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健康増進維持管理は、最もクリエイティブかつバリュアブルなライフワーク。。。

■健康を長続きさせるのに最適な5つのモチベーション

健康に対するモチベーションは不意にやってきて、すっと消えてしまいます。もしも皆さんのモチベーションが目標に達するまで続かないのだとしたら、他の人たちはどうやっているのでしょう?

まず初めに、人生のあらゆることと同様に健康な体作りとは学習である、ということを理解してください。次に、自分のモチベーションが何処にあるのかをはっきりさせることで、必要なときにモチベーションを得られるようになります。ブログ・Zen HabitsのLeo Babauta氏は、新たなスキルを習得するのに最善のモチベーションとして5つの指標を挙げています。これを少しアレンジして、健康増進に当てはめてみました。こちらです。

好奇心:

皆さんの中には、純粋に、より健康で強い体を作るための方法を知りたいという気持ちがあるはずです。大切なのは、何をすれば快適で、活動しやすく、快食・快眠ができ、そしてより良く生きることができるのかを問いながらこの好奇心に付き合うことです。たとえば、新しい方法やコツを学ぶとき、それをいきなり鵜呑みにするのは避けたいと思ったり、自分のライフスタイルや好みに合うかどうか試してみるだけにしたいと思ってもよいのです。

新しいものへの探究心:

Leo氏は、これは好奇心と関係があると述べています。楽しく視野を広げることで、エクササイズや行動そのものの中に楽しみを見つけ、うんざりするようなルーチンをいきいきと活気づかせることができます。「文句はやってみてから言うもんだ!」とはこのことです。

誰かと一緒にやってみる:

仲良く競争しましょう。もっと重要なのは、仲間に対して責任感をもつことです。Leo氏はこう付け加えています。「...自分自身のために何かをすることもすばらしい目標ではありますが、誰かのためにするというのはまた、大きなモチベーションになるのです。」

健康について深く考える:

たいていの人が気にしているのは、おそらく全体的な健康を向上させることでしょう。それは良いモチベーションですが、長続きしにくいものです。より健康的になるために、なぜそうなりたいのか、繰り返し自分自身に問いかけて、本当の理由にたどりつくまで掘り下げてみましょう。たとえば、「体重を5キロ落としたい」と言う代わりに、なぜ5キロ落としたいのかと問いかけるのです。きっと、容姿を良くしたいからでしょう。それなら、なぜ容姿を良くしたいのか問いかけ、いちばん大きな「理由」にたどりつくまで質問を繰り返していきます。

難しいことにも取り組める自分であることを証明する:

難しい課題には心が折れるものです。Leo氏はこう述べています。

長年、私は学ぶことが難しくなると、諦めてしまいました。しかし、難しくなってからが、真に学べるものなのです――難しいことをやり通そうとするとき、そして、失敗してもうやめたいと思っているようなとき。私たちはやっかいな場所に身を置くことで学ぶのです。

もし、毎回諦めてしまっていたら、決してものごとを深くまで学ぶことはできないでしょう。したがって、最近の私にとって最善のモチベーションは、自分が難しい学びにも粘り強く挑戦できると自分に証明することです。今のところ、私は正しいようです。

The Best & Less-than-Best Motivations for Learning | Zen Habits

Stephanie Lee(原文/訳:コニャック)

[ライフハッカー]

Posted by nob : 2015年07月29日 11:27

幸せの公式

直感力+想像力=愛する力

愛する力<愛せる力

愛せる力=幸せ力

Posted by nob : 2015年07月28日 18:18

私たち一人一人が変わらなければ、この社会は変わらない。。。Vol.5/まだこれだけの支持がある。。。(呆)

■内閣支持最低43%

 読売新聞社は24~26日、安全保障関連法案の参院での審議入りを前に全国世論調査を実施した。安倍内閣の支持率は43%で、前回調査(7月3~5日)の49%から6ポイント下落し、2012年12月の第2次安倍内閣発足以降で最低となった。不支持率は49%と前回の40%から9ポイント上昇して最高となり、初めて不支持率が支持率を上回った。

 与党が安保関連法案を、野党の多くが参加しない中で衆院本会議で採決したことを「適切ではない」とした人は61%に上っており、国会運営への批判が支持率低下につながったようだ。

 安倍首相が新国立競技場の建設計画を白紙に戻して見直すと決めたことについては、「評価する」が83%に達した。ただ、評価すると答えた人の内閣支持は、支持率が46%、不支持率が47%と拮抗(きっこう)しており、首相の決断も、支持率低下に歯止めをかけられなかったようだ。建設計画を白紙撤回するまでの政府の対応は、「適切ではなかった」が79%に達している。

 安保関連法案の今国会での成立については、「反対」が64%(前回63%)で「賛成」の26%(同25%)を上回っている。政府・与党が法案の内容を「十分に説明している」は12%(同13%)にとどまり、「そうは思わない」は82%(同80%)と依然として高かった。

 安保関連法案の審議での野党の対応を「評価する」と答えた人は23%にとどまり、「評価しない」は65%に上った。

 首相が今夏に発表する「戦後70年談話」で、これまでの首相談話にあった過去の植民地支配や侵略に対する反省やおわびについての表現を「入れるべきだ」とした人は55%で、「そうは思わない」の30%を上回った。

 政党支持率は、自民党36%(前回35%)、民主党8%(同9%)、共産党5%(同3%)、公明党3%(同4%)などだった。

[読売新聞]

Posted by nob : 2015年07月28日 18:03

健康管理キホンのキ、、、何かする前に、身体に良くないことをしないことから。。。

■ああっ…それは食べちゃダメ!栄養士が「全力で避ける」体に悪い食品4つ

あなたは毎日どのような基準を持って、食品を購入して料理を作ったり、外食したりしていますか?

「家族の大好物だからいつもコレ」「特売で安かったから今日は●●にする」という方は多いと思います。でも、食品に入っている成分や材料、製造過程まで厳密に調べている方は、少ないのではないでしょうか?

しかし、食と栄養のプロは、食品を選ぶときに別の基準を持っているようです。そこで今回は、海外の女性誌『Glamour』ウェブ版などの記事を参考に、栄養士が「体によくないから」と避ける食品をご紹介しましょう。

■1:“低カロリー”食品

ダイエットをしている人が多いためか、市場にはヨーグルトや清涼飲料水、アイスクリームなど、さまざまな“低カロリー”を謳った商品が出回っています。

しかし栄養士に言わせると、「ひと口食べただけで人工甘味料とわかる甘みで、後味もよくない」とのこと。手を加えられたカロリー控えめ食品よりも、カロリーが多少高くてもより自然に近い食品を食べたほうがいいそうです!

■2:冷凍食品

「あ~、今日はごはん作るの面倒だな……」という時便利なのが、チンするだけで食べられる冷凍食品。

しかし、「冷凍食品には塩分、糖分、脂肪分が高く、さまざまな保存料などが入っています」とは栄養士の弁。これではお腹が膨れても、食べた後にいい気分にはなれそうもありません。

やはり、食事はできたて新鮮なものに限るのです!

■3:パッケージ入りのチーズ

スーパーで購入する便利なパッケージ入りチーズ。でも、一体いつどんな材料を使って作られたのやら……!?

「加工されているからいかにも人工的な味で、保存料もいっぱいだから食べない」と栄養士は証言。多少値は張っても、チーズを作る牧場などから直接買うのはいいアイデアですね。

■4:市販のサラダドレッシング

「健康のために……」とさまざまな野菜を入れて作ったサラダ。でもそこに市販のドレッシングをドバドバ……なんてかけていませんか?

最近ではオーガニック製品も出ていますが、一般のサラダドレッシングのラベルを見ると、なんだかよくわからない材料がたくさん入っています。中には糖分・脂肪分が高いものや、不健康なオイル、人工甘味料、着色料などが入ったものも!

ドレッシングはオリーブオイルやバルサミコ酢などからも簡単に作れます。自作したほうが健康にも経済的にもいいですね!

以上、栄養士が避けている食品をご紹介しましたが、いかがでしたか?

健康と美容に大事なのは、加工された食品は避け、なるべく自然に近い食品を食べること。次回食品を購入する際は、カゴに入れる前にラベルをよく読んでみてくださいね!

[NEWSポストセブン]

Posted by nob : 2015年07月28日 17:51

nothing to say...

■前世の記憶を持つ3歳の少年が、殺人犯を特定。「僕はあなたに殺された」

輪廻転生は起こりうるのか?毎年、夏が近づくとちょっと背筋のしびれるような話題をよく耳にするようになるものだが、どれもにわかには信じ難く、エンターテインメント化しているのは正直なところ。

しかし、インターネット上で大きな注目を集めたある少年の話を聞くと、立証できないながらどう考えても生まれ変わったとしか思えない事実が複数挙げられている。

3歳の少年が語った
「4年前に殺された記憶」

数々のミステリーを紹介するYouTube動画チャンネル「Strange Mysteries」によれば、なんと「前世の記憶」を持つ少年がいるという。しかも、数世紀前の話というのではなく、少年にとってはたった4年前の記憶だった。つまり、生まれる直前の記憶ということになる。

少年は前世で殺されたと話していた。そして、自分が殺された土地を両親へと語っており、額にある母斑はその時に受けた傷だと主張していた。

前世の名前や
住んでいた村は実在した

問題の場所は、シリアのゴラン高原。当初は誰も信じてはいなかったが、彼が該当する地域へと大人たちを誘導したことで少しずつ周囲の考えが変わっていった。

事件に立ち会ったのは、ガザ地区の医療システムを構築した人物としても知られているドクター・アイラッシュ。彼は2009年に亡くなっているが、その体験を十年来の友人であるTrutz Hardo氏が記事で書いている。

3歳の少年は自分が暮らしていた村の名前や、以前の自分の名前を知っていた。その情報を元に、直接村へと問い合わせてみたところ、4年前に失踪した男性の名前と一致した。

少年の証言により、
犯人が自白へ!

当初、少年は自分を殺した相手の名前を覚えてはいなかったが、村を訪ねて前世の自分の家を尋ねたところ記憶が徐々に蘇ってきたようだった。そこには多くの見物人がいたそうだが、ある男性を見てこう発言したそうだ。「アナタは****(名前)さん?」と。

男性はその質問にイエスと答えたそうだが、次の瞬間少年が発した言葉に顔が青ざめたという。
「以前、ぼくはあなたの家の近くに住んでいた。よく喧嘩をしていて、それであなたに斧で殺されたんだ。ぼくの体が今どこにあるのかもわかるよ」

そして、証言通りに
遺体や斧も発掘された…

彼が誘導した地点を掘り起こしてみると、そこには地面に埋められ白骨化した遺体があった。少年は額に母斑を持っているが、頭蓋骨の同じ箇所に大きな損傷があった。

遺体の近くには、農家の男性の衣服が発見され、付近では殺害に利用された斧も発見。そうして遂には、少年に加害者だと指名された男性は自身の犯行を認めたという。

前世の記憶を科学的に立証することは難しそうだが、以上に紹介されていた数々の情報の一致。偶然と呼ぶには度が過ぎていやしないだろうか。

Reference:Strange Mysteries , esolibris

[TABI LABO]

Posted by nob : 2015年07月25日 18:12

冥王星♪

■幻想的に輝く冥王星のもや…大気の存在確認

 【ワシントン=中島達雄】米航空宇宙局(NASA)は24日、無人探査機「ニューホライズンズ」が撮影した冥王星表面にある大気のもやの画像を公表した。

 もやは探査機が冥王星に最接近した翌日の15日、約200万キロ・メートルの距離から撮影された。太陽を背にした冥王星のもやが、太陽光を受け、指輪のように幻想的に輝く姿を写した。冥王星に窒素やメタンなどの大気があることは知られていたが、画像ではっきり観測できたのは初めて。

 NASAによると、もやの厚さは冥王星の表面から約130キロ・メートルで、成分はメタンが紫外線で変化してできるエチレンやアセチレンなどの炭化水素とみられる。これらの炭化水素が冥王星の表面付近で冷やされて凍り、粒子になってもやに見えるという。NASAと共同研究している米サウスウェスト研究所のアラン・スターン主任研究員は「信じられないほど美しい画像」と話している。

[YOMIURI ONLINE]


■冥王星に“氷河”か NASAが画像公開

NASA=アメリカ航空宇宙局は、無人探査機が撮影した冥王星の画像を新たに公開し、窒素でできた氷の固まりが地球の氷河のように動いている様子を初めて確認できたとしていて、次々と明かされる冥王星の姿に注目が集まっています。
NASAの無人探査機「ニューホライズンズ」は、今月14日に史上初めて冥王星に1万2000キロの距離まで近づき、観測したさまざまなデータを地球に向けて、少しずつ送っています。

NASAは24日、新たに届いた複数の画像を公開しました。このうち、冥王星の南側にあるハートの形をした地形では、窒素でできた氷の固まりが地球の氷河のように動いている様子を初めて確認できたとしています。画像では、薄い氷の層が山を回り込んで流れているように見えるほか、別の画像ではクレーターの中に氷が流れ込んで、凍った湖のように見えます。

NASAの研究者は「氷の層は今も動いている可能性がある」としたうえで、「冥王星の内部に、液体の形で水が存在する可能性を示唆する成果だ」と指摘しています。

さらに、探査機が冥王星を通り過ぎたあとに撮影した画像では、太陽の光を受けて冥王星の縁がかすみ、冥王星の大気をはっきりと捉えています。
探査機からこれまでに届いたデータは全体の5%程度だということで、今後の新たな発見への期待が高まっています。

[NHK NEWS WEB]

Posted by nob : 2015年07月25日 17:59

子どもを望まない独身の若者ではなく、、、結婚し子どもを持てるだけの経済的未来を描けない若者。。。

■「子どもいらない」独身の若者、増える傾向 厚労省調査

 子どもを望まない独身の若者が10年間で増えている。厚生労働省が若者を対象に実施した調査で、2013年は希望する子どもの数を「0人」と答えた人が独身男性の15・8%、独身女性の11・6%。03年調査では独身男性が8・6%、独身女性が7・2%で、いずれも数ポイント上昇した。

 厚労省が実施した「21世紀成年者縦断調査」で明らかになった。03年は調査当時21〜30歳だった1万820人の回答。13年も調査当時21〜30歳だった1万2284人の回答を集計した。同じ質問をして、10年間での若者の意識の変化を分析。厚労省が15日に結果を発表した。

 子どもを望まない独身者が増えた一方、既婚者は逆の傾向にある。03年調査で既婚者のうち「3人以上」の子どもを希望する男性は31・4%、女性は30・4%だったが、13年調査で男性は46・2%、女性は47・4%にそれぞれ増えた。

 厚労省世帯統計室の担当者は「独身で子どもを望まない比率が高まったのは、非正規雇用の広がりや結婚を望まない人の割合が増えていることなど、複合的な要因が影響したと考えられる」と話している。(久永隆一)

[朝日新聞]

Posted by nob : 2015年07月25日 13:13

1400光年って、、、どんな距離?

■地球のいとこ発見=似た位置に「太陽」も―NASA

 【ワシントン時事】地球から1400光年離れた宇宙で、これまで発見された中では、地球と太陽に大きさや位置関係などが最も似た惑星と恒星が見つかった。米航空宇宙局(NASA)が23日発表した。NASAの専門家は「地球のいとこ」と表現している。

 ケプラー宇宙望遠鏡で観測された惑星は、直径が地球の1.6倍で、恒星の周りを385日周期で回っている。位置関係も地球・太陽間の距離より5%遠いだけ。恒星は直径が太陽より10%大きく、温度は同程度だが、20%明るいという。

 惑星の組成などはまだ確認されていない。ただ、大きさから地球と同じ岩石質である公算は大きい。さらに、恒星との位置関係など地球に条件が近いため、生命の存在に必要な液体の水がある可能性もある。

 恒星は太陽より15億年古い「60億歳」とされる。ケプラー観測チームの専門家は「この惑星に全て必要な物質と条件があったなら、生命体が生まれるのに十分な時間といえる」と話している。

[時事通信]

Posted by nob : 2015年07月25日 13:03

10年でなかったことに。。。

■喫煙による糖尿病リスク、禁煙10年で解消 5万人調査

 たばこを吸っていると、糖尿病にかかるリスクが高まる一方、禁煙を10年以上続ければリスクは吸わない人と変わらなくなる――。国立国際医療研究センターなどのグループが、そんな報告をまとめ、22日付の米科学誌で報告した。禁煙による糖尿病の予防効果を大規模調査で確認したのは珍しいという。

 関東などに本社のある八つの企業に勤める男女約5万4千人について、喫煙状況を含む健診データを提供してもらい、その後を4年間ほど追跡した。この間に約2400人が、生活習慣も原因とされる2型糖尿病を発症していた。

 肥満の度合いといった、糖尿病の発症にかかわるほかの要因が影響しないようにして解析したところ、たばこを吸う人では吸わない人に比べ、1日に11〜20本の人で36%、21本以上の人では50%、2型糖尿病にかかるリスクが高かった。

[朝日新聞]

Posted by nob : 2015年07月23日 18:45

自己責任による選択の問題

■安いなら「ジェネリック医薬品で…」
その選択があなたの寿命を決めている?

クスリを処方されるときに、ジェネリック医薬品を勧められたことはありませんか? 中には「同じ成分で値段が安いなら……」と勧められるがままに、ジェネリック医薬品を選んでいる人も多いのではないでしょうか? 果たしてジェネリック医薬品は本当に安全なのか……。『「先生が患者ならどうします?」医師が自分のために選ぶクスリ・治療法』の著者であり医学博士の岡田正彦氏にジェネリック医薬品の安全性について伺いました。

安いなら……と安易に
ジェネリック医薬品を選んでいませんか?

 今、ジェネリック医薬品の品質を懸念する声が高まっています。なぜなら、新薬のように厳格な臨床試験を行う必要がなく、成分が同じだからという理由で簡単に発売が認可されているからです。
 成分が同じなら、わざわざ臨床試験をする必要はないのでは?というのが、大方の意見かと思います。ジェネリック医薬品とは、特許の切れたクスリを模したものです。製造・販売しているのは専業メーカー、大手製薬企業など合わせて約20社。一番の特徴は値段が安いことです。

 しかし、クスリを製品化するには、薬用成分の化学構造だけでなく、ほかにも大切な技術が必要となります。たとえば服用したあと、さっと効くクスリもあれば、徐々に吸収して一日中、ゆっくり効果を発揮するクスリもあります。胃では溶けずに腸から吸収するようにしたクスリもあるなど、高度なノウハウが結集されていて、それらは別途、特許が申請されています。その製法特許が切れていなければ、それまでのクスリをそっくりまねをすることができません。

 つまり、ジェネリック医薬品は、新薬と同じもの、ということは言えないのです。

ジェネリック医薬品の効果を
追跡調査した結果……

 ジェネリック医薬品は、「後発医薬品」とも呼ばれますが、その発売後、新薬のほうも少し高い薬価で発売は続けられ、呼び方も「先発医薬品」と変わります。米国では、ジェネリック医薬品の製造・販売の認可を受ける際、次の諸点を証明しなければならないことになっています。

・先発医薬品と剤形、分量、服用方法、品質、効能、適応疾患が同じこと
・服用後の血中濃度変化を24~36人の健康人で調べ、先発医薬品と80~125%の範囲で一致していること

 日本でも、これに準じた基準があるようです。
 しかし、これだけの条件で先発医薬品とジェネリック医薬品が同等であるとは、とても言えません。長期間、服用を続けるとどうなのか、健康でない人が飲んでも同じなのか、などの疑問がいろいろ思い浮かびます。

 幸い、高血圧症の患者を2グループにわけ、それぞれ先発医薬品とジェネリック医薬品を服用してもらった追跡調査が多数行われています。それらの論文を集めて検証したレポートによれば、先発医薬品とジェネリック医薬品との間に、「血圧を下げる効果」と「心臓病、脳卒中を予防する効果」において、有意差はないと結論される、とのことでした。

本当にジェネリック医薬品は
先発医薬品と同じ効果をもたらすのか?

