
来年3月の避難指示区域解除を目指す飯舘村の中心部にある中学校を訪れた時だ。山間部にあるため、南相馬市とは違って深い雪に覆われているにもかかわらず、空間線量が0.7μSvを超える場所が校内には何ヵ所もあった。
試しに校舎入り口にあった雨水をためるマスをのぞき、そこに線量計をかざすと毎時6μSvを超えた。後日、この雨水を精密測定すると80Bq(ベクレル)/㎏という数値が出た。飲料水の基準が10Bq/㎏だから、その8倍も汚染された水が、1年後には子供が戻ろうとする場所にあることになる。この学校の除染はこれからだが、本当にこんな場所に住民を戻してもよいのだろうか。
南相馬市や飯舘村の汚染状況を調べている市民団体の小澤洋一氏(59歳)が言う。
「私が今年1月に校内を測定した時には、毎時20μSvの場所がありました。村はまずこの中学校を再開して、小中学生の授業を始めると聞いています。子供たちが避難する福島市や川俣町からスクールバスでここまで送迎するようです。ですが、これではわざわざ被曝させるために通学するようなもの。
子供たちが戻りたくないと言うと、村長は『村の復興のためにお願いだから戻ってほしい』と懇願したのです。いくら村を復興したいとしても、子供が犠牲になるのはおかしいのではないでしょうか」
村長は村の維持のために子供を戻したいというが、そもそもこんな立派な中学校が建てられたのも、村の産業振興がうまくいっていたからだ。だが、その産業ももはやない。
除染して線量が下がったから帰ってきても安全と宣伝し、帰ってこられるように工事もしてインフラも整えた。だから元の自治体に戻ってこない住民には補助を打ち切る。これでは体裁を整えるためだけに無駄金だけが突っ込まれ、住民は命の危険にさらされることになる。
それを国、福島県、そして住民と最も近い存在である村長、市長が行なっているのだ。彼らの頭にあるのは「自治体の維持」ばかりで「住民を守る」ことはない。
こんな状態だから、避難指示の解除に対しても住民から不安の声が上がる。
2月20日、南相馬市の小高区で政府の住民説明会が開かれた。小高区と原町区の一部は、放射線量が年間20mSv以上50mSv以下に当たる「居住制限区域」。ここも今年4月に居住制限を解除すると決められた。市は、帰還は強制ではないと言うが、解除が決まれば賠償金も打ち切られる。中には避難先の家賃を払えず、仕方なしに戻る人も出てくるだろう。
説明会では解除は時期尚早ではないかとする意見が続出し、予定終了時間を30分オーバーした。説明会に参加した60代の女性が説明する。
「市からは除染が終わりインフラも整ったので、4月に解除したいと説明がありました。しかし、被曝が心配だとする若い人の声や、家の周囲を除染しても手つかずの山から放射性物質が流れてくるから意味がないといった質問が飛び、市長は4月の解除は難しいと断念したようです。
私は小高に戻りたいのですが、若い人が帰ってくるのは反対です。現に、自分の子供や孫は戻りません」
そもそも避難指示の解除に向けて昨年8月から始まった、住民が家で寝泊まりできる「準備宿泊」の登録者は1600人程度にとどまっている。同地区の人口約1万1600人の1割程度しかいない。1600人の内訳も高齢者の比率が多いという。
同じ問題は、避難指示区域の他の場所でも出ている。昨年9月に避難指示を解除した楢葉町も、避難先から戻った住民は町の全人口の1割ほどしかいない。若い人は近接する避難先のいわき市などに家を建て、仕事を持つなど生活基盤ができてしまい、もう町へは戻らないからだ。必然的に戻ってきた人の中心は高齢者で、これから町を活気づけることは難しくなっている。
それに、国や自治体がいくら「除染が終わったから安全」「健康被害は心配ない」と言っても、リスク面を一切話さないそうした姿勢に住民は納得していない。
現に、放射能汚染はまだかなりある。市民団体が2月に小高区の小学校敷地内の土を測定したところ、1平方メートル当たり30万Bqの汚染が見つかった。
「原発事故前の測定値はおよそ100Bq/㎡相当」(小澤氏)だったことを考えると、3千倍に汚染されてしまったのだ。一般の人が立ち入りできない放射線管理区域の基準は4万Bq/㎡。それよりも7倍以上高い場所を「安全」と言い、子供たちを遊ばせようとしているのが今の政策だ。
「住民を戻すなら土の汚染度なども細かく調べて、高い所は高いときちんと市民に伝える。それをやらずに、空間線量だけ下がったからもう安心と言われても不信感が増すだけです」(南相馬市在住の南相馬・避難勧奨地域の会会長・末永伊津夫氏〈67歳〉)
前出の後藤氏も「これだけの汚染地域に人々を戻すことは、多くの人を危険にさらす許されざる行為」と憤る。
*
国による避難指示の解除は帰還困難区域を除いてこれから着々と進み、来年3月には自主避難者への住宅支援も打ち切られる。国は「解除は自治体の要請」というが、小高区を見てもわかるように住民はそんなに早い帰還を望んでいない。だとしたら、一体、誰のための復興なのか。
住民からは「政府は東京オリンピックまでに福島の問題はすべて片づいたと対外的にアピールしたいだけ」との声も聞こえてくる。今のままでは肝心の住民が置き去りにされ、復興工事に携わるゼネコンばかりが潤う。これでは「福島棄民政策」が進むばかりだ。
(取材・文/桐島瞬)
[週プレNEWS]
Posted by nob : 2016年03月21日 14:43
言わずもがな、、、福島の現実/外国人たちの偏りのない視点
■「東電やマスコミの嘘が許せなかった」外国人記者たちが見た3.11とその後の日本
日本に長年住み、3.11を経験した外国人記者たちは、あの大災害とその後の日本をどのように見つめ、海外に伝えてきたのか?
「週プレ外国人記者クラブ」第25回は、英紙『エコノミスト』などに寄稿するアイルランド出身のデイビッド・マックニール氏、同じく英紙『ガーディアン』などの日本・韓国特派員を務めるイギリスのジャスティン・マッカリー氏、そして中国・香港に拠点を置く「フェニックステレビ」東京支局長の李(リ)ミャオ氏が語り合った。
***
―2011年3月11日の14時46分は、何をしていましたか?
李 私は渋谷にあるフェニックステレビの支局で、当時話題になっていた「菅直人首相の外国人献金問題」に関する原稿を書いていた時でした。急に大きな揺れが起きて、しかもなかなか収まらない。スタジオのライトなどもすごく揺れて、これは大きな地震だなということで、NHKをつけたらすごい光景でした。
すぐに生中継を始め、私たちは中国メディアで一番早く地震の様子をリポートしたのですが、実は私、その後の中継中に泣いてしまったんです。
もちろん、ジャーナリストとしては自分の感情を表に出すのはよくないこととわかっていたのですが、家や車が波に巻き込まれていく現地の中継映像を見ながら、声が詰まって言葉が出なくなってしまったんですね…。
それが中国のネットで話題になって、「なんで日本人のために涙を流して悲しむのか?」という声もありましたが、9割以上の人が同情を示しました。多くの中国人が日本に対して思いやりの情を持ったことが忘れられません。
マッカリー あの日は取材で大阪にいたんですけど、大阪でも結構揺れました。僕は以前、大阪と神戸の間ぐらいの所に住んでいて、1995年の阪神・淡路大震災を経験しているんですよ。3.11は大阪にいたけれど、だからこそリアリティがありました。
これは危ないなと思って家から出て、しばらく待ってから家に戻ってTVで津波の映像を見た。すぐ東京に帰らないといけないと思ったけど新幹線が止まっていた。翌朝一番の新幹線に乗って品川まで戻りました。
東京に戻って1週間後くらいに『ガーディアン』の同僚がアメリカと中国から来て、彼らは岩手と宮城の現場を取材しました。僕は東京で東電の記者会見に行ったり、枝野官房長官の生中継を見て記事を書いたり、東北に行ったふたりの記事をまとめたり、毎日ほとんど寝ずに母国に記事を送っていました。
マックニール 僕は地震が起きた時、妊娠中の奥さんと品川駅にいました。駅の天井が落ちるかなと心配するくらい揺れて、揺れが終わった後は電話がつながらなかったでしょう? 彼女はお母さんにも連絡が取れないものだから、不安でヒステリックになってしまった。
寒かったし、まずは安全な場所に行かないと…と思って、品川から4㎞ぐらい歩いて有楽町にある外国人特派員協会に避難しました。その時、ふたつの気持ちがあったんです。家族のことを心配する気持ちと、これほどの大地震だからこれから忙しくなるぞ…と。
僕は『エコノミスト』『インデペンデント』、ふたつの媒体で書いています。地震の後、すぐに電話がかかってきて「誰か送ろうか?」と言われたけど、「いいよ、ひとりでやる」と答えて、地震の翌朝、クルマで東北に向かいました。
まず、いわき市に入って1泊して、原発を迂回(うかい)しながら宮城の南三陸に入ったんですけど、そこで目にしたのは見たこともない光景。どうやって記事を書けばいいか困惑しました。最初に感じたのは「沈黙」。本当に音がない、カラスの鳴き声だけ。それが一番印象に残っています。
山あいから海に下りていく途中、破壊された家の下に遺体を見つけたんです。カメラマンは撮るべきかどうか迷っていた…。その後、海沿いから戻る時に仙台から来たという人たちに会った。「何を探しに来たんですか?」と尋ねたら、彼らは「ウチ」と。おじいちゃんやおばあちゃんがここに住んでいる…と。僕たちは彼らに「街は壊滅している」と言うことができず、そのまま別れたことを今でも覚えています。
マッカリー 僕は地震の10日後に現地に入りました。宮古、釜石、陸前高田、南相馬、仙台と回る長い取材だったんですけど、一番覚えているのは陸前高田の瓦礫(がれき)です。「ニオイ」がすごかった。瓦礫と、海から打ち上げられて死んだ魚のニオイとか…。今でも思い出せば鼻先によみがえる気がします。
お寺や学校などの避難所に行き、子供を亡くした方などを取材していたんですけど、編集長から「明るい話は全くないと思うけど、立ち上がっている人を見つけて、何かポジティブな記事を書いてほしい」と言われました。
それで、醤油(しょうゆ)メーカーの若い社長さんが津波で全てを流されながらも醤油造りを諦めていない姿や、両親を亡くした子供たちの面倒を見ているおばあちゃんとか、高齢者のために料理を作っている姉妹などを取材しました。
これらの記事に対して、母国の読者から「被災者のために私たちにできることはないか」という声が編集部に数多く寄せられ、中には募金を送ってきた人までいたそうです。自分の書いた記事が多くの共感を呼んだことは、ジャーナリストとしてとても嬉しいことでした。
マックニール 被災地を含めた日本の人たちが助け合って困難に立ち向かう姿には、イギリスでも多くの称賛の声が上がっていたよね。
一方で、原発の記事に関しては、「この記者は重要な事実を隠していて、実際はもっと深刻な状況なんじゃないか」という反応や、逆に「実際より大げさに危機を煽(あお)っているんじゃないか」という声もあった。原発に対するスタンスの違いによって、同じ記事でも受け止め方が180度違うんだなと思いました。
―李さんは、震災直後は何をしていたんですか?
李 東京の支局に残って、ほぼ24時間ずっと中継をしていました。当時は赤ちゃんを産んでまだ6ヵ月で、現場に復帰したばかりだったんですが、赤ちゃんと日本語の話せない私の母を家に置いたまま、地震直後は毎日休みなく中継を続けていました。
中国からも数名のスタッフが送られてきて彼らが東北の現場取材に当たったのですが、私は支局長として彼らの安全にも責任がありますから、官邸などいろんなルートから福島の情報を収集していました。
今でも忘れられないのが、枝野官房長官の「直ちに人体に影響することはありません」というコメントです。どうして断言できるのか、どこに根拠があるのか聞きたかった。現実には官邸も原子力保安院も東電もあの時、原発で何が起きているか誰もわかっていなかったんですよ!
私のジャーナリスト人生の中で、あの当時は一番大きな試練でした。原子力保安院も東電も本当のことを言わないし、延々と記者会見をやっているのに何が真実かわからない。本当に暗黒の日々でした。
―被災地、あるいは東京の人も含め、日本人の反応で印象に残っていることは?
マックニール すごく印象に残っているのは、原発事故が一番危険な状況だった3月16日にツタヤから電話がかかってきたんです。「マックニールさんの携帯でしょうか? DVDのご返却がまだのようなのですけど」って。「マジで?」と思った。彼女はすごくマジメに仕事をしていただけなんですけど、数日後にも電話がかかってきて、すごく丁寧に「DVDをご返却ください」と。これは、すごく日本的だと感じました。
どんな状況でも仕事をマジメに最後までやり抜くというか、サラリーマンも普段通りに会社に行こうとしていたでしょう。彼らはたぶん、会社から自宅待機を命じられるまで、どんなに状況がひどくなっても仕事に行くと思う。これは皮肉で言っているんじゃなくて本当にすごいと思った。
マッカリー 確かに、多くの日本人の対応はマジメでストイックでした。もちろん、現実には被災地で盗難事件などがなかったわけじゃないけれど、あれだけ厳しい状況でもきちんと秩序を維持する日本人はすごいと感じました。
その一方で、被災地で再会を果たした中年の男性ふたりがハグし合って喜ぶ姿を見たり、ケガ人の救急処置を手伝っていた男性が僕たちの取材に積極的に協力してくれて、その彼が自分のふたりの子供を津波で失ったということを後から知ったり…。
あの震災では、それまで僕が知っていた、あまり感情を表に出さず、どちらかといえば控えめな日本人よりも、エモーショナルで積極的な姿に触れたことも印象的でした。
もうひとつ感じたのは、東北とその他の地域の「温度差」です。震災直後、東京では人々が「水がない」とか「スーパーに商品がない」とか文句を言っていましたが、大阪は普段通りでした。もちろん、みんな「東北の人たちは大変だなぁ」とは言っていたけど、どこか遠い世界の話みたいな雰囲気があった。
そもそも震災が起きる前から東北地方は無視され、見捨てられているようなところがあったと思います。震災時にもその温度差は強く感じたし、5年経った今も感じています。
李 秩序を守り行動する日本人の姿は、中国のネットでも賛美の嵐だったんですよ。あんな大地震が起こったのに、みんな電話ボックスの列にちゃんと並んでいたり。帰宅困難者は駅の階段の左側に真っすぐ座って右側を空けていたり。ただ、私から見ると安全な環境に慣れすぎて、やや感覚が麻痺(まひ)しているところがあるんじゃないかなとも思いましたね。
その一方で、私は長年日本で生活をしていて、日本人はすごく誠実な民族だと思っていたのに、あの時の東電の対応を見ていると、本当のことを言わない。とにかく平気で嘘をつく!
一番覚えているのは原子力保安院のプレス担当の方。汚染水を海に放出するという時に単独インタビューをしたんです。「事前に外国に説明しています」と彼は言ったのですが、後から全く説明していなかったことがわかった。そんな重要な問題で、すぐバレる嘘をついて、本当に日本は大丈夫なのか?と、それまでの誠実なイメージとのギャップを感じました。
マックニール 東電の嘘はもちろん、マスコミも嘘をついていたことが許せないよね。原発事故の直後、NHKは毎日のように東大などの専門家を番組に招いて「放射能の問題はないですから、パニックにならないで」と適当なことを言い続けていた。
にもかかわらず、事故3日後の14日から大手マスコミのTVと新聞の記者たちはみんな南相馬から避難したんです。これには桜井勝延市長が怒った。マスコミは「問題ない」と報じながら、自分たちは逃げた…と。
マッカリー 海外の専門家などからは比較的早い段階で「メルトダウンの可能性が高い」と言われていたのに、政府や東電はそれを認めようとはしなかった。そうすると大手メディアも横並びで「メルトダウン」という言葉を使わなかったでしょう?
マックニール 初めの頃は日本の専門家にもメルトダウンの可能性を指摘していた人が何人かいたのに、ある時期を境に原発を支持する「御用学者」ばかりがメディアに登場するようになった。その結果として、一般の人たちのマスコミに対する信用にもすごく打撃を与えたと思う。
李 日本は秩序を大切にする一方で、ある種の同調圧力みたいなものもあると思います。TVで専門家が「人体には影響がない」とか「北京はこれくらい放射能があるのに日本にはこれだけしかない」などと発言すると、メディアはそこに同調して、国民は当たり前のようにそれを受け入れてしまう。日本は民主主義の国なのに、これは非常に残念な一面だと思いますね。
―そして3.11から5年、その間の日本の歩みをどう見ていますか?
李 先日、福島県知事の記者会見に行ってきました。知事は福島の現状を「光と影」という言葉で表現していましたが、5年経った今でも福島を含め被災地から全国各地に避難している人の数は全国で17万4千人もいます。私自身、震災の年に被災地に行って、今年もドキュメンタリー番組の取材で福島までクルーが行きましたが、今でも仮設住宅に住んでいる人がたくさんいる。復興は私たちの想像よりもずっと遅い。
震災以来、復興庁とかいろいろできましたけれど、ただスローガンを掲げるだけじゃなく、政府がもっと地方と協力して、被災地が本当に何を必要としているのか?ということをより真剣に考える必要があると思うんですよね。
マッカリー 被災地の市民たちや自治体のリーダーたちが本当に努力をして復興を進めてきたことには心から敬意を感じていますが、すごく残念なのはそうした地方自治体と中央政府との連携が全くうまくいっていないことです。
ただでさえ、もともと東北地方は高齢化が深刻で、経済的にも多くの問題を抱えていた。希望を失いつつある地域なのに、あの震災でさらにひどい状況に追い込まれている。ところが、政府には「東北地方の20年後、30年後をどうするのか」といった具体的なビジョンが全くないように見える。相変わらず東北は見捨てられていると思います。
マックニール 復興の失敗を象徴するものとして、国が進める「防潮堤の整備」を挙げたい。調べてみたら日本の海岸線は総延長約3万5千㎞、そのうち約1万4千㎞は防護する必要があるという。つまり、ものすごい予算がかかるんですね。でも、巨大な津波に対して防潮堤は本当に有効なのかという大事な点がちゃんと議論されていない。
原発の問題も同じで、日本はあれほど深刻な事故を経験して、その事故はいまだに収束していないのに、原発の是非に関する根本的な議論もないまま再稼働が進められて、国は将来的なエネルギーの20~22%を原発で賄(まかな)うという方針を決めてしまう。
これって全く信じ難い話だけど、結局、復興という名目で大金を使いながら、政府は建設会社や原発産業を優先しているんだと思います。
李 日本は戦後ずっと平和だったので、人々は「自分たちは守られていて安全な場所にいる」という安心感があるのかもしれません。でも、そうやってリスクを自分で判断しないから、事故から5年経った今も、きちんとした議論もなく物事が「なんとなく」動いている。
メディアも含めて日本人自身がもっと現実を直視し、3.11から学ぶべき教訓と誠実に向き合えば、それは他の国にとってもよい教訓になりますし、日本が原発事故関連で失った海外からの信頼を回復するきっかけにもなると思います。
●デイビッド・マックニール
アイルランド出身のフリージャーナリスト。東京大学大学院に留学した後、2000年に再来日し、英紙『エコノミスト』『インデペンデント』などに寄稿
●ジャスティン・マッカリー
ロンドン大学東洋アフリカ研究学院で修士号を取得し、1992年に来日。英紙『ガーディアン』『オブザーバー』の日本・韓国特派員を務めるほか、テレビやラジオでも活躍
●李ミャオ
中国吉林省出身。1997年に来日し慶應義塾大学大学院に学ぶ。2007年、香港に拠点を置くフェニックステレビの東京支局を立ち上げ、現在は支局長
(取材・文/川喜田 研)
■海外メディアが見た被災地の今。復興事業が被災者の障害になっている皮肉な現実とは
東日本大震災発生から本日でちょうど5年になる。「週プレ外国人記者クラブ」第24回は、震災直後から何度も被災地に足を運び、取材を続けているフランス「ル・モンド」紙の東京特派員、フィリップ・メスメール氏に話を聞いた。
被災地の「今」はフランス人記者の目にどう映っているのか? そして「フクシマ」の原発事故は、ヨーロッパ随一の原発大国フランスにどんな影響を及ぼしているのか?