 しかし、これらのレポートには問題がいくつかあります。血圧のクスリについて行われた調査の多くが、数週間~数ヵ月しか追跡が行われていなかったことと、対象者数が数十人程度でしかなかったことです。

 血圧のクスリのように、長期間にわたって服用するとコレステロール値や中性脂肪値が上昇する人がごくわずかに増える、など微妙な副作用のせいで「総死亡率が改善しない」という事実がありますから、もっと大規模に、もっと時間をかけて調査を行ってほしいものです。高血圧のクスリ以外では、このような調査さえ行われていないのが実情で、ジェネリック医薬品についてはわからないことだらけです。

 したがって安心して服用できるのは、新薬でもジェネリック医薬品でもなく、(発売後かなり時間が経っている)先発医薬品ということになります。

 もし私が患者さんに「ジェネリック医薬品は安全ですか?」と問われたら、「今のところ、不明です」とお答えするでしょうし、私自身、安いからという理由で、安易にジェネリック医薬品を選ぶことは決してしません。

[DIAMOND online]

Posted by nob : 2015年07月23日 15:33

私たち一人一人が変わらなければ、この社会は変わらない。。。Vol.4

■【全文】「世界がもっと根元の方でみしみしと悪くなっていくようです」〜宮﨑駿監督が会見

もっと違う方法を考えなければいけない、そのために私たちは平和憲法を作ったんだと思います。その考えは今も変わっていません。

ー来月予定されています70周年談話。これについてはどうお考えでしょうか。どういう内容を盛り込んでいただきたいと思いますか。

その談話は、中国の現在の政治情勢・経済情勢、日本の政治情勢・経済情勢の反映であって、その精神は歴史に学ぶということからずいぶん離れていると思います。ですからあんまり期待していません。

ーよくわからないのは、原発政策について、安倍首相の人気は低い。しかしながら選挙では必ず勝ちます。その理由は日本の左翼、リベラル派があまり強くない現状があるのではないか。監督もクリエイターでインテリなので、どちらかといえばリベラル派に属していると思いますが、なぜ日本では左派が大きな政治的な力を結成できないのだと思いますか。

民主党の最初の総理は、沖縄の基地の問題についても、"日本全体で背負うべきで、沖縄だけに負担させるのは間違いである"、とはっきり言った方です。しかし、たちまち党内の勢力争いで引きずり降ろされた。そして、その後、地震と原発と立て続けに災厄に見舞われて、その混乱の中で、とうとう自民党がずっとやりたくてもやれなかった消費税を民主党が決める羽目になってしまったんです。

この結果、長い政治的な無力感、不信感がこの国にはびこったんだと思います。自民党は過半数の支持を得たのではなくて、多くの人間が投票しなかったことによって天下を獲ったんです。ですから、また変わります。永続的なものではないと思います。

安倍首相は、自分は憲法の解釈を変えた偉大な男として歴史に残りたいと思っているんだと思いますが、愚劣なことだと思っています。

ー一番海外のメディアに伝えたいことはなんでしょうか。

私はこの役目、辺野古基金の共同代表の人間としてここに臨んでおりますから、辺野古の基地の問題、沖縄の人々が基地を撤去したいと思っているそのことをお伝え願えたら、本当に嬉しいと思います。

もうひとつ、先ほどの、日本と中国の問題、共同声明について、私はあの侵略戦争は完全な間違いで、多大な損害を中国の人々に与えたことについて深く反省していると明言しなければならないと思っている人間です。これを政治的な駆け引きとして双方で何かごちゃごちゃやるのは良くない。あらゆる政治と関係なく、この日本は長期に渡る、大陸における愚劣な行為について深く反省しなければいけないと思っています。

それを忘れたがっている人ががいっぱいいることも知っていますが、忘れてはいけないことです。

ー安倍首相は、憲法解釈を変えた偉大な人として歴史に残りたいと思っている?

本人が思っているんです。でも残らないでしょう。

ちょっとお話をさせてください。この紙切れが、私の所に突然届いたんです。共同代表を就任することについての依頼状、それと承諾する・しないに◯を付けろという紙が入っていました。

私は共同代表になるような資格や能力を持っていないので、本当に当惑したんです。ただですね、沖縄の問題というのは、ここにいればなかなか伝わって来ませんが、実は自分の大事な友人に沖縄の人がおりまして、この人が沖縄返還の年、1972年5月1日に返還されましたが、東京の大学に入るために4月28日にパスポートと黄色い伝染病の予防注射の紙を持って東京にやってきた。その時にその人間が感じた、ありとあらゆる感情、非常に抑えたられた感想でしたが、その時の話を思い出すと、私は沖縄の人にものすごく申し訳ないと思っています(ここで監督は涙を浮かべ、声を詰まらせる。)。ですから、この代表を引き受けることにいたしました。

「アメリカの文化は好きではありません。」

ー安倍政権は、基地問題も安保法制も、いずれもアメリカとの関係上、それが必要だという立場を取っていると理解しています。監督は、日米関係について、どのようにお考えでしょうか。このままでいいのか、もっとこうあるべきだ、というのがあれば、教えてください。

それについて、つまり僕はアメリカに非常に大事な友人たちがずいぶんいるんです。極めて誠実な、本当に友情に厚い友人ですが、アメリカの文化は僕は好きではありません。アメリカの生活様式も 日本に多く浸透している色々な生活のやりかたも、基本的に好きじゃない人間なので、そういう色眼鏡だけで見てしまいます。

今、具体的にどういう方針をめぐってどうなのかとここで述べることはできませんが、僕はいつか大量消費文明に終りが来るだろうという予感の中で生きていますので、それでお答えをご勘弁してください。

ー安保連法案も多くの国民はよくわからないと言っていますし、憲法学者のほとんども反対だと言っている。強制採決されようとしているそのやりかたも疑問視されている。そしてまた自民党の一部の会合で沖縄の新聞に対すする発言もありました。少しずつ民主主義が壊れていっているのではないかという人がいます。監督は、表現をする立場としてどうお感じになっていますか。

もともとその程度のレベルのひとたちなんです。それが自分たちが数が多いと思ってのさばって姿を現しただけだと思います。

あまり良い返事じゃないですが(笑)非常に悲しいお答えですが(笑)

ー「風立ちぬ」で、監督の意図としましては平和主義的な考え方を打ち出していたと思いますが、中には軍事的なことを美化していると誤解した受け止め方もあったと思います。

昔、三島由紀夫にフランスのメディアが質問をしたときに、日本人とは"invisibleである"と答えました。監督は、日本人というものは何であると思いますか。

社会の右側の端っこにいる島の人間たちで、平和に暮らせるはずの人間たちなんです。僕はそれだけです(笑)。

この水と緑と、資源と言ったらコメが穫れるくらいです。でも今僕らがやっている生活は、他所からかきあつめてきて、それを使い尽くしていくという、そういう生活です。それは長く続かないでしょう。

日本人であるということは僕にはよくわかりません。わかりませんが、本当の必要な知恵は、世界の隅っこでひそやかにいようというのが一番正しいと僕は思っています。

ー文部科学省が、すべての人文社会科学を廃止する方針を打ち出しました。その方針についてはどう思いますか。

歴史というものに対する感覚がひどく鈍くなっているんだと思います。いま、歴史のある場所にいるんだという感覚が鈍くなっていて、このままずっと続くんだろう、みたいな感じがこの国に蔓延しているんだと思いますね。

第二次大戦の後、日本は冷戦の狭間で、保守と革新というのは、民主主義か社会主義かというそういう冷戦構造のなかで揺れ動いてきたんです。それが冷戦が終了したあと、つまりソ連が崩壊した後、はっきりとした根拠、つまり保守と革新を分ける根拠を失ったんだと思います。その再建がまだ革新の側にできていないんだと思いますよ。

ー原発が近く再稼働される予定です。どうお考えでしょうか。日本は原発を放棄すべきだと思いますか

ええ。こんな地震だらけで火山だらけの国で、原発なんてもってのほかです。

この土地だって、本当にわずかな前に火山の噴火によって出来た土地ですから。私は東京と埼玉の間に住んでいますが、そこの川沿いの小さな土地にいますけど、実は東京湾に津波か高潮が起こった場合、東京都のハザードマップによると、私の家も沈没することになっています。そのスケールたるや、壮絶なスケールなんです。そういうことが起こりうる、いや、起きるだろうと確実に。そういう国にいいるんです。

"ここは津波が来るか"というと、意見の分かれるとこですが、友人たちの多くはそんなことははないだろう言いますが、実際いつかは富士山が爆発して巨大な阿蘇山のようになるんですから、この国は本当にわからないんです。

わからないということを前提に生きないといけないところなんです。そんなとこで原発なんてもってのほかです。

ましてですね、沖縄をなんのために基地にするかと言ったら、それは中国の封じ込めの最前線でしょ。だけどなぜアメリカがグアムに海兵隊を持って行こうとしているかといったら、それは最前線に最強部隊を置くことはできないでしょう。だって、パールハーバーもクラークフィールドも、そこに最強の基地があったから日本海軍が攻撃したんです。必ずそういうことになりますがから。沖縄を拠点にすることは、もはやアメリカの戦略でもよくないことになっていると思います。ベトナム戦争の時とは違うんです。

結局それは、自衛隊が使うことになるでしょう。そう考えると、僕は辺野古に埋め立ての基地を作るのは本当に反対です。本当に。そこは標的を作るようなものです。というのも入っています。

ー先ほど、アメリカの大量消費文化について、あまり好きではないとおっしゃいました。しかしながら、アメリカは監督の映画を大好きですし、非常に成功しています。そうは言っても、ハリウッドでは翻訳などを通しますから、何か本来の意味、監督が打ち出したいという意味が少しでも変えられていると思うことはありますか。

いや、アメリカに紹介するについては、Pixarのジョン・ラセターが非常に友情と責任を持ってやっていますから、彼を本当に信頼しています。本当に一番の親友です。

ついでにちょっとひとつ。僕がイギリスのブリストルにある、アードマン・スタジオのスタッフと交流したときに、彼女たちがサインしてくれとDVDを持ってきました。完全な海賊版でした(笑)。どういう風になっているのかわたしには見当も付きません(笑)

「(若者の右傾化は)スマホを手放してくれれば変わります。」

ーさきほど引退後の生活はあまり変わっていないとおっしゃっていましたが、今、取り組んでいるクリエイティブなプロジェクトについてお話いただけないでしょうか。将来的には大きなプロジェクトにも関わりたい思っていますか。

いま、ジブリの美術館で短編映画作っていますが、その10作目に関わっています。これは従来のスタッフ少しと、CGの新しいスタッフたちとでやることになっています。プロデューサーは3年かかると言っているんですが、若いスタッフを3年も拘束するのは良くないので(笑)、私は早く終わらせたいと思っているんですが、それだけでも精一杯ではないかと思っているんです。

ー辺野古、そして自衛隊、そしてまた米軍との関係ですが、中国を脅威としてご覧になりますか?そして中国の台頭、軍事拡大に、どう対応すべきだと思いますか。

中国は膨張せざるを得ない内圧を持っています。それをどういう風に時間をかけてかわすか、というのが日本の最大の課題だと思います。

答えになっていませんか(笑)?

ー日本の若者をどう見ていらっしゃいますか。他の国見ていても、若い人には右傾化が出てきています。日本でも若い人の中で田母神氏が大きな人気を得ていますが、一方では多くの若者が政治に無関心と言われています。これは今後どういうふうに発展すると思いますか。若者が政治のプロセスに熱狂的に参加するような時代がくると思いますか。

スマホを手放してくれれば変わります。(会場から笑い)

ー日本国憲法は、やはり占領国が日本に押し付けたと言われています。しかし、今回の動きを見ていると、日本人はこの憲法を非常に深く愛しています。どうして日本人はこんなに強い思いを憲法に持っていると思いますか。

15年に渡る日本の戦争は、惨憺たる経験を日本人にも与えたんです。300万人の死者です。この経験は、多くの、つまり私たちのちょっと上の世代にとっては忘れがたいことです。

平和憲法というのは、それに対する光が差し込むような体験であったんです。これは今の若い日本人にはむしろ通じないくらいの大きな力だったんです。平和憲法というのは。

平和憲法というのは、占領軍が押し付けたというよりも、1928年の国際連盟のきっかけにもなった不戦条約の精神を引き継いでいるもので、決して歴史的に孤立しているものでも、占領軍に押し付けられただけのものでもないと思うんです。

ー日本の教科書は加害に関する部分が少ないと中国やアジアから指摘されています。監督はその加害の部分も大変重く感じている日本の一人ですので、映画に、そういう観点に関して入れたりするというビジョンというのはありますか。または、アジアの人たちと映画を作っていきたい、ということはありますか。

アニメーションは、いろいろな作品が考えられますが、今、私が作ろうとしている作品は、こんな小さな毛虫の話です。指でつつくだけで死んでしまいます。この小さな毛虫が葉っぱにくっいている生活を描くつもりです。それはアニメーションが生命の本質的な部分に迫ったほうが、アニメーションとしては表現しやすいのではないかと思っているからんです。あの…意味わかりますか(笑)?

それで、100年や200年の短い歴史よりももっと長い、何億年にもつながる歴史をアニメーションは描いたほうがいいと思っています。

ー今までのアニメ制作につきまして、監督としてはまた実現していないことはありますか。オタク向けの作品がたくさん出てきていますが、この状況についてどう思いますか

ははは(笑)。

フィルムがなくなって、私たちが使っていたセルもなくなって、絵の具で塗ることもなくなりました。それから背景を描く時にはポスターカラーを使っていましたが、ポスターカラーすら、もう生産は終わるだろうと言われています。筆も、良い筆が手に入りません。それから、紙がこの1、2年で急速に悪くなりました。私はイギリスの「BBケント」というケント紙を、ペンで描くときは愛用していました。とても素晴らしい、僕にとっては宝者のような紙が、すっと線を引くと、インクが滲むようになりました。

インクが使えなくなりました。

何か、世界がもっと根元の方でみしみしと悪くなっていくようです。ですから、アニメーションのことだけ論じてもしょうがないんじゃないかなと思います。

いつでも、どうしてこれが流行るのか、よくわらかないものが流行ります。それもいろいろあっていいんじゃないかと僕は勝手に思っています(笑)。

ー今後基地がなくなって、軍事的プレゼンスが小さくなりましたら、沖縄はどうなると思いますか。不動産業や観光業の発達も考えられますが。

僕は、沖縄は日本と中国が両方仲良くするところになるといいと思います。それが一番ふさわしいです。そして交易する。非常におおらかな心を持っている人たちですから、ちゃんとやっていけると思います。

私は自分の子どもたちが小さかった時に、二度ほど小さな島に行きました。その時の宿のおじさんとおばさんが、どれほど子どもたちに良い印象を与えたか。かくもおおらかかで、優しい人々がいるんだというのが、驚くべきことでした。本当に。

二度目の時は、大人は僕一人で4家族の10人の子どもたちを連れて行きました。みんないつも喧嘩している兄弟が、兄さんや姉さんの言うことをきちんと聞いて、本当に感心な子ともだちだと褒められました。僕は沖縄のことを考えると、いつもその人とたちのことを思い出します。

ー辺野古基金の共同代表として、政府は辺野古に基地を作れないとなると、普天間に基地が固定化される可能性があると脅しとも取れることを言っていますが、宮崎監督としましては、解決策はどのような形で解決されるべきだと思いますか。

普天間の基地は移転しなければいけません。それから辺野古を埋め立てるのはいけません。それで、第一次民主党内閣の鳩山総理は「日本全体で負担しよう」という風に発言したんです。僕はそれがまだ生きていると思っています。

ー戦後70年という節目の年ですが、監督から見ればあの戦争、あれは70年前のあの歴史は一体どういうものだと思いますか。あれからどういう教訓が得られたと思いますか。

あの戦争に至る前どこで止められたんだろうという風によく考えます。そうすると、だんだん遡っていって、ついに日本とロシアの戦争にまで至ります。実はその前に日清戦争というのもありますが、これは結局、東アジアにヨーロッパが来て、大砲で開国を迫ったことによる、"文明の衝突"から始まったんです。でも、それを言っていると、責任が曖昧になります。

ですから、僕はやっぱり、やっていけないことはやっていけいないんだということでしかないんじゃないかと思います。

他国を自国のための犠牲にして侵略することは、絶対やってはならない。どんな理由をくっつけても、どんなに美化しても美化しきれない。その原則だけは絶対守るべきであると思います。侵略してはいけないんです。それで、私たちは島国ですから一番やりやすいはずです。

ーアニメーションの未来について質問させてください。監督は長編に特化してきたわけですが、今、視聴者のニーズに答えてすぐ作品を作れる会社も出てきています。こうしたものがアニメーションの未来像になると思いますか。それとも、これまで関わってきた、制作するのに時間がかかる、ハイリスクながらハイリターンも期待できるような作品が良いと思いますか。

幸運と才能さえあれば、何とかなると思います(笑)

[BLOGOS]

Posted by nob : 2015年07月23日 14:14

私たち一人一人が変わらなければ、この社会は変わらない。。。Vol.3

■安保法案強行採決!
安倍総理に虚を突かれたのは国民の責任

政治ジャーナリスト・松井雅博

「違憲」なのになぜ可決?
ついに衆院を通過した安保法案

 衆院特別委に始まる今回の強行採決には、確かに批判を浴びても仕方のない側面がある。しかし、それを許したのも我々国民だ。

 前日の平和安全特別委員会では、野党議員たちが「自民党感じ悪いよね」などと書かれたプラカードを持って委員長に詰め寄るシーンがテレビで報道された。そして、夜には数万人の人々が国会議事堂を取り囲み、深夜までデモを続けた。

 多くの学者が「違憲」だと主張し、野党が採決をボイコットする中で、安保法制を「強行」に可決させたのはなぜなのか。本会議後、安倍総理はぶらさがり会見でこう述べた。

「日本を取り巻く安全保障環境は厳しさを増しています。この認識の中において、日本国民の命を守り、そして戦争を未然に防ぐために絶対に必要な法案であります」

 つまり、安倍総理が「違憲」と言われつつも採決したのは、「必要」と判断したから、ということだ。だとすれば、「憲法」とはいったい何なのか。憲法の理念とは、必要であれば破ってよいものなのだろうか。そもそも、この法案は本当に「必要」だったのだろうか。

 もし本当に大多数の国民が反対なら、選挙を気にする政治家が「大多数」の声を無視するはずがない。なぜ安倍総理は、国会議事堂を取り囲む数万人の有権者を無視できたのか。

 今回の「強行」採決劇の背景に見え隠れする、日本の民主主義の危機的状況を読み解きたい。

 今回の採決に対する批判として、「強行採決」という言葉が目立つ。確かに、数の力に頼り、野党の意見をほとんど聞かず、学者から憲法違反と指摘されても意に介さない態度は、「強行」と批判されるべきかもしれない。しかし、その状況を選んだのは、実は国民ではなかったか。

 筆者が知る限り、安倍晋三総理は長年自らの政治信条をはっきりと国民に示し、説明を続けてきていた。昨夏、集団的自衛権の行使を閣議決定したときにも散々マスコミが報道し、つい7ヵ月前に衆議院を解散して総選挙もやっている。その上で安定多数の議席を得て、今回の法案を可決している。

そもそも「強行」だったのか?
安倍政権に国民は舐められていた

「国民の理解が深まっていない」という批判もあるが、ではいつになったら国民の理解は深まるのだろうか。おおよそ一般の国民全てが法案をきちんと読み、中身を理解することなど考えにくい。もちろん説明責任は政府側にあることは言うまでもないが、むしろ集団的自衛権の行使を容認した閣議決定から1年の月日を経て、多額の税金をかけて総選挙までやって、なお「理解が深まっていない」というのは、むしろ有権者の怠慢のようにも思う。