***
―メスメールさんは最近、東北の被災地取材に再び行かれたそうですね?
メスメール 先週、岩手と福島の各地を6日間かけて回ってきました。津波被害にあった地域を見ると、新たな防潮堤の整備や、いわゆる高台移転のための宅地かさ上げ工事があちこちで行なわれていたり、一部ではすでに完了していました。そうした公共事業がもたらす「復興需要」で地元経済もそれなりに潤(うるお)っていて、復興に向けた作業はダイナミックに進んでいるようにも見えます。
しかし、被災者たちの生活再建、例えば仮設住宅からの自立はあまり進んでいません。復興需要によって労働者が大量に地域に流入したことで、アパートなどの家賃相場がかつての3倍近くにまで高騰してしまい、新たな生活を始めようとする地元住民にとって大きな障害になっているというケースもあるのです。
また、新たに整備された高台の住宅地に家を建てようと思っても、労働力や建築資材の不足が深刻で「最低2年以上待たなければならない」と言っている人もいました。
―復興のための公共事業が家賃を高騰させ、被災者の障害になっているとは、なんとも皮肉な状況ですね…。
メスメール 一部の地域では新たな住宅地ができあがり、そうした場所にはイオンなどの大手ショッピングセンターが進出していますが、その一方で、津波に流された元の市街地には住宅が建設できなくなったため、かつての商店主たちが店を建て直しても、そこにはもう住民がいない。とはいえ、新たな住宅地に出店すれば大手ショッピングセンターに対抗できない…というのが彼らの直面している現実です。
今はまだ復興工事の労働者がいるので、復興商店街なども繁盛していますが、工事が終われば労働者たちは「東京オリンピック需要」で首都圏へと去ってしまうでしょう。その後の経済はどうなるのか? 被災地の人々は将来に対する大きな不安を抱えていました。
―被災者の生活再建を考えると、「5年」という年月は重く厳しい意味を持つ気がします…。
メスメール その通りです。地元を去った若い世代の人たちの多くはすでに移転先で新たな生活を始めていて、故郷に戻っては来ないでしょう。また住民の中にはPTSDや、将来への不安からうつ病を患っている人もたくさんいる。そして、福島の状況はさらに深刻です。彼らは放射能汚染によって住む場所を奪われ、そこに帰ることもままならない生活を送っているわけですからね。
―ところで、あの「フクシマ」の事故の後、フランスではどんな反応があり、原発政策は今どうなっているでしょう? 隣国のドイツは3・11の後、「脱原発」に大きく方向転換しましたよね?
メスメール 残念なことに、あまり変化がありません。フランスは1960年代に当時のドゴール大統領が原発推進の政策を打ち出して以来、基本的に右も左も原発に関しては前向きで、あのチェルノブイリ原発事故の後でさえ、「反原発運動」が盛り上がることも、大きな議論を呼ぶこともありませんでした。
フクシマの事故の後には一部で原発の危険性を心配する声もありましたし、全く議論が起こらなかったわけではないけれど、基本的な「原発推進」の方向性は相変わらずで、ドイツのように脱原発という話には全くならなかった。
オランド大統領は原発依存度を「現在の75%から50%にまで削減する」という方針を表明していますが、本当に実現するかどうかは疑問です。「フクシマの事故を受けて、原発の安全基準を高めたから大丈夫」というのが国の基本的な考え方で、国民の多くもそれを受け入れているというのが現状です。
―脱原発を決めたドイツと正反対の反応なのは、なぜなのでしょう?
メスメール ひとつには、フランスの原子力産業には政府、産業界、メディアが強く結びついた「原子力ムラ」が存在し、強い力を持っているからだと思います。僕が子供の頃から、TVでは原子力発電をポジティブに宣伝するコマーシャルが流れていました。
また、普段は多様性と自由な議論を尊重するフランスのメディアやフランス人が原子力に関してそうではないのは、ドゴールの時代から原子力の存在がフランス人のプライドやナショナリズムと微妙に結びついているせいもあるかもしれません。
―なるほど、60年代にドゴール大統領がフランスの核武装を積極的に進めたのと同様、自前の原子力発電を持つというエネルギー安全保障上の立場が、フランスの「大国」としてのプライドと結びついているんですね。「原子力ムラ」が強い影響力を持ち、自由な議論を妨げているというのは日本とそっくりで意外ですね。
メスメール 個人的にはフランスがそうした「原子力依存」の古い戦略にしがみつくのは、経済的な観点からもあまり得策ではないと思います。確かに、原子力から他の「新エネルギー」へと移行するのは簡単なことではありませんし、実際、脱原発を決めたドイツも、古い石炭火力の比率を増やすなど問題がないわけではない。ただ長期的に見れば、ドイツはこの方向転換によって再生可能エネルギーを含めた様々な新エネルギーに関する技術力を高め、その技術が将来、経済的な意味で大きな武器になっていくと思います。
そう考えると、あれだけの事故を経験しながら、再稼働を始めるなど原発推進の方向に戻りつつある今の日本の状況は、非常にもったいない気がします。元々、日本は新エネルギーの分野で世界トップレベルの技術力を持っていたはずです。
震災の後、原発の維持に固執するのではなく、エネルギー政策を大きく転換して、そのアドバンテージを積極的に活かす方向に舵(かじ)を切っていれば、それは日本にとって大きなプラスになったのではないでしょうか? しかし現状はフランスも日本も「原子力ムラ」の存在が新たな選択肢の可能性を狭めている…これは本当に残念なことだと思います。
●フィリップ・メスメール
1972年生まれ、フランス・パリ出身。2002年に来日し、夕刊紙「ル・モンド」や雑誌「レクスプレス」の東京特派員として活動している
(取材・文/川喜田 研)
[いずれも週プレNEWS]
Posted by nob : 2016年03月21日 14:07
また旅立つ君へVol.109/旅の途中で。。。Vol.2
多くの人生は、、、
プロローグのまま未完に終わる。。。
Posted by nob : 2016年03月16日 15:43
終わらない珈琲論議/如何なるメソッドも諸刃の剣、バランスこそがすべて。。。
■コーヒーは結局「1日何杯」なら健康的なのか
適量を守っていても「不健康」の落とし穴が
丸田 みわ子 :シニア野菜ソムリエ
10年ほど前には「体に悪い」と言われていたのに、近年はすっかり「健康飲料」として認識されるようになったコーヒー。コンビニ各社の販売合戦も手伝い、おいしいコーヒーをより気軽に楽しめるようになりましたね。
実際、「脳血管疾患や呼吸器疾患による死亡リスクが、毎日3杯のコーヒーを摂取することで下がった」という研究報告が、国立がん研究センターから出されています。これらの作用は、「コーヒーポリフェノール」とも呼ばれるクロロゲン酸によるものです。
ポリフェノール以外にも注目の健康成分が
クロロゲン酸は、摂取量については諸説ありますが1日500mgも摂取すると、血液をサラサラにしたり、体脂肪を燃焼したりという働きが高まると報告されています。これはマグカップで3~4杯分のコーヒーに含まれる分量。セブン-イレブンのホットコーヒーであれば、R(レギュラー)サイズなら3~4 杯、L(ラージ)サイズなら2~3杯といったところでしょう。
ただ、この分量に収まっている場合でも、飲み方によっては逆効果をまねくことがあります。健康を目指すうえで注意していただきたい点は、のちほど詳しく触れることにして、もう少しコーヒーの健康成分について解説していきましょう。
コーヒーの成分といえば、ポリフェノール以外に真っ先に思い浮かぶのが「カフェイン」ではないでしょうか。よく知られていることですが、カフェインには覚せい作用があるため、仕事の効率アップ、記憶力アップ、脂肪燃焼の促進などに効果を発揮します。
もうひとつ、「ニコチン酸」も健康にいいと言われる、コーヒーの代表成分です。「ニコチン酸アミド」とも呼ばれるこの成分、タバコに含まれるあの「ニコチン」とは、まったく別モノです。
コーヒー豆にはもともと「トリゴネリン」という成分が含まれていますが、豆が焙煎される過程で、これがニコチン酸に変わります。ニコチン酸の主な働きは、血液中の遊離脂肪酸の濃度を下げること。そのため、継続的な摂取は脂質異常症や動脈硬化などの予防につながります。
このようにコーヒーの健康効果が次々と明らかになっていますが、一方で以前から言われているとおり、コーヒーには「弊害」もあります。
先ほど「コーヒーは1日3~4杯が適量」と紹介しましたが、これを超える量を飲んでしまうと、カフェインが血液の生成を阻害するなどして、体内の各器官に疾患リスクが高まるという報告があります。特に心臓疾患、脳血管疾患、呼吸器疾患が心配な方は注意する必要があります。
適量を守っていても、落とし穴が
コーヒーの飲み過ぎは精神面にも悪影響を及ぼします。カフェイン依存症は胃痛や吐き気だけでなく、不安、不眠、ひいては幻覚、幻聴に発展することもあるのです。
また、妊婦の方は、カフェインを摂り過ぎることで流産や早産、低出生体重児、発達障害のリスクが高まるとされています。摂取量が1日200mgを超えないよう、1~2杯に留めておくか、ノンカフェインのコーヒーを飲むようにしましょう。
そして忘れてはいけないのが、妊娠中の方以外でも、たとえ目安の3~4杯に摂取量を抑えていても健康を害する場合があるということ。コーヒーの健康効果の報告は、いずれもブラックコーヒーを調査対象としています。毎回砂糖をたっぷり入れていたりすれば、当然健康効果どころの話ではなく、糖尿病やメタボを引き起こす原因になりかねません。
とはいえ、砂糖を入れなきゃ苦くて飲めない……という方も多いことでしょう。そこで今回は、コーヒーの苦味をまろやかにしてくれるコンビニアイテムをご紹介。健康効果を手に入れつつ、オフィスでのコーヒータイムを楽しんでみましょう。
〈みわ子流、コーヒーにプラスワンすべきコンビニアイテム!〉
・はちみつ
甘くして飲んでいるという方は、砂糖をはちみつにチェンジしてみましょう。
はちみつは砂糖よりカロリーが低いうえ、「幸せホルモン」と言われるセロトニンの分泌を促すなどリラックス効果も抜群。カフェインとの相乗効果で、落ち着いた気分で仕事が進められるでしょう。
・牛乳、豆乳、アーモンドミルクなど
店頭でカフェラテをオーダーするのもよし、ご自分で淹れて牛乳、豆乳、アーモンドミルクを足すのもよし。砂糖なしでもまろやかにコーヒーが味わえるうえ、3点ともカルシウムを補えます。
・ココナッツオイル
ブームから少し時間が経ち、最近ではコンビニでも買えるようになりました。カップ1杯のコーヒーにティースプーン1杯程度を溶かすのが適量。
ココナッツオイルに含まれる中鎖脂肪酸は体内ですぐに燃焼して、体脂肪を燃やし、血管に詰まった脂質を溶かし出してくれます。牛乳や豆乳と混ぜても美味しくいただけます。
・黒砂糖、てんさい糖、ラカント
店舗によっては、腸の動きを活発にするオリゴ糖やミネラルが含まれる黒砂糖・てんさい糖が見つかります。ラカントはカロリーゼロの天然甘味料。この3つの甘味料ならコーヒーの健康効果を邪魔することなく、甘味も楽しめるでしょう。
朝の通勤時や仕事の合間に飲むコーヒーは、気分転換や眠気覚まし、集中力アップに必須アイテムという方は多いでしょう。コーヒーと上手に付き合い、さらに健康効果を高められれば、言うことなしですね!
[東洋経済ONLINE]
Posted by nob : 2016年03月16日 15:27
不倫、、、想像力と思い遣りの心の欠落。。。
相手の立場に我が身を置く想像力
自分がされたら嫌なことは相手にもしない
ただ想い続けていればいいじゃない
愛をエゴに変えてしまわないように
Posted by nob : 2016年03月15日 14:52
また旅立つ君へVol.108/旅の途中で。。。
居るべき場所に居ることが
必ずしも幸せなわけではない。。。
Posted by nob : 2016年03月14日 15:48
歯と歯茎のケアは身体づくりの礎。。。
■スペシャリストが明かす「歯のケア」新常識〜「口内フローラ」が健康に直結していた!
心筋梗塞、脳卒中にも効果あり
口の中に棲む多種多様な細菌。もしこの細菌たちのバランスが崩壊したら……待ち受けているのは恐ろしい病気の数々だった! 歯のスペシャリストたちだけが知る「口内フローラ」の秘密が明らかに。
菌が口から血管へ侵入する
「腸内フローラ」という言葉を近頃よく耳にする読者も多いはず。腸内細菌叢(そう)と呼ばれる多種多様な腸内細菌の集合体を指すもので、このバランスが悪くなると人間の体に様々な影響を及ぼすと、今注目を集めている。
だが、同じように細菌がたくさんいて、腸内以上に多くの病気と関連した場所があることは、あまり知られていない。
「体の中で唯一、日常的に細菌が体内に入り込む場所、それは口の中です。口内にある無数の細菌がバランスよく保たれた環境、すなわち『口内フローラ』の維持が何よりも健康の近道なのです」
こう指摘するのは、鶴見大学歯学部探索歯学講座の花田信弘教授だ。
口の中には約1000億個の細菌が棲んでいる。そのうち、歯が生える前の新生児期や乳児期から棲みついている菌が優勢な状態にある、赤ちゃんと同じような口の中が、健全な「口内フローラ」といえる。花田教授が続ける。
「虫歯や歯周病を口腔内の問題でしかないと侮ってはいけません。腸内と違って、口の中は細菌が容易に血管へと侵入できるのです。これを『歯原性菌血症』と呼びますが、これが種々の病気の原因になるのです」
歯原性菌血症——聞き慣れない言葉だが、これこそが今、口内フローラを破壊する「元凶」として注目されている症状なのだ。
一般的に歯の悪化に起因する症状といえば、歯肉炎や骨髄炎など歯の周辺部が思い浮かぶ。ところが近年、それまで無関係と考えられてきた病気と、歯原性菌血症との因果関係が認められ始めている。
「虫歯や歯周病などによって口腔内にできた傷口から侵入した細菌が、そのまま血管に入り込み、全身を巡ります。すると気づかぬ間に血管で炎症が起きて、動脈硬化を引き起こします。口の中から侵入した細菌が心臓の血管で血栓をつくると心筋梗塞が、脳なら脳卒中が起こってしまう、というわけです」(花田教授)
歯原性菌血症は命の危機にまで及ぶ。そのメカニズムはこうだ。
血管内に侵入した細菌が炎症を起こす。そこに血管を修復しようとやってきたLDLコレステロールが、活性酸素によって酸化し、悪玉コレステロールに変化。すると今度はそれを除去しようと、細菌を消化する能力をもつ細胞のマクロファージが集まってくる。
そうして凝集したマクロファージが死んで堆積すると、血栓がつくられる。結果的に、多くの病気の原因となる動脈硬化をもたらすのだ。
歯と認知症の密接な関係
そうはいっても、細菌が体内に侵入するのは何も口だけではないはず。たとえば冒頭で説明した腸内で同様の症状が起きることはないのだろうか。
結論から先に言うと、それはほぼない。口から入った細菌が腸とは比較にならないほど危険だと断言できるのには、れっきとした理由があるのだ。
「確かに腸内の血管に細菌が侵入することはまれにあります。しかし、侵入したとしても必ず肝臓に続く門脈という栄養分の通り道に合流するため、肝臓に運ばれた細菌は解毒されてしまうんです。だからそれほど心配する必要はありません。
一方、口の中から細菌が侵入する場合はこの門脈は通りません。したがって解毒されることもなく、直接体内へと運ばれてしまいます」(花田教授)
これだけでも十分恐ろしい歯原性菌血症だが、その影響は動脈硬化だけにとどまらない。なんと細胞内のがん抑制遺伝子の機能にも影響を与えるというのだ。
「これまでがんという病は発がん性物質や紫外線、ウイルスなどが原因で、細胞内の遺伝子に欠損・変異が起こり、がん化すると考えられてきました。ところが、歯原性菌血症による血管内の慢性的な炎症でも、細胞内の遺伝子が後天的変化を起こし、がん抑制遺伝子が機能を停止し、細胞のがん化が進行することが近年わかったのです」(花田教授)
こうした恐ろしい歯原性菌血症の大本にあるのが歯周病だが、その歯周病自体がどうやらアルツハイマー型認知症とも関係があるようなのだ。
波多野歯科医院の波多野尚樹院長が解説する。
「ものを噛むという行為は顔や頭の筋肉を動かしますが、これがポンプの役割となって脳に大量の血液を供給し、活性化させます。もし、歯周病などで歯がなくなってしまうとその働き自体が失われてしまい、アルツハイマー型認知症を促すとされています。
名古屋大学の研究グループがおこなった調査では、70歳後半の健康な高齢者の歯の本数は平均9本だったのに対し、アルツハイマー型認知症患者の歯の本数は平均3本という結果が出ています。加えて認知症の脳にたまるアミロイドβの増加も同様の研究で確認されています」
咀嚼による刺激が脳の劣化を防ぐということはすでに言われてきたことだが、口内フローラが保たれていないと認知症に直結してしまうリスクが生じるわけである。
唾液は副作用のない万能薬
口腔内細菌の増殖を許すことがいかに危険か分かっていただけただろうか。
それではどうすれば増殖を阻止できるのか。ここで威力を発揮するのが唾液である。竹屋町森歯科クリニックの森昭院長も唾液の重要性を示している。
「唾液は、副作用のない唯一の万能薬だと私は断言します。唾液には殺菌効果があり、口内環境を正常に保つのに大きな役割を果たします。この唾液が少ない状態、つまり口の中が乾燥してしまうと、細菌が増殖して虫歯や歯周病が起こりやすくなってしまうのです」
日頃から唾液について意識することは少ないだろうが、生活習慣によって唾液量は大きく変わってくる。唾液を増やす方法を森昭院長が教えてくれた。
「現代人の中には、軟らかい料理の増加による顎の筋力の低下や、運動不足に起因する肥満の影響などで、口呼吸を行う方が増えています。ところが、この口呼吸が唾液量を減少させる原因なのです。
そこでふだんからきっちり口を閉じ、深い呼吸を意識することで鼻呼吸をしましょう。また、唾液が出るためには副交感神経を活発化させることも大切です。入浴時には熱いお湯ではなく、38度くらいのぬるめのお湯に半身浴で浸かることをおススメします」
意外な習慣が唾液を少なくさせていることもある。スマートフォンを操作する姿勢もその一つだ。
「スマホをいじっているときは、うつむき加減でじっとしていますよね。こうすると唾液腺の出口が圧迫されて、唾液が出にくくなってしまいます。メールやゲームに集中していると、緩い過緊張状態に陥り、交感神経が優位になって、さらに唾液が出にくくなるんです」(中城歯科医院の中城基雄院長)
食事の習慣を変えるだけでも、口内の悪玉細菌を減らすことは十分に可能だ。その方法とは糖質中心に偏っている食生活から脱却することにある。
「砂糖などの糖類が虫歯といった歯の病気に影響すると考えがちですが、それは小児期まで。成人以降はむしろ白米の主要成分であるデンプンなどの多糖類も歯に悪い影響を与えます。
多糖類は加熱された状態で口腔内に入ると、唾液により麦芽糖に分解されますが、これが悪玉細菌にとっては絶好のエサになります。白米に加えて、雑穀米や未精製の玄米などを積極的に取り入れてください」(前出の花田教授)
白米を我慢するのは辛いという人は、食べた後こまめに歯みがきしたほうがよさそうだ。
最先端の口腔ケア
では、その歯みがきの方法だが、正しくみがくかどうかで口内フローラの状態はまるで異なってくる。
ポイントとなるのは歯の表裏だけではなく、左右、つまり「歯のすき間」も加えた4面をきちんと磨くこと(上図参照)。歯ブラシでは磨けない歯のすき間には歯間ブラシやデンタルフロスが必須になってくる。
歯だけでなく、舌にも細菌は潜んでいる。特に舌の表面に付着した「舌苔」と呼ばれる汚れも歯ブラシで掃除する習慣をつけることも忘れずに。
正しい歯みがきの仕方を覚えたら、タイミングにも気を付けよう。
「歯みがきのタイミングですが、極端に言えば磨けるときに何度でも磨くべきです。必ず食後に磨かなくてはいけないわけではありません。大切なのは菌の数を減らすことなので、食前でも構いません。歯茎から血が出ても菌の除去のため、血が出なくなるまで磨きます。
ただし就寝前には必ず磨いてください。就寝中は菌が増えますから、その前にできるだけ菌を減らしておくのが重要になります」(前出の波多野院長)
最後に最新の口腔ケアを紹介しよう。それが「3DS」(「デンタル・ドラッグ・デリバリー・システム」の略)という治療法だ。開発者でもある前出の花田教授はこう解説する。
「毎朝、歯みがきのかわりに、歯型をとって作ったマウスピースに殺菌消毒薬を塗布して5分間装着してもらう方法です。この3DSで連日歯の表面を除菌していくことで、虫歯菌も歯周病菌も取り除くことが可能になります。また除菌効果は、一般的な歯みがきの数倍長持ち。前述の歯原性菌血症の予防にも絶大な効果を発揮しますよ」
健康保険はまだ使えないため、歯のクリーニングとマウスピースの作製および各種検査で、合計費用はやや高めのおよそ10万円程度。現在全国約200ヵ所での受診が可能となっている。
口内フローラを健康に保つことが全身の病気予防になる。誰もが知りたかった長生きの秘訣は、「歯」にも隠されていたのだ。
[現代ビジネス]
Posted by nob : 2016年03月14日 15:24
遅すぎる!(怒)直ちに!!