 まして「自民党感じ悪いよね」などというのは、批判にもならない。ただのイヤミである。国民の命に関わる法律を採決しようとしているときに、なんと幼稚な姿だろうか。野党に投票した有権者は、そんなパフォーマンスを期待して投票したわけではないだろう。

 とにかく筆者がここで言いたいのは、民主主義の名の下、日本の「大多数」によって選ばれたのが今の与党であるということだ。いや、さらに正確に言えば、「昨年12月に投票へ行った人」の中で大多数の有権者からの信託を得て、与党は今回の法案を可決させている。

 つまり、今回の採決は自民党や安倍総理が一方的にやったわけではなく、「あなた」が選んだ結果だということを忘れるべきではないということだ(もちろん、読者の中には自民党に投票してない方もおられるだろうが)。

 安倍総理は、この法案を通したところで、次の選挙で勝つ自信があるのだろう。国民の「大多数」はそれでもなお自民党を支持し続けてくれる、と考えているからこそ、批判されても断行できるのだ。安保法制に反対する人の多くが「選挙に行かなくなる」だけならば、自民党にとっては驚異ではないのだ。

「野党がだらしないから投票したい政党がない」と言う人もいるかもしれない。確かに、気持ちはわかる。民主主義とは「多数決」ではない。話し合いこそが民主主義の本質である。にもかかわらず、なんの説得力もない言葉を掲げて詰め寄るしかできない野党の姿は、支持するに値しないと筆者も感じる。

 しかし、だったら「あなた」が選挙で立候補することだってできるはずだ。立候補したってどうせ勝てない、と思うのならば、やはり「あなた」は大多数の民意を得る自信がないわけで、少数派でしかないということになる。

 国会議事堂の周囲に何万人もの人が集まっても、結局彼らは「ごく一部」の人でしかないことを与党はよく知っている。「アベ辞めろ!」とマイクで叫んだって、日本人の大多数が安倍政権を支持する限り、安倍総理が辞める筋合いはない。そして大多数の人々は、政治なんかに全く関心もなく、すぐに忘れてしまう。

 つまり、「あなた」は政治家から舐められているのである。

砂川事件をめぐる奇妙な解釈
安保法制が憲法違反である理由

 とはいえ、今回の法案が多くの学者から「違憲」と指摘されていたことは事実である。日本が集団的自衛権を行使することに前向きなアメリカの学者(コロンビア大学のジェラルド・カーティス教授)でさえ、「安倍総理が完全に憲法を無視している」と懸念していた。

 客観的に見て、政府の見解は滅茶苦茶であった。安倍政権は、安保法制の合憲性を語る根拠として砂川判決を引用したが、どこをどう読めばこれが集団的自衛権を認めたことにつながるのか、不明である。

 まず、砂川事件とは何か。

 1955年、米軍の飛行場の拡張計画を収容対象地域である砂川町(現東京都立川市)の反対を無視して強行したため、約300人が飛行場境界内に抗議のために立ち入り、7名が起訴された事件である。

 この裁判により、一審判決は「憲法9条は自衛のための戦力の保持をも許さない」と断言し、米軍についても「わが国が自国と直接関係のない武力紛争の渦中に巻き込まれ、戦争の惨禍がわが国に及ぶ怖れは必ずしも絶無ではない」として、米軍を違憲とした。

 だが、最高裁でこれが覆された。「わが憲法の平和主義は決して無防備、無抵抗を定めたものではない」とし、「自国の平和と安全を維持しその存立を全うするために必要な自衛のための措置をとりうることは、国家固有の権能の行使として当然のこと」と述べた。安倍政権は、この文言をもって「集団的自衛権も合憲」と主張したのだ。

 だが、この砂川判決はこう続けている。

 憲法9条2項が「その保持を禁止した戦力とは、わが国がその主体となってこれに指揮権、管理権を行使し得る戦力をいうものであり、……外国の軍隊は、たとえそれがわが国に駐留するとしても、ここにいう戦力には該当しない」

 つまり、砂川事件はあくまでも日米安保条約を「高度の政治性を有するもの」として合憲とした判決であって、自衛隊について述べた判決ではない。

現行憲法は「賞味期限切れ」?
根底にあるのは「あなた」の無知や無気力

 にもかかわらず、なぜ安倍総理は法案を見直すことなく採決に踏み切ったのか。

 たとえ「違憲」だと学者に言われても、実は、そもそも多くの国民が現行憲法に信任を与えているわけではない。ただ単に、厳しすぎる改正規定のために改正できないだけで、多くの人は現行憲法にさほど執着しているわけではないと、安倍総理も考えているのかもしれない。憲法は国民が信託したものであって、初めて意味がある。

 日本国憲法第96条には、改正規定についてこう定められている。

「この憲法の改正は、各議院の総議員の三分の二以上の賛成で、国会が、これを発議し、国民に提案してその承認を経なければならない。この承認には、特別の国民投票又は国会の定める選挙の際行われる投票において、その過半数の賛成を必要とする。」

 しかし、現行憲法は別に衆参両院で総議員の三分の二以上の賛成で発議されたわけでもなく、国民投票で過半数をとって成立したわけでもない。戦後のどさくさに紛れて、大日本帝国憲法の改正手続きに基づき、「各議院の出席議員の三分の二以上の賛成」で成立しただけにすぎない。

 個人的には,成立させたときより厳しい改正規定をつけるのはフェアではないと思う。出席議員の3分の2の可決のみで成立させたのなら,同じ要件で改正できなければおかしいのではないか。厳しい改正要件をつけたいなら、それと同じ要件で成立させるべきである。

 憲法は聖書ではない。現行憲法を盲目的に守ろうとするのもまた、思考停止なのである。「憲法を守れ」「憲法を変えろ」と叫んでいる人の中で、何割の人が憲法を読んだことがあるのだろうか。

 本来、権力機関を縛るための道具であるはずの憲法だが、そもそも有権者が憲法を読んだことさえなければ、立憲政治そのものが単なる形式的なものということになる。それでも「憲法は憲法」と開き直って、戦後70年間不磨の大典として崇められてきた現行憲法も、ついに賞味期限が切れようとしているのかもしれない。

 もはや国政選挙でさえ有権者の半数が選挙に行かなくなってしまった今、現行憲法に基づく国家体制が有権者の信託を受けることができていないとも考えられよう。事態を打開するだけの気力がないから惰性で存続しているとすれば、「憲法を守れ」「憲法を変えろ」のかけ声がなんと空虚なものに聞こえることだろう。

 安倍総理は「あなた」の不信感や無気力を突いたのである。

集団的自衛権は本当に必要か?
「あなた」も議論や覚悟を怠っている

 ただ、アンケート調査などによれば、今回の法案が不人気であることは確かだ。いくら有権者を舐めているとはいえ、専門家に憲法違反と指摘され、短期的に支持率を落としてまで、今回の安保法制を可決するだけの必要性は、どこにあったのだろうか。

 冒頭で述べたように、今回の安保法制の前提には「日本をとりまく安全保障環境が厳しさを増している」という現状認識がある。しかし、それは本当だろうか。

 まず、安全保障というのは起こり得るリスクを想定するところから始まる。だが、リスクは想定し始めるとキリがない。

 たとえば、「泥棒に入られる」というリスクを想定して「鍵をかける」のである。さらに「鍵をかけてもピッキングされるかもしれない」と思えば、さらに「チェーンをかける」だろう。ところが、「ドアを壊される」「窓を壊される」「壁ごと壊される」「実は家族に泥棒がいる」とリスクを拡大し始めると、キリがない。どこまでのリスクを考慮するのかというのは、対応方法の実効性とコストを天秤にかけて決めることになる。

「鍵をかける」というのは、安いコストで泥棒に入られるリスクをかなり低減させることができるだろう。犬を飼ったり警備会社に頼むのは、さらにリスクを低減させるかもしれないが、それなりのコストがかかる。

 では、今回の安保法制の実効性とコストはどうだろうか。集団的自衛権を認めれば、日本の安全を守ることができるのか。そして、それに伴うコストは1000兆円もの借金を抱える日本にとって、支払えるものなのか。いったい、いくら防衛費を増やせば中国や北朝鮮と正面から戦える軍事力を持つことができるのだろう。中国と戦争が始まると本気で考えている人が、どれだけいるのだろう。

 本件は、これらの議論をした上で国民に問うべき課題ではなかったか。なぜなら、戦争が起きたとき、死ぬのは安倍総理でも、安倍総理の親族でも、国会議員の先生方でもない。「あなた」だからだ。守られるのも死ぬのも「あなた」なのだ。

 将来起きるかもしれない大惨事を回避するために、今誰かの命を犠牲にするか。それとも、今の命を大切にする代償として、将来のリスクを負うか。それは、戦争が起きたときに危機に晒されるであろう「あなた」が決めることだ。

 今回の強行採決には、確かに批判を浴びても仕方のない側面がある。しかし、それを許した我々国民も、自らの立ち位置や覚悟をもう一度振り返ってみる必要がある。

 安保法制の議論は舞台を参議院に移してまだまだ続く。

 今、「あなた」も筆者自身も、有権者としての覚悟が求められている。

[PRESIDENT online]


現政権を支持するこれだけ多くの人々の見解(コメント欄)も、併せてご参照ください。

Posted by nob : 2015年07月23日 12:35

私たち一人一人が変わらなければ、この社会は変わらない。。。Vol.2/まだこれだけ支持している人々が。。。(呆)(泣)

■<本社世論調査>内閣支持率急落35% 不支持51%

 毎日新聞は17、18両日、安全保障関連法案の衆院通過を受けて緊急の全国世論調査を実施した。安倍内閣の支持率は今月4、5両日の前回調査より7ポイント減の35%で、第2次安倍内閣発足後で最低となった。不支持率は前回より8ポイント増の51%と初めて半数に達した。与党が15日の衆院平和安全法制特別委員会で安保法案を強行採決したことについては「問題だ」との回答が68%で、「問題ではない」の24%を大きく上回った。安保法案への世論の批判は強まっており、政府・与党の一連の対応が内閣支持率を押し下げたとみられる。

 ◇安保強行採決「問題」68%

 集団的自衛権の行使などを可能にする安保法案に「反対」は62%(前回比4ポイント増)、「賛成」は27%(同2ポイント減)で、前回より賛否の差が広がった。法案成立によって日本に対する武力攻撃への「抑止力が高まる」は28%にとどまり、自衛隊の海外での活動拡大で「戦争に巻き込まれる恐れが強まる」が64%に上った。「戦争に巻き込まれる」と答えた層では9割近くが法案に反対した。抑止力と考えるか、戦争に巻き込まれると考えるかは、法案の賛否に密接に関連している。

 安保法案を9月27日までの今国会で成立させる政府・与党の方針には「反対」が63%(前回比2ポイント増)を占め、「賛成」は25%(同3ポイント減)だった。政府・与党は衆院での議論は尽くされたと主張したが、国民への説明が「不十分だ」は82%となお高率だ。こうした中での強行採決には自民支持層でも「問題だ」(43%)と「問題ではない」(47%)が拮抗(きっこう)した。

 今後始まる参院審議で野党に望む対応は、「法案の撤回を求める」38%▽「法案の修正を求める」32%▽「法案の審議に協力する」20%−−と分かれた。野党支持層では「撤回」が目立って多いが、維新支持層では「修正」が4割で最多だった。

 政党支持率は、自民28%▽民主10%▽維新6%▽公明4%▽共産5%−−など。「支持政党はない」と答えた無党派は39%だった。【今村茜】

 調査の方法 7月17、18日の2日間、コンピューターで無作為に数字を組み合わせて作った電話番号に、調査員が電話をかけるRDS法で調査した。福島第1原発事故で帰還困難区域などに指定されている市町村の電話番号は除いた。有権者のいる1760世帯から、1048人の回答を得た。回答率は60%。

[毎日新聞]

Posted by nob : 2015年07月23日 12:27

そのとおり!!!Vol.50/過去への反省と謝罪は、健全な未来への第一歩。。。

■「日本が過ち、潔く認めるべきだ」学者ら74人が声明

 戦後70年の節目に安倍晋三首相が出す「安倍談話」をめぐり、国際政治学者ら74人が17日、共同声明を発表した。1931〜45年の戦争を「国際法上、違法な侵略戦争だった」と指摘し、侵略や植民地支配への反省を示した「戦後50年談話」や「60年談話」の継承を求めた。

 発起人代表として声明をまとめた大沼保昭・明治大特任教授(国際法)は、記者会見で「安倍首相は『侵略の定義は定まっていない』などと逃げるのではなく、国際社会でも共有されている通り、日本の戦争は違法な侵略戦争だったと明確にすべきだ」と語った。

 もう一人の発起人代表で文化勲章受章者の三谷太一郎・東京大名誉教授(日本政治外交史)は「談話は安倍首相の個人的所感ではなく、重要な国際法的意味を持つ」と強調。「過去の首相談話を『全体として継承する』とはどういう意味か、具体的な言語表現で明らかにするよう要望する」と述べた。

 戦後70年談話について安倍首相は、戦後50年の1995年に村山富市首相が出した村山談話を「全体として引き継ぐ」と語る一方、「植民地支配」「おわび」といった文言について「同じことを入れるのであれば談話を出す必要がない」との考えも示している。

 声明は「日本が台湾や朝鮮を植民地として統治したことはまぎれもない事実」「過ちを犯したことは潔く認めるべきだ」「違法な侵略戦争であったことは国際法上も歴史学上も国際的に評価が定着している」としている。大沼、三谷両氏ら10人が発起人となり、歴史学、国際法学、国際政治学の研究者ら計74人が署名した。

 会見に参加した毛里和子・早稲田大名誉教授(中国政治)は「日本国内の安倍政権批判の動きが中国で報道され、結果として対日世論の緩和が出てくると期待する」と語った。声明には緒方貞子・元国連難民高等弁務官、入江昭・米ハーバード大名誉教授(アメリカ外交史)、藤原帰一・東大教授(国際政治)、作家の半藤一利氏や保阪正康氏らが署名している。(北野隆一、清水大輔、後藤遼太)

[朝日新聞]

Posted by nob : 2015年07月23日 12:19

医療は外傷や急性疾患時の緊急避難手段として、、、慢性疾患には生活習慣の見直しと食養生、自らつくりだした疾患は自ら解消できる。。。Vol.4

■がんを克服するための感情マネジメント
全米ベストセラ―『がんが自然に治る生き方』(3)

ケリー・ターナー=文

治癒不能といわれたガンが自然治癒する現象が、実際の医療現場で話題になることはまずない。 しかし筆者が目を通した1000本以上の医学論文において、ガンが自然に治癒した事例を報告していた。医師は治すのが仕事なのでこうした事例を追跡研究することはなく、「たまたま」治ったという話は「偽りの希望」を与えるだけだとして積極的に口外することもなかったために、自然治癒事例は事実上放置されてきたのである。全く科学的にメスを入れられていないこのテーマを解明するために、「劇的な寛解」事例を報告した医学論文をくまなく分析し、日本を含む世界10カ国で寛解者と治療者のインタビューを行った結果、ガンの自然治癒を体験した人々には、「9つの共通する実践事項」があった。それらは、がんの治癒のみならず、予防としても役に立つものである。発売と同時に米アマゾン1位“がん部門”にランクイン、ニューヨーク・タイムズ・ベストセラーとなった話題の書『がんが自然に治る生き方』。
デカルトの心身二元論はもう古い――心と身体を別ものとして考える時代は完全に終わりました。過去50年のあいだ、科学者たちは心と身体が単に結びついているだけではなく、密接に絡み合っていることを明らかにしました。

心身二元論に最終的に決着をつけたのは、心、脳、免疫システムの相互作用を研究する精神免疫神経学(PNI)から得られた知見でした。1991年にニューイングランド・ジャーナル・オブ・メディシンに掲載された初期のPNI研究で、研究者たちは大規模なグループを対象に質問用紙に記入させ、その後一般的な風邪のウイルスか塩水の入った点鼻薬スプレーを渡しました(被験者は自分がどちらかのスプレーをもらうことを了解していました)。その結果、ストレスの大きい人は風邪を発症し、ストレスの少ない人は風邪ウイルスを撃退しました。そしてこの結果には年齢、体重、食生活など他の多くの要素にはまったく関係なかったのです。

なぜストレスが病気を引き起こすのか

それから15年後、研究者たちはなぜストレスが身体の病気を引き起こすのかを突き止めました。PNIの研究は、恐れや怒りなどストレスをもたらす感情は脳下垂体にコルチゾール、アドレナリン、エピネフリンなどのホルモンを放出するようシグナルを送ります。これらのホルモンは、敵と戦ったり、敵から逃げたりするような緊急事態であると身体に伝えます。 休息したり回復したりしている場合ではないというわけです。その結果、わたしたちの体は食べ物を消化吸収したり、体内の病原菌と戦ったりすることをいったんやめて、目の前の猛獣から逃げるために血圧を高めようとするのです。

私たちは猛獣に追いかけられるような生活をもはやしていませんが、終わりなき「TO-DOリスト」に追われています。そして何かに失敗するのではないか、誰かに嫌われるのではないかと常に怯えています。そしてやっと休暇を取って「戦うか逃げるか」というモードを休暇モードに切り替えたときに何が起こるでしょう。そう、病気になるのです。なぜなら「TO-DOリスト」から過去何カ月も逃げているあいだに、あなたの身体はあえてウイルスの侵入やバクテリアへの感染を「時間ができるまで」放置していたからです。休暇になってほっとした途端、病気になるのはそのためです。

なぜ幸福な人は健康なのか

どうすればよいでしょうか。脳下垂体は私たちがストレスや不安を感じるたびに免疫を抑制するホルモンを出しますが、私たちが幸せや安らぎを感じているときには免疫を増進するホルモンを出します。これらの「自家製ドラッグ」にはセロトニン、ドーパミン、リラキシン、オキシトシンなどがあります。これらの強力なホルモンが血液中に放出されると、より多くの免疫細胞をつくるように指令を出します。たとえば1日5分間笑ったり、嬉しいと感じたりするだけでも白血球やナチュラルキラー細胞の数は大幅に増えるのです。

がんを克服するための感情マネジメント

PNIの研究からわかった感情と免疫系の関係を考えれば、私が研究しているがんの劇的寛解者たちが回復の途上で自分の感情にとりわけ関心を寄せたのは当然のことだといえるでしょう。過去10年間、私は非常に厳しい状況からがんを自力で克服した何千人という人たちの事例を研究しています。拙著『がんが自然に治る生き方』では、彼らに共通する9つの実践事項を抽出しましたが、そのうち3つは感情と直接的な関係がありました。

●抑圧された感情を解き放つ
●より前向きに生きる
●周囲の人の支えを受け入れる

運動をしたり、ユーチューブを見たり、ペットのネコと遊んだり、方法はさまざまですが、がんの劇的寛解者たちは毎日ストレスから自らを開放して深い呼吸をすることを毎日魚油のサプリメントや処方された薬を飲むのと同じくらい重要であると考えていました。 がんと闘うには免疫力を強めておくのはなによりの戦略です。がんの劇的寛解者たちはあらゆる方法でそれを試みています。そしてRNIの研究が明らかにしたように、感情をうまくコントロールするのは免疫力を高めるのに非常に有効です。

そしてがんの患者だけでなく、健やかに生きたいすべての人にとって、免疫力を高めることは理にかなっています。だから今日1日、5分だけでも自分を甘やかしてあげてください。

※この原稿はケリー・ターナー博士のオフィシャルブログ http://www.drkellyturner.com/blog/ を翻訳したものです


■最善のがん治療は「直感」が教えてくれる
全米ベストセラ―『がんが自然に治る生き方』(4)