■原発事故とがんの関係「解明を」 - 国際学会、政府と県に
東京電力福島第1原発事故の健康影響を調べる福島県の県民健康調査に関連し、米国に事務局を置く国際環境疫学会が日本政府や同県に、原発事故とがんの関係を解明するよう求める書簡を出していたことが7日までに分かった。書簡は1月22日付。
学会には約60カ国の研究者が参加。昨年10月、岡山大の津田敏秀教授が「福島県の子どもの甲状腺がん発症率は日本全体と比べ、12倍以上」などとする分析結果を学会誌に発表。書簡では「リスクが従来の推定よりはるかに高いことを示す科学的証拠を憂慮している」とした。
住民の健康を記録・追跡調査し、原発事故によるリスクを評価するよう求めた。
[共同通信]
Posted by nob : 2016年03月07日 17:41
今さらですが、、、Vol.4/自律神経についてVol.3
■心も体もよい状態にシフトできる。自律神経の調整方法(おうち編)
だるい、寝付きが悪い、朝起きられない......。こんな症状はありませんか? 単なる疲労と片付けないで。ひょっとしたら自律神経が乱れているせいで起きている不調かもしれません。詳しいお話を自律神経研究の第一人者である小林弘幸先生に伺いました。
「#1 自律神経とはどんな働きをする神経なの?」、「#2 自律神経の調整方法(オフィス編)」に続く今回は「自律神経の調整方法(おうち編)」をご紹介します。
●過去や未来に想いを馳せる「3行日記」でチャージ
「3行日記」でストレスを客観視する
自律神経の働きについては、#1でご紹介しましたが、交感神経が優位になることがイライラにつながります。
心の状態を文章にして客観的に見つめることで、スーッと冷静になることができるのだそう。このとき、気をつけるポイントは、自分を偽ってきれい事ばかり書かないこと。日記の中まで自分を作っていると精神的にキツくなります。少し言葉が汚くなっても構わないので、正直にストレスを書き出してみましょう。
「3行日記」を続けるコツ
「3行日記」のつけ方はとても簡単。下記の3つを簡潔に書くだけです。
(1)今日1日失敗したこと
(2)今日1日感動したこと
(3)明日の目標
実際に「3行日記」を続けている小林先生に続けるコツと活用方法を伺いました。
「日記は継続しなくてはならないのでプレッシャーに感じてしまうかもしれませんが、忘れた場合は次の日にまとめて書いても構いません。あまり難しく考えずに、気軽に書いてみましょう」
「毎日書かなきゃ」と考えると億劫ですが、次の日にまとめて書いてもいいやと思うと気持ちが楽ですね!
「私は3年間継続して書ける日記帳を使っています。時折読み返して、自分の状態を確認できますよ。どれだけ成長したか確認できるので便利です」
折に触れ読み返せば、成功パターンや失敗パターンも見えて、自分を冷静に分析できますね。自律神経が整うだけでなく成長も実感できる3行日記。気軽にはじめられそうです。
●静かに自分を見つめる「瞑想」
最近話題の瞑想も、自律神経を整えるのに効果的です。眠る前や朝起きてすぐなど1日のうちで時間を決めて、3分間目を閉じてみてください。部屋の明かりを暗くして、静かに自分を見つめます。不思議と心が落ち着くはずです。
小林先生も眠る前に3分、目を閉じて1日のことを振り返るのを習慣にしているのだそうです。自分が実践しやすいタイミングで取り入れてみるのがよさそうです。
●ぬるめのお風呂にゆったり入るのが効果的
1日の終わりにお風呂につかるのも自律神経を整えるのによい方法です。39~40度のお湯をお風呂に張り、そのままじっくりと浸かります。お湯の量は、みぞおちがつかる程度の半身浴がよいそうです。
ぬるめのお湯は体の芯まで温めてくれるので全身ポカポカ。このとき軽いストレッチを取り入れると、さらに血行が良くなって◎。体が心地よく温まったらそのまま眠ります。きっといつもよりぐっすり眠れるはずです。
●無理は禁物、スポーツは楽しめる範囲で
スポーツも自律神経を整えるよい方法ですが、からだによいからといって無理にはじめないのが続けるコツ。
「どんなことでも「〜しなければならない」と思いはじめると辛くなります。自分が心地よいと思える範囲で好きなスポーツを楽しんでください」と小林先生。
●自律神経を整える「音楽」を聞く
人間の脳は、本能的に音楽を「快」と感じるようにプログラムされています。そのため、音楽を聞くことだけで自律神経も整うのだそう。「自分の好きな音楽をよく聞いている」という人は、心に余裕がある状態なんだとか。たしかに反対に不安や心配事があると、音楽を聞く気になれませんよね。
そんなときでも聞きやすいのが自律神経を整える音楽。小林弘幸先生の著書『聞くだけで自律神経が整うCDブック』(アスコム)には、自律神経を整えることを目的として作られた音楽CDがついています。ヒーリング音楽とは違い、自分の過去や未来に想いを馳せることができる音楽。このCDは気分をしみじみさせるメロディーラインをリフレインさせています。それにより、次に来るメロディーを予想できるので、脳内でも過去や未来のイメージを喚起する部分が刺激されるような作りになっているのだそう。
CDを聴くだけで、交感神経と副交感神経の動きが活発になり、自律神経のバランスが取れます。毎日の生活でちょっと空き時間ができたときや、就寝前、満員電車にイライラしたときなどに聞くのがおすすめなんだとか。
●1日の終わりにホッとできる習慣を
日記をつける、瞑想をする、半身浴をする、音楽を聞く。どれも1日の終わりにほんのすこし時間があればできることばかり。特別な道具も技術も必要ありません。全部やろうとするのは大変でも、目を閉じて3分じっとしてみるだけ、3行日記をつけるだけなど、少しずつならできそうな気がしませんか?
夜はインターネットやテレビをついダラダラと見てしまいがちですが、ときには早めに切り上げて、明日を充実させる準備をはじめることも重要です。日々のケアで自律神経の乱れを整えて元気を取り戻し、すこやかな毎日を送りたいですね。
お話を伺った方:順天堂大学医学部教授・小林弘幸先生
[MYLOHAS]
Posted by nob : 2016年03月07日 17:31
今さらですが、、、Vol.3/自律神経についてVol.2
■心も体もよい状態にシフトできる。自律神経の調整方法(オフィス編)
だるい、寝付きが悪い、朝起きられない......。こんな症状はありませんか? 単なる疲労と片付けないで。ひょっとしたら自律神経が乱れているせいで起きている不調かもしれません。詳しいお話を自律神経研究の第一人者である小林弘幸先生に伺いました。
自律神経の基本を伺った#1に続き、今回は「オフィスでできる自律神経の整え方と、ここぞというときの調整法」をご紹介します。
●切っても切れない間柄「呼吸」を味方につける
忙しく仕事をしていると呼吸が乱れてくる、ということがありませんか? 呼吸が乱れると自律神経も乱れます。しかし、ゆっくり呼吸をすれば、自律神経は整うというのです。
小林先生のおすすめは、「1対2の呼吸」。
「ゆっくり息を吸ったら、その倍の時間をかけてゆっくり息を吐いていくだけです。このとき、口からでも鼻からでも良いのであまり気にせず、リラックスをして行うことが重要です」
呼吸を整えるのは、乱れた自律神経を整える最も手っ取り早い方法。ちょっとした隙間時間に試せます。
●仕事や家事もゆっくりとした動作で
仕事や家事をするとき、時間がないと急いでいるとついつい動作が荒っぽくなってします。そんなときは、意識的にゆっくりとした動作に切り替えてみます。動作同様、喋り方もゆっくりにすると、自分のベースが整い呼吸も穏やかに。また、少し立ち止まって深呼吸をするのも効果的だそうです。
●イライラしたらタッピングで自分を取り戻す
机の上などトントンと一定のリズムで叩くタッピングも◎。イライラしてきたら、片手でタッピングをしてみましょう。これなら、仕事や家事をしながらでもできるのでお手軽ですね。
●無理して苦手な人と付き合わない
誰でも、苦手な上司や同僚は少なからずいるもの。仕事でのやり取りは社会人として必要なことですが、飲み会やランチの時間まで無理してお付き合いしていませんか? 苦手な人となるべく付き合わないのも自律神経を整えるのには重要なことです。
一方、友人とのお付き合いなら安心と、馴れ合いでダラダラ会ったりしていませんか? いくら好きな人でも目的もなく会うと逆に疲れて自律神経を乱してしまうのだそうです。
「時間を自分のために使う」「会いたいと思わなければ付き合わない」というのも大切なこと。心当たりのある人は、気をつけてください。
●「ここぞ!」というときの調整法
「明日はプレゼン」「会議で発表しなくてはいけない」など、「ここぞ!」という時の調整法を小林先生に伺いました。
「そういう特別な場では、『意識を変える』ことが緊張を解きほぐします。たとえば、その部屋にある時計を探すなど
一旦意識を変えることで呼吸が深くなります」
小林先生も、「ここぞ!」という時に実践されている方法なのだそう。ぜひ参考にしてみてください。
●自律神経の乱れは日々の積み重ねでリカバリー
「自律神経を整える」と聞くと、特別なトレーニングが必要と感じていましたが、じつは手軽な方法で整えられることがわかりました。毎日意識して、ちょっとだけゆっくり動いてみる。会社の休憩中に深呼吸をしてみる。など、ほんの少し心がけるだけで効果があるようです。
どれも本来の自分の力を呼び戻せる手軽な方法。いまから少しずつ実践してみてはいかがでしょうか?
お話を伺った方:順天堂大学医学部教授・小林弘幸先生
[MYLOHAS]
Posted by nob : 2016年03月07日 17:25
今さらですが、、、Vol.2/自律神経について
■目指すは心も体も心地よい私。自律神経研究の第一人者小林ドクターに聞く自律神経の整え方
だるい、寝付きが悪い、朝起きられない。こんな症状に悩まされている人は要注意。単なる疲れではないかもしれません。
最近、私も同じような症状が気になり、興味を持って調べたら「自律神経の乱れ」が招く体の不調にあてはまり......。でも、自律神経について何も知りません。そこで自律神経研究の第一人者である小林弘幸先生にお話を伺いました。
今回は、自律神経についての基本的な疑問に答えていただきました。
●自律神経の働きとは?
最近、自律神経という言葉をよく耳にしますが、どんな働きをする神経なのかわからない人も多いのでは? そもそ自律神経とはどんな働きをしているのでしょうか?
「自律神経は、心臓や腸、胃、血管などの臓器を24時間休まずコントロールしている神経です。交感神経と副交感神経という2つの神経が、綱引きのように両サイドから影響しあって臓器の動きを調整しています。
たとえば血管の動きですと、交感神経が血管を収縮して心拍数や血圧を上げます。一方、副交感神経は血管を拡張させて心拍数や血圧を下げます。このような反対の役割を持つ2つの神経がうまくバランスをとりながら、ちょうど良い心拍数と血圧に調整しているのです」
●交感神経はアクセル、副交感神経はブレーキ
自律神経は交感神経と副交感神経の2つが影響しあってうまく、臓器をコントロールしているのだということがわかりました。では、どのような状態が良いバランスなのでしょうか?
「交感神経はアクセル、副交感神経はブレーキのような役割をしています。緊張する場面では交感神経が優位になり、夜間などゆったりした場面では副交感神経が優位になります。両方のバランスが高いレベルでキープされているのがベストな状態です。日中は交感神経が、夜間は副交感神経が少し高くなるぐらいが理想です」
●自律神経のバランスが崩れると起こる症状
緊張するシーンが多い現代人は、交感神経が高い状態が続き、副交感神経の機能を落としバランスを崩してしまいがち。このような悪い状態が続くと以下のような症状が出てきます。
・冷え
・疲労感
・むくみ
・イライラ
・肌荒れ(ニキビ、吹き出物、カサカサ肌)
・自律神経失調症
さらに私たち30~40代の女性は、めまいや火照りなど更年期障害に近い症状が出てしまうこともあるそうです。
●うつと自律神経失調症は違うの?
自律神経の乱れが原因で起こる自律神経失調症と、最近メディアでよく取り上げられるうつ病。この2つの病気には関連があるのでしょうか?
「全くの別物ではありません。自律神経失調症はあらゆる不調の前兆です。放っておくと、うつに繋がる可能性も大いにありますよ。サインは、朝起きられない、慢性的な体調不良など。冷え性も自律神経失調症の前触れです」
朝ベッドから起き上がれない人は要注意ですね。
●自律神経はセルフコントロールできる
自律神経を整えるにはどのようにすれば良いのでしょうか? また、自分でコントロールできるのでしょうか?
「生活を見直し、自律神経のバランスを整える習慣を身につければ自律神経はコントロールできます」と小林先生。
お話を伺った方:順天堂大学医学部教授・小林弘幸先生
[MYLOHAS]
Posted by nob : 2016年03月07日 16:17
今さらですが、、、/耳揉み、効きます。。。
■耳マッサージで体ぽかぽか!花粉症にも効くその効果
耳には沢山のツボがあり、耳全体を軽く揉みほぐしてマッサージをするだけで、体が温まるといわれています。しかし本当は体が温まるだけではなく、ダイエットや肩こり、花粉症までも効果が期待できるのだとか。具体的な方法と、どんな効果があるのかをまとめます。
●耳が硬いのはお疲れのサイン?
普段あまりマジマジと触る機会がない耳ですが、実は耳にはツボがたくさんあり、耳をもむだけでもいろんな効果が期待できます。ものは試しで自分の両耳を触ってみてください。もし冷たかったり、固いと感じたときは疲れがたまっているかもしれません。
●マッサージ方法
耳マッサージの方法は簡単! 耳全体を軽くもみほぐしてから耳をぐるぐる回すだけ。耳を包むようにやさしく触りながら、気持ちよい、と思うところを指で強く押していきましょう。すぐに、体がぽかぽかしてきたと感じられるはず。これは耳には110ものツボが集まっているそうで、耳への刺激はツボを通じて内臓に伝わり、体全体を活性化してくれるのだとか。
●耳マッサージの効果
耳マッサージは体が温かくなるだけではありません。その効果はダイエットや肩こり腰痛の改善、肌荒れや小顔効果、冷え性対策に目の疲れ、胃もたれや花粉症対策まで耳のツボを刺激することで効果を得られるそうです。それぞれの効果を最大限に得るためには、具体的に効果のあるツボの位置を調べて、そこを重点的に刺激するのが一番ですが、なんとなく耳のあちこちを押してみて、気持ちの良い場所を重点的に刺激するだけでも効果を期待できるでしょう。そして大事なのは続けること。3週間くらいから効果を実感しやすくなってくるので、飽きずに続けることが大事ですね。
●恋愛運も向上?
そんなバカな…と思うかもしれませんが、耳マッサージはデートの前にも最適です。耳マッサージを行うと、全身がぽかぽかしてきて代謝がよくなり、それにしたがって顔色もよくなります。そして耳もほんのり赤くなるのですが、人がドキドキしたり気分が高揚したときには、頬だけではなく耳たぶも赤くなります。このようなほのかに顔を赤らめた表情は、男性が本能的に可愛いと思う表情であり、思いがけず男性にもててしまうこともあるかも?
耳をもんだり押すだけで、びっくりするほど沢山の効果が期待できる耳マッサージ。これからの季節、冷え性などもつらくなるので、耳マッサージでこの冬を乗り切ってみてはいかがでしょうか?
(文・姉崎マリオ/考務店)
[R25]
Posted by nob : 2016年03月07日 16:06
パニック発症前には、肩甲骨から首、後頭部にかけての極端なこりが来ることから、私も自らの日常的な軽度首こりに着目してこのところ試行錯誤中です。。。
■原因不明の体の不調「不定愁訴」の原因は、ズバリ「首こり」だった
首のこりを解消して、全身の健康を取り戻す
首こりは「うつ症状」だけでなく、様々な体の不調をもたらす。ドライアイやめまい、胃の不調など、自律神経の変調から引き起こされる症状は驚くほど多い。いわゆる「不定愁訴」を改善させるためには、首のこりに着眼することが肝要だ。
監修:松井孝嘉・医学博士
(東京脳神経センター理事長)
構成:宇都宮ミゲル
不定愁訴は、広辞苑で調べると[明白な器質的疾患が見られないのに、さまざまな自覚症状を訴える状態]となっている。医学辞典(南山堂)をみても、[不定愁訴症候群はいわゆる自律神経失調症]と出ている。
そこで、同辞典で自律神経失調症を調べると[自律神経症状や不定の身体的愁訴が見られるが、十分な身体的検索を行っても症状を説明するに足る十分な器質的病変を見出せない全身倦怠、眩暈、のぼせ、冷え症、発汗、頭痛、頭重感、動悸、息切れ、胸部圧迫感、下痢、不眠など多彩であり、通常は複数の臓器、器官にまたがる多愁訴を示す。症状は質、程度とも変動しやすく、他覚的所見に比し自覚症状が強い]となっている。
「不定愁訴が今まで治せなかったのは、眼科、耳鼻科、消化器科、循環器科、整形外科、脳神経外科(神経内科)、精神科などのたくさんの症状が1人の患者さんに出現するので、どこの病院へ行っても受診した診療科だけの症状を少しやわらげる対症療法の薬を投与されるだけだったためです。体のどこに異常があって起こるのか分からないので、治すことができない難病でした。最近、多数の患者さんがいくつもの病院を訪れるのは、この難病が大きな原因の一つでした。世界中、どこの病院でも治せないのです。ところが、私の40年近い研究で不定愁訴の原因の一つは、首の筋肉にあることが分かったのです。首の筋肉は病気を起こさないというのが医学の常識だったのですが、これが誤りでした。今まで、治療法のなかった17疾患が首の筋肉が原因だと分かり治るようになったのです」(松井孝嘉医師、以下同)
「3年前の外来診療の日本の医療費は13兆5000億円でした。外来患者さんの4人に3人が不定愁訴のため、この医療費の4分の3が不定愁訴に使われたと考えられます。つまり、10兆1000億円が不定愁訴に使われたのです。これは国家予算の10%に当たります。そして、不定愁訴の治療法はないので、毎年10兆円以上をドブに捨てているのと同じだと言っても過言ではないのです。このほとんどが治せない不定愁訴の診療に関わった医師とナースの人件費と言えるでしょう。今の外来診療は、無駄ばかりと言われても仕方がない状態です」
首こりの解消できれいに消えていく、緊張性頭痛
うつ症状を感じる原因が、実は首こりにある。この事実にも驚くが、首こりはそのほかおよそ関係ないとも思える症状を多数、引き起こす元凶でもある。
「長年の研究と治療実績によって、首こりを原因とした主な体の不調は17にも及ぶことが分かってきました。これらは、今まで治すことができなかったか原因不明の病気であったのです。うつ症状をはじめ、慢性疲労症候群、頭痛やめまい、パニック障害、ドライアイ、ドライマウス、多汗症、血圧不安定症など、その原因が首にあることはまだほとんど知られていません。特にパニック障害は治らなかったケースがないほど完治しています」