ケリー・ターナー=文 長田美穂=訳

治癒不能といわれたガンが自然治癒する現象が、実際の医療現場で話題になることはまずない。 しかし筆者が目を通した1000本以上の医学論文において、ガンが自然に治癒した事例を報告していた。医師は治すのが仕事なのでこうした事例を追跡研究することはなく、「たまたま」治ったという話は「偽りの希望」を与えるだけだとして積極的に口外することもなかったために、自然治癒事例は事実上放置されてきたのである。全く科学的にメスを入れられていないこのテーマを解明するために、「劇的な寛解」事例を報告した医学論文をくまなく分析し、日本を含む世界10カ国で寛解者と治療者のインタビューを行った結果、ガンの自然治癒を体験した人々には、「9つの共通する実践事項」があった。それらは、がんの治癒のみならず、予防としても役に立つものである。発売と同時に米アマゾン1位“がん部門”にランクイン、ニューヨーク・タイムズ・ベストセラーとなった話題の書『がんが自然に治る生き方』から抜粋してお届けする。
私は、医師に「あらゆる手を尽くしたがこれ以上はなすすべがない」と言われながらも自分で生活を変えたり代替治療法を実践したりしてがんを克服した人たちについて研究をしています。彼らのほとんど全員が、回復過程で自らの直感に従って決断を下していました。直感や第六感といったものの研究から、彼らがなぜそのような行動をとったかが見えてきます。

直感は危険を察知する

科学者たちは人間の脳は2つの運転システムを備えていることを発見しました。第1のシステムは、高速稼働し、直感的で、無意識的に働きます。第1システムを支配するのは、右脳と、脳の中でも太古から存在する「大脳辺縁系」と「間脳」です。第2システムは、ゆっくり稼働し、分析に力を発揮し、意識的に動くものです。左脳と、有史以降に発達した新しい部分「前頭葉」がこのシステムを支配しています。

直感は第1システムから生じるということが、科学的に明らかになっています。直感の訪れが唐突で、合理的なものに思えないことが多いのはそのためです。要は直感的な判断とは、慎重に状況判断をして下すものではなく、本能的に沸き上がってくるものなのです。

けれども腹で感じる直感が「信頼に足る」という根拠はあるのでしょうか。脳の第1システムが「答え」を出す速度は、実は第2システムよりずっと速かったということを報告した研究があります。「勝てば賭け金がほぼ全額手に入る」というルールのカードゲームを使った実験がありました。

実はこの実験には、被験者には知らされていない仕かけがほどこされていました。カードの山は2つ。片方の山は、勝てば大きいが負ければ大損をする山です。もう片方は、勝っても儲けは少ないが、損はほとんど出ない山です。被験者は、50回ほどカードをめくったあたりで安全な山はどちらかを勘づきはじめ、80回目には2つの山の違いを説明できるようになりました。興味深いことに、10回目の時点で、被験者の手のひらの汗腺は、危ない山のカードを触るたびに少しだけ開いていました。

また被験者は10回目あたりから、なんとなく安全なカードの山の方を好むようになっていました。つまり被験者の分析的な脳が状況を認識するずっと前に、被験者の身体は危険を感じ取り、自然と安全なほうへと向かっていたのです。

人間は本能で2、3秒後に起きることを予測している

類似の実験を、コンピューターでおこなったものもあります。モニターを見て、被験者は2枚のカーテン画像のどちらの背後に絵が隠れているかを当てます。カードの実験と同じように、研究者は被験者の身体反応を調べました。

驚いたことに、被験者の手の汗腺は、コンピューターがどちらのカーテンに絵を隠すか決める2、3秒も前に、答えを正しく予測していたのです。もっとも手の汗腺の開きをみるかぎり被験者はほぼ正解を予測していたのに、自分の手のひらの反応に気づくことができず、誤答していました。人間には、2、3秒後の未来の予測能力があったのです。カードゲームをするギャンブラーにとっては、貴重な教訓でしょう。自分の手のひらの汗腺の動きがわかるほど身体の声に耳を澄ませば、次に来るカードを予知できるようになる、というのですから。

直感に従って決断した人の満足度は高い

直感は信頼に値すると示す実験を、さらに紹介しましょう。ある実験によると、どの家を買うか、誰と結婚するかといった人生における大きな決断では、頭で論理的に考えた末の選択よりも直感で決めた方がよい結果をもたらすことがわかりました。車の購入時、情報収集をして熟考の末に決めた人のうち、買ったあともその車に満足していた人は、わずか25パーセントでした。それに対して直感で即決した人は、60パーセントが満足していたのです。

似たような実験に、複雑な問題に対してじっくり考える時間を与えられた被験者群と、急に答えを出すよう求められた被験者群では、直感で即座に答えた後者のほうが概して正解率が高かった、とするものがありました。

この研究に取り組んでいるあいだ、わたし自身も、さまざまな直感を得たおかげで、ずいぶん作業がはかどりました。そのときは不思議な感じがしましたが、研究するうちに、わかってきました。直感とは、わたしたちが頭で答えを出す前に、どうするのがいちばんいいかを教えてくれるものなのです。直感を司る脳の部位は、人間が藪に潜む猛獣を避けながら暮らしていたような太古の時代に発達しました。差し迫った危険を感知したり、安全な場所を見きわめたりする能力を備える部位です。

幸いにして、現代のわたしたちの日常は、格段に安全になりました。脳のこの部分を稼働させる必要はほとんどなくなったので、いざというときにも、わたしたちには使い方がわかりません。脳からのメッセージにも気づきません。けれども、わたしたちは直感力を失ったわけではありません。実際、劇的な寛解を遂げた人々は、直感力をうまくつかって生命の危機を克服した人々なのです。

※この原稿は、『がんが自然に治る生き方』からの抜粋です。


[いずれもPRESIDENT online]

Posted by nob : 2015年07月20日 00:05

医療は外傷や急性疾患時の緊急避難手段として、、、慢性疾患には生活習慣の見直しと食養生、自らつくりだした疾患は自ら解消できる。。。Vol.3

■余命宣告から「自然治癒」に至った事例が放置されてきた理由
全米ベストセラ―『がんが自然に治る生き方』(1)

ケリー・ターナー=文 長田美穂=訳

治癒不能といわれたガンが自然治癒する現象が、実際の医療現場で話題になることはまずない。 しかし筆者が目を通した1000本以上の医学論文において、ガンが自然に治癒した事例を報告していた。医師は治すのが仕事なのでこうした事例を追跡研究することはなく、「たまたま」治ったという話は「偽りの希望」を与えるだけだとして積極的に口外することもなかったために、自然治癒事例は事実上放置されてきたのである。全く科学的にメスを入れられていないこのテーマを解明するために、「劇的な寛解」事例を報告した医学論文をくまなく分析し、日本を含む世界10カ国で寛解者と治療者のインタビューを行った結果、ガンの自然治癒を体験した人々には、「9つの共通する実践事項」があった。それらは、がんの治癒のみならず、予防としても役に立つものである。発売と同時に米アマゾン1位“がん部門”にランクイン、ニューヨーク・タイムズ・ベストセラーとなった話題の書『がんが自然に治る生き方』から抜粋してお届けする(全2回)。

「逸脱した事例」がわたしたちに教えること

がんと診断されたことのあるすべての人に
そして愛する人のがん治癒を支える人に

こんな話を聞いたことはありませんか。

進行がんと診断されて、手術や抗がん剤といった病院での治療はすべて試したけれども効果はなく、自宅にもどされた。ところが5年後に医者を訪ねたその元患者は、がんから解放されてすっかり元気になっていた。

わたしが初めてこうした事例に遭遇したのは、サンフランシスコのがん専門病院で患者のカウンセラーをしていたころでした。昼休みにわたしはアンドルー・ワイル博士の『癒す心、治る力――自発的治癒とはなにか』(角川文庫ソフィア、1998年)を読んでいました。そこには、医学的には手遅れだったはずのがん患者が、見事に回復を果たす事例が載っていたのです。わたしはのちにこうした事象を「がんの劇的寛解」(Radical Remission)と名付けました。

驚きのあまり、凍りつきました。こんなことがありうるの? 進行がんを現代医療を使わずに克服した? もしそうなら新聞の一面に載るような話じゃない? たとえ極端な事例だったとしても、画期的な出来事です。

その事例の当事者は、たまたま何かの方法に出合って、治癒に至ったのです。いったい、この人は何をしたのか。自分が担当しているがん患者の方々のためにも、なんとしてもこの現象について知りたいと思ったわたしは、劇的な寛解の症例を探し始めました。

そして衝撃的な事実を発見しました。

なんと、これまでに1000件以上の症例報告が、実際に医学雑誌には掲載されていたのです。けれどもわたしはそんな話を聞いたことがありませんでした。わたしの勤めていたのは有名ながんの研究機関ですが、こうした現象はまったく話題になっていませんでした。

調べれば調べるほど、いらだちが募っていきました。実際、医師たちはこういった症例について調べることもなく、追跡さえしていなかったのです。

わたしは少しずつ、がんから劇的に寛解した人々を探して、直接話を聞きはじめました。彼らは言いました。主治医はよろこんではくれたけれど、どうやって回復したかについては一切関心を示しませんでした。それどころか、「ほかの患者には話さないでください」と主治医に頼まれた人さえいたのです。その理由は、「あらぬ希望を与えたくないから」。

もちろん医師が特殊な事例から得た情報で患者をミスリードしたくないと考えるのはもっともなことです。けれどもだからといって、現実に起きた回復の症例を黙殺すべきではないはずです。

「治るためなら、何でもしたい」という最後の望み

がんが治った人たちから直接話を聞きはじめてしばらくしてからのことでした。抗がん剤治療を受けつつわたしのカウンセリングにやってきた女性がいました。31歳、双子の赤ちゃんがいながら、悪性度の高いステージ3(全4段階)の乳がんと診断されたばかりでした。わたしの目の前で、彼女は泣き出しました。

「治るためなら、何でもしたいの。子どもたちには母親が必要なんです」

彼女は疲労困憊し、最後の望みを求めてわたしに思いをぶつけてきたのです。泣きじゃくる彼女を前に、わたしの脳裏に浮かんだのは、医師たちから見向きもされずに放置されていた1000件以上の劇的な生還の症例のことでした。わたしは一息つき、彼女を見つめて言いました。

「確かなことは言えない。でも、何か方法があるか探してみるわ」

がんの劇的寛解の研究のために、大学院博士課程に進み、人生を捧げると決意した瞬間でした。がんから劇的に生還した人々の症例を探し、分析し、この現象について語っていこう。そう決めたのです。

「がんとの闘い」に勝利するために、すでに勝利した人の体験談を聞く。もっともなことですよね。がんからの生還という驚異的な体験の裏には、どんな秘訣があったのか。それを解き明かすため、思いつくかぎりの質問をぶつけて、科学的な検証をしてみるべきでしょう。説明がつかないからといってその事実を黙殺したり、口封じしようとするのではなく、事実に向き合うのです。

「逸脱」した現象に目を向けた科学者といえば、アレクサンダー・フレミングを思い出します。1928年、フレミングがバカンスを終えて実験室にもどると、菌の培養皿の多くにカビが生えていました。長期休暇の後にはよくあることです。フレミングは皿を消毒して、実験をやり直そうとしました。けれども、ここが運命の分かれ道でした。ちょっと待てよと、彼はカビの生えた皿を注視しました。するとなかに一つだけ、皿の中の培養菌がすべて死んでいた皿があったのです。フレミングは、「たまたまだ」とその皿を放置したりはしませんでした。それが抗生物質の先駆け、ペニシリンの発見につながったのです。

本書では、わたしが手がけているがんからの劇的な寛解についての研究成果を、みなさんにお伝えします。アレクサンダー・フレミングに倣って、わたしは標準から逸脱した事象を無視することなく、より詳細に検討していきます。

本題に入る前に、まずは自己紹介をさせてください。わたしが何によって導かれ、このテーマに人生を捧げることになったのかお話しします。

小児病棟でのボランティアで決意したこと

「がん」との最初の出合いは、3歳のときでした。叔父が白血病だと診断されたのです。叔父の闘病は5年におよびました。親族が集まるたびに、わたしたち子どもは「がん」という恐ろしい病について聞かされ、震え上がりました。わたしが8歳の時、叔父は亡くなり、いとこは父親を失いました。大人の男の人たちは、「がん」で死ぬかもしれない、とわたしは思いました。

14歳のとき、学年末の終業式の直後に、仲のよかった男の子が胃がんと診断されました。ウィスコンシン州の小さな町には衝撃が走りました。募金集めのためにパンケーキ朝食会を何度も開き、彼のお見舞いに行きました。大丈夫だよと言う友だちもいましたが、わたしには「あのときと同じことになるかもしれない」という、いやな予感がありました。男の子は副作用に2年も苦しんで、17歳で亡くなりました。町中が悲しみに暮れました。その後何年間か、わたしは友だちと彼のお墓に花を供えに行きました。彼の死によってわたしは、がんは年齢に関係なく誰をも死に追いやる病なのだと悟ったのでした。

ハーバード大学の学生だったとき、わたしは代替医療やヨガ、瞑想と出合いました。それは初めて体験する不思議な世界でした。それまでのわたしは、心の世界と身体の状態とは別のものだとして、2つを切り離して考えていました。けれどもしだいにそうした考え方に違和感を覚えるようになりました。

ハーバードでの4年間はすばらしいものでした。卒業後の最初の仕事として、わたしは地球温暖化をテーマにした本を共同執筆する予定でした。ところが気がつくと、学生時代に謳歌していた人的なつながりを一切失い、ただコンピューターに向かうだけの生活をしていました。あるとき、その孤立感を友人に話したところ、彼女は、ボランティアをしたらとすすめてくれました。それで、がん患者の役に立つためのボランティアをしようと思い立ったのです。

ニューヨークにあるメモリアル・スローン・ケタリングがんセンター小児病棟で、最初にボランティアをした日のことは、いまもはっきりとおぼえています。わたしの仕事は、静脈注射による抗がん剤治療を受けている子どもたちと、ボードゲームのモノポリーで遊ぶ、というものでした。たったそれだけです。けれどもその数時間のあいだ、子どもたちは、病気のことをすっかり忘れて夢中になっていました。わたしにとっては、人生を変えるほどの意義のある出来事でした。これが天職だと感じました。数週間のボランティアを通じて、わたしはカリフォルニア大学修士課程に進むことを決めました。腫瘍社会福祉学、なかでもがん患者へのカウンセリングを専門に学ぶことにしました。

大学院で学ぶうちに、わたしは改めて代替医療に関心を持ちました。多くの本を読み、ヨガのインストラクターの資格も取りました。日中はがん患者のカウンセリング、夜は勉強とヨガの時間に充てました。当時、わたしの夫は鍼(はり)や漢方など中国伝統医学の学位をとるため勉強をしつつ、身体エネルギーを活用した難解な治療法を学んでいました。代替医療の学習材料には事欠かない環境でした。

人生の転機となったアンドルー・ワイル博士の本に出合ったのはこの時期のことです。ワイル博士の説く「自発的治癒」という現象に興味を持ち、このテーマを追求するため博士課程へ進むことにしました。医学的には不可能だとみられた状態からがんを克服した人々は、いったい何をしていたのか。その探求に人生を捧げる決意をしたのです。

がんの「劇的な寛解」とは何か

がんの劇的な寛解とは何を意味するのか。これを考えるにあたって、まずは「標準的な」寛解、あるいは「劇的ではない」寛解とは何なのかを考えてみましょう。

医師ならこう考えるでしょう。初期に発見された、治療しやすいタイプのがんなら、寛解は期待できる、と。たとえばステージ1の乳がんで、手術、抗がん剤と放射線という標準的な治療を受けた女性の場合、統計的にいえば、その後5年間はまず再発しないだろうという予測が成り立ちます。でも、もし同じ女性が膵臓がんのステージ1だと診断されたら、同じく標準治療を受けたとしても、5年生存率はわずか14パーセントにすぎません。なぜなら現代医学には、ステージ1の乳がんほどの治療効果を上げる膵臓がんの治療法は、存在しないからです。

わたしは「がんからの劇的な寛解」の定義を、次のように定めました。

・がんの種類は問わず、「寛解」が統計的に極めて稀であること
・その統計とは、がんのタイプ、ステージ、受けた治療によって異なるものとする

さらに具体的に記しましょう。

「がんの劇的な寛解」とは、次のいずれかの事態が起きた状態を指します。

1 医学の標準治療(手術、抗がん剤、放射線)を一切用いずに、がんが検知できなくなった場合
2 標準治療を受けたががんは寛解せず、代替医療に切り替えてから寛解に至った場合
3 統計的にみて余命が極めて短い(5年生存率で25パーセント未満)がん患者が、現代医療と代替医療を併用したところ、統計を上回って生存している場合

統計的予測を覆してがんが寛解するのは、たしかに稀ではありますが、体験者は数多く存在します。

わたしは腫瘍内科医に会うたびに、「がんを劇的に寛解させた患者を診たことがありますか」と聞いています。これまでのところ、全員の答えが「イエス」でした。そこで「ではその症例について医学雑誌で報告しましたか」と聞くと、全員が「ノー」と言いました。

思ったとおりです。劇的な寛解の症例を追跡するシステムでもつくらないかぎり、こうした現象が実際にどのくらいの頻度で起きているのか、わたしたちには知る由もないのです。

この目標を実現するため、本書のウェブサイト(RadicalRemission.com)では、がんを克服した人、医師、治療者、読者の皆さんが手軽に劇的寛解の症例を投稿できるようにしました。データベースは無料で一般公開しています。データは研究者も自由に使えます。またがん患者やその家族にとっては、ほかの人がどうやって劇的な寛解を遂げたか、調べることができます。


■末期がんから自力で生還した人たちが実践している9つのこと
全米ベストセラー『がんが自然に治る生き方』(2)

ケリー・ターナー=文 長田美穂=訳

「治った」人の1000件以上の医学論文

寛解症例の研究に着手してまず驚いたのは、1000件超の医学論文において、2種類の人々がほぼ黙殺されていたことでした。

一つは、劇的に寛解した患者本人の一群です。大多数の論文では、患者自身が劇的な寛解の原因をどう考えているかについて一切言及していませんでした。劇的な寛解を遂げた患者の身体の生化学的変化については、何本もの医学論文が詳細に記していました。しかし、患者に「あなたは自分がなぜ治癒したと思うか」と聞き、その答えを記したものは皆無だったのです。患者たちは、意識的だったかどうかはともかく、がんを治すため何かに取り組んでいたはずです。医師はなぜそれに興味を持たなかったのでしょうか。

そこでわたしは劇的な寛解を遂げた20人にインタビューし、「あなたはなぜ自分が治癒したと思うか」を聞くことにしました。

医学論文で黙殺されていたもう一群は、代替療法の治療者たちです。がんからの劇的な寛解は、当然のことながらほとんどの場合、現代医療では打つ手がなくなった患者に起きています。それなのに、西洋医学外の治療者や代替療法の治療者たちががん治療にどう取り組んできたのかを誰も調べてきませんでした。この事実にわたしは驚きました。

わたしが会った劇的寛解の経験者は、世界の隅々まで、それこそ血眼になって治療者を探し出していました。そこでわたしも世界中を旅して回り、非西洋医学の治療者、代替療法の治療者50人にインタビューをしました。10カ月かけて10カ国(アメリカ“ハワイ”、中国、日本、ニュージーランド、タイ、インド、英国、ザンビア、ジンバブエ、ブラジル)を回りました。ジャングルや山の中、そして都市を旅し、治療者と話をしました。各地のすばらしい治療者がわたしに話してくれた経験を、読者のみなさんにご紹介します。

がん治癒を目指して実行していた9項目

劇的な寛解について記した医学論文は1000本以上分析しました。博士論文の研究を終えてからもさらにインタビューを続け、その対象者は100人を超えました。

わたしは、質的分析の手法で、これらの症例を何度も詳細に分析しました。その結果、劇的な寛解において重要な役割を果たしたと推測される要素(身体、感情、内面的な事柄)が75項目、浮かび上がりました。