頭痛には代表的なものに片頭痛、緊張型頭痛、群発性頭痛の3種類があり、このうち緊張型頭痛は慢性頭痛の7割を占めるとされている。松井医師によれば、緊張型頭痛の原因はズバリ、首こり。つまり頭痛持ちの7割程度は、首こりを解消することで治せるというのだ。
緊張型頭痛の典型的な症状は、頭がキリキリと締め付けられるように感じたり、頭が重い、圧迫感を感じる、額や目の奥に鈍痛を感じるといったものだ。松井医師の病院ではこれを「頸性頭痛」と呼び、首こりを治すことで症状を劇的に完治させているという。
「首の筋肉の触診で34カ所をチェックしていますが、毎週チェックしていると、この中のCP-1というポイントの異常が消えると頭痛が消失することが経験的に分かってきました。その部位を解剖学的に研究すると、頭痛を起こす原因の神経である大後頭神経(首の2番目の神経)が頭半棘筋という筋肉の中央を貫通しているところだと分かりました。頭半棘筋が異常を起こして、固くなり、大後頭神経を締め上げることが緊張型頭痛の起こるメカニズムであることが分かりました。このことは第38回日本頭痛学会に報告してあります」
長年、薬でだましだまし頭痛を抑えてきた患者でも、首こりを改善することできれいさっぱり頭痛を解消できた例は多いとか。だが残念ながら、緊張型頭痛であるにもかかわらず、薬だけで対処しようとする医師が多すぎると松井医師は嘆く。
「全国に頭痛専門外来がたくさんできていますが、薬で一時しのぎの治療しかできておりません。東京脳神経センターでは、緊張型頭痛はほとんど完治しております。物心ついてから30年も50年も頭痛持ちで頭痛薬を手放せなかった人が生まれて初めて完全に頭痛から解放されて、涙を流して喜んだというケースが多数あります」
目が乾く、目が疲れるといった症状も、首の不調が原因かも
液晶画面を長時間、眺めることで涙の量が減り、目が乾くというドライアイ。この症状にも首こりが深く関わっていると松井医師は指摘する。
「パソコンを眺め続けるとうつむき姿勢になり、首こりになりやすい。そのことで副交感神経の働きが悪くなり、涙の量をコントロールすることが難しくなるのです。瞳孔を収縮させるのは副交感神経ですから、目が疲れるとかぼやけるといった症状が起きます。普段、感じている目の不調が、実は首のこりからきているケースは非常に多いのです。ドライアイは頚筋症候群の治療で90%治癒しております」
我々は、目を酷使しているから異常をきたしたと思いがちだが、こうした症状の背景には多くの場合、頚筋の異常による副交感神経の不調がある。ドライアイだからといってすぐ眼科に駆け込むのではなく、首こりを疑う方が得策かもしれない。
「近年、増え続けているVDT(ヴィジュアル・ディスプレイ・ターミナル)症候群も新疾患として発表された頃は、ディスプレイから目に入る光が原因だと考えられていましたが、実は首こりが原因であることが分かったのです。でもVDT症候群は、パソコンの画面によって目が刺激されて生じるものだという誤解が広まってしまったため、VDT症候群だと診断されれば、目のリフレッシュを勧める眼科医も多いのです。もともと首こりが原因なので、目を休めたところで根本的な改善ができるわけがありません。治療すべきは首こりなのです」
何十年も悩み続けた症状が、1週間で完治する
「めまいに関しても、誤った治療が横行していると言えるでしょう。耳鼻科のドクターは30年前には、メニエール病かメニエール症候群と診断していました。メニエール病は内耳の異常で起こるのですが、数は非常に少ない。そのほかの数多くのめまいはメニエール病に似ているので全部メニエール症候群と診断していました。東京脳神経センターには、メニエール病という診断を受けた患者さんでイソバイドという頭蓋内の水分を少なくする薬を何年も飲まされているにもかかわらず、めまいが治らないという患者さんが多くやってきます。手術までしたけれども治らないという患者さんさえいる。ところが首の治療をしてみると、きれいさっぱりめまいが消えていくのです。耳鼻科の医師は頚の筋肉が原因のめまいが、いかに多いかを知らないのです」
体のあちらこちらに小さな不調を抱え続けているにもかかわらず、複数の病院を訪れても原因がわからないという患者は少なくない。いわゆる不定愁訴と診断されれば、効果的な治療がないと宣告されたも同然だ。
「どこの病院でも外来患者さんの4人に3人までが不定愁訴の患者さんです。でも首こりに着目すれば、不定愁訴は治すことができます。何十年も悩み続けた頭痛やめまい、うつ症状が、1週間で完治したというケースだって少なくない。首はそれだけ重要なのです」
日頃からうつむき姿勢を減らし、首を守る必要がある
たとえば過去、首のケガを経験したことで、何十年も経った後に不定愁訴が表れることもあるという。首こりについての知識がなければ、今、感じているうつ症状と、10年前のムチウチが関係しているとは、なかなか考えにくいだろう。こうした状況を打開するには、自ら熱心に情報収集するしか方法はない。
「様々な病気を診療するはずの総合病院には眼科、神経内科、脳外科、耳鼻科といった専門がそれぞれあるのに、それぞれを横断するような知識を持った医師がほとんどいません。ですから不定愁訴の患者はたらいまわしのような状態になり、どこで診てもらっても治らない。こうした医療のあり方も患者さんを不幸にしています。また、ムチウチは『頚筋症候群』の代表です。追突事故により首の筋肉の異常が起こり、副交感神経が働かなくなり、たくさんの複雑な症状が出るのです。『頚筋症候群』の治療をきっちりすることで、90%以上の人が事故前の状態に戻っています」
不定愁訴やうつ症状に悩まされる前に意識すべきは、長時間のうつむき姿勢を極力減らすこと。そして日頃から、首の筋肉を意識的に休めるといった行動が必要だ。さらに推奨されるのは、首の筋肉を少しでも鍛えるとか、首を冷えから守るといった対策を行うことだ。ほんの少しの意識で、無数の病気から身を守ることができるかもしれないのだ。
首こりから起こる17疾患(頚筋症候群の治療で治癒)
(1)頭痛(緊張型、一部片頭痛)
(2)めまい(頚筋性)
(3)自律神経失調症
(4)うつ(自律神経性)
(5)パニック障害
(6)ムチウチ
(7)更年期障害(難治性)
(8)慢性疲労症候群
(9)ドライアイ
(10)多汗症
(11)機能性胃腸症
(12)過敏性腸症候群
(13)血圧不安定症
(14)VDT症候群
(15)ドライマウス
(16)不眠症
(17)食道嚥下障害(機能性)
[nikkeiBPnet]
Posted by nob : 2016年03月02日 13:29
言わずもがな、、、拡散された放射性物質は30種類以上、検出されないことと存在しないことは似て対極的に非なるもの。。。
■<福島沖>セシウム基準超の魚 ほぼ0%
福島県沖で捕れる魚から、東京電力福島第1原発事故の影響とみられる放射性セシウムが国の食品基準値以上に検出される可能性はほぼ0%で非常に低いとする推計を、水産総合研究センターの岡村寛・資源管理グループ長らがまとめ、29日付の米科学アカデミー紀要電子版に発表した。
ただ、淡水魚のイワナや海の底にすむシロメバルなど福島県の魚の一部で基準値を超える可能性が比較的高いものもあった。
研究は、厚生労働省が公開した水産物中のセシウム134、137の検査結果を利用。2015年9月時点の状況を推定した。
福島県では、原発事故以降、1キログラム当たり100ベクレルの基準値を超える可能性は一貫して低下しており、「海の生物」「淡水の生物」とまとめて見た場合、ほぼ0%だった。
ただ、20ベクレルを超える可能性を見ると、海の生物はほぼ0%だが、淡水の生物は7.5%だった。川や湖にすむ生物は放射性セシウムを排出しにくいことが原因とみられる。
魚種別では、イワナは基準値を超える割合が1万匹に約8匹、シロメバルが千匹に約7匹と、他の種より頻度が高い計算になった。
[河北新報]
Posted by nob : 2016年03月02日 12:57
どれだけ同じ時間と空間をとおして同一の価値観を共有できるか、、、真の友人も生涯の伴侶や家族も、かけがえのない親密な関係づくりには、膨大な手間暇がかかります。。。
■「本当の友達」が0人…孤独を感じる大人の特徴が明らかに
「あなたには、本当の友達はいますか?」
こう聞かれて、素直に「はい」と答えられる人は何人いるのだろうか?
しらべぇ編集部では「本当の友達は0人だと思っている人」がいるのかを知るべく、アンケート調査を実施。友達の定義は、いったいどのようなものなのかと、深く考えさせられる結果になった。
■女性よりも男性の方が孤独を感じている
調査の結果、「本当の友達が0人だ」と答えた人はおよそ3割。約3人に1人はまったく友達がいないか、あるいは付き合いがあっても心の底から信頼しあっている関係ではないらしい。
男女別で見ると、女性よりも男性のほうが友達がいないと感じている人が多いようだ。
女性はよく「おしゃべりだ」と言われるが、おしゃべりの中から自然と人間関係を構築しているのかもしれない。男女年代別で見ても、すべての年代で女性より男性のほうが友達がいないと思っている割合が高いとわかる。
とくに40代、50代の男性で割合が高くなっているのが印象的だ。この年代は会社である程度のポジションがあり、周囲にたくさんの人がいるはずだが…。
仕事を通しての付き合いでは友達と呼べる関係を築くのは難しく、孤独を感じているのだとすれば悲しい話だ。
■草食系は恋人どころか友達を作るのも困難…?
最後に傾向別の特徴を見ると、納得のいく結果だった。
コミュニケーション力が高いと思っている人は、当然ながら友達作りもうまいようだ。一方、草食系な性格の人は、4割以上も友達が0人だと思っている。
草食系であれば、自分から積極的に人と絡むことも少なそう。人々の草食化が進むと結婚率が下がるだけでなく、友達さえできない割合が増えるようだ。
心から信頼の置ける友達を作るのは、簡単ではない。自分には友達がいないと深く悩んでいる人は、世の中の3人に1人は本当の友達がいないと思えば、少しは気持ちが楽になるのではないだろうか。
(文/しらべぇ編集部・ニャック)
【調査概要】
方法:インターネットリサーチ「Qzoo」
調査期間:2016年1月22日~2016年1月25日
対象:全国20代~60代の男女1,340名
[NEWSポストセブン]
Posted by nob : 2016年03月02日 10:57
またまた珈琲の話題(苦笑)、、、毎日いただいていますが、こうした効能を実感したことはないのですが。。。
■仕事、運動、セックスライフまで!コーヒーに秘められた素晴らしい効能
仕事をはじめる前や、ひと段落ついた時の休憩にコーヒーが欠かせないという人は多いだろう。もちろんコーヒーの効能は仕事面だけではない。時には億劫になる運動に対しても、コーヒーで“ヤル気”を起すことができるという。
■コーヒーを飲むと運動が億劫ではなくなる
年明けから早くも2か月が過ぎようとしているが、今年の抱負に運動不足の解消という目標を掲げた向きも少なくないのではないだろうか。しかしお正月太りが話題になる時期を過ぎた今、ちょっとばかりモチベーションが落ちてくることもあるだろう。マラソン大会出場などの目標が設定できれば日頃の運動の励みになるかもしれないが、忙しいビジネスパーソンにはそこまでのスケジュールの余裕がない人も多い。だがそんな向きにも嬉しい研究が先頃発表されている。ついつい億劫になりがちな日々の運動も、コーヒーを飲むと俄然ヤル気が沸き起こってくるというのだ。
英・ケント大学のスポーツ運動科学部が行なった研究によれば、スポーツの練習計画にコーヒーを有効活用できることが指摘されている。例えば新年の抱負などで、現在よりも運動量を増やそうと心に誓う人は多いのだが、残念ながらそのうちの大部分は6ヵ月以内に挫折してしまうということだ。しかしこの事態を避けるのにカフェインが有効に働くという。コーヒーを飲んでカフェインを摂取することで、「身体を動かすこと=億劫なこと」という認識が薄れてくるというのである。
必要に迫られない運動を億劫と感じることは、なるべく“省エネ”状態を保とうする人体にとってはごく自然であり、我々は本質的に怠惰な存在であるとも言える。しかし英・ケント大学のサミュエル・マルコラ教授によれば、カフェインによって運動が努力を伴うものであるという認識が薄らぎ、むしろ身体を動かしたい気分にもなるという。つまりコーヒーが、エンジンのスターターのような役割を果たすのである。運動に限らず特に寒い時期などは身体を動かすのが面倒に感じられることもあるだろうが、やはりそういう時は一杯のコーヒーがまるで“気付け薬”になることを覚えておいても良さそうだ。
しかし今回の研究では、コーヒーがスターターになるのは今のところ日頃から運動や肉体労働をしている人々のみに適用されるということで、机に向かう時間が長い人々にも同じような効果を及ぼすかどうかが判明するのは今後の研究次第であるという。しかしコーヒー好きにとっては、運動をするしないに関わらずコーヒーブレイクが気分をリフレッシュしヤル気を復活させてくれるものであることは周知の事実ではないだろうか。仕事に運動にと、様々な局面でコーヒーをうまく活用していきたいものだ。
■コーヒー好きはストレスに強いことが科学的に判明
このように人をヤル気にさせるなど、コーヒーには様々なポジティブな効能があるのだが、どうしてカフェインがこのような働きを見せるのか、実はこれまであまりよくわかっていなかった。しかし最新の研究によって、コーヒーが身体に影響を及ぼすメカニズムが解明されつつある。その秘密はアデノシンにあるということだ。
細胞の中にあるアデノシン受容体と体内で分泌される化学物質のアデノシンは、お互いに結びつくことで細胞間の情報伝達を行なっているのだが、その中でも興奮や覚醒状態を制御しているのがアデノシンA2a受容体である。このアデノシンA2a受容体にアデノシンが結びつくことで、平静時の人間はあまり興奮することなく過ごすことができるのだが、アデノシンの代わりにカフェインもこのアデノシンA2a受容体と結びつくことができることがわかってきているのだ。ということは、カフェインを摂取することで普段は抑えられている興奮状態や覚醒状態が遮られることなく身体に現れてくるということになる。これによって血圧が上昇して代謝が促進され、眠気覚ましや疲労感の軽減、計算や記憶の効率化などにつながるのだ。
ポルトガル、アメリカ、ブラジルの研究者たちが合同で行なった研究では、マウスを使った実験が行なわれている。マウスを2グループに分け、一方のグループには飲み水にカフェインを混ぜて日常的に摂取させ、まさにコーヒー好きの人間のような状態にしたのである。このグループのマウスにカフェインを与え続けて3週間が過ぎた後、両方のグループのマウスを同一条件の劣悪な環境下に置いたという。その環境とは例えば湿った寝床、傾いた床、狭い空間での共同生活、食糧と水の欠乏といった条件だ。マウスにとってみれば突然“ストレス”が襲ってきたことになるが、カフェインを摂取していないグループのマウスは寝場所を移動するなどそれまでの行動様式を変化させた一方、カフェインを摂取していたマウスは特にこれまでと変わった様子を見せなかったという。つまり、カフェインを摂取していたマウスはよりストレスに強くなっていることが確認されたのである。
この研究によって、カフェイン摂取とストレスへの耐性には因果関係があることが証明されたと、ポルトガル・コインブラ大学のロドリゴ・クンハ准教授は主張している。眠気防止や疲労の軽減、頭脳の明晰化のほかにも、クンハ准教授によればカフェインにはうつ的な気分を遠ざける働きもあるということだ。ただし誤解してはいけないのは、カフェインの摂取で本来持っている能力が向上するわけではなく、眠気など能力を低減させる要素を取り除く働きをしているということだ。そしてもちろん、就寝前にはカフェイン摂取を避けるなどの配慮も必要である。
今回の実験はマウスを使ったものだけだったが、近い将来には人体を使った実験でより詳細なカフェインの“効能”が研究されることになるということだ。コーヒー好きにとっては、1日のカップ数がますます増えてしまいそうな話題が続いている。
■コーヒーを飲んでいる者はEDになり難い
あらためてコーヒーの素晴らしさを確認させられる話題が続いたが、男性にとってはさらに喜ばしき研究も報告されている。日常的にコーヒーを飲むことは、男性機能の向上、維持に多大な貢献をしているというのである。
昨年に米・テキサス大学健康科学センター・ヒューストン校の研究チームが実施した調査によれば、日常的にコーヒーを摂取することと、男性器の機能には関係性があることが発見された。コーヒーを愛飲している男性には嬉しい話題ではないだろうか。
調査で判明したのは、20歳以上の男性で1日に2、3杯以上のコーヒーを飲んでいる者は、まったくコーヒーを飲まない者よりもED(勃起不全)になり難いというということだ。この傾向は体重が重い男性のグループで特に顕著であるという。オーバーウェイト気味の男性はもちろんダイエットを意識すべきであるが、ひとまずはコーヒー(砂糖無し)を飲むことでいろいろな恩恵を受けられることになる。
研究論文の共同執筆者であるワン・ラン博士によれば、実はコーヒーはED治療薬である「バイアグラ」と同じ効能があるという。コーヒーのカフェインが動脈を弛緩させて血流の流れを良くし、男性器の勃起を手助けするということだ。
もちろんカフェインの摂り過ぎや糖分には注意しなければならないが、コーヒーの効能は仕事から運動、セックスライフにいたるまで日々の生活の中で多岐に及ぶものであったのだ。いろんな局面で“コーヒーブレイク”のちょっとした時間を活用していきたいものだ。
文/仲田しんじ
[@DIME]
Posted by nob : 2016年03月02日 10:46
10年生存率データ、、、二人に一人、貴方か私、癌は誰にも身近な病です。。。
■がんの10年生存率を読む
長期戦か短期決戦かで生活設計を
がん診療、研究を実施する国公立病院など32施設が加盟する全国がん(成人病)センター協議会(全がん協)が28種類のがんの10年生存率を公表した。
1999~2002年に診断と治療を受けた約3万5000例のデータで、これだけ大規模な情報公開はわが国では初めて。
それによると、全臓器・全ステージ(病期)の10年生存率は58.2%だった。臓器別では甲状腺がんの90.9%に続き、前立腺がん84.4%、子宮体がん83.1%、乳がん80.4%と続く。
このところ増加傾向の大腸がんの10年生存率は69.8%、がん死因トップの肺がんはぐっと下がって33.2%、ワースト1位は膵がんの4.9%だった。
データを利用する際は、全病期を丸めた生存率を鵜呑みにするのではなく、病期別のデータを参考にする必要がある。病期が1期の「早期」と4期の「進行・末期」とでは条件が違い過ぎるからだ。
実際に経過途中の5年生存率を見ると、前立腺がんの場合1~3期は100%だが、4期では5年生存率でも54.5%まで下がる。
前立腺がんは治療の選択肢が多いこともあり、他の臓器や骨への転移が深刻ではない限り「手を替え、品を替え」余命を引き延ばすことが可能だ。言い換えれば「転移」を抑える長期戦に耐える覚悟が必要だということ。
一方、肺がんの5年生存率は、全病期を通じて39.5%。1期は77.9%と8割近いが、4期になると5.6%と衝撃的な数値が出てくる。しかも病期が進むほど治療開始1、2年目の生存率ががくっと落ちる。早期発見の重要性は言うまでもないが、短期決戦で濃厚な治療を覚悟すべきだろう。
逆に女性の乳がんは10年生存率でも8割以上と高いが、ジワジワと低下し続けるのが特徴。一般に治癒の目安といわれる5年を過ぎても再発・転移の可能性があり、10年、20年はがんと付き合う心構えと経済計画が必要だ。
なにせ、2人に1人ががんにかかる時代。このデータはいたずらに余命に怯えるのではなく、がん発症を織り込んだ生活設計を立てる際の参考にしたい。
(取材・構成/医学ライター・井手ゆきえ)
[DIAMOND男の健康]
Posted by nob : 2016年03月02日 10:38