しかし、全項目を表にして出現頻度を調べると、75のうちの上位9項目は、ほぼすべてのインタビューに登場していることに気づきました。

たとえば登場回数が73番目に多かった「サメ軟骨のサプリを摂取する」。これは調査対象中の、ごくわずかな人が話してくれただけでした。かたや語られる頻度のもっとも高かった9つの要素については、ほぼ全員が、「がん治癒を目指して実行した」と言及していたのです。

その9項目とは次のとおりです。

・抜本的に食事を変える
・治療法は自分で決める
・直感に従う
・ハーブとサプリメントの力を借りる
・抑圧された感情を解き放つ
・より前向きに生きる
・周囲の人の支えを受け入れる
・自分の魂と深くつながる
・「どうしても生きたい理由」を持つ

この9項目に順位はありません。人によって重点の置き方が異なるものの、インタビューで言及される頻度は、どれも同じ程度でした。わたしが話を聞いた劇的寛解の経験者はほぼ全員が、程度の差はあれ9項目ほぼすべてを実践していたのです。

そこで本書は9章に章立てし、1章で1項目ずつ説明していきます。

各章では、まずその章のテーマについての解説と、それを裏付ける最新の研究報告を紹介します。次に、劇的な寛解を遂げた人の実話を記します。章末には「実践のステップ」と題して、その章のテーマを実践しやすいかたちにして、いくつかの方法をご紹介します。

偽りの希望と真の希望とは

9項目の詳細に入る前に、はっきりさせておきたいことがあります。

まず、わたしは手術、抗がん剤、放射線の「三大療法」を否定する者ではないということです。

たとえ話をしましょう。ふつう、フルマラソンを走るとき、人は靴を履いて走ります。けれどもごく稀に、自分なりのこだわりがあって裸足で走る人がいます。なかには裸足のまま元気に完走してしまう人もいます。

同じように、がんにかかった人は、普通は現代医療に頼るものです。けれどもときおり、ほかの方法を試そうとする人が存在します。わたしは後者に関心を持ちました。何を実践して、彼らは医師の予想を覆す偉業を達成したのか。それを突き止めることがわたしの仕事です。

二つ目に、わたしは本書によって、患者の方々に偽りの希望を与えるつもりは一切ありません。

劇的な寛解をした患者のほとんどが、医師から「ほかの患者には黙っていてほしい」と言われたと告白しています。ひどい話ではありますが、その医師の立場になって考えれば、わからなくもありません。来る日も来る日も、生存の見込みの乏しい患者を診察するのは、想像するだにつらい仕事です。

けれども劇的に寛解する人が現にいるという事実を黙殺するのは、偽りの希望を患者に抱かせるよりも、ずっと罪深いことではないでしょうか。

カリフォルニア大学で、研究方法についての授業の初回に、教授はこう言いました。

仮説から逸脱した事例に遭遇したとき、研究者にはそれを吟味する科学的責務がある。そしてその逸脱事例を吟味してから、研究者がとるべき道は2つ。

一つ目は、なぜ仮説に合わない事例が生じたのかを公に説明すること。二つ目は、その事例を説明できる新しい仮説を考え出すこと。

要するに、仮説に合わない事例は無視してよい、という選択肢は存在しないのです。

がんの克服は人類共通の目標です。現代医療なしで治癒した症例を黙殺することは、科学的に無責任な態度なのです。

次に、「偽りの希望」について検討します。「偽りの希望を人に与える」とは、事実かどうかわからないことや、明らかな虚偽を人に伝えて、希望を抱かせるということです。がんからの劇的な寛解が起きる理由は、いまのところ説明不能ですが、それを体験した人が存在するのは事実です。現代の医学では説明のつかない方法で、彼らは自分のがんを治したのです。

9つの仮説から私たちは何を学べるか

この違いを理解したうえで、わたしたちは、「偽りの希望を抱くことになりそうで怖い」と考えるのではなく、がん治癒の鍵となるかもしれない症例を、科学的に検証していこうではありませんか。

9つの要素は、がんからの劇的寛解が起きた理由についての仮説であり、まだ科学的に十分裏付けされた理論ではありません。この9項目によってがん患者の生存率が上がると断定するには、データの量的分析や無作為な臨床試験が必要で、残念ながらあと何十年もかかるでしょう。

それでもわたしはこの仮説は重要だと考えています。これを読者と共有するのに、あと何十年も待とうとは思いません。それよりも、質的分析を使ったわたしの研究結果を公表し、がんからの劇的寛解を遂げた症例はなぜ黙殺されてきたのか、わたしたちはこの症例から何を学べるのかという、より重要な議論へとつなげていきたいのです。

もしもわたしが、「この9項目を実践したらあなたのがんは確実に治ります」と言ったなら、それは人に偽りの希望を抱かせる行為です。わたしはそうは言いません。わたしに言えるのは、「がんの劇的寛解の起因になったと考えられる9つの仮説を検出しました」ということだけです。

次に、わたしが本書の執筆によって何を期待しているかをお話しします。

まず、研究者たちの手で、がんからの劇的な寛解についてのわたしの仮説が、少しでも早く検証されること。それからがん患者本人、そして大切な人ががんを患ってしまった人々が、治癒を遂げた人々の真実の体験談から勇気を得てほしいと思います。

わたし自身、初めてがんの劇的寛解の症例に出合ったとき、その事実の持つ力に大いに勇気づけられました。医学的常識に反してがんを克服する人が、本当に存在するのですから。

がんの予防や健康全般に関心のある人にも、本書は役立つはずです。そして現在病院で治療中の方々、そして打つ手がなく別の方法を探している患者のみなさんにとって、本書が励みになることを願っています。さらに本書がきっかけとなって劇的な寛解をめぐる議論がはじまり、人々が黙殺をやめてこれらの症例から学ぼうとすることを心から願っています。

症例を見ていて不思議に思うことがあります。なぜ、ある人に効く方法がほかの人には効かないことがあるのか。いまのわたしたちには、その理由はわかりません。けれども説明不能を理由に劇的寛解の現象から目を背けるのではなく、真摯に研究していけば、少なくとも人間の自然治癒力について何らかの知見を得ることができるでしょう。うまくいけば、がん根治の治療法の発見につながるかもしれません。いずれにせよ、黙殺からはどんな知見も得ることはできません。

もしアレクサンダー・フレミングがカビの生えた培養皿を捨ててしまっていたら、社会はいま、どうなっていたでしょう。彼の逸脱事例の研究が時間の無駄ではなかったことは、歴史が証明しています。

あまたの歴史的発見は、逸脱事例の研究からはじまりました。逸脱した事例には、真の希望が宿っている可能性があるのです。

Dr. Kelly A. Turner ケリー・ターナー博士
腫瘍内科学領域の研究者。学士号を取得したハーバード大学時代に統合医療に関心を持ち、カリフォルニア大学バークレー校にて博士号取得。博士論文研究では奇跡的な回復を遂げた1000件以上の症例報告論文を分析し、1年間かけて世界10カ国へ出かけ、奇跡的な生還を遂げたガン患者と代替治療者を対象に、治癒に至る過程についてのインタビューを行った。本書はそこから得られた知見を患者や家族、そして健やかに生きたいすべての人のためにわかりやすくまとめた著者初の書籍。


[いずれもPRESIDENT online]

Posted by nob : 2015年07月19日 23:54

医療は外傷や急性疾患時の緊急避難手段として、、、慢性疾患には生活習慣の見直しと食養生、自らつくりだした疾患は自ら解消できる。。。Vol.2

■「がんからの生還者」から学ぶ「治る人」の共通点

医師、医学博士 岡本裕氏

がんというのは、特殊な病気です。
ほかの病気と決定的に違う点は、「治し方」が患者さん一人ひとりによって異なることです。もちろん、ガイドラインに沿った標準治療は存在します。しかしそれ以上に「患者さんが心に抱えている問題」にまで踏み込む必要があることが多いのです。平たく言うと、心の持ちようで、治るペースが遅くも早くもなります。
『がんが自然に治る生き方』(ケリー・ターナー著/プレジデント社)には、医学的・科学的には説明のつきにくい劇的な寛解の事例が「逸脱した事例」と総称して、数多く登場しています。

私自身も、本書に挙げられていたような「逸脱した事例」を目にしたことは多々あります。今まで、のべ約4000名のがん患者さんの医療相談に応えてきましたが、体感では年間4〜5例、逸脱した事例に接したと記憶しています。

■「知らない間にがんが消えた」という人も

私が実際に患者さんに接した例は、大きく2つのグループに分けられます。

まずは、ある老人福祉施設に入所中のがん患者さんの場合です。

年齢を重ねている患者さんの場合、おなかにメスを入れるだけで、相当な負担となることがあります。

そのため、手術が可能な範囲であっても、本人やご家族と話し合い、積極的な手術には挑戦せず、あえて見守ることもあります。

「手術に挑まず、経過を見守る」という選択に、ご本人もホッとされる部分もあるのでしょうか。そういう方の中には「なぜかがんが見当たらなくなっていた」、もしくは「進行しないがんと数年間共存して、老衰で亡くなった」ということがよくあります。

もっとも、その老人福祉施設は「食養生」や運動を実践しています。それらの努力が、がん細胞の消滅や、肥大抑止に、功を奏しているのかもしれません。

一方で、この本の「9つの実践項目」に相当するような事柄に留意をせず、切除手術もしていないのに「がんが知らない間に消えた」という人たちにもお目にかかります。これらも「逸脱した事例」です。

私はこれらの「逸脱した事例」には、共通した理由が、必ずと言ってよいほど存在していると感じています。

■3大治療は「時間稼ぎ」にすぎない

私たちは、「e−クリニック」というウェブサイト上で、日々個別の相談を受け付けています。そのため、一度相談に乗ったことのある方が「サバイバー」(がんからの生還者)となり、連絡をくださることも少なくありません。実は、サバイバーの方こそ、がんとうまく付き合うコツを知っています。

私は彼らと接しながら、このような問いかけをよく繰り返しています。

「がんが治る人と治らない人との決定的な違いは?」と。

やはり「考え方を変えた」「食事を変えた」という違いが、よく挙げられます。つまり、「今までのままでは駄目」ということなのです。今までの自分がストレスを増長させ、病気になったわけなのですから、積極的に患者さんが「自分自身」を変える必要があるのです。

まずは食生活を変えることから始め、趣味や旅行、働き方、人とのお付き合いの仕方まで。具体的なことを変えると、「考え方」は大きく変化し、それまでに負荷としてかかっていたストレスを減らすことにもつながるのです。そして、どうしても「時間稼ぎ」が必要な場合には、がんの3大治療(西洋医学)も上手に利用すればよいのです。

そもそも、3大治療とは万能なものではなく、「時間稼ぎ」にすぎないことを理解しておく必要があります。3大治療は、ほとんどが対症治療です。がんには対症治療だけでなく根本治療が不可欠です。

がんの根本治療とは、すなわち自身の自己治癒力を高めて、がんの病勢に打ち勝つこと。そのためには3大治療とは別にどうしても自己治癒力を高める手段が不可欠となります。今までの生き方や過度なストレスが、自己治癒力を低下させ、がんを発生させたのですから、今までの生き方や考え方を変えることが大切です。

私たちは自己治癒力を有意に高めるため、がん患者さんに中医学(気功、中医薬)などの補完代替療法を奨めています。もちろん、3大治療を頭ごなしに否定するわけではありません。上手に活用すれば非常に有用です。

しかしながら、主治医の言いなりに3大治療を受けるのではなく、必ず次に述べる2点をしっかりと押さえて欲しいのです。

1点目は、「やろうとする治療法の目的」「メリットとリスク」「治療の根拠」「代替案の有無」を担当医に訊いておくことです。

また目指すところが「根治」か「微々たる延命治療」か、はたまた「機能回復」「緩和治療」か、「形ばかりのアリバイ治療」かも、確かめておきましょう。

2点目は、「匙加減が可能かどうか」を確認しておくことです。今や欧米では標準治療を基準にしながらも、抗がん剤の投与量を微調整するなど、個人に合った治療を行っています。そのような小まめな配慮をしてくれるかどうかも最初に訊いておきたいところです。

■医師と患者で異なる「治る」の意味合い

そして患者さんは「治る」ということに関して、正しく認識してほしいと思います。

実は「治る」という言葉は、医師サイドと患者サイドで、大きな差があるのです。

多くの患者さんにとって「治る」は「元気で長生きする」ことであるはずです。

しかし、たとえば抗がん剤を手がける医師から見た場合、抗がん剤によってがんが50%以上縮小した期間が最低4週間あれば、「効果あり」と認められます。

極端なことを言えば、患者さんのがんが50%以上小さくなって、抗がん剤治療の4週間後に亡くなったとしても。医師からすると、そのケースは「抗がん剤は効いた」、そして「抗がん剤によってがんが治った」ということになるのです。これは、患者さんにとっての「効く」とは、かなりかけ離れたイメージではないでしょうか。

医療の現場においては、患者さんと医師の認識の間に、このような乖離がしばしばあります。

そして突き詰めて考えると、優秀な医師が最先端の医療を活用しても、「治す」ことができない病も少なからずあります。

私自身、若い頃は脳外科の道を選んで脳外科のスペシャリストを目指しました。ところがどれだけ技を尽くしても、治したい人を思うようには治せないのです。脳外科医だった当時、「医療とは何のためにあるか?」という根本的な問いに自分自身が答えられなくなり、医療の最前線から「降りる」ことにしました。そして、患者さんの患部に限らず、人格をも含めた全体を捉える方向へと考え方をシフトしました。すると、違った風景が見えてきたのです。サバイバーを目の当たりにしたとき、私は彼らから多いに学ぶべきだと気付いたのです。

一般的な医療の現場では、標準治療以外で治った患者さん(「逸脱した事例」)は「例外」とされ、「なぜ治ったのか」という点に関してはまったく関心を持たれなくなります。それは非常にもったいないことです。

本質的なことを言えば、たとえ「例外」でも治ればいいはずです。「例外」というレッテルを貼るのなら、その「例外」の事例を増やせばよいのです。どうしたら「例外」が増えるか、どのようなことで「例外」が増えるか、本書のように共通項を探して、広く一般に広めればよいのです。

「例外」となる確率が上がることには、本書にあったようなヨガや呼吸法、食生活の改善など、さまざまな要素があります。

私たちは、ときにサバイバーを含むがんの患者会の皆さんと共に活動しています。結局のところ、本書にあるような「治っている人がいる」という事実こそ、がん患者さんの直接的な励みとなるからです。

サバイバーが気軽に情報を発信したり、誰もがアクセスできるウェブ上のシステムや、リアルなコミュニティーが各地にできれば、がんに対するイメージも変わってくると思います。

※本稿で紹介している『がんが自然に治る生き方』原作(ケリー・ターナー著)のウェブサイト(http://www.radicalremission.com/)では、劇的な寛解(がんが自然に寛解したり進行しない例)について、誰でも投稿・公開できるようになっています。

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岡本裕(おかもと・ゆたか)
医師、医学博士。1957年生まれ、大阪大学医学部、同大学院医学部卒業。麻酔科、ICUの研修を経て脳外科専門医になり、悪性脳腫瘍の治療に取り組む。細胞工学センターでがんの免疫療法、遺伝子治療の研究を行う。その後、現在の医療・医学に疑問を持ち、仲間の医師たちと「21世紀の医療・医学を考える会」を設立。 2001年から、本音で応える医療相談ウェブサイト「e−クリニック」(http://www.e-clinic21.or.jp/)を運営する。

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(岡本裕 構成=山守麻衣)

[PRESIDENT online]


■「がんが消える」患者は決してゼロではない
『がんが自然に治る生き方』を医師として読んで(1)

著者=川崎市立井田病院・かわさき総合ケアセンター医師 西 智弘 
構成=山守麻衣

「アメリカでベストセラーとなり、日本でも版を重ねている」と聞いたのが、『がんが自然に治る生き方』(ケリー・ターナー著/プレジデント社)を手にとるきっかけでした。医師として、その人気の理由を知りたいと思いました。精読したあと、多くの方と本書の発するメッセージと、本書を読む際の注意点を共有したくて、患者さんや医療関係者を対象とした読書会で取り上げるに至りました。

本書では、著者が調査・取材した「劇的な寛解」の100余りの事例から導き出された9つの共通点が仮説として示されています。世界中に、厳しい余命宣告を受けながらも、そこから劇的な快復を見せ、がんが消えたり長期生存したりする方たちがいるのです。

また、著者が出会った腫瘍内科医たちは皆「がんを劇的に寛解させた患者」を診たことがある、と回答したそうです。

かくいう私も、ここ10年ほどでがんが自然に寛解したり進行しない例については何件も目の当たりにしてきました。

たとえば悪性リンパ腫と宣告され、抗がん剤治療をすすめられていたAさんという男性の患者さんがいます。Aさんは抗がん剤治療を頑なに拒み、途中からぱったりと病院に現れなくなりました。そして「具合が悪くなっては受診し、抗がん剤治療をすすめられると、姿を消す……」ということを繰り返していました。

まるで“いたちごっこ”のような日々の末、ようやく抗がん剤治療に踏み切ろうとしたAさんの患部のCTを撮ったところ、進行しているに違いない……と思っていた病巣が見当たらなくなっていたのです。当時の私は主治医ではなく担当医として関わっていたのですが、「そもそも最初の診断が誤診だったのではないか?」と問うAさんの怒りの表情は、今も瞼に焼き付いています。

※注:きちんと組織検査はしていましたしAさんは数年後、同じところにがんが再燃したため、誤診ではありませんでした。

緩和ケア病棟から退院する人も

また、次のような例もあります。ホスピスに入所してきたBさんという女性の「末期がん」と他院で宣告された患者さんのケースです。

彼女は、余命約3カ月と宣告されていて、緩和ケア病棟に入るために自宅を売り払い、身辺整理を済ませてきました。しかし、入院後に何度検査をしても、がんの影は小さいまま。3カ月で亡くなるどころか1年以上たってもがんは大きくならず、日常生活にも支障はないので、ご自身の人生のためにも退院することをおすすめしたところ「資産も戻る家も処分してしまって帰る場所も無いのに」と、困惑していらっしゃいました。

最終的にBさんは緩和ケア病棟から退院となり介護施設に移りましたが、その後もしばらく、がんは全く進行せず数年間長生きすることができました。

もちろん、これらは一般的なことではなく極めてレアなケースです。しかしこのような自然な寛解だったり「進行しないがん」の可能性がゼロではない、という事実は、もっと知られてもよいと感じます。それに、抗がん剤治療をすることで寛解にいたる例も、固形がんであったとしても決してゼロではありません。

しかも、AさんもBさんも、本書に挙げられている「9つの実践項目」、たとえば「抜本的に食事を変える」などの取り組みを、意識的に実践してはいなかったはずです。

このように、がんとはある意味不思議な病気で、統計的な予測を覆す側面を少なからずはらんでいます。それにもかかわらず、本書では最初に「これは仮説です」と前置きしていながら、読んでいると「明日から実践しましょう」と書かれているところ、そして「これが『がんが自然に治る生き方』です」とタイトルに示しているところが、注意して読むべき本と思った理由です。

「治療の手引き」として読むべきではない

本書に挙げられていた「劇的な寛解」のある事例についても指摘すべき点があります。

ドンナさんという58歳の女性のケースです。

彼女はステージ3の進行性結腸がんと診断され、腸の切除手術を経て、人工肛門を形成するに至ります。そして術後数週間後から、再発を抑えるための抗がん剤治療に挑みます。しかし白血球減少などの副作用で集中治療室に入院することになってしまった彼女は医師から、今後の抗がん剤治療の中断と帰宅をすすめられることになります。

そこでドンナさんが選択したのは、カナダの「クーガーマウンテンセラピー・センター」で行われる、鍼とハーブによる集中治療のプログラムです。それは「抗がん剤を身体から出しきったほうがよい」という瞑想サークルの友人の助言によるものでした。

プログラムの期間中、ドンナさんは健康的な野菜と魚の料理を楽しみ、磁器パルサー発生装置による治療を受け、さらには参加者との交流で過去の感情を発散させていたそうです。

当初は、「歩くのもままならない」という状態で到着した彼女でしたが、10日間のプログラムが終了したときには何キロも歩けるようになっていたといいます。

それから彼女は通常の生活に戻り、愛する孫の成長を見守り、肉や小麦、砂糖、乳製品を控えた食事療法、ビタミン剤の摂取や瞑想を続けます。そして退院から2年目、人工肛門を外せるまでに快復を遂げます。さらにそれから6年以上経っても、ドンナさんは小康状態を保ち、孫の子守りやボランティア活動に励んでいるのだそうです。

この描写から、「クーガーマウンテンセラピー・センターのプログラムに参加した結果、元気になった」というメッセージを一般的には読み取るかもしれません。しかし、こういったケースを「劇的な寛解」と取り上げていることも、本書を注意して読んだ方がいい理由のひとつです。

もちろん、このプログラムがドンナさんのメンタル面を強化してくれたということはあるかもしれません。しかし厳密に言えば、彼女がこのプログラムに参加をしていなくても、快方へと向かっていた可能性は高いのです。

なぜなら一般的に、抗がん剤治療の副作用で体調が悪かったのであれば、それを中止するだけでも、体調の快復が得られることは珍しくはないからです。そして、ステージ3で手術をしたのであれば、その後抗がん剤をしなくても再発しない、という可能性も少なくはなく、つまりはこのプログラムで治った、というよりはがんの手術でがんが治った、という可能性の方が高いのです。

この9つの実践で万人が治るわけではない「仮説」である以上、この本をそういった「治療の手引き」としてとらえるならそれはやはり注意した方がよいと言わざるを得ません。でも、その点に注意したうえで、前向きに生きるためのヒント、がんを持ちながら生きるためのヒントを得るための本としては、読む価値があるかもしれません。

我々医療者は、科学者として伝えるべきことはきちんと伝えるべきだし、危険な治療法や詐欺に患者さんが向かおうとしているのなら、それは止めるべきと思っています。しかし一方で、患者さん達がいかに前向きに人生を生ききることができるかを常に考え続けないとならないとも思っています。この本を読んだことをきっかけに、患者さんが前向きな希望を持てた、というのであれば、この本はひとつの役割を果たしたと言えると思いますし、その「希望」自体を私が否定するものではありません。それならば私は、人間としてその希望を支えつつ、医学の科学者としてアドバイスをしつつ、患者さんの生きる道に寄り添って行きたいと思います。

西 智弘(にし・ともひろ)
川崎市立井田病院・かわさき総合ケアセンター医師。2005年、北海道大学医学部卒。家庭医療を志した後、緩和ケアに魅了され、緩和ケア・腫瘍内科医として研修を受ける。2012年から現職。緩和ケアチームの業務を中心として、腫瘍内科、在宅医療にも関わる。日本内科学会認定内科医、がん治療認定医、がん薬物療法専門医。http://tonishi0610.blogspot.jp/

[PRESIDENT online]

Posted by nob : 2015年07月19日 23:15

私たち一人一人が変わらなければ、この社会は変わらない。。。

■<反「安保」>拡大 全国で一斉抗議「アベ政治を許さない」

 安全保障関連法案に反対して作家の澤地久枝さん(84)らが呼びかけた安倍政権に対する抗議行動が18日、全国各地であり、「アベ政治を許さない」と記したポスターを午後1時ごろに一斉に掲げた。主催したスタッフは「全国各地の1000カ所前後で実施されたと見込まれる」と話している。

 澤地さんの提案にジャーナリストの鳥越俊太郎さん(75)、作家の落合恵子さん(70)らが賛同。俳人の金子兜太(とうた)さん(95)が書いたポスターをインターネットのサイトに掲載し、それぞれが印刷して持ち寄った。

 メイン会場の国会前には澤地さん、落合さん、鳥越さんらも駆けつけ、主催者発表で5000人以上が集まった。時折小雨が降る中、参加者はポスターを一斉に掲げて「安倍政治を許さない」とシュプレヒコールをあげた。

 壇上に立った澤地さんは「政治を変えるのは(政権に)反対する人たちが手をつなぐ時だ」と呼びかけた。落合さんが「平和の破壊を私たちは許さない。2015年7月を新しい一歩にしよう」と語りかけると、講談師の神田香織さんは「新国立競技場の建設案だけでなく、安保法案も撤回すべきだ」と訴えた。最後に鳥越さんが「我々が心を一つに連帯し、声を上げることが国会を動かすことになる」と締めくくった。

 東京都杉並区の男性(65)は「傍観者じゃいられないと思い、初めて抗議行動に参加した。安倍政権は安保法案が違憲だと言われても耳を貸さない」と話し、東京都江東区の女性会社員(58)は「一緒になって立憲主義を覆す政治をやめさせたい」と語った。

 名古屋市東区では市政資料館前に市民約100人が集まり「戦争反対、憲法守れ」などと声を合わせ、午後1時にポスターを一斉に掲げた。講演で同市に来ていた上野千鶴子・東京大名誉教授は「今怒らないで、いつ怒るの。このまま法案が通れば、子どもたちに顔向けができない」と訴えた。

 福岡市中央区では、終戦間際に旧満州(現中国東北部)に渡った満蒙(まんもう)開拓団の苦難を描いた映画「望郷の鐘 満蒙開拓団の落日」の上映会後、観客約150人がポスターを掲げた。主催者がポスターを配って賛同を呼びかけた。観客の川添緋砂子さん(79)は「戦争が起これば市民はみな苦しめられる。戦争につながりかねない安保法案に強く反対しているので、抗議行動で意思表示ができてよかった」と話した。

 大阪市北区の扇町公園では、安全保障関連法案の廃案を求める弁護士らが呼びかけた集会があり、約1万1000人(主催者発表)が参加した。「憲法9条をいかす壮大な運動を巻き起こす」との決議を採択し、周辺の約2キロをデモ行進した。【一條優太、花岡洋二、川上珠実、山口朋辰】

[毎日新聞]

Posted by nob : 2015年07月19日 13:32

原発も安保も、ゼロペースでの見直しを。。。

■<新国立競技場>安倍首相「ゼロベースで計画を見直す」

 安倍晋三首相は17日午後、2020年東京五輪・パラリンピックの主会場となる新国立競技場の建設計画について「現在の計画を白紙に戻し、ゼロベースで計画を見直す」と表明した。首相官邸で記者団に明らかにした。

[毎日新聞]

Posted by nob : 2015年07月17日 16:55

憲法学者の所見

■安保法案「違憲」104人、「合憲」2人 憲法学者ら

集団的自衛権の行使を容認する安全保障関連法案は憲法違反にあたるか

 安全保障関連法案の合憲性をめぐり、朝日新聞は憲法学者ら209人にアンケートをした。回答した122人のうち「憲法違反」と答えた人は104人、「憲法違反の可能性がある」は15人。「憲法違反にはあたらない」は2人だった。

 調査は先月下旬、判例集「憲法判例百選」(有斐閣、2013年発行)を執筆した210人のうち故人1人を除いてメールなどで実施。一部無回答を含め122人(実名85人、匿名希望37人)が回答した。法案と憲法との整合性を問う質問は四つの回答から選ぶ選択式で、「憲法違反にはあたらない可能性がある」は0人、回答なしが1人だった。

 違憲か違憲の可能性があると答えた計119人は「集団的自衛権の容認は、解釈の限界を超える」「憲法は武力行使を政策的に判断する権限を政府に与えていない」などを理由に挙げた。一方、合憲と答えた2人は「国家を守るために必要な範囲に限定されている」「従来解釈と論理的整合性が欠如しているだけでは憲法違反の理由にならない」とした。

 法案に先立ち、安倍内閣は昨年7月、集団的自衛権の行使を可能にする閣議決定をした。この妥当性について尋ねたところ、回答した116人が「妥当でない」とした。「都合のよい憲法解釈は法的安定性を失う」といった批判があった。法案が合憲と答えた2人を含む6人は無回答だった。

 政府は集団的自衛権行使容認の根拠として1959年の砂川事件の最高裁判決を挙げている。この判決が集団的自衛権行使を「認めていない」と答えた人は95人で、「認めている」は1人。「判決は判断していない」などとして「その他」を選んだ人が24人、無回答が2人だった。

 自衛隊については「憲法違反」が50人、「憲法違反の可能性がある」が27人の一方で、「憲法違反にはあたらない」は28人、「憲法違反にあたらない可能性がある」は13人だった。憲法9条改正が「必要ない」は99人、「必要がある」は6人だった。

 憲法判例百選は重要判例の概要を紹介し、意義を解説する専門書。13年発行の第6版はI、II巻合わせて210人が執筆した。衆院特別委員会で法案の合憲派として菅義偉官房長官が名前を挙げた3人は執筆していない。

 法案をめぐっては、衆院憲法審査会に参考人招致された憲法学者3人が憲法違反と発言するなど法的正当性に疑問の声が出ている。

[朝日新聞]


■憲法学者らから見た安保法案 「曲解」「政策論に期待」

集団的自衛権をめぐる政府と憲法学者の考え方

 解釈の限界を超えている――。朝日新聞が実施した憲法学者らへのアンケートでは、安全保障関連法案を大多数が「違憲」と判断した。成立を目指す安倍政権は、法の専門家からは立憲主義を脅かす存在と映る。

■法案の合憲性

 法案について、違憲や違憲の可能性があると答えた119人のうち40人以上が自由記述で現行憲法下での集団的自衛権行使は違憲と強調した。野坂泰司・学習院大法科大学院教授は「『他衛』を本質とする集団的自衛権行使の容認は、解釈の限界を超える」。市川正人・立命館大法科大学院教授は「集団的自衛権の一部を個別的自衛権の延長線上のものと位置づける政府解釈は論理的に破綻(はたん)している」と指摘した。

 一方、法案を合憲とする2人のうち、井上武史・九州大院准教授は、集団的自衛権について「憲法の文言からは明らかに違憲とする根拠は見いだせない」「違憲かどうかではなく、日本や国際社会の平和と安定に真に貢献するかという政策論議を国民は期待している」と述べた。

 法案は集団的自衛権行使のための「武力行使の新3要件」を定め、政府は「厳格な歯止め」とするが、20人以上が定義があいまいだとした。若尾典子・佛教大教授は「漠然としており、制限規定となっていない」。大津浩・成城大教授は存立危機事態について「政治的多数派の主観的な『危機』の判断で拡大する基準」とする。

 これに対し、法案を合憲とした元衆議院法制局法制主幹の浅野善治・大東文化大院教授は3要件を「厳格」と評価し、「国家を守るために必要な範囲に限定されている」とした。

 政府の憲法解釈を変更して集団的自衛権行使を可能にした手法についても約40人が疑問視した。井上典之・神戸大院教授は「憲法の最高法規としての性格を無視した行為」とした。

[朝日新聞]


■「憲法学者の中で改憲論者は警戒されている」安保法案「合憲論」百地教授に聞く

集団的自衛権の行使を可能にする安保法案をめぐって、多くの憲法学者から「違憲」の大合唱が聞こえてくる中、少数ながら堂々と「合憲論」を主張する憲法学者がいる。「合憲」とする学者は、憲法をどうとらえているのか。日本大学の百地章教授に聞いた。

●護憲派のヒエラルキーができている

――なぜ、「少数意見」になってしまったのか。

安保法制を合憲だと考えている憲法学者は、私のほかにも結構います。だけど、声を上げられない雰囲気があります。

憲法学者の学界では、護憲派のヒエラルキーができています。その中にいて、「あいつは改憲論者だ」ということになると、警戒、排除されるおそれがあります。発表の場が失われたり、論文の執筆の機会を奪われたりということもありえます。そうなると、賢明に対処しようという学者は、声を上げられないのです。

私は、この国の憲法の成立過程に疑問を感じています。憲法を改正する必要があると考えています。平和憲法が、そんなにいいものだったら、世界中が輸入してくれそうです。でも、そうなってはいません。

自らを守ることができない国家なんてありえません。世界の歴史から見ても、はたしてこれでいいのかという疑問がありました。憲法をなんとか改正したいという思いで、これまで主張を続けてきました。

●新しい安保法制で「ポジティブリスト」を増やす

――従来と異なる安保法制が、なぜ必要なのだろうか。

これまでの日本は「集団的自衛権を保有しているけれど行使できない」という状態でした。それを国際標準に合わせて、行使できる状態にするのが、今回の安保法制です。

政府見解では、憲法9条1項は、侵略戦争を放棄しており、戦力をもつことは認めていませんが、2項で、戦力にいたらない実力は保持できるとされています。つまり、自衛隊は「戦力」(軍隊)ではなく、「実力」だから認められるということです。

軍隊は「ネガティブリスト」で行動します。「してはいけない」と、国際法で禁止されたこと以外は、主権と独立を守るために自由に行動できるということです。これが軍隊の特色です。逆に、警察は「ポジティブリスト」、つまり、具体的に「これとこれはしていい」と書いてあることしかできません。

自衛隊は法制度上、警察と同じ発想にたっています。ですから、具体的に「ポジティブリスト」として、法律に書いてあることしかできません。今回の安保法制は「してもいいこと」を増やすためです。「集団的自衛権は保有しているけど行使できない」という、これまでのいびつな状態を解消するために必要なのです。

ただし、本当にやるべきことは、9条2項を改正して、自衛隊を軍隊とすることです。

――改憲をしなければ、集団的自衛権を行使できないのではないか。

そうではありません。今の憲法の枠内でも、集団的自衛権の限定的行使は可能です。それが今回の安保法制なのです。集団的自衛権は、国連憲章51条によって、すべての国連加盟国に認められた、国際法上の固有の権利です。

そのため、憲法に明記されていなくても当然に行使することができます。当たり前のことをわざわざ明文化することはありません。調べた限りですが、他の国でもそんなことをわざわざ規定している国はありません。

――国際法のほうが、憲法より上ということなのか。

国際関係においてどちらを優位にするのかという問題と、国内においてどちらを優位とするのかという問題は、分けて考える必要があります。

国内的には、条約よりも憲法が優位だというのが政府見解なので、憲法に違反するような条約は違憲無効になります。

ところが、国際社会においては、国際法が優位しています。だから、国際社会では、各国とも国際法にしたがって行動しています。国際関係においては、憲法を引き合いにだしたら国際秩序が成り立ちませんから。

●「お抱え学者が徴兵制合憲を主張している」報道に「そんなわけない」

――一部の報道では、「お抱え学者の百地教授は徴兵制も合憲だと主張している」と伝えられているが、真意なのか。

全くの事実無根です。徴兵制は憲法違反だといっています。ただ、政府のいう違憲論は理屈に合わないと考えているということです。

憲法18条には「何人も、いかなる奴隷的拘束も受けない。又、犯罪に因る処罰の場合を除いては、その意に反する苦役に服させられない」とあります。

政府の理屈では、徴兵制は「意に反する苦役」にあたるから違憲だというわけです。しかし、そうだとすると、自衛官は、自ら率先して、自らの意思で「苦役」についているということになる。国を守るという神聖な任務に就いている人に対して、「あなたがやっていることは苦役だよ」というのは失礼極まりないと思います。

国際的に見ても、強制的な労働の中には、軍務的な役務は含まれないと国際人権規約に書いてあります。徴兵を苦役と考えている国は、私の知る限りありません。

私は、憲法で軍隊の存在が認められていないので、徴兵制も認められていないと考えています。つまり、徴兵制は9条違反ということです。また、現実問題として考えても、仮に改憲したとしても、徴兵制を定めることはないでしょう。

今日の軍隊は極めてハイテク化しています。素人の国民を連れてきて、1年2年鍛えたところで、なんの役に立つというのでしょうか。かえって足手まといになります。いい加減なことを報道するのはやめてほしいですね。

[弁護士ドットコムニュース]

Posted by nob : 2015年07月16日 20:41

いかなる要因と経緯にかかわらず、とちらから宣戦布告しようとも、戦争それ自体が未来永劫にわたり無条件に回避すぺき巨悪の根源。。。

■<ノーベル平和賞>昨年に続き「憲法9条」が候補に

 主婦や元教員らでつくる市民団体「『憲法9条にノーベル平和賞を』実行委員会」(相模原市)が15日、東京・永田町の参院議員会館で記者会見し、ノルウェー・ノーベル委員会から先月、平和賞候補に選ばれたと発表した。受賞を逃した昨年に続き2度目。

 会見は集団的自衛権の行使などが可能となる安全保障関連法案の国会審議が続く中で行われた。実行委員の主婦、鷹巣(たかす)直美さんは「憲法にとって危機的な状況だが、みんなで声を上げ続ければ、現実が9条に近づくと信じる」と話した。

 ノーベル委員会への推薦人には今年から超党派の国会議員61人が名を連ねる。平和賞推薦の署名は54万筆以上。受賞対象は昨年同様「憲法9条を保持している日本国民」としている。【川上晃弘】

[毎日新聞]


■<安保関連法案>「国民が問題あると気づいて…」長谷部氏

 先月4日の衆院憲法審査会で、自民党推薦の参考人として安全保障関連法案を違憲だと指摘した憲法学者の長谷部恭男氏(早稲田大大学院教授)が、毎日新聞のインタビューに応じた。「立憲主義の危機が深まった」と安倍政権を批判する一方で、「国民が法案に問題があると気づき始めている。悲観するのはまだ早い」と、今後の国会審議への期待感も語った。【聞き手・川崎桂吾】

 <自民党推薦の参考人でありながら、法案に「ノー」を突きつけて反響を呼び、国民の関心を高めた。「潮目が変わった」とも言われている>

 私はずっと前から、集団的自衛権は違憲である、と言い続けてきました。あの場でも同じ主張を繰り返しただけです。参考人として呼ばれた際、自民の推薦とは知らされておらず、正直、あんな騒ぎになるとは予想していませんでした。

 もともと国民の間に「こんな法案を通していいのか」という違和感、エネルギーがたまっていた。そこへ私や他の先生方の指摘があって、「やっぱりそうなのか」と人々が納得したということだと思います。背景があったということです。

 <安倍政権をどう評価すべきか>

 政権の存在自体が、立憲主義を脅かしているのではないでしょうか。政治権力が好き勝手に振る舞えないよう憲法で拘束する、というのが立憲主義の最低限の要請です。安倍政権は憲法改正の要件を緩和しようとし、人事権を振りかざし、違憲かどうかのチェック機能を担ってきた内閣法制局を言いなりにさせようとした。つまり、憲法の拘束を外そうという試みです。立憲主義への攻撃と言っていい。その結果、明らかに憲法違反である安保法案が出てきたわけです。

 <長谷部さんの指摘後、自民党内から「人選を誤った」との声が上がった>

 私の考えは新聞にも掲載されていますが、読んでおられないのでしょうね。一連の経緯で印象に残っているのは、「砂川判決」を集団的自衛権が合憲であることの根拠として主張し始めたことです。

 <砂川事件最高裁判決(1959年)は、日本が主権国家として固有の自衛権を持つことを認めた。これを前提に政府は72年「(個別的自衛権は認められても)他国への武力攻撃を阻止する集団的自衛権は憲法違反で認められない」との見解を示した。だが安倍政権は合憲とした>

 全くでたらめな議論です。政府も合憲の根拠付けに困っているのでしょう。

 <今回の強行採決については>

 立憲主義の危機が新たな段階に入った。憲法が無視されるということは、その時々の政権の都合で憲法の意味がくるくる変わるということです。

 極端な例ですが、安倍政権の閣僚も徴兵制は違憲だと今は言っていますが、これもどうなるか分からない。安保法制が成立し、自衛官のリスクが高まれば成り手は少なくなるでしょう。

 <安全保障についてどう考えるか>

 国民の生命や財産に加え、その国のあり方を守ることも安全保障です。国のあり方を左右するのは憲法です。日本国憲法は、さまざまな価値観を抱く人々が、それでもフェアに社会生活の便宜とコストを分かち合える枠組みを提供しています。そんな憲法を壊して安保法案を成立させようとするのは、本末転倒ではないでしょうか。

 ◇はせべ・やすお

 1956年、広島市生まれ。東京大学法学部卒業。著書に「憲法と平和を問いなおす」「憲法とは何か」など。

[毎日新聞]


■「戦争の実情分かってない」=元自衛官、シンポで講演―東京

 安全保障関連法案に反対するシンポジウムが都内で開かれ、元自衛官の井筒高雄さん(45)が講演、「政府は戦争についてのリアルな認識がない」と訴えた。日弁連が主催、井筒さんら7人が登壇し、約300人が参加した。

 井筒さんは陸上自衛隊のレンジャー部隊に所属していたが、1992年の国連平和維持活動(PKO)協力法成立を機に、翌年「海外派兵は契約違反だ」と依願退職。現在は集会で講演するなどの活動を続けている。

 井筒さんは、レンジャー隊員の経験を披露。「自衛隊は専守防衛の戦略しか持ち合わせていない。アフガン戦争などでは後方支援の部隊の犠牲の方が大きく、危険なんだ」と強調。その上で「戦争の実情が分かっていない安倍(晋三)首相の言うように自衛隊を運用すれば、小隊は全滅する」と断言した。

[時事通信社/JIJI PRESS]


■<安保法案>理解得られず、任務果たせぬ 元イラク派遣隊員

 政府が15日に衆院特別委での採決に踏み切った安全保障関連法案。自衛隊の活動範囲は今まで以上に拡大され、武器使用など危険な場面も予想される。イラク派遣の経験を持つ50代の元陸上自衛官は「任務に向かう隊員の気持ちの支えは、国民の支持。国民の多くの理解が得られない中での採決は、新たな任務を課される隊員のことを思うと残念」と話す。

 中学卒業後、入隊し、近畿や北海道の駐屯地で約40年間勤務した。陸上自衛隊は2004〜06年、人道復興支援活動として、隊員をイラクに派遣。元自衛官もその一員に加わった。世論は賛否で二分され、日本を出発する空港に向かうバスの車窓から「派兵反対」のプラカードが見えた。当時階級は3佐で多くの部下がいた。「国民の大多数は自衛隊を応援している」と言って隊員を励ましたが、内心は複雑だった。

 3カ月間、活動したイラク南部のサマワは「非戦闘地域」とされた。だが、元自衛官は「万が一、隊員が亡くなった場合にどう対処するか、部下と検討した」と明かす。「国際貢献をしているという充実感があった」。一方で、宿営地の近くに迫撃砲が撃ち込まれることもあった。帰国後に自殺した隊員もいた。元自衛官は「ストレスを感じていた隊員もいたかもしれない」と話す。

 今回の安保法案が成立すれば、自衛隊の活動範囲は広がる。隊員のリスクは増えるが、元自衛官は「たとえ危険な任務でも、それが国益にかなうなら、命をかけるのが自衛官の仕事だ」と指摘する。

 だが、そうした犠牲を払ってでも、新たな法整備が必要なのか。「政府の説明では、国民に理解は広がらないでしょう。政府の危機感が国民に伝わらない」

 多くの憲法学者が今回の法案を「違憲」と指摘したことも気にかかる。「集団的自衛権を認めるなら、やっぱり憲法を変えるしかないんでしょう。そもそも今の憲法で自衛隊は合憲なのか。時間を区切って強引にやる話じゃない」【遠藤孝康】

[毎日新聞]

Posted by nob : 2015年07月16日 20:17

一人一人の民意を結集すれば、必ずや流れは変えられる。。。

■<安保法案可決>若者たちが国会前で怒りの声「言うこと聞かせる番だ、俺たちが」

集団的自衛権の行使容認を盛り込んだ安保法案が7月15日、衆議院の平和安全特別委員会で、可決された。この日の夕方から、安保法案に反対する人たちが東京・永田町の国会周辺を埋め尽くした。

集まった人たちが「戦争法案絶対反対」「強行採決徹底糾弾」と怒りの声をあげる中、10代、20代の学生グループ「自由と民主主義のための学生緊急行動(SEALDs)」も声をあげた。

メンバーは国会前に仮設された壇上でマイクを握り、「安倍政権は民主主義を理解していない。徹底してノーといいたい。めっちゃ声だしていきましょう」と呼び掛けると、「イエー」「フー」と声があがった。

若者たちは「自由を守れ」「未来を守れ」「安倍はやめろ」「勝手に決めるな」「言うこと聞かせる番だ、俺たちが」「何か自民党、感じ悪いよね」などと声をあげた。

現場には社会学者の上野千鶴子さんも応援にかけつけ、「国会議員の主人は国民です」と政府の対応を批判した。

政治家も登壇し、共産党の志位和夫委員長は「若いみなさんがこの国の前途を考えていることを頼もしく思っています。安倍政権を倒そうじゃないですか」と呼び掛けた。社民党の吉田忠智党首も「憲法違反であることに変わりはありません。強く抗議していきましょう」と力を込めた。民主党の枝野幸男幹事長も「国民的な大きなうねりをつくってほしい」と語った。

●古賀茂明氏「30万人集まったら、流れが変わる」

デモを訪れていた元経産官僚の古賀茂明氏は弁護士ドットコムニュースの取材に対し、「SEALDsに期待している。国会じゃ数で負けるが、この運動を続けて30万人集まったら、流れを変えることができると思う」と話していた。

精神科医の香山リカさんも取材に対し、「解釈改憲と安保法制は、国民と学問を愚弄している」「若い世代が参加する抗議運動は素晴らしい。この熱気を保ち続けて、来年の参院選に影響があると思わせないといけない」と語っていた。

[弁護士ドットコムニュース]


■「民主主義って何なんだ」 強行採決に抗議、全国で

 この道はどこへ行き着くのか。ヤジと怒号の渦。しかし与党側からも高揚感の見えぬまま、安全保障関連法案が15日、衆院特別委員会で可決された。「民主主義って何なんだ」。抗議の意思を示そうと、人波が国会前へ向かい、その輪は各地に広がった。

 「9条守れ」「安倍政権の暴走とめろ」。

 衆院特別委員会での採決から6時間余り経った午後6時半、日中の暑さが残る国会正門前でこの日4回目の集会が始まった。仕事を終えたサラリーマンや親子連れなど、様々な世代の約2万5千人(主催者発表)が数百メートルにわたって歩道を埋め、声を上げた。

 訴えは午後11時半まで続いた。雨が降るなか、傘もささずにいた京都市の大学院生藤井美保さん(24)は「きょう行かないと後悔すると思って来た。反対の声を国会に届けたかったから」と話した。集会は3度目という大学院生の女性(22)は「きょうの雰囲気はこれまでと全然違う。参加者も増えた」。

 東京都大田区の警備員半沢英雄さん(68)は、40代の娘夫婦と小学生の孫の3世代でやってきた。デモにそろって参加するのは初めて。抗議する人たちの姿を、子や孫たちとともに目に焼き付けたいと、連絡を取り合って駆けつけた。「今まで生きてきた中で、政治が一番危うい。何か行動しなくてはと思った」

 集会は、国会周辺で五月雨式に続いた。午後7時半からは学生団体「SEALDs(シールズ)」が開催。授業後、友人2人を誘って来た都内の大学3年生木村茜(あかね)さん(21)は、「強行採決反対」と書かれたプラカードを掲げ、声を上げ続けた。「大学でも、安倍政権のやり方はおかしいと思っている友人は多い。民意を無視しているようにしか見えない」

 今回の審議を見ていて、次の選挙には必ず行こうと決めた。「若者だって、政治に無関心ではないというメッセージを伝えたい」と話した。

 正門そばの演台では、学者や作家、若者、野党幹部らが代わる代わるマイクを握った。13日の中央公聴会で意見を述べた山口二郎・法政大教授(政治学)は「(公聴会での意見を)その後の審議にどう反映させたのか。政治が劣化し、民主主義が脅かされる。危機感を持って闘い抜く」と訴えた。

 抗議の動きは、各地でも起きた。

 広島市中区の原爆ドーム前。午後2時ごろから、市民ら約130人が「抗議! 戦争法の強行採決を許さん!」という横断幕を掲げて座り込んだ。祖父母が被爆者という会社員石本直(なお)さん(28)=広島市東区=は「戦争は過去のものだと思っていたが、最近は状況が変わってきて怖い」と話した。

 安倍晋三首相の地元、山口県下関市の首相の事務所前では、市民ら約40人が抗議した。神父の林尚志さん(80)は「安倍首相は法案の必要性を国民に説明しきっていない。強行採決はやり方が未熟だ」と批判した。

 熊本市中央区の辛島公園での座り込みに、平村和子さん(44)は3歳の長女を連れ、勇気を出し、参加した。「SNSで法案のことを拡散したり、知人に話したり、できることをしていきたい」。26日は東京・渋谷で開かれるママの会のデモに参加するつもりだという。

[朝日新聞]


■「憲法を壊すな」「廃案へ戦うぞ」  安保法案強行採決 高崎市で抗議集会

 衆院特別委員会で十五日、他国を武力で守る集団的自衛権の行使容認を柱とする安全保障関連法案が与党単独で強行採決がされたことを受け、市民らによる抗議集会がJR高崎駅前であった。約七十人が「米国の戦争に日本を巻き込む法律で憲法を壊すな」「群馬から廃案に向けて戦うぞ」とシュプレヒコールを上げた。 (川田篤志)

 民主と社民両党、県内労組などでつくる団体「戦争をさせない1000人委員会・群馬」が企画した。強行採決に抗議するチラシ五百枚を駅利用者らに配り、代表者が演説して反対運動への協力を求めた。

 マイクを握った団体共同代表の一人の角田義一元参院議員は「違憲とされる法案を数の力で押し切った」と批判。法案が成立すれば、米国による戦争に日本が加担するリスクが高まると指摘し、「日本が戦争をする直前にあるが、今ならまだ止められる。国民の力によってつぶそう」と声を張り上げた。

 ほかの演説者も「戦後七十年目にして戦争の道に進むことを何としても阻止しないといけない」「県選出の歴代首相が守ってきた専守防衛を破るもの。自衛隊が海外派兵されれば隊員の命を危うくし、日本がテロにさらされる危険が高まる」などと次々と主張した。

[東京新聞]


■<安保法案>54議会、廃案などの意見書可決

 安倍政権が来週中の衆院通過を目指す安全保障関連法案をめぐり、東北6県の県議会と市町村議会のうち少なくとも54議会が、廃案や徹底審議などを求める意見書・請願を6月定例会や臨時会で可決、採択したことが10日、分かった。秋田県議会は唯一、法案の早期成立を求める意見書を可決した。

 東北の各議会の審議状況は表の通り。岩手県議会は8日、都道府県議会で初めて廃案を求める意見書を賛成多数で可決。「集団的自衛権の行使容認が前提であり、武力行使の一体化につながりかねない」と批判した。

 これに対し9日、長崎県議会とともに全国初となる早期成立を求める意見書を可決した秋田県議会は、「切れ目のない安全保障体制を構築する必要がある」との文言を盛り込んだ。

 青森、宮城、山形、福島の4県議会は廃案や徹底審議を求める意見書、請願を審議したが、いずれも否決か継続審査となった。

 市町村議会は6県の計227議会のうち101議会で審議された。青森では県労連提出の意見書を5町村が可決。岩手は10市町が廃案を訴える意見書、3市村が慎重審議を求める意見書を可決した。秋田は3市町が法案反対の意見書を可決、1市は同趣旨の請願が継続審査となった。

 宮城は8市町、山形は7市町が意見書を可決。徹底審議は可決したが、廃案は否決した議会もあり、意見書の内容によって判断は分かれた。福島は17市町村で可決、採択となった。

[河北新報社]


■<女性弁護士>安保関連法案に反対…140人ズラリ大集合

 ◇集会のゲストはこの人、小林節・慶応大名誉教授

 国会審議中の安全保障関連法案に反対する女性弁護士たちが10日、「women Love peace〜集団的自衛権にNO! 女性弁護士101人大集合」(東京の3弁護士会主催)と銘打ち、東京・有楽町で街頭宣伝して「法案は憲法違反だ」と訴えた。

 街頭宣伝に先立ち東京・霞が関の弁護士会館で開かれた集会には、女性弁護士約140人が参加した。ゲスト参加した小林節・慶応大名誉教授は、今回のタイトルのヒントになったディズニーアニメ映画「101匹わんちゃん」での犬たちの活躍を引き合いに、「先生方は訴訟だって勝とうと思ってやっている。負けて言い訳は嫌ですよね。今回は勝ちたいと思います」と呼びかけた。【和田武士】

[毎日新聞]

Posted by nob : 2015年07月16日 20:04

原発推進、沖縄普天間、安保法案強行採決etc.、民意に背を向け続け、すべての政策が姑息さに満ちた現政権、、、それを看過し続けるのは、覚悟を持てない私たち国民一人一人。。。

■集団的自衛権、安倍流「普通の国」とは、どんな国か
大前研一の日本のカラクリ

日本の若者の血が流れても厭わない

安倍晋三首相の私的諮問機関である「安全保障の法的基盤の再構築に関する懇談会(安保法制懇)」が集団的自衛権の行使容認を求める報告書を提出、これを受けて安倍首相は5月15日に記者会見し、「国民の命と暮らしを守るための法整備が、これまでの憲法解釈のままで十分にできるのか、さらなる検討が必要」と集団的自衛権の行使容認に向けた検討をさらに進める姿勢を強調した。与党にも協議を呼びかけ、必要があれば閣議決定で憲法解釈を変更する考えを示した。

もともと安倍首相は憲法改正によって集団的自衛権の行使容認を実現しようと目論んでいて、そのための地ならしが国民投票法だった。しかしながら、安倍首相は、国民投票法案を通す過程で改憲の厳しさを痛感したため、路線を切り替えて、憲法解釈によって集団的自衛権の行使容認を目指したのである。

ちなみに安保法制懇は第一次安倍政権時代の2007年に首相の肝煎りで設置された機関で、座長の柳井俊二元外務事務次官以下、メンバー全員が集団的自衛権の行使容認派だ。つまり、今回提出された安保法制懇の報告書というのは安倍首相の思想を慮って作り込まれたものであって、安保法制懇の提言自体には何の哲学もない。現行の憲法九条の下でも集団的自衛権の行使は許される、という首相の“御意”に沿った結論を出したものに過ぎないのだ。

安保法制懇の報告書を「政府の考え方とまったくイコールではない」と安倍首相は弁明しているが、そのあたりは阿吽の呼吸で、要するに子飼いの安保法制懇の提言を梃子に、集団的自衛権の行使容認に向けた議論を前に進める腹づもりだろう。しかも憲法解釈を変更する必要があれば閣議決定で行えばいいという、これまた姑息なやり方だ。

憲法解釈の変更だけで集団的自衛権の行使を容認してよいのかどうか、連立を組む公明党のみならず、自民党の中にも反対意見が存在する。本来なら、国会の場で与野党交えて議論を尽くすべき重要なテーマだ。それをたまたま安倍首相に任命された閣僚だけで決定していいものか。閣議決定となれば、自民党内の反対派も手が出せない。

尖閣諸島の帰属をめぐって揉めることになった理由の一つは、日清戦争の最中の1895年に尖閣諸島を閣議決定で日本に編入したことにある。しかし、日本の閣議で決まったことなど世界の国々は知らない。本来、議会で決議するなり、国際法に照らして法律を整備するなり、きちんとした議論の場を経て日本国の総意として、世界に発信する形を取るべきものなのだ。

防衛費を1%以内で経済成長に特化

憲法解釈の変更によって日本の集団的自衛権が解禁されることに対して、アメリカのへーゲル国防長官は歓迎の意を表明した。キャロライン・ケネディ駐日大使も憲法解釈の見直しを評価し、来日したオバマ大統領も安倍政権の取り組みを支持すると明言した。

当然だろう。集団的自衛権の行使容認は、もともとアメリカが軍事負担の軽減を求めて、日本に応分の負担をしてほしい、と強く要請してきたことである。安倍首相はそれをハッキリと言えばいいのだ。

戦後日本の安全保障はアメリカに大変お世話になってきた。アメリカのおかげで防衛費をGDPの1%以内に抑えることができ、経済成長に特化できた。冷戦を首尾よく切り抜け、台頭する中国と張り合っていられるのもアメリカのおかげ。しかし、そのアメリカもだんだん国力が弱まって、国防予算をかけられなくなってきた。従って今後は日本も応分の負担をしていく。在日米軍に対する思いやり予算のような形ではなく、もっと積極的に、と。

金銭的負担ばかりではなく、「boots on the ground(地上のブーツ:比喩で派兵)」で人的な貢献もしていく。時に日本の若者の血が流れることがあるかもしれないが、それも厭わない。我々はそういう決断をしなければならない――と。

集団的自衛権の議論が迷走しているのは、「アメリカの負担を減らすための集団的自衛権を今年中に日米ガイドライン見直しに盛り込みたい」という本音を政府が押し隠して、「普通の国になるための集団的自衛権」という建前に終始しているからである。アメリカからどういう要望がくるかわからないので、いろいろなケースを想定しているうちに、「地球の裏側までいくのか」「グレーゾーンはどうする?」などとわかりにくい抽象論にはまり込んで、議論が空転してしまっているのだ。

「アメリカの負担を減らすための集団的自衛権」という前提なら、アメリカの具体的な要望に沿って集団的自衛権を行使できるかどうかをその都度議会で議論すればいいのだ。安倍首相がそう腹を決めれば、いま15ものケースを並べ立てるなど無駄な議論をしなくて済む。

しかし、安倍首相としてはそれはやりたくない。なぜなら、「それならば湾岸戦争のときに、集団的自衛権の行使容認を閣議決定していたら、あなたは自衛隊を派遣したんですか?」と問われるからだ。「集団的自衛権が行使できるとしたら、イラク戦争やアフガン戦争に自衛隊を出したのか?」と具体的に聞かれたら安倍首相は答えに窮してしまうだろう。

野党にIQがあれば、そういう質問をしているはずだ。イラク戦争もアフガン戦争も何の大義名分もない戦争だった。あんな無意味な戦争でも、アメリカに頼まれたら自衛隊を出すのか――。安倍首相としては過去の事例を引き合いに出されて、集団的自衛権の定義を迫られるのが一番困ることだからだ。

韓国はベトナム戦争で犠牲者5000人

続いて議論しなければいけないのは、国連の平和維持活動(PKO)との兼ね合いである。現行のPKO協力法では自衛隊に許されるのは後方支援だけで、武力行使はできないことになっている。集団的自衛権が解禁された場合、自衛隊はどこまでPKOに従事できるのか。

これも過去の事例からエグザンプルを挙げて問い詰めるのが効果的。私ならこのように質問する。

「安倍さんが頭の中に描いている普通の国とは、どこの国ですか? 韓国ですか?」

過去10年のPKOを振り返っただけでもソマリア、アンゴラ、西サハラ、東ティモール、レバノン、ハイチ、アフガニスタンなど10回以上実施されているが、アジア太平洋地域でPKOに積極的なのが韓国とオーストラリアだ。韓国は現国連事務総長を出していることもあって熱心だが、東ティモールでは5 人、アフガンでは3人の死者を出している。もっと言えば、韓国はベトナム戦争に最大5万人派遣して約5000人(10%)の犠牲者を出しているのだ。

「5000人の犠牲者を出すのが普通の国か?」と安倍首相を攻めれば、「いやいや、韓国は特殊な国だ」と絶対に言い始めるはずだ。

ではオーストラリアはどうか。オーストラリアはほとんどのPKOに派遣しているし、多国籍軍にも率先して参加している。オーストラリアのジョン・ハワード元首相とイギリスのトニー・ブレア元首相は「ブッシュのポチ」と呼び称されたほどだ。

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恐らく安倍首相は「オーストラリアも違う」と言うだろう。同様にPKOに積極的に参加しているイギリス、フランス、ポーランドなども決して、「普通の国」などではない。同じ敗戦国のドイツにしてもアフガンで54人の犠牲者を出している。実際、アメリカに要請されてアフガニスタンに派兵した国は14カ国になるが全ての国が2桁以上の戦死者を出している(表参照)。日本が「普通の国」ではなかったことの幸せをこの表を見ながら感じてもらいたい。

エグザンプルを挙げていくと、結局、安倍首相は答えられなくなる。最終的には「普通の国ではあるが過去に事例はない」と認めざるをえなくなるのだ。つまり、安倍首相の言う普通の国とは「安倍首相の御意のままにアメリカ軍に協力する“特殊な国”」ということになるだろう。

国民の目の前できちんと議論せよ

東ティモールのPKOは東ティモールの独立を阻止しようとするインドネシアを抑える目的でスタートした。もし日本が東ティモールに自衛隊を派遣していたら、ASEANの盟主にして日本の最大の友人であるインドネシアと戦うことになったのだ。東ティモールのPKOはアメリカではなく、インドネシアと仲の悪いオーストラリアの要請によるものだった。集団的自衛権に基づいて国連PKOに参加しようというのなら、アメリカではない盟友に協力する、というケースもありうる。

一方でベトナムと中国の関係がキナ臭い。ベトナムには多くの日本企業が進出しているし、そこで働く邦人も多い。日本の国益そのものだ。ベトナムと中国の間で戦争が起こり、友好国ベトナムから要請があった場合、日本は自衛隊を派遣するのか。

憲法解釈の変更で認められる集団的自衛権とはどこまでを言うのか。閣議決定で押し通そうというのなら、安倍首相はこれを定義する義務があるだろう。私自身は集団的自衛権の行使容認に反対でも賛成でもない。どちらでもいいが、ここで一度決着をつけるべきだと思っている。

大事なのは国民の目の前できちんと議論をすること。野党や反対派は私が上記に提起したような論法で安倍首相を攻め、政府が目指している「普通の国」を定義させるべきだろう。

ありもしない事態を想定して、「そのケースは含まれる」「含まれない」などと政治家と役人が決めていくことではない。これまで、世界の国々がどれだけ多くの血と汗を流して「普通の国」をつくり上げてきたか。この議論を通じて、過去50年の諸外国の経験を学んでほしい。

朝日新聞的な戦後民主主義というものが、いかに日本人の目を現実から逸らしてきたか。そのことに少しでも早く気付いて、世界にキャッチアップしてもらいたい。


■沖縄から基地がなくならない隠された理由
大前研一の日本のカラクリ

国相手の裁判になったら沖縄に勝ち目はない

沖縄県の米軍普天間基地(宜野湾市)を辺野古(名護市)に移設する問題をめぐって、政府と沖縄県の対立が深まっている。昨年11月の知事選で、辺野古沖の埋め立て申請を承認した現職の仲井眞弘多氏が敗れ、辺野古移設反対派が全面支援した翁長雄志氏が当選した。続く12月の衆院選では県内4つの小選挙区すべてで移設反対派の候補が勝利、自民党候補は比例区での復活当選に回ることになった。

しかし永田町に就任挨拶に訪れた翁長知事は安倍晋三首相以下、主要閣僚から面談を拒まれ、さらには財政難を理由に2015年度の沖縄振興予算が減額されるなど、辺野古への移設作業が進まない沖縄に対して政府は圧力を強めてきた。3月には辺野古沖の海底ボーリング調査を再開、夏に着工予定の本体工事に向けた動きを加速させている。

一方、第三者委員会による埋め立て承認手続きの検証が終わるまでボーリング調査を行わないように政府に要請していた翁長知事はこれに強く反発。ボーリング調査のために投入したコンクリートブロックがサンゴ礁を破壊した可能性が高いとして、現場調査の名目で移設作業を停止するように防衛省沖縄防衛局に指示。従わない場合、移設作業の前提になる「岩礁破砕許可」(昨年8月に仲井眞前知事が認可)を取り消す考えまで示した。

すると今度は防衛省が「停止指示は不当」として、関連法を所管する農林水産大臣に(行政不服審査法に基づく)審査請求を行い、併せて審査結果が出るまでの間、県の指示の効力をストップするための「執行停止」を申し立てた。これを受けて、林芳正農水相は暫定的に県の停止命令の効力を停止する決定を下した。翁長知事の停止命令が正式に無効かどうか、引き続き農水省が審査して裁定を下すことになるが、政府の意向を踏まえた裁決になる可能性が高い。

その場合、翁長知事サイドが移設工事を止める手立ては、裁決の取り消しや工事の差し止めを求める訴訟を起こすぐらいしかない(審査請求が棄却された場合、逆に防衛省が岩礁破砕許可取り消しの無効確認を求める行政訴訟を起こすこともありうる)。だが、国相手の裁判になったら沖縄県に勝ち目はない。そもそも辺野古移設は国の安全保障や外交に絡んだ国政案件であって、憲法第8章(地方自治)にもあるように(沖縄)県は国から委託された種々の事務作業を行っているに過ぎない。一地方自治体の一首長の判断で右から左には動かせない。翁長知事もそれは重々承知していると思う。

12年、垂直離着陸輸送機オスプレイを普天間基地に配備する問題が起きたときも、沖縄の反発は大きかった。しかし、結局は普天間基地にオスプレイは配備された。スピードは従来の輸送ヘリの2倍、航続距離は5倍のオスプレイは今や引く手あまたで米軍全軍に配備され、自衛隊も購入を決めたほどだ。オスプレイなら尖閣諸島まで簡単に行って帰ってこられる。つまり尖閣問題がこじれるほど普天間基地に配備されたオスプレイが抑止力になる(と勝手に勘違いする)のだ。小泉純一郎元首相の頃に合意された日米ガイドラインでは、日本周辺の島嶼部分は日本の担当となっているので、海兵隊に期待することはできない(ハズな)のである。一方、アメリカは尖閣が日米安保条約の対象となっている、とも言っている。対象ではあるが、担当は「おまえだ!」ということらしい。最近の集団的自衛権の解釈では、米軍の指揮のもとに日本も世界中に出かける、ということらしいので、今やこうした議論はあまり重要ではないのかもしれない。

辺野古移設問題にしても行き着く先は同じだ。政府と沖縄の溝がどれだけ深まっても翁長知事は、あるいは他の知事に代わったところで、最終的には辺野古移設を承認する。

膨れ上がる中国の脅威に真っ先に晒されるのは尖閣であり、沖縄だ。その抑止力になっているのが米軍基地であり、特に攻撃能力の高い海兵隊の存在である。仮に尖閣を奪われた場合、今の自衛隊ではとても奪い返せない。それができるのは上陸作戦が得意な米海兵隊。その拠点が普天間基地、という見立てなのだ。これがどのくらい信憑性がある筋書きなのか、あるいは軍事に疎い人間の錯覚なのか、明確には説明されていない。

実は06年の在日米軍の再編をめぐる日米合意で、普天間基地の辺野古移設を条件に、海兵隊の一部(沖縄駐留海兵隊約1万3000人のうち、8000 人とその家族9000人)を14年までにグアムに移転することが決まっていた。しかし尖閣問題の緊迫化もあって、海兵隊の重要性を再認識した日本側が残留を望んだために、グアム移転が遅れた、と言われている。一方、前述のように同じ頃に締結された日米ガイドラインによると「島嶼部分」は日本の担当、となっている。尖閣が攻撃された場合に米軍に頼ることはできないはずであり、尖閣が占領されたとしても海兵隊が出撃して取り返してくれる、という筋書きにはなっていない。だから辺野古に普天間の代替基地をつくり海兵隊に残ってもらいたい、というのは誰の希望なのか、が明らかではない。米軍は海兵隊をグアムまで後退させる、という独自の展開を当初から想定していたわけで、辺野古に移転して一部を沖縄に残留させる、というのは(沖縄県の要望でないのなら)日本政府の意味不明の筋書きだ。

翁長知事や名護市の稲嶺進市長は辺野古移設を否定しているが、当の辺野古では受け入れ容認派が多い。漁業者とも補償金で手打ちが済み、沖縄防衛局は名護漁業協同組合と総額36億円の漁業補償契約を結んだと報じられている。

沖縄の産業振興、雇用創出に役立つ解を

沖縄の基地問題は日本のカラクリの最たるものだ。基地問題で沖縄が炎上を繰り返す根本的な理由は、沖縄返還の真実を政府が国民に説明してこなかったことにある。72年の沖縄返還に際して、アメリカ政府は「軍政がこれまで通りなら、民政については返還する」という条件を出した。だが、そのことを時の自民党政府は国民に一切説明せずに、「我々が沖縄を取り戻した」と返還の手柄だけをアピールした。軍政が残された以上、米軍が沖縄の基地に核を持ち込もうが、貯蔵しようが、日本政府は文句を言えない。

アメリカは「民政は返してやったけど、軍政は自分たちの権利」と考えているから、日本の防衛とは直接関係のないベトナム戦争や湾岸戦争にも沖縄の米軍基地を使ってきた。当然、オスプレイの配備を日本政府に相談する理由はないし、「普天間基地が危ないというなら辺野古でもどこでも、さっさと代替施設を用意しろ。それから移転経費はおまえたちが払え」というのがアメリカの言い分。好きなように使えて、思いやり予算で駐留経費の面倒まで日本が見てくれるのだから、こんなに条件のいい在外基地はない。

一方、「民政だけ返す」という日米両政府の密約について、日本政府は国民に対して口をつぐんできた。代わりに、先の大戦で唯一の地上戦の地となったための戦禍や戦後長らく米軍の施政下に置かれた歴史的事情、さらにわずか0.6%という狭い国土に在日米軍基地の約70%が集中する基地負担の重さなどを理由に、政府は沖縄振興特別措置法(12年4月に22年まで延長する改正法を施行)を制定して、これに基づいて莫大な補助金や助成金を沖縄に投じてきた。 72年の本土復帰から40年以上続いてきた沖縄振興予算の総額は10兆円超。だが、そのほとんどが公共事業に費やされて、沖縄の産業振興、雇用創出には役立ってこなかった。また沖縄県民も補助金に甘えてまともに産業振興に取り組んでこなかった。振興予算以外にも軍用地代、各種税金の軽減措置など、さまざまな形で特別扱いを40年以上受け続けてきた。その結果、地場産業が育つこともなく、県財政の約75%を補助金に頼る依存体質が染みついてしまった。

25年ほど前、私は「ユイマールビジョン」という沖縄の経済的外交的自立ビジョンを提起した。当時は沖縄の政財界も盛り上がったが、補助金漬けで麻痺した今の沖縄には気概の欠片も感じられない。補助金と基地で働く人々の給料を入れても、県民1人当たりGDPは断トツ最下位。そんな沖縄から米軍基地がなくなれば、どうやって食べていくのか。辺野古移設問題はそういう前提に立ち、政府も、沖縄の人々も理性的かつ現実的な解を見つけるしかない。


[いずれもPRESIDENT Online]

Posted by nob : 2015年07月16日 17:44

また旅立つ君へVol.101/それまでの仕事すべての人間関係を断ち切ってしまうことで、切っても切れない真の絆が自ずと明らかになる。。。

■人間関係を「断捨離」するススメ。昔の友だちに執着してはいけない、6つのワケ

藤井紗良

世の中には、さまざまな「別れ」があります。相手が恋人でも、友だちでも、家族でも、それはとてもつらいもの。

私たちは、友だちを選ぶとき相手がどういう人でどういうことをしているか考えながら選びます。そして手間ひまをかけて友情をはぐくんだ分、その関係は長く続いてほしいと当然ながら思います。友情が終わるのを、恋人との別れよりももっとつらいと感じる人もいますし、なんだか「恥ずかしいこと」のようにとらえる人もいます。

しかしなぜ、カップルが別れるのは不思議だと思わないのに、友だちと別れるとなると、恥のように考えたりするのでしょうか?

友情が終わるのは、恥ずかしいことではありません。それはごく自然なことで、避けられないものでもあります。カップルが別れるように、タイミングによって友だちとも別れた方がよい6つのワケをご紹介します。

01.
環境が変われば
求めるものも変わる

人として成長し、変化して成熟していくと、だんだんとそれまでとは違う方向を向いて生きていくようになります。

同じ学校へ通い、同じ授業を受け、同じことで笑いあっていた友だちとは、一つ、また一つと共通点が減っていきます。

お互いの価値観も少しずつ異なっていきます。もしも何も共通点がなく、一緒に楽しめることがなかったら、今までのように友だちでいる必要はあるのでしょうか?

02.
あなたを取り巻く人間関係は、
友だちだけじゃなくなる

私たちには仕事場や、家庭、または恋人同士など、さまざまな人間関係があります。コミュニティが増えるにつれて、人間関係も複雑になっていきます。それは、自分を成長させてくれます。

その中で、昔の友だちのためにいつも立ち止まっていては、身動きが取れなくなってしまい、自分がなりたいと思う人になることができません。時に昔からの友だちは足かせになることもあるのです。何もメリットを与えない人間関係にしがみついている必要はないのです。

03.
価値のない人間関係に構っていられるほど
ヒマじゃない

悲しい現実ですが、年齢を重ねるにつれて、人間関係にさいていられる時間は少なくなっていきます。仕事に家族との時間がどんどん増えていくからです。でも、親友とドライブしたり、食事を楽しみたいという気持ちはまだ持ち合わせているものです。しかしその時間も限られたものになっているはず。

人生は30,000日ほどしかありません。昔の友人だけにこだわるよりも、今目の前にある人間関係に時間と余力を使うほうが面白く特別なもになるかもしれません。

04.
魅力を感じられない人と一緒にいるくらいなら、一人でいたほうが良い

旅に出て、もしも自分よりすぐれた者か、または自分にひとしい者にであわなかったら、むしろきっぱりと独りで行け。愚かな者を道連れにしてはならぬ。 仏陀の名言

若い頃は、一人でいるのをなるべく避けたりしていたものでした。一人でもんもんと考え込んでしまうような時間は過ごしたくなかったのです。大人になった今は、一人の時間を楽しむことができます。一人で考えごとにふける時間が癒しの時間だったりします。

魅力を感じられなくなった相手と過ごすよりも、一人で気ままに自分の時間を過ごした方が、より健康的な人生を送れると言えるでしょう。

05.
プライドを満足させるためだけの、
お飾りの友だちはいらないから

昔は、友人がたくさんいればいるほど、自分の価値が上がるように感じられたものでした。Facebookの友だちの数が重要だと思っていました。投稿のいいね!の数が気になっていました。でも今では、友だちの数で評判が左右されることはありません。また、一人で過ごす時も、友人といる時と同じくらい自信を持てるようになったはずです。

06.
心の余地をつくるために、
人間関係を整理すべきだから

モノが多いとどこに何があるのかわからなくなってしまいます。同時に友だちの数が増えてくると誰がどこで、何をしているのか?どんどん分からなくなってしまいます。

昔の友だちと仲良くしないといけないという執着を捨てて、「心の余地」をつくりスッキリしましょう。新しい価値観を吸収して、いままでにない人間関係を作るには、心に余裕を持つことが必要です。よりよい人生を送るために、いらない人間関係を切ってしまうのは、何も悪いことではないのです。

友だちと別れて、
新しい自分を発見しよう

最後に、アイデアは移動距離に比例すると言われたりします。移動することで今までに触れたことのない新しいコトやモノに触れて自分の考えていなかったことや五感を刺激してくれるからです。だからこそ、新しい場所に移動することは大切なのです。

新しい友だちや今までにいったことのないコミュニティに参加する事も同じことが言えるでしょう。今までと同じところにいるのではなく、新しいコミュニティや友だちに触れることで今までにない新しい自分を発見することもできるのです。

いままでの友だちに執着せず、断捨離してみてはいかがでしょう?

[TABI LABO]

Posted by nob : 2015年07月03日 16:54

また旅立つ君へVol.100/時間をかけてよく知ることで愛せるようになるのは自分自身だけ。。。

好きになるのに一秒もいらない

[スズキ/アルトCM]

Posted by nob : 2015年07月01日 19:03

また旅立つ君へVol.99/人生は終わりのない旅

何を持っていくかではなく

何を置いていくかだ

荷物が多過ぎれば歩き続けられない

Posted by nob : 2015年07月01日 18:57

まずは食生活改善と適度な運動から、、、ドローイン、私もお勧めします。さらに捻りを加えれば完璧です。。。

■産後のお腹のたるみを解消!家事をしながらキュッと引き締める方法

大野えりか
コスメ薬事法管理者/美容ライター

引き締まったウエストと腰にかけて美しい曲線を描くくびれは女性らしさの象徴といっても過言ではありません。しかし、産後を期に体型が崩れてしまってからというもの「ぽっこりお腹」に悩まされている女性は多いのではないでしょうか。かくいう私も、産後のぽっこりお腹に悩まされた一人です。
そこで今回は女性らしい曲線美を叶えるべく、家事や買い物の最中でもできるお腹の引き締めテク「ドローイン」を紹介いたします。
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「ドローイン」ってご存知ですか?

ドローインはお腹をへこませた状態で行う腹式呼吸のことで、へこませた状態を数十秒間キープすることでインナーマッスルを鍛え、お腹がへこむ癖をつけることができることで知られています。また、呼吸の仕方に工夫を加えるだけなので、時間や場所も選ばず気軽に始めることができるのも魅力のひとつ。
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「ドローイン」の効果

息を吸ってお腹をへこませるとお腹の一番深層にある腹横筋を鍛えることができます。この腹横筋は「ウエスト」をつくる筋肉のため、ドローインを行うことでお腹まわりのサイズダウンが期待できるのです。
また、腹横筋が鍛えられてくるとカラダの軸となる「体幹」も自然と安定し、背中や腰の痛みを改善できるほか、基礎代謝が上がり1日の消費カロリーもアップすると言われています。
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「ドローイン」の呼吸法

ドローインには様々な呼吸法がありますが、ここでは基本をベースに、私が実際に行い効果のあった方法を紹介いたします。
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1:姿勢を正し、胸を張る。そして、お腹をへこませた状態でゆっくり、たくさんの息を吸い込む
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2:息を吐きながらさらにお腹をへこませる。このとき、お腹を背中側に引き寄せるようなイメージで
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3:息を吐ききりお腹もへこませきったら、お腹の状態をキープしたままゆっくりと息を吸う
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4:息を吐きながらさらにお腹をへこませる。息を吐くときはおへそから5〜8センチほど下を意識する
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5:お腹をへこませた状態をキープしながら10〜20秒ほど軽く呼吸を続ける。慣れてきたら30秒、40秒とへこませる時間を徐々に伸ばしていく
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これをお皿を洗っている時、テレビを見ている時、街中を歩いている時など、ふと思い出した時に行います。
また、基本とされるドローインには3と4の動きはないのですが、さらに引き締めを強めたいときに行うとお腹がプルプル震える感覚があり、腹横筋の強化を実感することができますよ。
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「ドローイン」の注意点とコツ

いつでもどこでもできると紹介したドローインですが、食後のお腹がいっぱいの状態ではへこませにくく、苦しさを感じてしまうため避けた方がよいでしょう。
また、ドローインを行うとどうしても呼吸が深くなってしまうため、電車の中など人が多いところでは人目が気になり恥ずかしさを感じることもあるでしょう。その場合はドローインではなく、「ただお腹をぐっとへこませる」だけでもお腹に意識を向けることが習慣化できるためオススメです。
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女性は「ながら作業」が得意といわれていますから、慣れてきたら意識せずとも続けることができるはず。みなさんも、ドローインで引き締まったウエストとくびれを手に入れてみませんか?

[暮らしニスタ]

Posted by nob : 2015年07月01日 18:49